と、いうわけで、念のためです。

December 31 [Mon], 2018, 1:50
ここは、『サイキックハーツ』神堂律、水瀬ゆまの冒険の仮プレやら『シルバーレイン』志水みゆ、福井義充、森川春樹を巻き込んだおとぼけ日常やらをアップしていく場所になります。

たまに背後さんが乱入したり、昔や未来の話があったりするかもしれませんけれど。

間違って入って来ちゃったあなた、はい、今すぐ戻りましょう!

……でも……お暇だったら、ちょっとはお付き合いしてくれると、嬉しいです。

ちなみに管理は取りあえず、志水みゆがすることになるかと思いますので、皆さん、宜しくお願い致しますね。

(志水みゆ、福井義充、森川春樹の物語は、「シルバーレイン」のカテゴリに纏めました。彼らの日常や過去に興味をお持ちになってくださった方は、そちらをご覧下さい)


贖罪の旅(律&ゆま)

March 26 [Sun], 2017, 14:32
 早朝、出かけようとしている義妹を見かけた。
 その表情は、暗い。
 戻って来てから、あんな表情を見せた事は無かったのに。
 また、アイツは無理をしているのだろうか。
 思ったら、黙っていられなくなった。

「ゆま」

 声をかければ、びくつく義妹。

「でかけるのか」

 詰問するような口調になっていたのは、無理ないと思う。

「あ……うん、ちょっとね」
「どこに行くんだ」

 畳み掛けるように問えば、困った表情の義妹。ついで、笑った。

「もぅ、そんなに心配しなくても大丈夫だよ。本当に、ちょっとした用事だから」

 ああ……この笑顔は、闇堕ちする前に見せていたものだ。コイツはまた、何かを思い詰めている。
 俺は、ゆまの腕を取った。

「りっちゃん?」
「俺も、行く」
「え?」

 驚いた表情。そして、迷った表情。

「りっちゃんが来ても……しょうがないところだよ?」
「それは俺が決める。俺が行くと何かまずいことでもあるのか」
「……それは……」

 言いよどむ、義妹。下を向いた顔は、見えない。でも解る。唇を噛んで、どうしようか迷ってる。

「……解った……」

 もぎ取った、承諾の言葉。
 過保護な義兄だと思われてもいい。俺は……コイツが幸せになるのを見るまで、この手を離す気はないのだから。




闇と光の睦言

November 17 [Thu], 2016, 21:30





 ……声が……聞こえる……。









4月30日の真実

May 02 [Mon], 2016, 22:35


背後「はい、取りあえず背後です」
律「ちょっ……なんで久しぶりの更新でお前が出てくんのよ!」
背後「確かにねぇ……最後の更新って……一年近く前だっけ?」
律「あー、うん、そんくらいになるかも」
背後「いやー月日が過ぎるってーのは早いモンだねぇ」
律「本当だよなぁ……って、しみじみしてる場合じゃねぇっての! だから何でお前が出て来るんだよ!」
背後「いーじゃん、たまには出してくれたって。りっちゃんのいけずー」
律「いけずって何だ、いけずって! いけず言いたいのはこっちや! オフ会ドタキャンしやがって!」
背後「あははははー」
律「笑って誤摩化すな!」
背後「いやー。だってさー時間がなくなっちゃってさー。しょーがないじゃん」
律「しょーがないじゃねぇだろ!」
背後「と、いうわけで、以下、回想シーン(会話)となりますー。ご了承くださいませー」
律「ちょっ……勝手にすすめるなー!」




4月30日 AM11:00ちょっと過ぎ、背後、上野駅到着。

背後「予定より、一時間半遅れてとうちゃーく」
律「……なんでこういう日に寝坊するかな……」
背後「敗因は、昨日スペインバルで飲んでたことだな」
律「冷静に分析するな! てか、だったら洗濯とか、犬の散歩とかブラッシングとかしてなきゃ良かったんじゃねぇの?」
背後「アホ言うな。この天気のよさを見ろ。これを無駄にするなど、俺の良心が許さん。それにな、わんこにとって散歩がどんだけ大事なモノか、お前解ってないのか? 加えて、わんこ玉(犬の抜け毛を丸めた玉)を毎日二つは作っておかんと、大変な事になるんだ。ウチのわんこはミックスだが、シベリアンハスキー入ってるんやからな」
律「……さいですか……」
背後「さーてと、カラヴァッジョ展のチケットどっちで買おうかなー」
律「てかさ……美術展行くのはお前の勝手だけどさ、なーんでわざわざオフ会とぶつけるかな」
背後「しゃーないやんか。空いてる日が少ないんだから。当面空いてるのって、後は明日しかないし」
律「じゃあ、明日またくればいいじゃん」
背後「アホか。明日はタンスの中身を夏仕様に変えるのと、庭の手入れをする日じゃ」
律「……ババくさ……がふっ!(背後の鉄拳炸裂)」
背後「見終わったら行くから。会場浅草なんだし、ここからだったらそんなに時間かからないから大丈夫でしょ。二時頃には入れるって。うん、美術館で……ん?」(背後は何かに気づいたようです)
律「?」
背後「なんですと!」
律「どないしはったん?」
背後「若冲展始まってるじゃん! え? え? なんで? 五月の終わりからじゃ……」
律「4月の22日からって書いてあるケド?」
背後「最終日を初日と勘違いしてたー!」
律「アホじゃ……がふっ!(背後の鉄拳炸裂2)」
背後「予定変更。行くよ、律!」
律「へ? カルパッチョはどーす……」
背後「ヴェネチア派の画家ちゃうわ! バロックや!」
律「へ? ツッコミってそっち?」
背後「いいから行くよ!」



AM11:10前後 東京都美術館前到着。

背後「なん……だと……?」
律「今度は何だよ」
背後「チケット込みで65分待ちー!」
律「げ」
背後「律!(肩をがしっ!)」
律「な……なんだよ……」
背後「オフ会、諦めてくれ」
律「ちょっ……何でそーなるんだよ!」
背後「計算してみろ。このままだと、館内に入れるのが早くて12時15分頃。それから鑑賞時間を二時間にしてやったとして、出るのが14時15分、その後、国立西洋美術館行って、仕方ない、鑑賞時間を一時間半にしてやったとして、出るのが15時50分過ぎくらいだろう。そこから会場に向って、到着する頃にはオフ会はどう言う状態になっていると思う?」
律「……閉会式の真っ最中……」
背後「よくできましたー! はなまるにじゅうまるをあげよう!」
律「いらんわ! てか、だったらさっさと見てさっさと出てくればいいだろ!」
背後「お前……俺は一度館内入ったら、普通なら最低でも二時間、下手すりゃ三時間は出て来ない人間なんだぞ!」
律「じゃ、美術展自体やめるとか」
背後「馬鹿言うな! お前、伊藤若冲だぞ? 生誕300年記念で里帰り含めて80点もの作品が集ってるんだぞ! 若冲言うたら江戸期の画人として、応挙と並ぶ最も重要な画人の一人であり、その超絶技巧は現代では再現不可能と……」
律「あーあーあーあー! 解った、解った、解ったから! それじゃ、カルパッチョを諦め……」
背後「ふざけるな! 今回の目玉である世界初公開の「法悦のマグダラのマリア」の重要性をお前は全然解ってないな! カラヴァッジョが法皇の恩赦を求めて描いたとされ、死の直前……」
律「わーかった! わかったから講義は俺じゃなくてゆまにしてやってくれ! じゃあ、何だ? 結局オフ会は……」
背後「諦めろ」
律「諦められるかぁ! ちょっ……誰か俺の援護……って、ゆまは今、依頼以外じゃ廃人状態だから無理か。そこの白いの! お前だって……」
みゆ「ん? わたしか? わたしも今、別段活発に動いている訳ではないし、柊以外とは話をしていないしな。むしろ、わたしとしては東京よりも大阪の方に会ってみたい人が多いからなぁ」
律「……こっ……どいつもこいつも……っ!」
背後「というわけだ、うん。大丈夫だ。オフ会は来年にもある。とゆーことで。すいませーん! 列の最後尾はどこですかー!」
律「さっさと行くなーーーーー!」



回想終了。

律「結局お前、閉館時間ギリギリまで粘ってたよな」
背後「まーねー。金曜日だったら、もーちょっとゆっくり見れたんだけどねぇ(金曜日は20時まで開館)」
律「まだ見たりないのかよ……。とにかく、今回は諦めてやったんだから、次回は絶対行けよな! つーか次回っていつだよ」
背後「来年の一月?」
律「遠っ! てか、今年の一月だって行かなかったじゃんかよ」
背後「行けなかったんだよ。今年の一月は、このまま寝たら二度と目が覚めないんじゃないだろーかって本気で思うくらい体調崩してたんだから。まぁ、毎年12月と1月ってーのは、そこそこ体調崩すんだけどねぇ。今年は半端なかったわ」
律「……ってーことは来年も……?」
背後「絶対に行けるという保証はナイ」
律「てっ……てめぇ……」
背後「さーてと、風呂入って酒飲んで寝よー」
律「後で覚えてろ、この馬鹿背後ーーーーーーー!」




以上、オフ会ドタキャンの真相。
行くつもりはあったんだケドね。
人生、どこで何が起きるか解らないモノです。
ま、体調には気をつけようと思う次第でアリマス。

仮プレです。(律&ゆま「京の十五夜、月の舟」)

September 27 [Sun], 2015, 7:44
こちらに仮プレをあげるのは久しぶり。
二人とも、素敵なひと時を。

まず、律くんから。


【夜空庭】で参加。

花……もとい、月より団子だからね、俺は。
おー!なかなか充実しているじゃありませんか、出店群!
天宮サーン、一人じゃ大変だから俺も行くよー。

さーて食うぞー!
大丈夫、男を見て喜ぶ趣味はないから、俺。
日和サンからチーズボールを貰い。
お、アリガト。うまうま。やっぱチーズと揚げ物ってーのは最強やね。
あ、つっきー、俺も焼きそばー。
俺の分?さっき食っちまった。だから俺にもちょーだいよー!
でもって、月を見上げている天宮さんのスキを見て
たこ焼き一個ゲットぉ!
しらばっくれていたら、ゆまに殴られました……。

……月ってのは、見てると必要以上に不安になるモンだ。
こんくらいバカやってんのが丁度いいんだよ。



つづいて、ゆまちゃんです。


【夜空庭】で参加です。

ふふ、美味しそうな匂いが沢山。

天宮さんに頼んだのは綿飴。
ふわふわで優しい甘さが懐かしい記憶を思わせるから。
ふふ、そですね。月を見るの忘れ……あ、そか!
月見里さんがいれば、昼間でもお月見ができるんだ!
今度お供え持って来よ。

月見れば千々に物こそ悲しけれ……か。
綿飴片手にぼんやり月を見ていたら日和さんに声をかけられ。
ん、月を見てただけだよ?
それから、ぽすん、と日和さんの肩に寄りかかって。
綺麗、だね。月も、日和さんも。

それにしてもりっちゃんがやりたい放題だなぁ。
暫く我慢してたけど
天宮さんのたこ焼きを盗み食いしたところで鉄槌!
いい加減にしなさい!

……でも、ありがと、りっちゃん。


現状こんな形だそうです。
何かご希望あったら、おっしゃってくださいね、だそうです。

未来設計?(律&律父+α)

July 26 [Sun], 2015, 8:20

律父(以下、空)「ね、律」
律「あ? 何だよ」
空「お前さ、将来何になるつもり?」
律「何だよ、薮から棒に。別に特に考えてないけど?」
空「なりたいものとか、ないの?」
律「別にないケド?」
空「じゃさ……神社継いでよ」
律「断る(即答)」
空「何で即答なのっ! 少しは考えてもいいじゃない!」
律「じょーだんじゃねぇっての! あんな休みのない、だらっだらした仕事なんかできるかー!」
空「それはおじいちゃんに失礼だよ?」
律「う……悪かった。ケド、継がない! ぜってぇ継がない! つーか、俺、大学は今の学園の持ち上がりだし! 神主の資格なんかとれねぇっての」
空「大丈夫! 今は通信教育があるから!」
律「大丈夫の意味わかんねぇし! だから、ならないっての! 何だよ、急に!」
空「いやさ……ほら、僕の兄弟って、誰も神社継がなかったじゃない? だからね、律に……」
律「だから断る! つーか、何で俺が親父や伯父貴連中の尻拭いしなきゃなんねぇのよ!」
空「だってー……神社は代々神堂の家が守って来たものだし……」
律「だったら今から親父がなりゃいいじゃん」
空「僕、執筆作業が忙しいから、無理」
律「何が忙しいだ! 担当泣かせのくせして!」
空「それを言われると辛いなー(あはははーと、悪気のない笑顔)」
律「……ホントに親父の担当が哀れに思えて来るよ……てか、何でいきなりそんな話になったんだよ」
空「んー? この前、取材に行ったトコの人と、子供の話になってねー。息子と娘が居るって言ったら、将来が楽しみだって言われて。そういえば律は将来何になりたいのかなーって」
律「別に決めてねぇよ。ふつーにリーマンとかじゃねぇの?」
空「……夢ないなぁ……」
律「夢追っかけて、家族どころか親友にまで苦労かけっぱなしだった誰かさんを見ているモンでね」
空「それを言われると辛いなー。でも、なりたいものがないんだったら、いいじゃない? 神社継ぎなよ。ゆまちゃんと結婚して」
律「…………………………………………はぁ? ……今俺、ありえない言葉を聞いた気がしたんだけど、何だろう? 空耳? 空耳だよね?」
空「空耳じゃないよ! 僕の耳でもないし! だから、ゆまちゃんと結婚して神社継ぎなよ」
律「どこをどうしてそういう話になるんだよ! 馬鹿じゃねぇのっ? 冗談にしてもたちが悪すぎる!」
空「馬鹿じゃないよ! 冗談でもないし! 僕本気!」
律「第一、俺にゆまはもったいなさ過ぎる! とか言ってたのはどこのどいつだよ!」
空「ここの僕。今だってそう思ってるけどね、だって……そうすればゆまちゃん、ずっと家に居てくれるじゃない?」
律「……………………」
空「変な男に攫われて、遠くにお嫁に行っちゃって、会えなくなっちゃったりしないじゃない! 今だって……家出ちゃって……毎日ゆっくり会えなくて淋しいのに……遠くにお嫁に行っちゃったら……僕耐えられないよ!」
律「……(こっ……このゆま馬鹿がっ……!)だったら親父がゆまと結婚すりゃいいだろーが!」
空「僕にはかすみさんがいるもん! 僕にはかすみさんだけだもん!」
律「……はいはい、親父は死んだお袋一筋ですからねー……つーか、中年男が「もん」言うな! キモイ!」
空「だから律、ゆまちゃんと結婚して、神社継いで? あ、でも、ゆまちゃんは永遠に綺麗な僕の天使さんだからね、手を出す事はまかりならん! だよ?」
律「キモイはスルーか! てか、誰があんなのに手ぇ出すかー! そんな気にすらならんわー! じょーだんじゃねぇっつの! 百億万歩譲って、神社継いだとしても、ゆまと結婚するってだけはありえん!」

(ばーん! とドアが開いて、律祖母登場)

律祖母「よし、では律が神社を継ぐ事に決定じゃな」
律「ばーちゃんっ? 何でココに……てか、継がねぇって!」
律祖母「男に二言はないじゃろうが! 先程継ぐと言うたであろう!」
律「言ってねぇって! ちゃんと俺の話聞いてたっ? 百億万歩譲っても、って……」
律祖母「では、譲ればよかろう」
律「……………………」
律祖母「うむ、良かった良かった。これで神社は安泰じゃな」
律「……………………(ハメられたっ!)」


さて、りっちゃんは本当に神社を継ぐのか?(笑)ちなみにりっちゃん家の神社の御祭神は高皇産霊神で、家庭円満、商売繁盛、無病息災から縁結びまで、色々と手広く(?)やってます(笑)
うーん、神主になったら、可愛い巫女さんはべらせてハーレム作ればいいじゃん、りっちゃん(マテ)

ある日のブレイズゲート。(律&ゆま&みゆ+しんちゃん)

August 29 [Fri], 2014, 2:45
律、ゆま、みゆ、しんちゃん同行のブレイズゲートで。

(注:戦闘中です)

律「ちょっ……ゆま! お前前に出過ぎ!」
ゆま「え? まだHPあるし、大丈夫だよ?」
律「大丈夫じゃねぇっての! 馬鹿か、お前! クラッシャーは狙われやすいんだよ!」
ゆま「馬鹿って何っ? そゆ言い方ないと思うっ!」
律「馬鹿だから馬鹿っつってんの! いいから下がれ!」
ゆま「下がれって、りっちゃんの方が庇いまくってHP少なくなってるじゃない!」
律「俺はディフェンダーだからいいんだよ!」
ゆま「それを言ったらわたしの方がりっちゃんよりレベル上なんだからね!」
律「……てっ……てめ……義兄のプライド傷つける事言うか!」
ゆま「そーんなプライドなんか、もふもふわんこさんに食べさせちゃえばいいんだよーだ!」
みゆ「……もふもふわんこが腹を壊す気がするが……少なくともわたしの弟分には絶対食べさせないな……」
律「そこの白いの! 何か言ったかっ!」
みゆ「……いや……それよりそこの義兄妹……仲が良いのは解ったが、今は戦闘中……」
律&ゆま「「仲良くないっ!」」
みゆ「……息はぴったりだがな……」
ゆま「りっちゃんこそ無理して倒れたら困るんだからね! 下がって回復してなさい!」
律「だから俺は……」

(しびれをきらした(?)敵が襲いかかって来た! 瞬間、にこにことその様を見ていたしんちゃんが一撃粉砕!)

しんちゃん「これで全滅、ですね。では次の部屋に行きますよ」
三人「「「はーい」」」



このメンバーで行ったブレイズゲートのデスデスマの結果をぼーっと見ていて何となく思いつきました。
思いついた時に書かないと、絶対埋もれるから書いてみました。
しんちゃん、再度の特出ありがとう!

神堂家は今日も平和です2

August 17 [Sun], 2014, 23:30
 先日(だいぶ前)武蔵坂で運動会があったわけだが。
 まぁ、一応はコレでも生徒なわけで、俺とゆまも参加をした。
 運動会自体は、そこそこだったわけだけど、俺は実はこの運動会に、重要任務を帯びていたんだ。
 その重要任務とは……。


「わー! ゆまちゃんが走ってる! がんばれ! 頑張ってパンゲットだよー!」

 どこの親馬鹿が叫んでいるかってーと、それはウチの親父で。
 ちなみに親父が見ているのは、俺が撮った運動会のビデオ。
 運動会のゆまの姿が見たいってんで、俺が撮ってきたんだケド。

「律! ゆまちゃん、ちゃんとパン取ったよー! 走ってるよー!」
「そりゃそういう競技だから当然だろ……」

 相変わらずウチの親父はゆま馬鹿で、本当にどーにかしろよ、この親父……。

「あー……僕も生ゆまちゃんの運動会見たかったなー……取材さえなければ……!」

 ちなみにこの親父、ゆまの運動会が見たいってんで、取材を放り投げようとしたアホだ。加えてその取材、アポ取るために編集部が数ヶ月前から動いてたってゆー重要なモンだってのに、ゆまの運動会のために、この馬鹿親父は、あっさりそれを保古にしようとしやがった。
 結局、ゆまに怒られて、親父はしぶしぶ行ったわけだが。

「玉入れだー! あっ! ゆまちゃん! 玉に当たってるっ! おのれー! 僕の可愛い娘に何をするー! あの玉投げた奴出て来いー!」
「……この状況で誰が投げたなんざ、解るわけねぇだろーが……」

 まぁ、見せたらこういうコトになるとは思ってたケド、思ってたケド……想像以上に煩い、この親父。

「てか、少し大人しく見ろよ、親父……。今日はゆまが家に帰って来る日じゃねぇけど……」

 生活の基盤がシェアハウスのゆまは、土日以外はあっちで生活している。ケド、こんなの見たら、ぜってぇ怒り心頭だ。

「だってー! ゆまちゃんの運動会なんだよ! 僕の大事な娘の運動会なんだよ!」

 ……すんません……アナタの実の息子も参加してたんですケド、すっかり忘れてますね、オトウサン……。いや、俺の運動会の様子にこんなに騒がれたら、その場で則、叩っ斬ってるケド。

 ……ま、いっか。

 相変わらず親父は煩くビデオを見ている。つきあってらんねーと、俺は漫画雑誌を手に取って読んでたら……。

「……律」

 ふと、親父の声のトーンが変わった。何だ?

「あれ、だれ?」

 画面を見ると……ああ、ゆまとしんちゃんの二人三脚か。ちなみに、しんちゃんってのは、ゆまのクラスメイトで、兄貴分ね。あのゆまが手放しで懐いてる、絶滅危惧種よりも希少な人物の一人。ゆまがあんだけ懐いてるのって、後は七君兄妹くらいだろう。

「ああ、あれはゆまのクラスメイト……」

 言いかけた俺の言葉を、馬鹿親父が遮る。

「なんであんなにゆまちゃんと密着してるのっ!」
「……………………」

 あのね、おとうさん、これは二人三脚って競技なんです。くっつかなくてどうやって走れるんですか。

「あんなに……あんなにくっついてる……そこのお前! 僕の娘からはなれろー!」
「……親父……」

 ……しんちゃん……ごめんね……。思わずマジで謝っちゃうよ、俺……。

 つーか、改めてビデオ見て、しんちゃんってすげーなぁ、って思う。あの運動苦手でドジの権化のゆまを、あんなに上手くリードして、走ってるもんなぁ……。
 おまけに、ゴール直前に大技かましてるし。

「あっ!」

 親父の叫び。それはゴール直前に、ゆまがバランスを崩して転びかけたせい。
 ……が。

「おおおおおっ!」

 今度の親父の叫びは、感嘆のもの。何故なら、ゆまが転びかけたのを、しんちゃんがフォローしたから。それも、転びかけたのを上手く利用して側転し、そのままゴールという大技!

「すっ……ごいっ! ゆまちゃん! いつのまにあんなことができるようにっ!」
「……………………」

 ……あのー親父、ちゃーんと画面見てました? あれは、ゆまじゃなくて、しんちゃんのおかげなの。ゆま、なーんにもしてなかったでしょ? 何を見てるの、アナタは。


「律っ! 見た? 今の見た? すごいよ、ゆまちゃん!」
「……あのさ……親父……」
「ゆまちゃん……立派になって……」

 ……駄目だ、コイツ……。

 もうこうなると手がつけられない。は、いいとして。

「なぁ、親父」
「んー?」
「それはそうと、約束の報酬」
「あ、そうだったね!」

 そう、勿論報酬アリ! それも二万! だいいち、報酬もなく義妹ビデオで追っかけるなんてアホなこと、できるかってーの。もーゆまさまさまだよなー。気づかれないように撮るのは結構大変だったケド、二万のためなら!
 親父が財布から二万を取り出す。俺はそれを押し頂き……と。

「……なに……してるの……二人とも……」

 思わず振り向けば、そこに立ってるのはふるふるしているゆま。

「……ゆ、ゆま……」
「ゆまちゃ……」
「お、お前、今日は家に帰ってくる日じゃ……」
「……明日晴れるって言うから……お洗濯しようと思って帰って来たの……」

 ここんとこ天気悪かったからなぁ……明日晴れるのか、じゃなくて!

「そ、そいつは……お疲れさん……」
「うん、梅雨の晴れ間は貴重だもん。じゃなくて」

 ゆまさん、テレビの画面を見て。

「……スミケイくんがね……」

 ちなみにスミケイってのは、ゆまのシェアハウスの主ね。俺のダチでもあるケド。

「……りっちゃんが運動会のビデオ撮ってるんじゃないか、って言ってたんだけど……」

 スミケイー! 余計な事をー!

「……本当に撮ってるとは思わなかった……。それも、わたしがあんなに大写りになってるのを……」
「あ、あのな、ゆま。ほら、こういうのはホームビデオと同じで、記念だから、記念!」
「じゃあ、なんでわたしだけなの? りっちゃん、写ってないし。それに……」

 ちなみに今の画面は、ゆまがダチと喋ってるトコ。報酬二万の理由は、実はコッチの方が大きかったりしたんだケド……。

「……あれ、競技じゃないじゃない……」
「い、いや、ほら、競技だけってのも味気ないだろ? だから……」

 と、そこで。

「うん、ゆまちゃんと喋ってる女の子も可愛いけど、やっぱり僕のゆまちゃんが一番可愛い!」

 馬鹿親父ー! この状況でそういうこと言うかっ!

「あ、あのね、ゆまさん……」

 ふるふるふるふる……ゆまの震えが大きくなる。そのままテレビに近付き、ぶちっ! と電源を切り。

「あー!」
「あー! じゃないです! おじさん! それからりっちゃん!」
「は、はいっ!」
「……百歩譲って競技だけは許してあげる……でも、余計なシーンは削除すること!」
「えー! それって酷い!」
「おじさん」

 ゆまに睨まれて思わず黙る親父。へーんだ、ざまみろ。
 だが、ついでゆまは俺に近付き、右手出した。

「なに、それ」
「さっきのお金」

 ……やっぱ見てたか!

「さっきのお金、寄越して」
「ちょっ……何で……」
「だって、ホームビデオ撮ってお金貰うっておかしいよね? ホームビデオなんだもの」

 ……やられた……!

 しぶる俺の手かから、ゆまは強引に二万を引き抜いて。

「というわけで、これお有り難く生活費にさせていただきます」

 俺の二万ー!

「それから二人とも! これからお洗濯するから、何か洗う物があったら出してね? 後、干すのも手伝ってもらいますから!」

 ゆまは二万を懐にしまうと、びしっ! と言ってから部屋を出ていった。
 残されたのは意気消沈した男二人。

「あうあう……ビデオが……」
「俺の二万が……」
「ゆまちゃんのプライベートショットが……」
「釣り具新調しようと思ったのに……」

 二人でぶつぶつ呟いていれば、ゆまの声。

「ふたりとも! 早く洗濯物、出す!」

 実に恐ろしきは、怒った家庭内実力者……。

 哀れな男二人は、のろのろと洗濯物をとりに行く事になったのだった……。


運動会終わって、そんなに立たない時期に書き始めたはずなんだけど、
気づいたら八月の後半に……。
月日が過ぎるのは早いものです、うむうむ。
いや、なんかね、仕事の負担が……ごにょごにょ(笑)
とりあえず、かきあげられて良かった良かった。
相変わらずの空さんとりっちゃん、そしてゆまちゃんの家族三人です。
あ、しんちゃん、スミケイくん、七くん、友情出演(?)ありがとう!
また出すかもしれないので、その時は宜しくー!(メイワクだ)

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