南西地方六日目 〜純白に光る漆黒のカオール〜
2013.04.08 [Mon] 13:00



スペイン国境沿い、バスク地方から北上してきた
フランス南西地方、ワイン生産者巡り。

南西地方の最終日は、この地の代名詞的な存在、
カオールです。

まるで腸のように蛇行を繰り返すロット川は
東のカオールの街から西に向かい、流れていきます。




今日は日曜日で、ほとんどのドメーヌは訪問不可のため、
本来純粋な移動日にあてるところ、ラ・ヴィネでも仲の良い
いくつかの生産者に打診し、すこし無理を言って訪問の約束を取りました。




ご存じステファン・アズマール氏。

そう、お馴染みのアンフォラ熟成のカオールを造る名手。
とてもやわらかな物腰の方です。


黄色とオレンジのラベルのカオールに見覚えのある方も
多いのでは?






早速、件のアンフォラを見せて貰いました。

腰くらいまでの高さで、30個弱の数があります。
彼のワインには3つのレンジがあって、

・Clos dun Jourはコンクリートタンク熟成。
・Un Jour sur terreは、アンフォラ。
・Un Jour...は新樽によって熟成されています。

色合いは黒々としっかりしていますが、
どのキュヴェも質感が細やかで、タンニンの暴れる感じは
まったくありません。

改めてクオリティの高さを感じさせました。




サフランも造っているそうです。

小さな瓶が可愛く、ひとつお土産にくれました。




そして、目を引くこの純白の陶器のボトル。

???と思っていると、何とsur Terreを限定的に
陶器のボトルに仕込んでいるそうです。

本数はとても少ないので、もうストックはないが、
ちょうど明日最新のヴィンテージを瓶詰めするらしく、
それはラ・ヴィネに是非分けて貰わねば!と、
若干数だけ確保しました。

『黒ワイン』と呼ばれるカオールを、
どうして真っ白なボトルに詰めたんですか?と尋ねると、
ニヤリと笑っていました。

含むところがあるのでしょう。


そしてセラミックというのは、アンフォラもそうですが、
遠赤外線を発し、ワインには良い影響を与えるという説もあります。

実際、セラミック外壁でのセラーを造りたいとう人や、
古伊万里でワインを飲む人も。

このあたりの話は、現在自分の中でも情報収集中ですので、
分かり次第ご報告致します。

アンフォラは単なる回顧主義ではなく、昔の人が知っていた多くの事を
現代に蘇らせること、樽至上主義へのアンチテーゼのひとつです。




ステファン氏にお礼を言い、カオールを出発。

とても学ぶことの多かった南西地方、
たくさんの魅力的な造り手に出逢うことが出来ました。

そして進路はロワール最下流、ミュスカデを生む
ナントへの大移動。

その前に、昼食のための中継地はここです。




一度訪れてみたかった、聖地ロカマドール。

写真ではなかなかこの凄さが伝わりにくいのですが、
谷間に張り付くように建てられた建物は圧巻です。
(是非機会があれば、訪れてみてください!)




日曜日ということもあり、賑わいを見せています。

昨年訪問したヴェズレーと同じく、ここもまた
サンチアゴ・デ・コンポステーラに向かう巡礼路のひとつです。




山羊のチーズ、ロカマドールも有名ですね。
焼くと酸味がおだやかに、ホロッとした味わいが楽しめます。

土地で土地の料理をいただく。最高の贅沢です。




昼食の後は、せっかくなので、岩山に張り付いた頭頂部の
ノートルダム聖堂を目指します。




ちなみに巡礼者は200段ほどある階段を、膝で上っていたそうです。
自分の罪を悔い改めるために。




春の陽光が差し込む、ノートルダム聖堂。




もうひとつ、ここへ来たなら見ておきたいものが
黒い聖母像(ブラック・マリア)とよばれるもの。




巡礼者の病気を治したり、
奇跡を起こす力があると伝えられています。


・・・後半の旅の安全を祈願・・・。




いよいよ南西地方に幕を閉じ、リモージュ、ポワティエなどを抜け、
午後は400km近い大移動。


ミュスカデの中心都市、ナントまでやって来ました。

起伏に富んでいた南西地方に比べ、
おだやかな平野にミュスカデの葡萄が低く仕立てられています。




ホテルに到着したころには、すでにディナーの時間帯。

早速、明日訪問予定のエリア、Cru Clissonのワインをオーダー。
クリュのワインは伝統的な縦長のボトルではなく、
ブルゴーニュタイプに詰められます。

ひと口でニヤッと頬が緩み、明日の訪問でも良いものに出逢えそうだな、と
嬉しい予感。。。


2010年よりINAOが発表した、ミュスカデの中の3つの特別なコミューン、

Clisson
Gorge
Le Pallet

の造り手を明日は訪ね、それの品質を検証して来ます。

これは楽しみ!


日本での和食・寿司・割烹・天麩羅・牡蠣料理などには、
シャンパーニュやブルゴーニュの銘酒は、飲み頃までもって行ったとしても、
酸が強すぎると思うのです。

高級ワインは酸がないとダメだ、なんていう風潮さえありますが、
ワインだけ楽しむならそれも良いと思う。

素材の繊細な甘みや、出汁の風味を殺してしまわずに、
相乗して美味しさが伸びていく。

そんな救世主となるものこそ、ただのミュスカデではない、
クリュのミュスカデでなないか・・・という仮説です。


都内の星の付く高級和食店のソムリエさんともそんな話をし、
これらの輸入を待ち望んでくれています・・・。


報告は、明日!

*ラ・ヴィネfacebookページでも写真などご紹介しています。