高尾の初恋

January 13 [Sun], 2013, 22:53

 「俊ちゃん!」
 「高尾…! また来たのか…部活は?」
 「今日は休みっす!」
 誠凛と対戦したあの日、俺は俊ちゃんがどうしても気になっていた。男同士だし、恋なんてありえない。そう思った。ただ、単純に、同じような能力―ホークアイとイーグルアイが気になっただけだと思っていた。
 けれどもなぜか胸がドキドキして、夜も俊ちゃんのことしか考えられなくなっていて…
 だから、部活がない日はこうして誠凛にまで足を運び、俊ちゃんに会っている。…会えない日はこっそり録音した俊ちゃんボイスを聞いて眠る日常だ。
 「まったく…いちいち誠凛にまで来なくてもアドレス教えただろ?」
 「俺はこうやって直接会って話したいんですよ!」
 俺はにこにこしながら俊ちゃんに言った。
 俊ちゃんと一緒にいるとつい顔が緩んでしまう。このまま誠凛に転校してしまいたい。
 「実は俺も今日は部活休みなんだ。一週間後、テストあるからな」
 あはは…なんて俊ちゃんが苦笑している。そんなところも可愛い。
 「じゃあ、今日は寄り道していきましょう!」
 「…今の話、聞いてたか?」
 「まぁまぁ! どこ行きます?」
 俺はさりげなく俊ちゃんの手を握りそのまま校門の外に連れ去りそのまま駅へ直行した。
 すぐに駅には着いたが俊ちゃんに呼びかけられた。 
 「…高尾…」
 「なんすか?」
 「手…離してくれないか…?」
 「あ…すみません!」
 俊ちゃんに言われすぐに離した。
 きっと、俊ちゃんに嫌われた…男同士でこんな公民の場で…恋人でもないのに無理矢理手を握ってー…
 俺は最低なことをしたんじゃないか、そう思った。
 「…別に謝らなくていいから、嫌じゃ、なかったし」
 そう言った俊ちゃんの顔は真っ赤になっていた。
 聞き間違えじゃないよな・・・?そんなことを思いながら、再度確認することにした。
 「え、あの…嫌じゃないっていいました?」
 俺も戸惑いながら聞いてみた。
 「…あぁ…好きな、相手に手を繋がれるのは…」
 俊ちゃんは顔が真っ赤なまま俯きボソボソしゃべりだした。
 「だいたい…毎日のようにメールするし、部活休みの時はこっちくるし…初めて対戦した日から俊ちゃんとか呼ぶし…俺がどんだけ我慢してると…」
 ボソボソと喋っていたが俺は全部聞こえていた。
 こっちまで恥ずかしくなってきた。
 「俊ちゃん」
 俺はまだ俯いている俊ちゃんの手を握りそのまま歩きだした。
 「え、高尾、どこいく…「とにかく、ついてきて下さい」
 強引だったがとにかくこの想いを…今すぐ伝えたかった。
 駅では人が多すぎる。そう思った俺はテストで一周間部活が休みの誠凛へ戻ってきた。
 体育館裏へ行き、念のため周りに人がいないことを確認すれば俊ちゃんの手を握っていた右手を両手で包み俊ちゃんの顔を見つめた。
 「俊ちゃん、聞いてください。」
 「あ、あぁ…」
 真剣な話だと悟ったのか俊ちゃんは顔が真っ赤のまま真剣な表情をした。
 「俺は、伊月俊さんが好きです。だから…「俺も好きだ、高尾。だから、付き合ってくれ」
 「え?」
 「だから、俺も高尾が好きだ。男の俺でよければ付き合ってくれないか…?」
 「ちょ、俊ちゃん!それ、俺が言おうと思ったのに!」
 「俺も言おうと思ってたの!こういうのは年上が言えばいいじゃないか」
 …真剣な表情の俊ちゃんにまんまとやられた。
 俊ちゃんはくすくすと笑っている。
 そんな俊ちゃんに…俺もくすくすと笑わずにいられなかった。
 これが、俺の初恋だ。
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