一人が寂しいあなたへ

September 16 [Mon], 2013, 16:18
で迎えた。

智樹の体が死から逃れた安堵で力を失う。汗が一気に吹き出てきて震えが止まらなくなる。

「皇女、このような失態、申し訳ありません!」財布 ck

ギネビアは膝を突き抱擁を続けるリリに謝罪する。勝利を約束して出撃したというのに自分達だけが帰還する、何という無様か。

「ギネビア、状況の報告をまとめなさい。天幕に来て。誰か!モーラの竜の世話を。可哀相に大分弱っているわ。モーラ、みんなを救ってくれてありがとう」

「って、ちょっと!私には何かないの!?」

ユキナツだ。てきぱきと指示した癖に自分に何も言ってくれないのに相手は皇女にも拘らず突っ込みを入れる。関係の近しさを思わせる様子だった。

「ユキナツ、その様子だと、相当な散財になったみたいね。でもお金より仲間を選んでくれて嬉しいわよ?目録をくれたら全額私がみるから安心して。貴女はゆっくり休んで」

「散財はこの際どうでも良いわ。それよりもこの作戦全体の指示が必要な局面なの、リリ、やれる?」

ユキナツの真面目な様子にギネビアも顔を上げて同意する。

「わかっているわ。そのために出てきたのよ。結局、すぐ戻ることになったけれど。智樹様、さ、戻りましょう。私にも何があったのか教えてください」

リリは戦場を一瞥する。そしてすぐに身を返すと野営地へと戻った。

ギネビアからの報告を聞きながら、リリは智樹を宥め、励まし、慰め、あやし。彼の口からも戦況を確認していく。

(完全な負け戦になったわね。そうなると、帝国が如何に損害を出さずに退くかが重要。幸い、王国の勇者はまだ戦ってるみたいだから、ここは王国軍に|殿(しんがり)をやってもらって盾として使わせてもらいましょうか。王国の力も削げるし、丁度良いわ。欲を言えばここでリミアの勇者には死んでもらえると戦後も楽になるのだけど……。これは欲張りすぎか。何とか勇者も壊れずに戻ってきたのだし、魔族の出方と戦術も少しはわかった。収穫は十分ね。元々今回は勝てなくても良かったんだしこれで良しとしましょう。それに今頃王国は……ふふふ)
カルバンクライン
「智樹様、大変でございましたね。私の情報収集が甘かった所為で辛い目に遭わせてしまって本当に御免なさい!」

「リリ。良いよ、リミアだって何もわかってなかったんだ。それより、俺リミアの勇者と共闘すべきだったかな。やっぱり二人の方が勝つ可能性も上がったかも」

「いいえ!愚かなのは響とかいう勇者モドキです。勇者たる者、在り続けることこそが希望。途中で自己満足で死ぬなど、ただの使命の放棄です。智樹様は特別な方。万の兵士の犠牲で助かるなら安い物です。正しい判断ですわ、どうか自信を持ってくださいませ」

「……そうか。そうだよな!俺が死んだらなんにもならないもんな!ありがとうリリ、俺、自信持つよ。んでもっと強くなる!!」

「ええ、存分に強くなられませ。リリは智樹様のお望みのまま、ずっとお傍にいますから」

(女神の加護を押さえ込まれると現状コレに利用価値は殆ど無い。元々扱える魔法具の相性を見て、神槍と同じくらいの練度で扱える武器を増やすべきね。使えもしない武器を指輪にしまっていても邪魔なのだし。世話の焼ける。少なくとも今回のような無様な姿を見せるのは論外、後始末も大変だわ。あれだけ恵まれた環境と装備、それにレベルを与えて尚、みっともなく震える。女神のくれた勇者は、本当に屑ね)

もう一度智樹を深く抱きしめる。うっすらと開かれた目はおよそ仲間の三人には無い冷たい光を潜ませたまま。

(帝国の兵で勇者の無様を直接見たのは大抵があそこで死ぬでしょう。万が一
http://www.watchsreceive.com
  • URL:http://yaplog.jp/lalaqq/archive/29
Comment
小文字 太字 斜体 下線 取り消し線 左寄せ 中央揃え 右寄せ テキストカラー リンク 絵文字 プレビューON/OFF
画像認証  [画像変更]
画像の文字 : 
利用規約に同意
 X 
禁止事項とご注意
※本名・メールアドレス・住所・電話番号など、個人が特定できる情報の入力は行わないでください。
「ヤプログ!利用規約 第9条 禁止事項」に該当するコメントは禁止します。
「ヤプログ!利用規約」に同意の上、コメントを送信してください。
P R
カテゴリアーカイブ
http://yaplog.jp/lalaqq/index1_0.rdf