【泣けるコピペ】母と友達

April 10 [Tue], 2012, 16:39

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小学校の四年のころ、家の近くに飯場兼資材置き場があった。
ある日Kという転校生が来た、そこの子だった。
Kは転校が多かったからなのか、あまり友達のできないタイプだったからなのか
いつも一人だったが、俺の家と彼の住む飯場が目と鼻の先だったので
俺とKは友達になり、俺は入ったことがない飯場の中に何度も入れてもらって
意味もなく有頂天だったし、Kも俺の家に来て一緒に遊んだ。
Kはほんの数ヶ月で転校していって、俺もKのことを忘れ
飯場はなくなり、歳月は流れバブルがやってきてそこはマンションになっていった

最近、家の近所にヤクザそのまんまのベンツが止まっていて
その前を通ると中からやはりヤクザそのまんまの男が降りてきた。
こっちを凝視するその男に俺は警戒し、子供の手を握った。
その男は礼儀正しく俺に話し掛けてきた
「あそこに二十五年前あった飯場をご存知ですか?」
俺はその男を土地の権利関係のブローカーだと思ったが、関係ないから
「憶えてますよ」と答えた。
「○○(俺の名前)さんですか?」
「そうです。」
「あそこに二十五年前住んでて一時期○○小学校にいた子を憶えてますか?」
「Kか?」
「そうです!!」

名前を憶えていたことがよっぽど嬉しかったらしくKはその場で嗚咽した。
この四半世紀どんな人生を送ってきたのかは推して知るべし
家に誘うとKは固辞した。
「あんたのお母さんは、やさしくて上品で、映画の中にいるような人でした。
 俺はあんたに遊んでもらったことよりも、あのお母さんが忘れられないんです
 だから・・・・会えないです。」

同級生だった俺との会話にKは、ちょっと変ではあるが敬語で通した。
また必ず会いに来るから、と名刺を渡してKは去って行った

今年、Kから年賀状が来た
「お母さんに今度ご挨拶にうかがいたいと思っております」
とあったから俺も返事を書いた。
「うちの母もKのことはよく憶えてるそうです」と

ちなみにうちのオフクロはせがれの俺に言わせれば
おっそろしいババァなんだが。



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