2013年フランス出張・始動!〜バスクより、魂込めて〜
2013.04.03 [Wed] 12:34


こんにちわ、久保です。

2013年も4月がスタート。と、共に自分は今、2013年のラ・ヴィネ買い付けの第一部隊として、
フランスでも最もスペイン寄りの秘境、バスク地方までやって来ました。

南西地方というとジュランソン、マディラン、カオールなどが
代表的な生産エリアとして知られていて、これらの地域も今日から
廻っていくのですが、その前にどうしても見ておきたいフランスでも独自の文化を形成する
バスク地方に赴くため、まずはパリから国境沿いのビアリッツ空港まで飛びます。




パリの早朝は気温2℃。
乾燥しているので、日本の12月くらいに戻ったような寒さです。

国内線の乗り換え。パリ・オルリーからビアリッツまでは、1時間のフライトです。




観光であれば、車で海岸線を旅したり、ルルドの泉などケーブルカーで山を登っていくのも
魅力的なバスク地方ですが、我々は一路、ワイン産地イルーレギへ!

カーヴ・タイユヴァン時代からすでにお付き合いのある蔵元が数件ありますが、
そのうちのひとつ、小規模ながら質の高いある造り手の再訪です。

ピレネーに向かう急こう配の山々が迫ってきます。
時々豪雨が叩きつけたり、いかにも山らしく天気が移ろいでいきます。




赤い屋根、茶色い木枠の整った家々や、牧草地に自由に群れる羊や牛、馬などの
長閑な風景を眺めながら、スペイン国境付近まで南下していくと、
ようやくイルーレギのこじんまりとした村落に到着。

すでに成田を出て、24時間近くが経過しています。
遠いところまで来たものです。




その、質の高いドメーヌとは、ご存じ"Domaine Ilarria"です。
http://www.lavinee.jp/shop/g/gSOB1-2199/

1988年にドメーヌとして動きだし25年。

イルーレギはフィロキセラ以降、葡萄畑が壊滅し、ワイン造りの復興が
行われなかった土地で、そういえば、どの産地でも生産者訪問を行う際に
蔵にたどり着くまでに葡萄畑が延々とお出迎えしてくれるのですが、
イルーレギの周りには、ほとんど葡萄の樹がありません。

いったいどこで造っているのだろうか、という程。

現在は限られた山の傾斜にのみ植樹され、
AOC全体のトータルで240haまで増えたそうです。

ボルドーなどだったら、一つのシャトーでこのくらい所有するところもあるでしょうね。
それをいくつかの農家で、分け合っています。



イラリアが30〜40年ほど前(コーペラティブに売っていた時代も含め)に植えた木は
今、理想的な樹齢となり、特に白ワイン用プティ・マンサン、クルビュ用の区画は
この地でも例外的に、アルジロ・カルケール(石灰質)を含む土壌です。

これがワインにミネラリテを与えています。

そしてこの聞きなれない、クリュビュ。
マンサン系(プティ&グロ)に比べ酸度が穏やかで、丸みのある味わいを与える品種で、
これを50%、プティ・マンサン50%の2011年。

ブレンド比はヴィンテージのそれぞれの出来によって調整します。
Inoxタンク熟成で、樽は不使用。

輝かしいほどに綺麗なワインです!






苗木を植えた時の話や、収穫の写真を見せて貰いました。
イラリアは14年前から有機農業ABの認証も取っていますが、
ここで、日本の自然栽培の創始者『福岡 正信』についての話になりました。

ジャック・セロスの蔵を訪問した際もこの話になりましたが、
ここイルーレギでも、彼は有名です。

自然の調和に則って葡萄を育てていけば、
人がやることなど、何もない。
「私は、なにも仕事をしない。葡萄と自然が健全に生きているだけです」とマダム・ルーシー。

・・・またこの言葉を聞きました。
写真の中では、羊たちが雑草を食べています。




そして、それに答える鮮やかなワイン。

ロゼも素晴らしい。溌剌としてストレスのない弾けるようなアロマ。

元気いっぱいで、自分のやりたいことをやっている人って
魅力的ですよね。輝いていて。

そんな印象をワインの中に受けるのです。




タナ種をメインに造られる赤。

マディランよりもおそらく酸度の高い、
縦に伸びる味。

酸がタンニンの収斂を強調させるため、
口径がきゅっと引き締まります。

いかにも山のワイン、といった感じで好印象。
ワイン単体で鑑賞するものではなく、乾燥させたり、
凝縮させたような、山の食事と合うでしょう。

バスクのソシソン・セック、バイヨンヌ・ハムなどはまさしくぴったり。




トップ・キュヴェ、Bixintxo。
ビシンショとは、バスクでのSaint Vincent〜葡萄の神〜のことだそうです。

天にささげられる為のワインで、味わいもお腹の方ではなく、
脳天を超え、空の方へ昇華していきます。タンニンはたっぷりありますが、
非常に重心が高い。

知名度や希少性、市場原理などとは切り離された、
本質として高貴なワインだと思います。

『こうあるべき』という自答的なキュヴェです。




村の中央に佇む、Saint Vincent.








小さな造り手ながら、想いの詰まったワインが、遥か東京に届けられています。


自分たちは、

『直接・本人から話を聴き、』
『自分の舌で味わい、』
『風を浴び、土を踏み、(風土を感じ)』
『その文化を日本に伝える』

こんな仕事に巡り合えて、嬉しく思います。

一生懸命造っている人に逢いもせず、飲みもせず、
風土も知らず、それなのに知ったかぶりして商売道具にしてはいけない、と
このことは、自分の中に再び強く誓うことが出来ました。




東京には、多くのバスク料理を食べさせてくれるお店が増えています。

ア・バスクさん
ラ・シャスさん
レ・ロジェさん
ローブリューさん
ピッチョリー・ド・ルルさん
サンジャン・ピエドポーさん、

専門店でなくとも、バスクの魅力を伝えている方々が
たくさん、います。

ビストロ天下井の天下井シェフも、今回の旅に
いろいろアドバイスをくれました。

皆、かつてここへ来て、その魅力を体感したのだと思います。

ラ・ヴィネはワインを通じて、それがお伝えできれば嬉しいなと願っています。

イラリアのイルーレギは現在、白のみとなっておりますが、
日本に戻ったら、今回の新作をいろいろオーダーする約束をしました。

2009年の白はルーシーさんも太鼓判のお勧めでしたので、
あるうちに是非どうぞ!
http://www.lavinee.jp/shop/g/gSOB1-2199/

飲食店様は、一店舗1ケースまででお願いしますね。
(あとちょっとしかなかったと思うので・・・)

さて、シャワーを浴びて、朝食食べたら、
今日はジュランソンです!

頑張って毎日、更新しますので、眺めてみてくださいね!

そうそう、La Vineeのfacebookページにも、写真など上げていきますので、
是非見てみてください。