カランコエ 第八話 

July 12 [Tue], 2005, 14:57
「陽!修は!?修はどうなったの!?」

母さんが息を切らしてやってきた。
時計を見ると9時前だった。何時間もたったように思えてたけど
本当はたったの20分程度だった。
そういえば、母さんに電話するの忘れた。あ・・・。
実南にもしなくちゃ。

「修は死んだ。」
「!」

母さんは目を見開くと瞳が潤み声を出して泣き始めた。

「母さん、父さんは?」
「今・・・アメリカに出張中・・・・・・ああ・・修ぅ・・・。」

言うと同時にすぐそこにある修に気づいたらしくフラフラと修の下へ駆け寄った。

「修・・・なんで引かれたのよ・・・?」

当たり前だが修はものこの世にはいない。
答えるはずのない修に母さんはしがみつきながら必死に問いかけた。

その姿を俺は一人でぼーっと見ていた。
さっき涙がでたはずなのに、今、出てこない。

その瞬間勢いよくドアが開いた。






実南だ。











「・・・・・・・・・・・・・・修。」

カランコエ 第七話 

July 12 [Tue], 2005, 14:50

 街の中心部のところにある大きな大学病院に救急車は入った。
なおも陽は修に呼びかけるが返事はなかった。
動揺していた陽には救急隊の言葉にも気づかなかった。

「やばい!心臓が停止している!」

サイレンをうならせ急いだ。入り口はもう目の前。
着くと5人程度の看護士や医者が待ち構えていた。
救急隊の一人がすばやく修の容態を伝えると急いで修は病院に運ばれていった。

何時間たったんだろう。
今までぼーっとしていた陽はふと我に帰った。
あの後修と共に救急車を降りたあと手術室の前でほんの少しの間待たされて。
それから・・・医者に「真に残念です。」と言われた。
じゃあ、この白い布を顔に被された冷たくなった生きていない生物は
修だというのか。

嘘だ。

頬に涙が伝った気がした。
何がいけなかったのか。
俺が実南が修を嫌いになればいいって願ったのがいけなかったのか。
その罪を修が被ってしまったのか。

カランコエ 第六話 

July 09 [Sat], 2005, 14:32
びっくりした。水内とは俺の苗字。修とは俺の双子の兄の名前。
いや、まさか。陽はたらりと背中に流れる冷や汗に気づかずに必死に記憶を洗った。
2年で『水内修』どこかにいなかったか。これほど規模の大きい学校だ。
一人くらいいたって不思議じゃない。一気に陽の心は不安に染まる。
顔を見ればわかる、きっと修じゃない。そうだ。見て心を落ち着かせよう。
震える足が上手く前へ進んでくれない。
やっとの思いで近づいた頃には野次馬だらけ。遠くからは救急車の音がする。
遠くから聞こえる高めの音はより一層陽の不安を大きくした。
野次馬達を両手でかきわり、目にしたものは。まさに血まみれの自分。
そう、横たわる、鼓動を打ち終えた、修。

「修!」

陽は思わず駆け寄った。我を忘れた陽は荒く修に触った。
冷たく、ほんのり暖かい。陽の手には大量の血がついた。
その血は修とは逆に熱く、熱い液体。自然と目から大粒の涙が溢れてくる。

「陽!陽!まだ生きてるかもしれない!あんまり動かすな!もうすぐ救急車も来るから!」
「修、死ぬなよ・・・。」
「大丈夫だから!」

小さい頃からの幼馴染の浩介は荒れ狂う陽を宥めた。
現れた白い車からは2,3人の白い服をきた人が出てきて大声と友に嵐のように修を
車に入れ、走り去っていった。
陽は救急車の中でも目を開かない修に大声で呼んだ

カランコエ 第五話 

June 28 [Tue], 2005, 19:10
金曜日はいつも楽しみだった。

俺の大好きな体育が1時間目に堂々と入っているからだ。

でも今日はとても憂鬱。朝っぱらからなんでだるくてろくに起きてない体を

動かさなきゃならないんだ、少し陽はイライラしていた。

大好きな体育が面倒になるほど昨日の出来事は陽にとって

あまり気分のいいことじゃないのだ。



学校が近くなっていくにつれて陽と同じ制服を着る人も多くなる。

陽と修と南実が通うこの高校はお坊ちゃま、お嬢ちゃまの小学校から

大学までのエスカレーター式で日本でも有名なマンモス校の中の高校である。

陽と修の親は一応有名なオモチャ会社の社長。

南実の家は建設会社の社長。南実は子供が中々出来なかった夫婦の間に

生まれた一人娘なもんだから特別に可愛がられて育てられたと修から聞いた。

そんな娘を大事にする両親に修は好かれてる。明るい好青年だと。

俺は南実の親と会ったことないからどう思われてるかわからないけど

良く思われていたい。

ぼーっとしながらも確実に校門に近づいていくと後ろからとてつもない音がした。

まるで何かが車にはねられたような。そんな音。

騒がしく騒ぐ人がたくさん。わざわざ校内から集まってきた野次馬。

あまり人の事に関心がない陽も野次馬の心があったらしくその場に行く事にした。

学校の敷地内から出るとすぐに大通りがあって車も多くあまり驚くような事では

ないのだが、周りの野次馬から聞こえた一言に陽は耳を疑った。

「あれって2年の水内修だよな・・・?」


S U K I  

June 24 [Fri], 2005, 19:12
ねぇ

君を好きになって良いですか?

君の笑顔が見たいから

幸せ一緒に探しに行こう

愛してる

愛してる

この気持ちは

僕と君の共通点

カランコエ 第四話 

June 22 [Wed], 2005, 15:35
次の日の翌朝。

昨日の夜、俺はあまり眠れなかった。

同じ双子なのに南実と修の距離はあんなにも近いのに

俺と南実の距離には遮る壁さえある。

今日も修は俺より早く出て南実の家へと向かった。

珍しく寝坊していて慌てて準備をして漫画のように母さんの用意した

食パンを片手に走って家を出て行った。

遅れて南実に嫌われればいいのに。

「陽、まだ行かないの?」

「あー行くよ。」

「そう。気を付けてね。いってらっしゃい。」

そのまま早歩きで母さんに返事をしないで玄関に向かい、

急いで靴を履いた。

まだ少しだけ香る南実の家の匂いを出来るだけ嗅ぎたくなかったから。

「行くから。」

ボソリと陰気な感じに出て行った。

カランコエ 第三話 

June 21 [Tue], 2005, 16:12
送るとすぐに返事は返って着た。

ちょっと早すぎるしコノミとのメールはつまらないものだった。

明らかにブリッコな文面にずうずうしすぎる文章。

隣の部屋の笑い声を聞くのもやだけど、こんなのを相手するのもいやだ。

もうシカトする事に決めた。



「お邪魔しました。失礼しますー。」

「南実ちゃん、また来てね〜。」



下の玄関の方から南実と母さんの声が聞こえた。

どうやら帰るらしい。ふと時計を見ると7時になっていた。

ご飯時だし明日も学校だから帰ったのだろう。

俺はそういう南実の礼儀正しいところも好きなんだ。

***

「母さん、飯何?」

その直後に下に下りてって上機嫌の母さんに聞いた。

南実は母さんのお気に入りでもあるから。

「今夜はエビフライよ。」

「ふーん。」

エビフライは大好きだけど素直に喜ぶ気分にはとてもじゃないけどなれなかった。

微かに玄関に残る南実の家の匂いが鼻をくすぐった。

カランコエ第二話 

June 19 [Sun], 2005, 13:48
近寄りたくないのに修の部屋は俺の隣。

壁が薄くて会話が途切れ途切れに聞こえる。

聞きたくないのに。南実の家で遊べばいいのに。

こんな状況だったらあまりにも俺が惨めだ。



♪〜♪〜〜♪〜〜〜〜♪〜



いきなり鳴った着信音に陽はビクッと体を強張らせた。

携帯を開けるとメールが1通着てた。誰からだ?



『コノミ』



南実の友達。噂で聞いた話だから定かではないけど俺の事が好きらしい。

そんなことはどうだっていいけど。



まただ。メールを開こうとしたら南実と修の笑い声。聞きたくない。

いつもならシカトするコノミからのメールを返信する事にした。

第五話 

June 18 [Sat], 2005, 13:43
優:「うっ・・・・くっ・・・・・くっ・・・・・そ・・・・・・・」
來:「・・・・・・・・・・・・・・?どうしたんだ」
佑馬:「優・・・・行くぞ・・・・・・・」
優:「はい・・・・・行きましょう・・・・・・
佑馬:「優・・・・・。じゃぁな來
來:「えっ・・・・・・・・」
優:「くそ・・・・ゃっ・・・・・・」

來:「優の自己攻撃が効かない?!」
優:「ぅっ・・・・・くっ・・・・・メリオーサ・ビビオス!!―・・・は・・・」
佑馬:「―・・・・・・・ダビエス・ノミグズ・・・・・・。これで解けたと思う」
優:「―・・・・・佑馬」
佑馬:「ごめん」
優:「ううん・・・・いいの。佑馬は好きだけど、幼なじみっていう感覚の方があるから・・・・」
佑馬:「そ・・・っか・・・・ごめんね・・・」
優:「でも頑張って、來から奪ってみなさいよw正攻法でね?w」
來:「!!」

カランコエ 第一話 

June 18 [Sat], 2005, 13:36
毎日毎日うざったいくらいに聞こえる声は修の部屋から。
修と実南の話し声。

聞きたくないのに隣の部屋だから聞こえてしまう。
学校でも一緒にいるんだから帰った後に家に寄らなくてもいいじゃないか。
最近よく思う。

つい最近。見てしまったのだ。
母さんに頼まれて気まずいのも覚悟でジュースとお菓子を持っていった時の事。

『入るよ。』
『え、陽っ!?』

それは明らかに動揺した声。
俺は見てしまったのだ。入った瞬間目を疑った。
布団に二人で入っていた。服は床に落ちてていかにも・・・という感じだった。

『ここに置いとくから。』
『ああ・・・。』

表情を変えない俺にほっとした修は一言『ごめん。』と言った。

『母さんには言わないよ。』

ドアを静かに閉めて自室に戻った。
涙が出た。

それ以来あまり修の部屋には近寄らないようにした。


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