少女Aの日常 

October 01 [Sat], 2005, 23:38

今日もわたしは朝起きて顔洗ってごはん食べてはみがきして制服着てブローして化粧して行き帰りに聴くMDを選んで、ローファーに足を突っ込んで学校に行く、そして遅刻ギリギリに教室に入って友達としゃべりつつ授業を受ける

(こんなブタ箱みたいな空間で生活するのが“若い頃しか過ごせないかけがえの無い時間”だってんなら、あたしはさっさと醜くハラの出た年増になりたい)

お昼にはお弁当を食べながら友達がどこぞの男とどうなったかを話すのを聞いて頷いてアドバイスをして、合コンの誘いをかけてきた男子のつまらない下ネタで笑う

(なんか最近頭悪そうな女増えたよな、あ、男もか)

予鈴が鳴ったら隣のクラスに教科書借りに行って本鈴が鳴ったらうとうとしつつ授業を受けてたまに漫画読んだり後ろの子のプリ帳見たりして、放課後はコンビニでアイス食べて帰ろうという友達の誘いを断ってイヤホンを耳に突っ込んで帰路に着く

(あ、そういやメール返してないじゃん、でもまあめんどくさいからこのまんまでいっか、気にしない気にしない)

スカートを押さえながら駅の階段を登ってビルのとばくちに差しかかった眩しい夕日を見て、MDから流れる曲のテンポに合わせて歩調を速めて歩く

(今日も特になんにもしてないのに疲れたなあ、)

(風が冷たくなってる、もうあっという間に寒くなっちゃうなあ、あさって休みだから冬服を買いに行こう)
(このあとは読みかけの本読みながら紅茶を飲んで、昨日買った新作ポッキーでも食べよう、そんでちょっと泣こう)
(そんであの子に電話しよう、今月はまだお金あるからごはん食べる約束でもして、テレビ観て寝よう)
(こんなに楽しみはいっぱいあるじゃん、うん、充分)

(  あしたも頑張ろう)





センチメンタルとは程遠い (フジヅカ) 

August 11 [Thu], 2005, 18:53

久しぶりに青春学園に来てみると、案外変わっていない部分と思い出せない部分が結構あって、少し戸惑っている自分が居る。
あの頃当たり前のようにここでテニスをしていたのかと思うと、やっぱり不思議で。
今では企業に就職して彼女(のような存在)も居る自分が、宙に浮いているようだ。



ベンチに座って足元を見ると、落ち葉がだいぶ増えたことに気付く。
乾いた唇を舐めた。




あの頃のことを思い出すと、何本もの鋭いものに刺されたような痛みが走る。
鮮烈に残る春とかキレイな白い項に汗が伝っていった夏とか、そういう様々なものは今でもこんな苦しさや痛みとなって何度も俺のなかに戻ってくる。
手離すことを望んで、何度も試みたけど、無駄なことだった。
それはセンチメンタルとは程遠い、寂寞。拭っても拭っても取り除けない、深い黒。




彼は今どこに居るんだろう。
彼にもこんな得体の知れないどろどろとしたものがあるんだろうか。
ずっと俺たちはお互いに執着していたけど、それが同じ部分ではなかったように思う。
今となってはわからないし、知った所でこれがなくなるとも思わない。
だからこのまま、変わらずに。




また乾いてきた唇を舐める。
落ち葉を踏みつけると、空っぽな音がした。









--------------

成人した不二の独り言。


なんて言ったらいい?(カズ昭) 

July 03 [Sun], 2005, 18:37


「好いとう、カズさん、・・・カズさん、」


またこいつは、緩まった笑顔で同じことを言う。飽きることなく。
その度に俺のなかに色々なものが浮かび上がって、結局場所考えて言えやとかそんな言葉ではぐらかしてしまう。
本心では違うことが言いたいんだろうが、それは俺も好いとうよとかそんな単純な言葉ではなくて、形容しがたい、なにが違うのかはっきりしない、よくわからないものなので、いつも言えない。
だからこいつが傷ついた顔をするのを、俺も傷つきながら見ているだけで、もどかしくて、




「  あの、カズさん?」
「おとなしくしとれ」
「‥はい」




強く抱きしめると、身長差とか嫉妬とか、それを超えてる何かとか、色々なもので頭がぐちゃぐちゃになった。
いつも昭栄にアホやって言ってるけど、すんなり言葉が出てこない俺の方がアホなのかもしれない。
だって、こんなに凶暴な感情が「好き」なのか?昭栄を傷つけそうな気持ちが?
大切にしたいという思いと歯止めがきかないかもしれないという思いと、いつも矛盾する。
だから、こうやってささやかな行動にするのが精一杯で。
俺らしくないくらい臆病で、苦しくなって。





この体ふたつ分の距離も取っ払ってしまいたい。
段々と普段の速さに戻っていく昭栄の心臓の音を聞きながら、俺は目を閉じた。

















* * * *

なんであたしの書く文章はこう根暗っぽい方向に‥‥ていうかカズ昭ってマイナーすぎる‥‥
恋をするとさすがにカズさんも弱くなるよねっていうはなし



帰れない (ライカと蜜色) 

June 24 [Fri], 2005, 18:46

僕たちは常に双対的で、個々として完全に成り立っていたけれど互いに存在意義を見出していて、だからこそ早く離れるべきだったのかもしれない。
僕たちはキスもセックスもしたし確かに繋がっていたけれど、それは不完全な融合でしかないという事実にいつも絶望していた。
ライカの長い黒髪は艶やかでふくよかな胸は淡く色付いていて、僕のふわりとした癖っ毛はハニーレモンで肌は目の覚めるような白だったけれど、もっと深い汚いところで僕たちは同じだった。
行為はおよそ恋人同士のようなものだったけれど、そんな言葉では括れない、もっと純粋で本能的な関係だった。









別れは鉛色をした冬の日に。
長い髪が強く吹き付ける風になびいて、ライカの顔がよく見えない。
これからは二人で共有したものとは別の絶望を抱えて生きていくのだ。


「ミツイロ、」
「‥‥来香」

「 さよなら 」




目を開けたままキスをして、お互い真逆の道を向いて歩き出す。
そうしてもう二度とこの場所に、







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