ひとり牡蠣〜その3 

April 23 [Sat], 2005, 21:50
  しかし、欠点が一つ。それも大きな欠点だ。プリッとした牡蠣を口に入れると、まったりとした牡蠣の感触より先に、ジャリッとした殻の破片を感じてしまうのだ。目立つ破片を取り除いても、細かい殻がいくつも牡蠣に付着している。柔らかいと思って食べたものに、硬いものが混じっていると、とても驚く。たとえばご飯の中の石とか。いちばん最近、このいやな感触を経験したのは、酒のつまみにスーパーで茹でてあるホタルイカを買って食べた時だったっけ。ジャリッと異物を感じたので、慌てて吐き出すと、それはイカの目玉だった。年上の女友達に嘆くと、「ホタルイカは目玉をとらなきゃ」とあきれられてしまった。今まで料理として出されるホタルイカしか食べたことがないもので、それは初耳だった。そんなこと、どこかに書いとけーと思ったが、私が物知らずなだけなのだろう。

 そして、今年、スーパーで3個398円の岩牡蠣を見て、つい購入してしまった。ネットで検索してみる。写真入りの牡蠣の開け方がいくつか出てくる。ああ、やっぱりネットって便利。
 熟読して、1人、牡蠣を割り食べることにする。引越し用に買った軍手を両手に装着。まな板の上にタオルを敷く。平らな方の殻を上にして、ナイフを差し込み、両側の貝柱を切る。すると、今までしっかり閉じていた殻が嘘のように簡単にはずれるというのだ。一つ目は要領を得ず、殻はなんとか二つに分かれたものの、身を欠いてしまった。しかし、2個目で、貝柱を切る際、ナイフを少し浮かして、上の殻につけるとうまく切れることを発見し、なんとか成功する。そして、3個目はもう簡単に開けることができた。これで1人でも心おきなく殻つき牡蠣が食べられる。軍手をはずし、皿に3つ並んだ牡蠣にレモンを絞って、ワインと交互に口に放り込んでいく。なんと至福の時なのだろう。

ひとり牡蠣〜その2 

April 16 [Sat], 2005, 22:38
 冬はスーパーの生牡蠣、調理用牡蠣で土手鍋、外で生牡蠣や牡蠣フライ定食と牡蠣を食べまくる。
 そして、夏がやってくる。牡蠣はRのつかない季節は食べてはならないと言われる。したがって、March(3月)、April(4月)、September(9月)、Octobar(10月)、November(11月)、December(12月)以外の月は牡蠣が食べられない。しかしある夏、岩牡蠣を知った。
 その夏、久しぶりに母方の祖父母が暮らす鳥取の米子に遊びに行った。一緒に行った母親と近所の魚屋に行くと、岩牡蠣が店頭に並んでいた。買って食べると濃厚で、冬牡蠣とはまた違った味わい。みつくろって、日時を指定して、行きつけの食事処に送ってもらうことにした。土産がてら、その店の人たちと一緒に食べようと思ったのだ。
 そして私が米子から帰った翌日、その店に牡蠣が届いた。一応、米子の魚屋のおじさんに開け方を聞いておいたのだが、その通りにやってみても、殻が開かない。牡蠣はとにかく頑なに殻を閉じたままなので、このままだと食べられない。そこで登場したのが、店に置いてあったレミーマルタンの空瓶。高い酒だけあって、瓶もしっかりしている。折りたたんだで座布団状態にしたタオルの上に牡蠣を乗せ、レミーで打撃! 牡蠣を剥くというより、叩きつぶしたというべきか。あそこに客が入ってきたら、なんだか恐ろしい店だと逃げ出したろうね。さすがの牡蠣も何度か叩くと、上部の殻が割れる。破片を取り除いて、なんとか身を取ることができた。
 やっと牡蠣が食べられる、とむしゃぶりつく。冬の牡蠣とは違う、濃厚な味。海のミルクという呼び名は岩牡蠣にこそ似合う。こんなの毎日食べたら鼻血が出そうだ。
 

ひとり牡蠣〜その1 

April 12 [Tue], 2005, 22:20
 いっとう好きな食べ物はと尋ねられれば、即答できる。
 牡蠣だ。それも生の新鮮なやつにレモンを絞っていただく。白ワイン、または日本酒があればなおのこと好ましい。っていうか牡蠣と酒っていうのはセットだね。
 牡蠣が好きだというと、
「僕も好きだったんですけどねえ。一度、あたってしまって。体中の水分、出し尽くしました。それ以来、食べられないんです」
「ずっと腹に力が入らないし。最後なんて、下痢が灰色で、人間のものじゃないみたいのが出た。ああいう思いをまたするのかもしれないと思うと……」
 と、こちらがお願いしなくても、あたってしまったエピソードを語ってくれる人は多い。
 牡蠣は自分の勘を信じて食べるべし。大きな店でも、新鮮さをうたっている店でも、なんだかいやな雰囲気がしたら注文しない方がいい。大丈夫な感じがしても、体調が悪いならやめる。 これが私の牡蠣ルール。人の何倍かは生牡蠣を食しているが、このルールのおかげかまだ無傷だ。私の胃腸がただひたすらに丈夫、または無神経なだけかもしれない。

携帯も二日酔い2 

February 04 [Fri], 2005, 10:29
 私の場合、呑んでいる最中ではなく、帰り道派らしい。あとで発信時間を見ると、たいてい夜更けの時刻になっているから。
かけたくなる理由は、酔っ払って、帰り道がわからなくなり心細くなった時がほとんど。
「じゃ、またね」と、手を振って仲間と別れる。それまではしっかりしているが、1人になると気持ちがほどけて暴走してしまうことがあるらしい。らしい、というのは途中の記憶かないから、自分の行動でありながら、そういうことではないかと推察するしかできないから。反対方向の電車に乗ってしまったり、違った方向がいともの帰り道と思い込んだりして、なかなか家にたどり着けない。
 慣れ親しんだ東京の街も、酔うと魔窟のように思えてくるから不思議だ。地下鉄や道で右往左往しながら、このままずっと家に帰れないのではないかと思う。そして、とても孤独だと感じ、悲しくなってくる。酔っていなくても、あの寂しい気持ちは記憶しているから、きっとその時は寂しくて寂しくてたまらないのだろう。   

 携帯は便利なツールだ。緊急時に持っていて、命が助かったり、トラブル回避できたりすることもあるだろう。しかし、それと裏腹に、普段つながるものがつながらなくなれば、パニックに陥る人も多いのではないだろうか。それも、持ってない時よりも余計に不安になってしまうだろう。酔った私の場合は、電波がつながらないわけでもなんでもなく、かけたい番号がうまく出せずに、「つながらなーい」と、勝手に途方に暮れているだけだけど。
――だから携帯を持つのも良し悪しなんだ。
 携帯が好きではない私は二日酔いの朝によく思う。これは単なる八つ当たりか。

携帯も二日酔い1 

February 04 [Fri], 2005, 10:24
――誰かに電話かけようとしてたっけなぁ。そういや、メールも打ってなかったっけ。
そんな記憶だけがかすかに残る二日酔いの朝。携帯をチェックするのは、ちょっと怖い。
体には酔いが残っていても、心は元通りになっている。とんでもないことを言ったり、メール送信していたりしたらどうしよう。ビクビクしながら携帯電話の送信履歴とメールの送信リストをのぞくことになる。

 酔うと電話をかけたくなる人は結構いる。街角で真っ赤な顔をして、大声で彼を責めているお嬢さん。ただでさえ甲高い声のヴォリュームが一層大きくなるから、とっても不快。
また、家でおとなしく過ごしている時、酔っている人からハイテンションな電話がかかってくると、その温度差は埋めようもない。散らかった部屋の中で下ネタや愚痴、オヤジギャグをきくのはつらい……。
 でも、私も酔うと電話をかけてしまうクチらしい。

エッセイ「私が酒呑みになった理由」 

January 14 [Fri], 2005, 13:37
「いかにも呑めそうだよねー」
 どういったポイントでそう判断されているのかわからないが、よくそう言われる。
 私のアルコールデビューは至って遅い。25歳ぐらいじゃないかと思う。
 父親はビールから始める人で、妹も父親とビールを一緒になって呑んでいた。今考えると、私は日本のビールがあんまり好きではない。父がよく呑むアルコールが日本酒やワインだったら、もっと早くに呑むようになっていたかもしれない。でもまあ、普通、お酒デビューはビールから始めるわな。

 大学時代も呑まず、ちょっとだけ会社員をしていた頃も酒との出会いはなかった。ところが、その後、フリーで仕事をするようになって、知らない間に毎日呑むようになっていた。それも、圧倒的に1人で呑むことが多い。

「もう、酒やめたら? 」
「断酒しようと思ったことないの? 」
 二日酔いで苦しんでいる時、酒にまつわる失敗談を面白おかしく話した時、こういう人がいる。
「そうですねぇ」
 気弱な私は、なんとなく話を合わせる。でも、心の中では、
「やめるわけがないでしょう」
 
と太文字で叫んでいる。体がダメージをうけている二日酔いの時は点線か、かすれた太字かもしれないけど。
 といっても、むやみやたらに呑みたいわけではない。呑まなければ手が震えてくるわけでも、眠れないわけでもない。
 よく、私は酒のつきあい方を人間関係にたとえる。酒はどっぷり溺れる恋人ではなく、気の合う友人みたいなもの、と。ほとんどの場合は楽しく時を過ごし、ある時には真面目に語り合う。今まで、そんな酒の呑み方をしてきたと思うんだけど。

由来 

January 08 [Sat], 2005, 20:46
スロースポットという名前でピン! と来る人はいないだろうな。
セキセイインコの頬のところに、点のような模様がいくつかある。
これがスロースポットというもので。
個体によって色や生え方が違うのだ。

って、これはインコのプログではなく、
インコの好きな私が書いた作品を載せていくところです。
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