二話 【古本屋】 

March 25 [Wed], 2009, 22:19
放課後になり、自転車置き場に向かった。日が傾いているというのにまだ蒸し暑い。
今日の授業を思い出しひとつため息をはいた。

 いったい自分は何がしたいんだ・・・

自転車をこぎながらボーっと考えた。シャツの間に入り込む風が涼しくて熱いからだが冷めたように感じた。
幼いころから通っていた商店街は小学生のときとは違い静かでひっそりとしていた。ふと、昔を思い出すとお小遣い握って駄菓子屋に通ってたことを思い出した。
その駄菓子屋は今は店をやめていてただの家になっていた。
少し寂しい気がした。

何を思ったのかある店を見た。

【未来堂】

 「こんな店あったっけ・・・」

それは古本屋のようだった。なぜ今まで気づかなかったのかはわからないが、少し興味がわいた。

 勉強の合間に読む本でも探すか・・・

あまり深く考えてはいなかったものの、かび臭いほこりの被っている本たちから探した。そのとき五冊を紐でまとめたシリーズものの本を見つけた。一昔前にはやったものだった。当時興味がなくて読んでなかったがなんとなく今になって読んでみたくなった。

にしても店の主人は客をあまり見ない。しかめっ面でずっと新聞を読んでいる。

 「・・・これ、買います」

主人は少し間を空けて俺を見た。支払いが済んで帰り際になぜか飴をくれた。見かけによらないな・・・







 「ただいま・・・」

暗い無人の家に呼びかけても返事は当然返ってこない。両親ともに共働きだかた帰りは遅いダイニングテーブルには母が書いた置手紙があった。

《今日は帰りが遅くなるから適当に冷蔵庫の物を食べといてください》

別に寂しいわけじゃない。冷蔵庫には手をつけずにテーブルのバスケットに入っているパンを食べた。
自分の部屋に戻りベッドにダイブ・・・先ほど買った本の束に手をつけた。
はさみで紐を切って一冊目を手に取りページを開いた。
 
 「だめだ・・・文字ばっかだ」

当たり前だが文字ばかりの物語。それだけで読む気がうせてしまった。なんとも情けない。

 「?これだけ違う」

五冊の間に一冊だけ違う本が挟まっていた。いや本ではなく日記帳だった。
どうして日記帳があるのか不思議だった。ぱらっとめくると誰かが書いた後だった。
間違えて持ち主がうったのだろか。

勝手に人の日記帳を読むのはよくないことだが、読んでみると・・・


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2003年・月3日

今日は、第一病院に診察にいった。先生は大丈夫だよって言ってくれたけどお母さんの顔は複雑な顔をしてた
。なんとなくわかる・・・もぉ長くはないんだよね

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・・・・・深刻。内容的に何か病気を持ったこの日記のようだった。字からして女の子だろう。
最終ページを見ると、2003年7月14日、ちょうど今日の日付で終わっていた。
偶然だろうと思って日記を閉じた。



まだわからなかったがこの日記が新たな物語を生むことになることは本人はしらない。
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