―壁― 

2006年06月20日(火) 11時55分
ままならない現実が認められなくて

思いのやり場がわからなくて

周りの全ての罵声から逃れようと

いつもの壁に激情をぶつける

支離滅裂な言葉と短絡的な行動

その後にはどうしようもない寒気がアギト を開けて待ち構えている

蠕動する夜 

2006年04月17日(月) 16時23分
暗く寂れた空間に、黒くすすけた絨毯が伸びる
風にきしみ、崩れかけた両開きの戸と、真新しい祭壇を繋ぐ黒い絨毯の両脇には、
規則正しく、古ぼけた長椅子が並んでいた
祭壇の後方の壁のステンドグラスは薄汚れ、華麗さは微塵もない

いつ建設されたかも知れぬ、忘れられた教会
廃墟と化した教え賜る場に、扉より立ち入る
暗闇に連れ込まれ、手に掴んだソレが暴れる

忌々しい
腹部を思い切り蹴り付ける
奇妙な音と声が響き、暫くして沈黙が廃墟を満たした
ソレが大人しくなったことに気を良くし、蒼髪を掴み絨毯を引き摺る
四苦八苦して、どうにか祭壇前に歩み寄る

ステンドグラスから差し込む微かな月光が照らす祭壇の上に、彼女は寝ていた
肌は白磁のようだ
触れれば砕けてしまいそうな頬に触れ、長い蒼髪を
月光を反射し、煌く製糸製糸せいしにも似た手触りを一時楽しむと、

「僕が、君を起こしてあげるよ」

彼女の耳に口を寄せ、囁く
彼女は、眠りに落ちたまま
笑みを返さない、反応しない
ようやく目的を思い出し、右手に掴んだソレに視線を落とす
同じ色、違うモノ

鼻で笑うと、文字通りソレの胸中に腕を刺し込んだ

自分 

2006年04月03日(月) 4時26分
                  カチ

からっぽだ
中には何もない

      カチ

外殻を与えられた食物の栄養素で作り
頭部を親に提供された知識と経験を詰め
出会った教えで表面を覆う

             カチ

たったそれだけ
中には何も自分がない
他者から得たものだけで生きる
故に、からっぽだ

                          カチ

誰かがすごいと言った
外殻が?頭部が?表面が?
全部他者から得たものだ―――関係ない

カチ

誰かが絶対に出来ると言った
外殻にもない。頭部にもない。表面にもない
他者から得たものの中にない―――無理だ

カチ、カチ

誰かが安心すると言った
外殻だから。頭部だから。表面だから
全部他者から得たものによって成り立っているのに―――あり得ない

カチ、カチ、カチ

相手が尊いからだ
相手が暖かいからだ
相手が美しいからだ

カチ、カチ、カチ、カチ

そんな言葉は、きっと違う
感情じゃない、現実として違うと”自分”がそう言っている

                           ・・・・・・・・・カチ

もし関係ある、可能だ、あり得る、そう感じることが出来るとするならば、
きっとそれは、内にある唯一の”自分”を変える事が出来た時のみ

・・・・・・・・・・・・

作り変えよう
1つ崩し、1つ積み上げ、1つ上書きし、1つ並び替え、
”自分”を中に込めよう

            カチ、カチ、カチ、カチ

絢爛(2) 

2006年03月31日(金) 22時50分
「俺の―――」

がちっ
勝利の確信と共に笑う蛇吼の台詞を、胴丸の上から響く激鉄の音が遮る。
変わってウィルが、にぃと笑みを浮かべた。

「左・・・だと?」

いつの間にかいつの間にか・・・・・・ウィルの左手に握られた”ピースメーカー”。
そのもう一丁の拳銃をホルスターに納めなおす。
弾丸は遂に吐き出されなかった。

「・・・そういう、ことか。クハハハハハハハッ!!」

虚を突かれた蛇吼が、唐突に腹を抱えて笑い始める。
なんのことはない、ウィルがやったのはマジシャンが行う簡単なテクニックの応用だった。
相手を煽る発言で挙動を注視させ、その上でさももっともらしい仕草で右腰のホルスターカバーをあける。
しかる後に左前、右後ろの早撃ち姿勢を取ることで、相対する者は嫌が応にも引き抜かれんとする右腰の”ピースメーカー”に意識が向く。
そして対処に全神経を傾注し、自然ホルスターカバーの開けられていない左腰のピースメーカーは、
”抜かれ得ない”と錯覚し意識から締め出すことになる。
その銃を相手取る者の心理を突いた一計も特筆すべきものがあるが、
不向きな体勢、それも遅れて動いた筈の左の抜き打ちが、右のそれと同時に完了した事実に蛇吼は感嘆を覚えた。

「ハ、ハ、ハ。中々どうして、肝の座った小僧だ。いや、小僧は取り消すか」
「どうも」
「名は?」

ぶっきらぼうに答えるウィルにも構わず、蛇吼は親しげに問う。

「ウィル」

絢爛(1) 

2006年03月31日(金) 22時47分
声の主は、巨躯巨躯きょく甲冑甲冑かっちゅうに納めた男であった。
腹を胴乱胴乱どうらんと呼ばれる胴で覆い、両肩には大ぶりな肩鎧が垂れる。
篭手や脛当脛当すねあては一目で堅牢堅牢けんろうさが見て取れるが、兜と面当は存在しない。
絢爛絢爛けんらんの鎧武者をいとい、人垣が大きく割れる。
一様に彼等の瞳に映るのは、明らかな恐怖だった。
多国の物品が入り乱れるアルディアにおいても、倭国の甲冑姿は確かに物珍しい。
だが単なる無知への恐れでは、ここまで過剰な反応の説明は付かない。

鎧武者を異質足ら占めているのは、甲冑の色彩である。
頭部から胴、そして四肢に至るまでの甲冑全てが真紅。
曇り一つない磨き上げられた造形美は、具足でありながら工芸品の如く輝きを放っている。
が、血臭が漂う最中最中さなかにあってそれは、魔性の美と称されるべきものであった。
加えて、武者の背負う”ソレ”が極め付けだ。
丈1間(1.8 m)を越えた、鎧武者の背丈背丈せたけ程もある何か。
不気味なまでに長く、そして異様な厚みを持ったそれは、何かしらの武具、鈍器のたぐいであることは想像にかたくない。
無数貼り付けられた呪符が幾重幾重いくえにも表面を覆い隠していた。
得体の知れぬ得物がなまじ隠されていることで、見る者に一層の不安をき立てる。

「お?こりゃまた大げさな反応だな」

衆人の注視を一身に浴びて、だが悪びれることなく鎧武者は言った。
鎧武者の腕を振る軽い動作に合わせて、くだんの得物が揺れる。

「何か用ですか?」

えーとですね 

2006年02月21日(火) 22時33分
えーと、こんばんは
凍れる月のアップ遅れてしまっておりすいません;

今現在執筆していますが、何分和服や鎧の表現等に悪戦苦闘しています
結局シンプルにまとまりそうですが、近いうちにアップ出来ると思います

現在就職活動をしていて、さらーにアップ遅れるかもしれませんが、
生暖かく見守ってもらえると嬉しいかなーなんて・・・(死

―オリ― 

2006年02月21日(火) 22時29分
おりがあった

古く 堅牢堅牢けんろうな檻があった

檻の中にそれはいた

自らの足で立つこと叶わず 四つ足に這いずり廻っていた

手の先には鉤爪鉤爪かぎづめ 口元には牙

囚われの畜生畜生ちくしょうは 外界をひたすらに求めていた

幾千夜天板を裂き 幾万夜格子に突き立てた

―弓― 

2006年02月10日(金) 0時17分
引き絞って前を見る

視界には白黒の的があった

的を指す矢先は小刻みに震え

一時も止まることは無く、揺れ動いていた

的中する確信の掴めぬまま、それでも射放つ

鈍い音が幾度耳朶を打ったか、もう覚えてはいない

甲高く響く音は涼やかで

うまく一致した感覚は心地よくて

それでも繰り返し引き続けた

そしてその度に体は軋んだ

いつしか引く事を止めた時

胸中に残ったのは、冬の風の冷たさだけだった


コボレオチタモノ 

2006年01月10日(火) 23時56分
今まで色々なことがあった

一つずつ拾い上げていって、僕は大きくなってきた

そして一方で、一つずつ零してきた

ある時ふと立ち止まって後ろを振り返ってみた

来た道が、とても眩しく見えるのは何故だろう?

これから往く道が、とても暗澹暗澹あんたんとして見えるのは何故だろう?

どれだけ嫌でも、辛くても、続けないといけないと思う

零してきたものを忘れないように

これ以上零さないように・・・

崩壊する現実 

2006年01月10日(火) 19時58分
「うわ。ひどいな」

胸の前で十字を切り、ウィルは黙祷黙祷もくとうを捧げた。
目を開き、楓が見つめている円錐にウィルは視線を落とす。

(どういう・・・ことだ?

円錐の根元、煉瓦煉瓦れんがとの境目は大きなクレーターができていた。
クレーターは円錐を中心として作られており、クレーターと円錐を繋ぐ部分は、緩やかな曲線で繋がっていた。

(これは・・・

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