シャンパーニュ訪問第2日目・クリュッグ
2009.12.03 [Thu] 16:22

こんにちは。中尾です。

シャンパーニュツアーはいよいよ二日目に入りました。

はやくも今回のクライマックスとも言える、クリュッグの訪問です。



一般客にはほとほんど開放していなくて、訪問はかなり困難なクリュッグ。
しかも今回はあのトップキュヴェ、クロ・デュ・メニルの畑を見学し、なんと
そこでクロ・デュ・メニルをテイスティングできる!という幸運にあずかることが
できました。

今もあの感動が喉の奥に?残っています・・・


ワインの仕事をしていてもなかなかこういう経験はできません。
まさに自分の宝物になる体験でした。


★シャンパーニュ訪問第二日目・KRUG クリュッグ★

1843年にドイツ人、ヨハン・ヨーゼフ・クリュッグによって創立したシャンパーニュメゾン。
もともとジャクソンの婿養子として働いていましたが、自分の新しいメゾンを作るにあたり、
これまであまり重要視されていなかった、アサンブラージュにこだわったシャンパーニュ
造りをコンセプトにしました。

現在ではプレステージシャンパーニュとしての地位を不動のものとしているクリュッグですが、
なんと従業員は45人、しかもシャンパーニュを造っているのはわずか25人の少なさ!

世界中に名が轟くメゾンとしては驚くほどの規模の小ささなのです。


そんなクリュッグの旨さの秘密はなんなのか?

探ってきました!


広報を担当し、自らもシャンパーニュ造りを行なっているという彼女。
まさにクリュッグ!という洗練されたファッションや物腰で、いかにも広報、というかんじ
でしたが、シャンパーニュ造りもしていると聞いてビックリ!


やはりワイン造りはセンスも重要なのですねぇー。


では彼女に案内されて早速セラーを見学。

仕込みはどうやら終わっているらしく、ひっそりとしたセラー。

クリュッグといえば樽熟成、樽発酵!
セラーにはシャンパーニュ地方独特の大きさ205L樽が5000個以上も積まれています。
クリュッグでは新樽は全く使わないので、置いてある樽は全て使い込んだ味のある樽ばかり。



実際に発酵途中のワインも見せてもらいました。
耳をすませると「ちりちり」と発酵によって二酸化炭素が生まれる音が聞こえてきます。

樽には村と番号の略字が全てに書かれ、どの畑から取れたものかが分かるようになっています。

クリュッグの凄さはアサンブラージュの巧みさと、畑の個性をいかに掴んでいるか、
なのでしょうか?(まだ秘密はありそうですが・・・・)

ちなみにこれが亜硫酸だそうです。
実物見るのは初めてです。




それでは地下のセラーに移動。

これほどの規模のメゾンではピュピトルの量も半端ではありません。
はるかに続く回廊にピュピトルが整然と並び、厳かな雰囲気。



しかも見た目も美しく、幻想的な古代の寺院のようです。


と思いきや急に明るく開けた近代的なステンレスタンクが、これも膨大な数並び立っています。
このステンレスタンクは樽熟成が終わった原酒を貯蔵する為のもので、樽熟成が終わり、完成した
ものに変な酸化をさせない為だそうです。

以外にもステンレスタンクを初めに導入したのはクリュッグで、樽熟成が代名詞のクラシックな
メゾン、という印象とは見事に正反対の、緻密で科学的な側面もあることを教えてくれました。



もともとこれらのステンレスタンクは、牛乳用!(ワイン用に造られ出したのは最近)であり、
作っているメーカーも乳製品用の機具を作っているとのこと。まさに農業国。

これらのステンレスタンクには96年以前の原酒も多く貯蔵され、今販売されている
GRANE CUVEE にもそれらの古い原酒が比較的多くアサンブラージュされているそうです。

クリュッグの品質の秘密は、クラシックと近代的技術の融合、そしてテロワールとヴィンテージとい

う2つの要素をいかに計画的に保持してブレンドしていくか、にあるのではないでしょうか。
シャンパーニュ造りの奥深さを見せ付けられました。


それではレセプションに戻ってテイスティング!

ここではGRANDE CUVEEをテイスティングしました。
このキュヴェはまさに「重厚でクラシックなシャンパーニュ」




圧倒的なアロマとコク。それを樽の風味が包み込み、優しくまとめ上げています。

トーストや蜂蜜の香りに優しいミネラルと酸味、古い原酒が与えるシャンピニョンのブーケ。

ヴィンテージシャンパーニュでは味わえないフレッシュさと熟成の融合。
アサンブラージュすることの意味を教えてくれます。

先日訪問したレコルタンのシャンパーニュとは違う味わいで、
この多様性こそがシャンパーニュの奥深さと言えます。



ひとまずクリュッグを辞し、他の生産者を訪問。


その後、いよいよお待ちかねの

「クロ・デュ・メニル」見学&テイスティングです!


1本10万弱もする超高価シャンパーニュ「クロ・デュ・メニル」

メニル・シュル・オジェ村の中心にあり、周りを石垣で囲まれています。
村の真ん中に畑があるのは珍しいのですが、聞くところによると
畑が先にあり、それから村ができたのだそうです。

なるほど!

元々は教会の持ち物だったこの畑をクリュッグが買い取ったのが70年代。
その後一からブドウを植え替えて、品質を向上させてきました。

現在では畑のほとんどが有機栽培に切り替えられ、さらなる向上を目指しているそうです。

また、クル・デュ・メニルは醸造も全て隣接するセラーで行い、
(ランスのセラーは使わず、収穫後ここですぐに作業するそうです。)
グランド・キュヴェに使うコート・デ・ブランの畑のものもここで醸造します。
それほど大きくない規模なのに2つもセラーをもつなんてさすがです。

畑の脇にあった石碑には1600年代からこの畑があることが古代フランス語にて書かれています。



テイスティングは畑で!
やはりとても綺麗なミネラルが特徴で、こういったシャルドネは熟成すると
素晴らしい複雑さをかもし出すようになります。
もちろんまだ若いシャンパーニュだったので、酸味が強く、これからよくなってくる
でしょうが、エキスの強さは圧巻です。



もちろん、摘み残しのブドウも食べてきました。
この甘みはなんとも表現しようがないですね。
これまで訪問した生産者のブドウの中で一番甘かった!!



クリュッグの訪問は驚きとシャンパーニュの楽しみに満ちた、
忘れられない体験になりました。
この日食べたブドウがシャンパーニュになるころにもう一度来たいです。