Vezelay 〜中世の記憶を宿すワイン〜
2012.04.25 [Wed] 13:01

ジュラの訪問をすべて終え、今日の宿泊地シャブリまでは、結構な距離のドライブ。

通常であればまっすぐシャブリへ向かいたいところなのですが、
どうしても行ってみたくてスケジュールに入れてしまった土地。

それがヴェズレーです。



中央高原に近いこの辺りは、菜の花が咲き乱れ、緩やかな起伏が連続しています。
曇天にもかかわらず、空気の美味しさと目の前の牧歌的な風景に癒されます。




やがて現れる丘の上の大聖堂。

ヴェズレーの古い街並みと、シンボリックなサント・マドレーヌ大聖堂です。


サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路の始点のひとつという歴史的重要性があり、
大聖堂のティンパヌムはロマネスク彫刻の傑作として知られています。

ワインは修道院と深い関わりがあり、そうした背景に心を通わせながら
ワインで歴史を遡っていくのも、楽しい飲み方ではないでしょうか。




一軒だけ、とても小さなコーペラティブを訪問。
12人ほどのヴィニュロンが彼らの葡萄を育て、オーガニックの認証は取っていませんが、
限りなくそれに近い栽培がおこなわれているそうです。

設立当時はシャブリのラヴノーや、フィリップ・パカレなどがコンサルタントをしていたとか。




Melon de Bourgogne

今はミュスカデの別名とされていますが、まさしくその名の通り、
ブルゴーニュに起源があるのです。

18世紀にミュスカデあたりの大寒波で、葡萄畑が壊滅したときに、
個性はさほどないものの、寒さにめっぽう強いこの品種がミュスカデに植えられたのです。

まさにみずみずしいメロンのアロマ。
今ではブルゴーニュにもほとんど植えられていません。




シャブリが近いのですが、土壌の石灰質は少なくなり、この辺りは粘土のほうが強くなっています。
ですので、シャープな酸というよりはまろやかに仕上がり、高原のやさしいアロマが何とも綺麗。

それでも畑にはアンモナイトや巻貝などの貝殻の化石が出てきます。




キュヴェ・テロワール。
リンゴや柑橘のフルーティな味わいで、アルコールもやや穏やか。

全体的に日本の白ワインを思わせます。
クレマンを始め、和食にばっちり合いそうです。




テイスティングルームから外へ、この日はヴェズレーからシャブリまでもう少し走らねばならないため、街の散策はまたいつか。

ワインをテラスまで持っていき、ラベルに描かれた大聖堂と、
まさしく目の前にある大聖堂の記憶を、ワインに注入します(笑)
ホメオパシーです。




帰り道も相変わらず曇天でしたが、シャブリ方向を示すように、
虹が出ていました。(写真だとわかりにくいですね)


Vezelayの街がAu revoirと言ってくれたようで嬉しかった。
ワインも日本に届けたいですね。


明日はシャブリの街を東に、
Bourgogne TonnerreとBourgogne Epineuilを訪問。

ヴェズレー、トネール、エピヌイユ、というブルゴーニュのマイナーな
サブアペラシオンの魅力を形にしたいと思います!

近くの赤ワイン産地のIrancyも、かつてはBourgogne Irancyからその名を変えたので、
このbourgogne Vezelayも、はっきりとした個性が打ち出されれば、Vezelayを単独で名乗る日が
来るかもしれませんね。

ではまた。