ラ・ヴィネ 9周年記念アニバーサリー・ディナー
2013.10.14 [Mon] 18:50

2013年10月11日、恵比寿DE ROANNEにてラ・ヴィネの9周年アニバー
サリーディナーを開催いたしました。
毎年のアニバーサリーディナーは場所選び、ワイン選び、料理とのマリアー
ジュ、雰囲気造り・・・様々なことに頭を悩ませますが、今年はそれに加え
てお食事をレストランという場所で楽しむ新しい提案として、食前酒、食後
酒なども組み込んでワインリストを造りました。

ワインはクラシックさをテーマにしっかりと料理に合わせ(阿ることなく!
)シックなマリアージュを心がけました。



DE ROANNEは客席も40席以上と都内にしては珍しく広く、天井も高
い贅沢な造りのレストランです。内装もシックで、今回のテーマにもぴったり。

マネージャーの岩崎さんはグランメゾン出身らしい身のこなしと、落ち着い
た所作が美しく、この人数の多いディナーをロスなくスムーズに進行させて
くださいました。素早い料理の提供なのに優雅な仕草はお客様をゆったりと
した気持ちにさせてくれたと思います。



柚原シェフは若いながらも歴戦の料理人。まだ自身は若いながらも料理のイ
ンスピレーションがさすがで、やっぱりシェフ自身が無類のワイン好きなの
にも由来していると思います。(今年のソムリエ試験に合格したそうです!
)もちろん今回もディナーの前にワインと料理を試食し、マリアージュを確認
しましたが、こちらを意向をしっかり汲んでくれて、プラス新しい気付きを
私たちに教えてくれました。無限にあるワインと料理の組み合わせはソムリ
エとシェフのインスピレーションを戦わせる事でもあるのです!




今回のワインリストはこちら。

<アペリティフ>
VIN D’ORANGE

<発泡性>
CHAMPAGNE MORIZE PERE & FILS “BRUT MILLESIME” 1999

<辛口白.1>
SANCERRE G.C. 2008 DOMAINE JEAN MAX ROGER (En magnum)

<辛口白.2>
PULIGNY MONTRACHET 1996 DOMAINE BERNARD MOREY

<中重赤>
GEVREY CHAMBERTIN 1ER CRU LAVAUX SAINT JACQUES 1995
DOMAINE RENE LECLERC

<甘口赤>
GRENACHE 17 S.A. DOMAINE BUNAN

<ブランデー>
BAS ARMAGNAC 1972 G. GOUDOULIN

なんと7種類!

食前に、平間が買い付けたヴァン・ドランジュという甘口ワインにオレンジ
などを漬け込んだものを炭酸で割った飲み物をお出ししました。秋とはいえ
28度もあったので、爽やかさをしっかり演出したいという意味も込めました。

食後酒はアルマニャック。久保が今年アルマニャックを訪問し、新しい生産
者を発掘。食後酒を飲む文化が殆んどない日本にこれを定着させたい!との
こと。確かにこれを飲んで食事を終えるとその余韻に包み込まれるようで、
しかも胃がすっきり!
こういう習慣って覚えておきたい!フランス人でも今ではあまりやらないかも?


そして、いよいよ料理とのマリアージュ。




フォアグラの味噌付け 黒いちじくのロースト
       +
モリゼ ブリュット・ミレジム 1999

アミューズながらもしっかりとした濃厚な料理には熟成した濃厚なシャンパ
ーニュ。高野が今年見つけた新生産者のモリゼがわずかに残す1999年もの。
ブリオッシュ、バター、マンゴーの様なリッチなシャンパーニュとフォアグ
ラは最高の取り合わせです。イチジクの甘みがシャンパーニュの甘みとちょ
うど同じくらいで、自然に口の中で合わさります。アミューズからフォアグ
ラ、シックですね〜。




毛ガニとアボカド トマトのソルベとジュレ添え カニミソのソース
       +
サンセールGC 2008 ジャン・マックス・ロジェ

野性味溢れる毛がにと酸味が心地よいトマトの取り合わせ。ジュレとソルベ
という2種類でトマトを再構築しています。このサンセールはしっかりと果実
味に溢れ、酸・ミネラルも強いパワフルなワイン。爽やかというよりは野性
的。そしてトマトの様なアロマと甘みを帯びた酸が印象的です。と言うこと
は、このサンセールの味、香り、質感がこの皿に再現されているということ
なのです!合ってあたりまえ!




平目のヴァプール セップ添え ソースアルベール
       +
ピュリニー・モンラッシェ 1996 ベルナール・モレ

ねっとりとした質感の平目を蒸し焼きにして、マッシュルーム+エシャロッ
ト+ノイリー+バター+フュメド・ポワソンのソースで仕上げ、セップを添
えています。これは一番試食で悩んだ料理でした。黒むつで初めは仕立てよ
うとしたのですが、ピュリニーが想像以上にねっとり熟成していたので、質
感をあわせた平目に変更。香ばしく官能的な熟成香、濃厚な味わいのワイン
に負けないようにソースもクラシックでしっかりしたものにしてもらいまし
た。昨今ソースが軽くなる傾向にありますが、あえてそれに逆らった、時代
を感じさせるマリアージュにしました。





ランド産鳩の炭火ロティ 赤ワインとそのジュのソース
        +
ジュヴレ・シャンベルタン・ラヴォー・サンジャック 1995 
ルネ・ルクレール

子鳩を低温調理して表面を炭火で軽く炙り、ソースはジュとワインであまり
甘くしすぎないようにフィニッシュ。モツをコロッケみたいにして添えてい
ます。これは一番チャレンジなマリアージュでした。ワインはジュヴレの中
でもミネラルと酸のしっかりしたラヴォー・サンジャック。しかも造り手も
クラシックなスタイルのルネ・ルクレール。鋼のサーベルの様なすらっとシ
ャープで奥底にあるミネラル感の旨みをじっくり堪能するワインです。まだ
熟成途中で、上手くサーブしないと酸がより際立ってしまうので、直前抜栓
にして果実味を食卓で落とさないようにしました。やはりフルーティーで甘
いニュアンスがあるワインがポピュラーに受けるのは分かっていたのですが
、あえて好みの分かれる、経験値の必要なワインを選んだのは、今回のテー
マがクラシック、だったからです。これはワイン単体よりは料理と一緒にし
て初めて真価が分かるワイン。肉も質感が似ていてそれほどくせが強
すぎない子鳩、ソースも甘さが強くなく、肉の風味が生かされたもの、軽く
炭火で炙ることでワインの酸味を感じさせる特徴的な香りに対抗させました
。この前の白ワインの取り合わせが比較的ヴォリューム感のしっかりあるも
のだったので、その対比の意味も込めてこの取り合わせを持ってきました。
皆様のお口に合っていたらうれしいです。




ムースショコラとケーク・オ・ショコラ オレンジのアイスクリーム添え
        +
グルナッシュ17 ブナン

最後のデザートは一番分かりやすい納得感のある取り合わせと言えます。平
間が訪問したプロヴァンス・バンドールの生産者、ブナンがグルナッシュで
造る酒精強化ワインはまさにチョコやコーヒーの香りが全開で、シンプルで
飲みやすいワイン。スパイスのニュアンスは意外に少なかったので、デザー
トもシンプルにチョコを使い質感の異なった2種とチョコには鉄板のオレンジ
のアイスを添えました。ワインとデザートに境目がない感じはいいですね。


最後にコーヒー、小菓子、アルマニャックで〆ます。
アルマニャックは76年というやや熟成した、でも意外にまろやかでしっとり
したグドゥランという生産者のものです。
甘く香ばしい香りがレストラン中に広がり、飲まなくても醸し出される余韻
と雰囲気を楽しめます。不思議なお酒です。



今回のアニバーサリーディナーはこれまでで最も実験的で充実した内容にな
ったのではないでしょうか?

この会はお客様への感謝の会ではあるのですが、同時にラ・ヴィネのスタッフ
の精進の場としてもとても大事なイベントなのだと実感させられました。


今週からは店長の阿保が来年に向けてのフランス買付けに旅立ちます。

ラ・ヴィネは来年の会に向けて新たなスタートがきられました!
来年もお楽しみに!