before the end. 

March 18 [Sun], 2007, 11:51

夜の海はいつまでも君の手の中にあった。
曇り空はいつまでも曇ったままで。
時折遠くで響く雷鳴、海に走る一筋の星。

波音、雷鳴、風音、鼓動。
それ以外の音は僕の耳には届かなかった。
君の声はいつまでも離れたままで。
一度遠くで光る街並、頭に走る一筋の音。

夜風に当たりすぎて冷え切った頭と体にはもう君は居らず。
風が服の隙間に入り込む度に熱は持ち去られていく。
高く手を伸ばしてみても星を掴める事はない。
息は暫く空へ飲み込まれたまま帰ってこない。
そのままそっと連れ去られてしまえ。

音は森に吸い込まれて。 

March 18 [Sun], 2007, 11:48

さよならの言葉なんてひとつも僕には通らない。
月霞み、僕は君を見守る。

ブランコが揺れる足元、水溜りに移る君。
君だけが発光して白く、僕の目は光を取り戻して。
空から滴る水滴、取り囲む木々さえも君にざわめく。
肌寒さを感じたのは夜の所為だけじゃない筈。

全てが塗りつぶされた世界で君だけが色を持っていたのだと。
全てが塗りつぶされた世界で僕だけがそれを知っていた。

さよならの言葉なんてひとつも僕には通らない。
水はしゃぎ、僕は君を失う。

未だ君の夢を見て僕は影を追いかける、
消えてしまった鏡に移るのは僕だけで。
消えてしまった君に逢える事はない。

発光する水だけが僕の指を伝って落ちる。
あの時伝えなければ壊れる事もなかったのに。
未だ君を想い僕はあの色を探す。
一瞬でも目を離さなければ良かった。


全てが塗りつぶされた世界はどこかに消えてしまった。

月呑み酒。 

December 19 [Tue], 2006, 13:47
白けていた月が色みを増してゆく、
甘い香りもしくは煙が体に入ってゆく、
君のか細い声のトーンが上がる時間帯。
君は「ここでは青い星が絶えず輝き続けている」と。
僕は「人の目など構うものか、いつかはきっと知れる事」と。

開き直るのも悪くないかもしれない。
それでも僕はもっと近づきたいなんて我儘を。

叶うならば。
グラスに映るライトを月と例えてひとり、賑わい溢れるこの空間で。
誰に絡まれても構わない。ただ君が居てくれるのなら。
月は甘い水を含ませ手拍子軽く僕を呼びつける。
このままひとり月を飲み干してしまおうか。


黒的幸福論。 

November 11 [Sat], 2006, 12:10

積み上がった灰皿を目に君は僕の肩を叩き。
「吸い過ぎ!」と一言言葉を発す。
我儘な僕は君のその言葉が心地良く、ついまた指を伸ばしてしまう。

赤くなった頬の脱力している僕を覗き込み君は。
「飲み過ぎ!」と一言言葉を発す。
我儘な僕は君のその言葉が心地良く、倒れ込みたい衝動に駆られ。

「馬鹿」「大丈夫?」「ぶっちゃけると」
僕に降りかかるそんな類の言葉がとても愛おしくあり。
僕があまり発さないのは君の声を聞いていたいからで。

隣で前を向いて進んでゆく君に僕は瞳を合わせ。
『特別扱い』的な言葉を一言欲す。
我儘な僕は君の言葉の一つ一つがもどかしく、とてもこそばゆい。

「好きだよ」なんて誰にでも言うのに、僕にはそれもなく。
あまり手を振らないらしい君なのに、僕には振ってくれていたり。
「じゃあね」と受話器越しで途絶えた会話、電話を切らなかったり。
我儘な僕は君のしぐさ一つ一つがもどかしく、とてもこそばゆい。

そしてついまた欲してしまう。
我儘な僕は君の優しさより真実が欲しいと思ってしまう。

君はとてもいい性格をしている。 

October 26 [Thu], 2006, 23:54
頭痛の種は消え得ることなく廻り続け、目の前は真っ白となった。
甘ったるい香りがやけに心地良いのは不協和音響く所為。
目配せた先には青く光る月。白に包まれた君は焦って舵を取る。
横目に映るはねじり飴、水飴などとりどりの色彩豊か。

たった数言、伝えられないのは。
視界の霞みの所為で何も見えないから。
冷静になってみれば特に重要な用件でもない。
ただの陳腐な我儘。(EX.あの飴が欲しい、あの星が、この時間が。)

「理性があるから人間なんだ」
この言葉はやはり重く、乗り越える事の出来ない大きな自尊。
本能で動いたらそこいらの家畜と同じじゃないか。
それでも音が1小節、進めば進むほど揺らぐ。

君が好む音楽を僕が心地良いと思うのはいけないことか。
時々浮き出る胸骨をなぞりたいと思うのは傲慢か。
後ろ髪引きたいと、どうにか、どうか。
あっと言う間に景色は過ぎ去った。咳き込む君。胸が痛い。
(ああきっと僕の病をうつしてしまったのだろう!)
ひゅうひゅう響く気管が冷たい風を通し、窓から君は手を振って。

3度目の正直ならず。
頭痛の種は消え得ることなく廻り続け、目の前は真っ白となった。
たった数行、伝えられないのは僕が今冷静だから。
難しいね。

黒と黒。 

October 25 [Wed], 2006, 22:55

ただギャップに惹かれてしまう事。我が未熟さと比例する。
作り物のような外見で、作り物ではない言葉を吐く君。
余りにも儚い理想と、余りにも強かな現実。
そこにあるのは偽りと真実。

猫は狡猾であるべきだ、と誰かが言っていた。
「猫は狡猾であるべきだ、僕は誰にも飼われない。」
全てを偽る、底にあるのは下剋上。
この場合真実は儚く。それでも君が紡ぐのは狡猾。

鎖の間を掻い潜って見舞えたのは裏の裏。
表を見せる、簡単な事なのにそれは僕を錯乱させて。
猫は気まぐれに僕の腕をすり抜けてみせる。
「真実を君にあげようか?」

鎖の音色に酔う君に同じモノをあげようか。
御互いを偽りあって、最果てに何があるのか見るのも面白そうだ。

僕の夢。 

October 21 [Sat], 2006, 12:21

夢の世界は映画よりも鮮やかで。

レンガの路地裏細く、足音は夕日と共に木霊する。
広場ではピエロが今日も販売車と共に飴を配っている。
針葉樹の森を少し進んだ所から見えるのは総ガラスの建物。

急な崖があるデパート(あれはスロープというより崖だ)では
今日も販売員が手を伸ばして登る客を引き上げている。
全てが黒く塗り潰された無音の世界では空に七色だけが輝いている。

向かいから歩いて来る君は何も言わずに僕を見て過ぎ去り、
僕が探して追いかけても既に雑踏に消えてしまった後だったりする。
君に似ている気だるい襟足のヒトなら昨晩何度も夢に出てきたのにね。

白竜やコウモリ、鉱山、明かりの実のなる神木。
これを実像にするのは難しい。言葉だけじゃどうにも舌足らずで。
小さな子が口ずさむ歌すら思い出す事ができないのは、きっと
僕が大人になりつつあるから。

【ヒトは大人になる段階でレム睡眠に割り当てる時間が減ってゆく】
医学的根拠も確か。この鮮やかな景色も薄れてしまう。
一人間である僕は今のうちに、と焦る。
夢の中でこれは夢だと反芻させてみようか。

それは月に焦がれているから。 

October 18 [Wed], 2006, 18:41
水鏡に映るのは僕じゃなく、白い竜なんだ。
こんなにも近いのに。

僕しか知らない。
昼間はどこにでもあるような澱んだ湖が夜、透明になる事を。
水底を漂い続ける白い竜が青い月の晩に跳ねる事を。

そのきらきらと鱗が光を返すさまが例えようもなく美しい。
目を伏せる竜の睫毛が黄金色に輝く。
空中に無数に含まれた水が雫となって引き寄せられる。
何者も映さない湖にただひとつ映る憂いがとてもよく映えている。

それでも竜は水底を好むのだ。
跳ねるのは誰の為でもない、竜は誰も寄せ付けない。
時々差し込む光を避けて泳ぐのは水底に戻れなくなるのが怖いんだ、
高い圧力が竜の体を底に押し込めている。

こんなにも近いのに。
僕の言葉は君に届く事はない。
阻む水と、戸惑う僕。
こんなにも近いのに。
理解・共感は適うが、君が望む言葉を探せば探すほど遠い。
それでもこの穢れた指を浸すのは禁忌で。

僕しか知らない、誰にも教えない。
この時間が壊れてしまうのが怖いから、また僕は言葉を探す。
水面に共鳴(ひび)くのは君の鳴き声。

実力の程度を試すには十分だろう。 

October 04 [Wed], 2006, 18:44

拒絶、ひとつ。
間に生まれた反応は憤りを起こすには十分なもので。
古き血を呼び起こすにも十分過ぎる甘え。
気付くことなく君は刻まれる。それは正当な闇討ち。
今晩から爪を磨がないと。

数週間。
ただ僕が「距離」を頭の隅に置いただけで、それ以外は
今までと何ら変わりなかった。
少し腹側部を刺されただけだ、傷は完治した。
あとは抉ってしまった傷が癒える事を。

入口はひとつ、出口もひとつ。
そして進路は軌道へ。僕はまた歩き出す。

夢では青の色みが強いらしく。 

September 30 [Sat], 2006, 8:58
長い年月、一日たりとも。
何を偽ろうとも、これだけは僕が掲げる真実である。
君と僕とは全く異なる時間を生きている故に
君と逢えるのは明け方の夢、もしくは思考停止後の世界。

君の部屋の引き出しの奥に眠ったままの金の鍵は極稀に扉を開く。
(僕は鍵の飾り部分のカケラしか持っていないから開けない)
それが昨晩だったという話。

君はプラスチックビニールに煙草で穴を開けるように
出逢って間もなく躊躇いもなく、僕の指関節付け根にそれを押し当て
アケビのように裂けて行く手の甲を爪で撫でる。
それでも僕の望む事はとてもよく解っている。


流るる雲は端に映り消えてゆく、地に落ちた雨が作る窪みは
果てしない空の一部を悪戯に映す。降り積もるのは銀粉。
ただ水が地面にびちびちと落ちる音に不安を感じながら歩いた。

噴水地域。高鳴る鼓動はすべて地下から鳴り響く。
透過四割の黒い翼が一面を取り囲んでゆく。ブラインド的視界。
それは僕らが君達の蜜を盗んだと思ったからだろう。
言葉が通じても解り合えないのは次元が違うためだと諦める。

月光翻すその姿はまるで蒼い蝶のように。
この時間。噴水が飛沫を上げる事は暫くないが、ただ二人。
このまま黒い怒りに塗り潰されようと。
僕の虹彩にはまるで七色、尽きることはない。
(ただ性格の悪さが君に露呈する前に、と願った)


コウモリ達の羽当たりは最初は痛くもあったが、慣れてしまえば
それこそヴェルヴェットの高級質感。このまま眠るにも十分過ぎるほど。
そうしてまた扉に別たれた。

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