「君が代」ピアノ伴奏拒否に対する処分 多数意見と藤田反対意見

2007年02月28日(水) 0時21分
 校長から卒業式で「君が代」のピアノ伴奏について職務命令をなされたが、自身の思想・信条に反するとして、これを拒否したところ、戒告処分を受けたのは違憲であるとして、その取消を求めていた裁判で、最高裁第三小法廷(那須弘平裁判長)は、合憲と判断する不当判決を言い渡しました。
 多数意見は、抽象的にピアノ伴奏の目的をあげつらって、「全体の奉仕者」という、これまた抽象的な概念で、少数者の権利を抑圧することを合理化する内容となっています。
 他方、藤田宙靖裁判官が反対意見を述べています。その趣旨は、職務命令と被処分者の思想・良心の自由との関係や、職務命令によって実現しようとする「公共の利益」の内容のそれぞれについて、具体的な検討が必要であって、差し戻して審理させるべきだというものです。被処分者が卒業式で、「君が代」以外は演奏していたのに、「君が代」については演奏しなかったことにより、参加者に「違和感」を与えるかもしれないけれども、「このような『違和感』が、これを制約するのに充分な公共の福祉ないし公共の利益であるといえるか否か」、思想・良心の自由という「人権の重みよりもなおこの意味での校長の指揮権行使の方が重要なのか」という藤田裁判官の問題提起は、きわめて重要であるといえるでしょう。(藤田裁判官は、このような観点から、多数意見の思考について、「観念的・抽象的に過ぎる」と批判しています。)
 いずれに道理があるかは、言わずもがなでしょう。
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