誤りを直視できず無謀な3000人に突き進む日弁連執行部

2007年11月23日(金) 0時19分
 18日朝日新聞で、司法試験合格者数を3000人とする司法審最終報告について、弁護士会で異論が噴出し、国会審議でも問題視されていることが報じられています。しかし、そこで紹介されている「日弁連幹部」の話は、要するに、まずは3000人を実現して、それから考えようというものであり、救いがたいほどの支離滅裂ぶりです。
 また、大阪弁護士会の坂野真一弁護士と加藤真朗弁護士が、日経「法務インサイド」での平山会長のインタビューに関連して、質問状を送付されました。日弁連の回答の中で、日弁連の第6回・第7回理事会における平山正剛会長のあいさつを参照するようふれられています。平山会長も、やはり3000人見直しは後回し、まずは弁護士偏在の解消だと言うのです。
 この間、執行部の側で「司法改革」を推進していた弁護士が、さかんに言うのが、「今見直しを求めても世間の理解は得られない。まずは弁護士偏在解消だ。」です。どこかの大本営が統一見解をつくってネジを巻き出したんでしょうか。
 そもそも、弁護士偏在といいますが、適正配置というミクロの問題と、人数というマクロの問題をごっちゃにして論じているなど、基本的な発想に問題があります。また、「需要」の分析がきわめて不充分で、需要と供給が合致しない場合には、これを供給の側が放置しないという政策をとるのであれば、リーガルエイド等によって供給の側にしかるべき援助をするか、供給側である弁護士が採算性を度外視して応じるしかないわけで、日弁連は、歯を食いしばって3000人になるまで後者の方策を取れと言っているのも同然で、まったくの精神論でしかないわけです。
 すでに弁護士資格を持ちながら、OJTの機会を付与されることなく、業務を開始せざるを得ないノキ弁・タク弁が生まれ、既得権弁護士に買いたたかれるワーキング・プア状態が生まれるなど、弊害が現実化しています。この先は、タクシー労働者のような過当競争・供給側のダンピング・需要側の安全への侵害という事態が待ち受けており、弁護士について見れば、それは弁護士自治の否定、国家介入への道につながることが予想されます。このような弊害を直視できず、誤りを認めることができないまま(何とも官僚的!)、無謀な3000人増員へと突き進もうとしているのが、いまの日弁連執行部なのです。
 それにもかかわらず、次期日弁連会長選挙には、このような誤った路線を継承することを目指す一派が推薦する人物が立候補を準備しています。3000人になるまでは我慢しろとしか言えず、将来世代の弁護士に責任を負えない人たちには、この先の日弁連の運営を任せることはできません。
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千恵子@行政書士  2008年08月06日(水) 16時49分
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