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February 26 [Fri], 2010, 20:11
一週間はあっという間に過ぎ、

とうとう来てほしくない日が来た。


透の引っ越しの日。


私はは透の家までいこうかどうか悩んでいた。


おかげで夜は眠れずに、朝4時にも関わらず、目が覚めてしまっている。


「・・・どうしよう・・・。」



まだ薄暗い部屋の中でベッドに横になりながら考えていた。

きっと見送りにいくのが普通だろう・・・

しかし私には勇気がなかった。

透を笑顔で見送る勇気がない。


もし、透が私の立場だったら・・・
透は・・・・どうするのだろうか。




いつものあの笑顔で、私に、


「さようなら。」


とか言うのだろうか。





そう考えた途端、苦しくなって、なんだか気持ち悪くなった。






透が私に別れを告げる瞬間なんて見たくもないし、聞きたくもない。






でも・・・・実際、東京と愛知じゃまだ子供の私たちにとって、

簡単に会える距離ではない・・・。



大学生になるまで上京するのは無理だろうし、

それまで会いに行くにもお金がない。




会えなくなるのは容易に予想がついた。







一気に押し寄せる不安。





嫌だ






と何度も心の中で叫び続けた。





時計を見るともう5時を指している。



平日。

学校にも行かなければならない。


こんな日に・・・行く気力なんて起きないよ・・・。



それでも嫌々、制服に着替える。





窓からは朝日が差し込んで、

悲しいくらいに部屋を明るく照らしていた。



「晴れ・・・か。」


そう呟くとなんとなく外に出る。

朝から何をしているんだろうと自分で笑えてくる。




行けばいいのに。






ただそれだけのこと。












けど、できない。







わかってる。







けど会いたい


会いたい






情けなくなって家に戻ろうとした。







すると、




キィ・・・




と後ろから自転車の音。









まさかと思って後ろを振り向く。











「おはようございます。新聞です。」



と、にっこり笑う新聞配達のおじさんだった・・・。




期待した自分が恥ずかしい。






「御苦労さまです。」





そう言っておじさんが去った後、ポストから新聞を取る。





それと同時に一枚の封筒が、ひらひらと地面に落ちた。







「なんだろう・・・。」







宛先も、差出人も書かれていない。

私はゆっくりと開いた。






















P R
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