南西地方五日目 〜沸点超えの悦楽 アルマニャック〜
2013.04.07 [Sun] 14:00


南西地方廻りも5日目、マディラン、サン・モン、トゥルサンを北に抜け
ここから先はガスコーニュ地方と呼ばれるところです。

ワインを生産する場合は、Vin de pays Cotes de Gascogneとなりますが、
何と言っても、ガスコーニュの至宝はアルマニャックです。

この日はガスコーニュワインとしての面白さをもった蔵と、
日本ではほとんど知られていないアルマニャックの生産者を訪ねていきます。


コニャックとアルマニャック。
良く対比される二つのオードヴィ。

この話は別枠を設けますが、今、農家仕立てのアルマニャックが、
シャンパーニュのレコルタン・マニピュラン同様、とても面白いのです。




ガスコーニュ地方は東西も南北も100kmを超える広大な領域で、
街や葡萄畑のある場所以外は、荒涼とした風景が続きます。

車を走らせ、最初の訪問先に到着。




挨拶も手短に、早速、「テイスティングしますか?」とのこと。
勿論です。

もっとも熟成の短いものでは、VSやVSOPなどがありますが、
アルマニャックの魅力は、もっと長い熟成の先にあります。

エイジングが進むにつれ、アルコールの刺激が穏やかに、
香りも複雑性を帯びてきます。




アルマニャック・ブランシュ。
2005年からAOCとなっています。

収穫年が記載されていますが、ボトルに入れられた後は
蒸留酒は、もう熟成しません。

蒸留酒の熟成は、樽に入れられている間のみです。
その代りワインと異なり、数十年の間、樽の中で貯蔵され続けます。




数十年、熟成させるシェは、このように黒く埃に覆われたような
まさしく長い時の流れを感じさせる貯蔵庫です。




ボンボンヌ瓶。

樽での熟成を終えた原酒は、この瓶に移されます。
以降は品質は変化せず、更に長く保存して多く事が出来ます。




続いての蔵はガスコーニュのワインを、セパージュごとに仕込む
教材としても勉強になった蔵元。

アモリ・ボーフォール似の若きフレデリックが案内してくれました。



ガスコーニュワインを造る蔵も、
だいたい並行でアルマニャックを持っています。

テイスティングはそこそこの量になり大変。




蒸留酒用の品種の圧搾機。

ワイン用とアルマニャック用に使われる品種は全く異なります。
蒸留用に優れた品種は、アルコールが低く、強い酸を持っているため、
そのまま飲むにはあまり適しませんが、こうした品種でないと
良いアルマニャックは造れないのです。




古い大樽から、70年代を試飲。

80年代くらいまでは、フルーツのアロマが強く、
70年代くらいから、スパイスやドライフラワーなど
複雑なブーケとなります。

古ければよい、ということではなく、
どちらの個性を好むか?ということです。
ワインと一緒ですね。




アルマニャックはローマ人の葡萄栽培、アラブ人のアランビック、
ケルト人の樽が出逢って生まれたフランス最古のオー・ド・ヴィです。

しかし、アランビックを持たない蔵も多く、そうした蔵は
蒸留時にこのような移動式の蒸留釜を使用します。




セラーマスターの判断により熟成の時を終え、ボンボンヌに移されたアルマニャックは、
Paradis(楽園・天国)と呼ばれる貯蔵庫に移されます。

おお、まさしくセ・パラディ!
イッツア・パラダイス!




最も古いものは1914年。今年で99年。
来年で、100年です。




ここでのテイスティングは品種別から。

Ugni Blanc
Baco
Folle Blanche

がここでは用いられ、

Colombardが加わることもあります。

これが主なアルマニャック用品種。




ひたすらテイスティング。




ただ、ひたすらに・・・。




辿り着いたのは99年前。




ここではボトリング、蝋封、ラベルと、すべてを手作業で行っていて、
リクエストに応じて様々なボトルの形状やサイズ、ラベルデザインなど
世界の需要に応えているそうです。




そして最後に、忘れてはならない、
ガスコーニュのアペリティフ・ワイン。

Floc de Gascogne です。

アルマニャック・ブランシュに、ガスコーニュの葡萄果汁を加えたもので、
ラタフィアと同じ製法です。

フロックとは、土地の言葉で、「花」


とても華やかで、美味しい食前酒となることでしょう。




よく、アルマニャックのテイスティング、というと
「そんなにたくさん続けられるですか?」と聞かれます。

・・・続けられるんですが、今回はより精度を高める為、
こんな秘密兵器を持っていきました。

Mon Pipette モンピぺ君です。笑

4生産者を廻り、特に質の良かったものを
ホテルで再確認。

同じヴィンテージの生産者違いなど、
いろいろ遊べます。いや、これは勉強です。

奥の3本の小瓶は、頼み込んで詰めてもらったので、
日本に持って帰ります。

皆でテイスティングしましょう!


、ということで、蒸留酒ファンの自分は恍惚のガソリンを注入し、
後半の買い付けに挑みたいと思います。

明日はカオールと、世界遺産ロカマドール。
そしてミュスカデ(ナント)へのロングランです。

それでは、また。



*ラ・ヴィネfacebookページでも写真などご紹介しています。