ノンフィクションとは単純にいうと小説ではないもの。
しかしただの事実を伝えるのではなく、
掘り下げた報道をするものだとおっしゃられていました。
ニュースを見て事実を聞いて、でも何か物足りない。
なぜそれが起こったのか、どのような背景、社会の構造があったのか知りたい。その欲求に応えるのがノンフィクション。物事の中心へと肉迫します。
そしてもうひとつ肝心なことは、ノンフィクションは物語であるということ。
読者が読みやすく興味を持ってもらえるように描かなければなりません。
以前後藤さんは歴代のマラソンランナーを追ったノンフィクション作品を書かれたことがあるそうです。
そのときのテーマは様々なランナーたちの考え方や生き方を追うことで、それぞれの時代の日本人の考え方の変遷を追うこと。
それぞれの時代を象徴するランナーを取り上げてインタビューをし、そのエピソードを紹介しながら時代背景を書いていきます。
その際、それぞれのランナーに対して
「なぜ?」という問いを持ち、それに答えていったのだそうです。
例えば有森裕子さんはバーンアウト症候群に苦しんだそうですが、それはなぜか。彼女はどういう思考の持ち主なのか。また、高橋直子さんはなぜ強かったのか。どうして勝ったのか。
「なぜ?」をもって取材し、解釈していく。
ノンフィクションとは書き手が解釈し、意味づけていくことだとおっしゃっていました。
なぜその人を書きたいのか、なぜ彼はあのときそうしたのか。
「なぜ?」に答える仕事です。
どんなにすばらしい人でも、いつでも輝いているわけではありません。
人間にはいろんな面があり、光と陰があります。
しかしどんな人でもあるとき、
ピカっと光る瞬間がある。
それを書いていきたいのだといいます。
なかなか売れない上にお金もかかって大変というノンフィクションの世界ですが、とても魅力的な仕事だと思いました。