凛-Lilith-

March 20 [Mon], 2017, 1:03
発表にあった通り、

Lilithは4月23日の上海公演をもって解散します。

日本公演が終わってから、ブログを何度も書こうとしたのですが、

出来ませんでした。

それは、解散のコメントについても同じことで・・・

なんと言えばいいのか分からずに。

Lilithは僕が一度諦めた夢を与えてくれたバンド、

そして一番長く続けることの出来たバンドです。

五年前、僕は上海へと渡りました。

前のバンドが解散して、Affective Synergyを始めて、
自分に言い聞かすように、無理をして音楽以外のことをするために日本を離れました。

バンドをしていない間はそれはそれで楽しいこともありましたが、
心の底から笑えることは、あまりありませんでした。

自分に嘘をついているのは分かっていたので・・・

そして、上海でV系に触れる機会を得てメンバーに出会って、

またこの道を歩き始めました。

上海にV系シーンはなかったです。

好きでやっていた人はいましたが、インディーズシーン自体がないので、

CDを出したり、定期的にライブしたり、そういう志を持つ人が少なかったです。

V系が好きな人に出会えた嬉しさの半面、どこか失望を覚えていました。

そんな中、Lilithのメンバーは光るものを持っていて、すごく才能を感じました。

いいバンドなのに、どういう風にバンドを運営するのか分かっていなかったので、僕は手伝いをする形で、よく交流をしていました。

僕も一人でASをやっていたので、そのヘルプもしてもらえたら嬉しいなっていうくらいの軽い気持ちで。

間もなく僕はLilithに加入することとなり、2012年11月3日にデモンストレーションライブを行いました。

Lilithのお客さんは3人くらいだったと思います。笑

でもそんなの気にならないくらい、とにかく楽しかったです。

日本でバンドをやっていた時、いつか中国でライブをしたいなっていう夢を持っていました。

かっこいい音楽を中国語で聴きたいなっていう単純な思い。

中国の音楽はバラード主体で美しい曲がいっぱいあって、とても素晴らしいです。

アップテンポな曲や、激しい曲がなく、もっとロックな曲があってもいいなと思っていました。

そういうことをメンバーも思っていて、とにかく曲を作ってデモを録って、リハをしての繰り返しでした。

最初に入ったスタジオなんてびっくりするくらいのボロさで、笑

湿気もすごいし、ホコリもやばいし、機材も古いし、でもそんな過酷な環境で一生懸命やっているメンバーを始め、中国のプレイヤーたちに尊敬を覚えました。

機材もなかったのでコンパクトエフェクターとスタジオにあるアンプで音を作って・・・

日本でやっていた時は変にこだわりがあったり、どこかかっこつけていた自分がいたのです

が、だんだんフラットになっていって、ただただ楽しかったです。

それから、イベントがないか探し回り、何度かライブをして、初ワンマンを決めました。

チケットの制作から会場手配、PAさん、スタッフさんの手配、グッズ制作、

一から覚えました。

何も怖くなかった。

有名な方と共演する機会もありました。

緊張はしましたが、自信を持っていました。

そして、このメンバーならいけるといういう確信。

とにかく止まることなく突っ走りました。

その間に、いろんな人と出会い、いろんな人と一緒に仕事をさせて頂きました。

うまくいくこと、いかないこと、

いい人もいたし、馬の合わない人もいました。

大人の事情が絡んでくることも増えてきて、

ビジネスとして、違う角度から勉強しないといけないこともありました。

その都度、経験をして、沢山学びました。

そういった経験が出来たのは、大変だったけど、良かったんだなって今は思えます。

マネージャーがいてくれたことによって、バンドの活動もより円満になっていきました。

バンドのことを思えば思うほど、よりシビアになる自分がいて、

プレッシャーも大きくなっていきました。

正直、メンバー脱退、解散の危機は何度もありました。

現実的な問題に直面した時、どうしようも出来ない自分がいて、嫌になった時もありました。

だけど、プライド、信念、自信、確信があったからこそ続けてこれました。

ライブをする度に見る皆の笑顔は心の支えでした。

ステージでの時間は、一瞬のように感じる程の短い時間だけど、

その30分、一時間、二時間のためならば、どんな代償を払ってもいいと思っていました。

ライブの前日は楽しみすぎて眠れないし、ライブの二日目は日常に戻る空虚感で憂鬱になりました。

そして、また曲を作って、練習をして、リハをして、

その繰り返し。

イベントがないから企画をして、リリースをして・・・

目標を決めて、それをクリアする度にバンドは成長していきました。

プロ意識を持つという最初の課題は段々と堅実なものとなり、

4枚目のEP「ARCADIA」を出す頃には、本当に登っていくような勢いがバンド全体にありました。

中国ツアーをやって、中国の広大さを知り、自分がいかにちっぽけな存在かを突き付けられました。

中国ツアーを回ることでバンドで打ち出す新たな方向が見えました。

「雪未央」

が完成しました。

それから、僕の長年の夢だったフルアルバムの制作を始めました。

レーベルがレーベルとしての機能を果たし始め、バンドに関わる人も一人二人と増え、チームというものが出来ました。

バンドをよりプロフェッショナルな方向へと進ませたかったので、休みなく動き続けていました。

上を目指せば目指すほど、だんだんとプレッシャーが多くなっていきました。

すごい人や、すごいバンドはたくさんいます。

努力しなければ淘汰されてしまうのが、この世界です。

僕は常に危機感を持ってやってきました。

高望みしすぎていたのでしょうか?

それとも、シビアにやりすぎたのか。

自責の念や苛立ちもあります。

そして、10/29のイベント後に非常に残念なことがありました。

そのことがきっかけだったのかもしれません。

僕たちの距離は遠くなってしまいました。

その後のイベントも決まっていたし、僕はバンドに対してまだ望みがあると信じていました。

しかし、それは難しいなと、初めて諦めに近い形で、自分自身が納得してしまいました。

四年の間に、それぞれが大人へとなり、価値観、考え方が大きく変わっていました。

これからの人生を考えた時、

各々が取り巻く環境を考えた時、

選択する優先順位が異なることに気づきました。

誰が悪いということはないと思います。

「音楽が好き」

この定義は様々です。

ただ聴くのが好き、プレイするのが好き、作るのが好き、バンドが好き、

バンドマンになりたい、スタジオミュージシャンになりたい、趣味としてやりたい。

人によって考え方は違います。

そして、取り巻く環境、状況によって左右されてしまうこともあります。

それでも夢を持ち続けることは大事だと思います。

だけど、夢を持ち続けることによって苦しむこともあります。

僕はこのバンドをして、初めてその苦しみを実感しました。

それから迎えた日本公演。

正直、日本での公演を決めた時、すごく不安でした。

バンド初の東京でワンマン。

どうなるかと思いましたが、ステージに立った時、なんだか安心しました。

上海にいるような感覚、でも初めましての人がたくさんいて。

あがり症な僕ですが、あの日は落ち着いていました。

メンバーに会う頻度があんなに高いのも久しぶりでした。

その分、一緒に過ごした時間は大切な思い出となりました。

僕自身、まだまだ未熟な部分がたくさんあったし、

メンバー皆、初めて組む本格的なバンドだったので、

精神面、技術面、

全員で一生懸命に切磋琢磨して、

そのためにぶつかったりもしたし、各々がバンドのために沢山の代償を払って来たと思います。

小さな一歩かもしれませんが、

中国のビジュアル系バンドとして初めて、日本でライブを行うことが出来ました。

インストで皆に会うのは、とても新鮮で、表情の一つ一つが微笑ましかったです。

作品に触れてくれて、聴いてくれて嬉しい限りです。

地下作業をしているときにインストやライブのことを思い出すと頑張れる気がします。

作曲、制作、レコーディングは自分との戦いなので、

何度も聴いて、弾いて、作り直してという作業の繰り返しだし、閃かないときは完成までの道のりがとても険しくなります。

それを乗り越えて作った作品を、皆が大切にしてくれているのを知った時はとても嬉しいです。

2/21、神楽坂のイベントでは昨年の上海公演以来の共演で、最後のセッションは特に印象深かったです。

2/18 SHIBUYA REX公演のMCで話させて頂いたのですが、

「文化交流」と「日中友好」、

この二点は僕の願いでもあり、活動を行っていく上で重視しているテーマです。

華僑である自分の立場だからこそ、感じること、見えること、言えることがあります。

僕の場合、それを伝える手段が音楽です。

Lilithは自分を成長させてくれました。

今の自分があるのは、中国で、Lilithで過ごしたこの時間があったからこそ。

バンドが解散するのはすごく悲しい。

作品をもう演奏しなくなると考えると寂しいです。

辛いけれど、皆にとってバンドが呪縛となってしまうのならば、

それはもう壊してしまった方がいいと思いました。


今、僕が思うこと、

それは皆への感謝、そして諦めないということです。

皆の応援があったからこそ、今日までLilithをやってこれました。

皆がいたからこそ、僕は音楽を続けてこれました。

諦めなかったからこそ、今ここにいます。

馬鹿みたいに遠回りして来たかもしれませんが、

自分はこういう人生を選んでしまったので、

信念を曲げずに前に進んで行こうと思います。

とても大切な、大切な四年間でした。

もちろん捨て曲なしの、傑作たちを作ることが出来ました。

全員すごいやつで最高のプレイヤーたちです。

僕以外、皆天才だと密かに思っていました。

Lilith最後のライブは、皆への恩返しが出来ればいいなと考えています。

誰も悔いのないように、最後は一緒に笑って迎えましょう。

まだ、早いけど、

今まで本当にありがとうございました。

感谢你们。

爱你们。


Lilith Gt.凛
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[PROFILE]
中国上海発ビジュアル系ロックバンド
Lilith
2012年より中国上海を拠点として、活動を行ってきた中華圏唯一のビジュアル系ロックバンドLilith。
メンバー構成はVo.鏡華(キョウカ)、Gt.凛(リン)、Ba.修羅(シュラ)、Dr.楽(ラク)から成る。
かつて誰も成し得ることの出来なかった中国語で歌うビジュアルロックを実現し、ロックシーン未開の土地中国にて勢力的な活動を行ってきた。
現在までにEPを6枚リリースしており、2016年5月18日にフルアルバム「円夢中華-Genuine to the Core-」を発売した。(現在完売)
日中合作アニメ「一人之下 the outcast」の主題歌を担当。
今冬待望の最新作「盤龍舞鳳-Dragon Heir-」をリリースする。
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