記憶5 

October 09 [Tue], 2007, 15:21
ぼやけた視界がクリアになる
年少さんの教室
黒板の前に先生が座る 園児と同じ小さい椅子だ
園児は先生が見えるように内向きに
四角形(先生のいる辺を除いた形)にすわる
私は先生から見た、右手隅の椅子に座っている

「今から『ちょーめん』をわたします。
名前を呼ばれたら、返事をしてね」

私のいる辺の、一番先生に近い左端の子から
呼ばれているようだ

「××× ×××」

先生が困ったように私の表情を伺っている
どうやら私がよばれたらしい
綿がひし形に入った、ビニール生地のカバーがかかった
ノートが手渡された。
隣に座っている男の子がもらった帳面を
紺色のかばんにしまった
私もそれに習って、おそらく帳面を入れることしか想定して
いないであろう小さなかばんに、黄色い帳面をしまった

次に先生は、教室入り口の上にかかっている赤い花の看板を
指差して「皆さんは、チューリップ組です。お部屋のお名前をおぼえてね」
みたいなことをいい、各園児にチューリップの形をした
赤い名札を胸につけていった
私は赤色をみて、なにも心が躍らなかった

先生がなにを言っているのかよくわからなかった
ただ、私はおとなしくだまって、小さな椅子の上に腰かけて
いれば、いいんだとずっとそれだけの思考をめぐらしていた

園児たちが母親の元に向かって教室を飛び出していく
違う組の園児たちも回廊にでる
ピンクの名札をつけた子達がいる
(私もあれがいい)
と目で追う。なんとなく彼らが「モモ組さん」であることを知っている。
___
母親が緑の階段の踊り場で先生と話している。
近くの山吹色の手すりから下に伸びた策を両手でつかみ、幼稚園の
外のアスファルトの車道や大きな石が積み上げられた壁を見ていた。
先生の声が聞こえてくる。何かに共感したような、明るい調子の声だ。

母が私に声をかけたらしい
私は母の方を向く
「先生は、まりちゃんと同じ名前なんですって」
私は何も答えない
「なまえ」ってなに
わたしは「まりちゃん」というのか
代わりに目を大きくして見せた

何も答えない私をよそに、母親は
コウサカ マリコ先生と話している。

コウサカ先生が「顎が小さいですね」
と手振りを交えて離す
私は「顎が小さい」んだ
そう思ったところでまた記憶は
黒く消える

記憶4 

March 15 [Thu], 2007, 1:28
どうしてだろう

たのしい思い出もあるはずなのに

悲しい思い出しか

でてこない

夢をずっとみているようで
断片的な記憶が残る
幼稚園のかばんやスモッグや上履きを
幼稚園に購入しに行く日がある

母にせかされ
――
幼稚園に着き
購入する各ワゴンをめぐる
私はうろちょろする
母は時々私を呼ぶ
――
帰りの車の中
母は無言で
無言が恐ろしかった
――
玄関に帰り着き
どうして母が不機嫌なのか
わからず
母にじゃれてみたら
「よしてよ」
とはらいのけられた

私は玄関の姿見の前で泣いて
鏡にうつる自分の泣き姿を
みていた
――

兄が帰ってきて
玄関で泣く私をみて台所にいる母に聞く
「どうしたの?」

「知らない 勝手に泣いてるのよ」
「ふーん」

そんな会話があった気がするけれど
それは別の記憶のものなのかもしれない

母が不機嫌なのが恐ろしかった
拒絶されたのが恐ろしかった

帰ると玄関の鏡の前で母はよく
その日人と話した自分を再演した
表情を確認していたのだろうか
その時の母は母でなくて
1人の人間で
私はその儀式が終るまで玄関で靴を
脱がないで
母を待っていた

記憶3 

March 14 [Wed], 2007, 0:37
記憶と夢が交錯する

家が建築中の時
父母私の三人で見に行く
骨組みだけで、部屋の区切りの木だけが組まれている
私はその木をまたぐ
父と母は台所で屋根のない上(空)を見上げる
父母は笑い合って楽しげで
光量のおおい曇天だったけれど
私のイメージでは晴れに近い

深田池 深い深い緑の池

クッションにまたがる私
クッションごと覆る私
私が私を俯瞰してみている
夢なのだろう

そうして年少に入る前に
私は今の家に移った
「新しい家よ」みたいなことを
母に言われ
「新しい」がなにか正確にわからないけれど
興奮した私は、家族で家の玄関に入ったとき
一番に玄関にあがって
玄関で飛び跳ねた
後ろで次男の不満そうな声が聞こえた

新しい家(今の家)の前に住んでいた家の
他の記憶はない

記憶2 

March 12 [Mon], 2007, 23:35
その次の記憶

もう昔のことは消えかかっていて、時系列に並べることが
できるか不安だ

私は泣いていたか
ただ無機質にそこにいたのか

そこは父の部屋だった
タバコのヤニ臭いにおい
父特有の油のにおい
周りがはめ込み式の本棚に囲まれ
部屋は狭く暗い
小さな木製の正方形の机と
ベットがある部屋
机の上には灰皿が置かれていて
中には灰が溜まっている

私はタバコの箱に興味を示していて
蓋をあけ
中からゆっくりタバコを一本出した
そしてタバコの形を手で何度も確認してから
タバコを折った
折れる時の感触がたまらなかった

床に膝をついて上半身をベッドに預け
タバコという玩具に魅せられていた

そこに次男のイメージが来る
タバコを折るのが面白いことだと私に教えているときのものなのか
そのイメージに音はなく兄がタバコを愉快そうに折るイメージだったと思う

折れば怒られる
そういうシグナルはある
けれど私の指は1本1本タバコを箱から
とりだしては折っていく
3本の折れたタバコはベッドカバーの上を転がっている

それが今の家の前に住んでいた家のただ一つの記憶




記憶1 

March 12 [Mon], 2007, 23:24
一番古い記憶は
男と女がバスの中で私を見下ろしている記憶
それは父と母で私はベビーカーに乗っていた
母は私を見つめていた
それは愛おしいという顔ではなく、
それまで私が泣いていて、やっと泣きやんだので
もう泣かないで欲しいと願っている顔だと思う
父らしき男はぼさぼさの頭をしていて
めんどくさそうに うとましそうに
私ではなく 窓の外をみていた
窓の外は暗かった
そういう男の反応をみて、母は申し訳なさそうな顔をしていた
私は彼らに違和感を覚えていた
彼らが愛し合っているようには見えなかった
私は母には望まれて生まれてきたかもしれないが
この男の興味対象でないことを感じた
ベビーカーの中の一瞬の自我の後しばらく私の記憶はない


medicine 

February 28 [Wed], 2007, 3:50
あの人もそうだったように
わたしにもソレがではじめている
止められない歯車
崩れていくワタシ
願わくは ワタシと言う人間が
いた証拠を残しておきたい
現世に刻み付けておきたい

「子供がほしいの」

「どうして?」

肉体よりも精神が先に死ぬ
ワタシという人間の精神は理解されにくい
その理由はわからない
多分ワタシが歪んでいるからだ
歪んでいることをワタシ自身が知っているからだ
ワタシのようなモノをアナタのなかに刻み付けようと
押し付けるワタシが間違っている

「君は焦っているよ」

でも先生、ワタシの精神がいつ死んでしまうか
ワタシは怖くてならないのです
精神が死んでも私の肉体が生き続ける限り
それは何かを縛り付けてしまうんです
だからその時がきたら
ワタシは消えねばならないのです
「肉体」に固執して
死んだあの人への妄執と化した
彼女をみていて
残された者の苦みを知っているのに
ワタシは生きていれません

「いつまで一緒にいるの?」

その質問に答えなかったあなたは正しい
ワタシと一緒にいようものなら
あなたも彼女と同じ苦みを味わった

アナタを選んでよかった

アナタは道を誤らない

そんなアナタだから

ワタシは今までアナタと一緒にいることを決めた

「今」はもう終ろうとしている

アナタを自由にしなければならない

ワタシは1人だ だけれど

アナタが与えてくれた時間を抱いて イトオシク 自分の死を迎え入れられる




yubi 

February 09 [Fri], 2007, 23:59
指でアナタをなぞりたい
輪郭がとけるまで
なぞっていたい

あなたが急いでいるのは感じていたのに
ゆっくりしてしまった
あなたの時間をまた侵害してしまった

アナタが溶けるというならば
一緒に溶けさせてください
一緒に溶ければアナタの香りが
ほんの少しでも私に馴染むかもしれません

女性が子供を欲しがるのは
もちろん子孫を残さなければならないし(ナゼ?)
過ごした大事な時間を「形」として遺したいから
記録したいから かな
女性はいつも待っている
待っているのはつらいけれど だから
そばにいてくれる存在が欲しいの かも

アナタの一部がほしい
わたしのそばにいて欲しい
そばにいるだけでいいんです
それは私でもあるしアナタでもあるから

あなたが今日一日
楽しく過ごしたのなら
私も楽しかったのだと思う
あなたが楽しくなくても
私はあなたがそばにいて
楽しくなかったはずはないんだ


いろんなjibunが交錯した文
でも
それでも
真実は言葉では表現できない

your song 

January 07 [Sun], 2007, 20:23
あなたは控えめだった
あなたは変態だった
だから
二人は互いに変態を
競っていた
変態の中にある
「本質」を求めてた

あなたは暖かく
あなたは儚い
だから
空白と共に薄れないよう
何回でも
声をきき文字を追った
「存在」を求めて

あなたは眠り
夜は荒れて
寒さがワタシを閉じ込める
だから
ワタシもワタシの中にあなたを
閉じ込めよう
でも所詮ワタシは
あなたに劣らず変態だから
その先はお教えできないのです

僕は死んでいる 

December 09 [Sat], 2006, 20:21
ドロドロが湧いていた

僕は埋まっていく

陽の光が届かない

息ができない

それでもいい

何もみたくない

信じたくない

積み上げてきたものを

一気に崩す

そうしないと

生きてるか死んでるか分からない

崩して 何も感じなくなったら

ドロドロの勝ち

僕は苦痛から逃げられる


なぜ 受信BOXに名前があるのかな
なんの話をしたのかな
どうしてあるの 気にしちゃだめだ
だめだ

一緒にいるのに
ひとりでいる
一つの世界しか展開しない
一緒は寂しい
何もしてあげれないのが重い
君はだれ

いつも不安 
君はなにをしたいの
予定をなくしたら
したいことをしだすんじゃないの
私を選んでくれないんじゃないの?
いつも確認
確認確認確認
私が選ばれないとき
君を確認し
君を逃がして僕は啼く

狂いそうな時ほど

君を試す
    僕の隣にくる人は誰
    何を話していたんだろう
    誰 誰 誰 ・・・ ?
    キモチワルイ
    ミンナミンナ キモチワルイ




独りで狂って狂って狂って

君を傷つけて
大事なものを傷つけて

そんな自分を壊す

僕は最低。
僕は何。



××××× ×××
××××××××
×××××
××× ××××××××××

×××
××××××××

×××
××××××

×××××××
××× ××××××××××
×××××××××

夜4 

October 12 [Thu], 2006, 19:52
「気のせいじゃない」
そう返して、まだ拭き残っているジャムを指にとって舐めた。
美那子はちゃんと拭いていた。多分。
しかしそんなことよりも、美那子がいつにもまして透けていたことが淳を動揺させた。正確に言えば、存在そのものが薄くなっているように感じたのだが、そんなことを本人に言えばジャムがついたフキンがとんでくるだろう。
焦ってどうでもいい言葉をかけたのは、存在を留めたかったからだ。ジャムの甘さを確認しながら、目は美那子を捉える。
P R
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