ことばあそび(Word Play) その8 

2016年01月26日(火) 17時00分
crane

The trustees of the Madrid Zoo read that there were only 30
whooping cranes left in the U.S. and decided that they must have
one before the breed became extinct. A bird was soon dispatched
via air freight.
Alas, when the bird arrived at the Madrid airport, he flatly refused
to debark. The moral of this story is that cranes in Spain stick
mainly to the plane.
マドリード動物園の評議員たちは、米国にはわずか30羽のアメリカシロヅルが
残っているだけだとし、この鳥が絶滅する前に1羽手に入れなければならない
と決めた。 すぐに1羽航空便で送られたのだが、なんと、その鳥はマドリードの
空港に着いた時、断固として降りることを拒んだのだった。
この話の教訓はスペインのツルは大部分は飛行機にしがみついて離れない
ということである。

これは最後の文が G.B.Shaw の喜劇‘Pygmalion'を musical にした
‘My Fair Lady'の中で Henry Higgins 教授が下町娘 Eliza Doolittle /du:litl/ に
上流階級のマナー(manners)や話し方を教え込む時の文
The rain in Spain falls mainly in the plain. をもじったもの。

これは二重母音/ei/の練習のための文。 Higgins 教授は音声学の大家
Daniel Jones (1881-1967 英国の音声学者. An English Pronouncing
Dictionaryは1918年の初版以来現在15版が発行されている)を
モデルにしているという。

George Bernard Shaw: 1856-1950 アイルランド生まれの英国の
劇作家・批評家。

‘Pygmalion'--- 音声学教授 Henry Higgins は花売り娘Elizaに礼儀作法・
話し方を教え、Pygmalion のような淑女になった彼女に結婚を申し込むが、
独立心を持った一人前の女性になっていた彼女はそれを拒み、他の青年と
結婚してしまうという話。

Pygmalion (ピュグマリオーン): キュプロス(Cyprus)島の王で象牙で
作られた女性像に恋し、アプロディティー(Aphrodite ギリシア神話の
恋愛・美の女神: ローマ神話のウィーナス(Venus)にあたる)がこの像に
生命を与え生きた女性にしたという話。

whooping crane アメリカシロヅル (大きなかん高い声(a trumpeting cry)で
鳴く大きなツルで絶滅に近い)。
breed = a group ,or stock, of animals or plants動植物の種類・品種。

dispatch = send off or out promptly すぐに発送する。
via = by means of 〜, 〜 を手段として. ex. via airmail 航空郵便で。
flatly refused 断固として拒む. a flat refusal のように使う.
この2語は連語(collocation) と考えてよい。

debark = leave a ship or aircraft. moral = a moral lesson 教訓。
stick to 〜 = cling to 〜 , adhere to 〜 .


ebony

In Scotland, a black girl is known as ebony lass.
スコットランドでは黒人の少女は ebony 娘として知られている。

ebony /ebəni/ と a bonny [bonnie] / bɔni/ (a を強形(strong form)で
発音すれば/ei bɔni/となりebonyにより近い発音になる)とを掛けたもの。

bonny [bonnie] 《スコットランド・英国北部》健康で美しい、かわいい.
a bonny lassの形で使うことが多い.
-ie, -y : diminutive (指小辞)と呼ばれ愛称を作る:
auntie < aunt, daddy < dad, doggy < dog, pussy < puss 子猫,
laddie < lad , lassy < lass, Betty < Elizabeth, Billy < Bill < William,
Johnny < John, Tommy < Tom < Thomas.
baby は babe + -y であるが baby の方が普通の語になってしまった.


SONY: 国産初の小型トランジスターラジオを海外に売り込むために
1958年に社名とされた.
小型なので sonny /sʌni/ (坊や),それに音の意味を持つフランス語 son
< ラテン語 sonus(音)などにsonという綴りがあることを考えた名前.
しかしsonnyをローマ字読みすると「損に」となるので n を一字にした
のであろう.

車名のDATSUNも同じでD,A,Tは車を一緒に作った三人の名のイニシャル,
出来上がった車は息子のようなものなので DATSON としたが
SON は「損」と読めるので後で SUN に変更したもの。

ebony は黒檀(コクタン)であるが,これとphonics (音響学,音声学)とを
組み合わせた米国の心理学教授 Robert R. Williams の1973年の造語
ebonics[Ebonics]がある.

Black English 「(米国の)黒人英語 (時にblack English)」 は一つの方言と
見なされていたが, 今では独立した一言語という考えがあり,ebonics が
使われることが多い.

‘Black is beautiful.'という言葉は1966年以降黒人解放運動で
ノーベル平和賞を受賞したMartin Luther King, Jr.がポスターなどに
使い広めたもの。

black English = any of various forms of English spoken by
black people, especially as an urban dialect in the U S
Ebnics = American black English regarded as a language in
its own right rather than as a dialect of standard English
--- The New Oxford Dictionary of English, 1998


jade

Old Chinese prospectors never die; they simply jade away.
年老いた中国人試掘者たちは決して死なない、ただ疲れはてて消え去るだけ。

General Douglas MacArthur (1880-1964) の言葉をもじったもの。
連合軍最高司令官として日本を占領(1945-51)、1951年朝鮮戦争を
指揮したが、核兵器の使用を主張し、第33代大統領 Harry S Truman と
意見が合わず解任され、退任演説を ...
old soldiers never die; they just fade away.
(老兵は死なず、ただ消え行くのみ)と締めくくった。

前半はKind words never die.という賛美歌を変えた軍歌。
後半のjust fade away を simply jade away と書き換えたもの.

prospector = one who explores an area for mineral deposits or oil
試掘者、探鉱者. fade away 次第に消える、 姿を消す.

ex. All hope faded away.望みはすべて消え去った.
jade = become weary or spiritless 疲れる、 元気がなくなる.

n. a broken down useless horse 衰弱した役立たない馬.
またhomonymとしてのjade(ひすい)がある.


L

A famous writer once sent Christmas cards containing nothing
but twentyfive letters of the alphabet. When some of his friends
admitted that they had failed to understand his message,
he pointed to the card and cried, ‘Look ! No L !'
有名な作家がかつてアルファベット(26文字中のLを除いた)25文字だけを
書いたクリスマスカードを送った.
何人かの友人が彼のメッセージ(何を伝えたいのか)が分からないと言ったが、
彼は「よく見なさい、 No L !と書いてあるじゃないか」 と言った.

No L はNoel (= Chrismas)に掛けたもの.
Noel < F. < L. natalis (dies) 誕生の(日).

cf. 同源語 : nation, native, nature, innate, renaissance (ルネッサンス < 再生).

Christmas < Christ + mass ミサ. Christ < Gk. Khristos (ローマ字で書くと)
= anointed (人類の)王のしるしとして聖油を注がれた[塗られた].
XmasはChristをギリシア語で書いた時の語頭のX (chi /kai/)を使ったもの.
X'mas とは しない.

alphabet: ギリシア語のアルファベットの最初の二文字alphaとbetaから.
「ものごとの初歩、‘いろは'」 の意味もある.
fail to-inf. = be unsuccessful in doing...しそこなう、 できない.

ことばあそび(Word Play) その7 

2016年01月26日(火) 16時50分
utopia

A place where democracy really works.
民主主義が本当に機能するところ (そんなところがあれば).
Any place where there are no people.
人間がいないところならどこでも.

utopia: Sir Thomas More (1478-1535 英国の著述家 .
Henry 八世の宗教改革(Reformation)に反対したため反逆罪で処刑された) の
ギリシア語からの造語.

Gk.(ギリシア語) ou‘not' + topos ‘place'から造りUtopiaとしてラテン語で
書いた著書の題名とした.
cf. Gk. toposからの語: topography 地勢、地形(図)、topology 風土誌研究.
utopia はその意味からGk. eu-‘good' + toposと 誤解される場合もある.

反対の意味の語も造られた:
dystopia < Gk. dys < dus ‘bad' + topos = kakotopia
< Gk. kakos ‘bad' + topos 暗黒郷.

Samuel Butler (1835-1902) はこれにならって ‘Erewhon'という書名で
ビクトリア朝の風俗習慣を風刺した小説を書いた.
この造語はanagram(綴り換え、アナグラム)と呼ばれるもので
nowhere (=no place)を逆に綴ったもの.

ShakespeareのThe Tempestに出てくる怪物Caliban はその当時の綴りの
canibal(今はcannibal人食い人種)の綴り換え。
Charles Lamb のThe Essays of Elia(エリア随筆集)のEliaは a lie のanagram 。
英国の小説家James Hilton の‘Lost Horizon'(失われた地平線、 1933、
映画化された)は架空のTibet の地 Shangri-La (a paradise on earth
不老不死の秘境、 ユートピア)を舞台としている.
スペイン語の el Dorado (黄金郷 < the gilt‘金箔')、 中国の「桃源(郷)」
( < 陶淵明の「桃花源記」 (桃の花咲く仙境)、 「一壷天、 壷中の天」 (後漢書) なども
理想郷を表すもの.


(1) wedding

A ceremony in which rings are put on the finger of the lady
and through the nose of the gentleman.
--- Herbert Spencer
女性[新婦]の指と男性[新郎]の鼻に指輪[鼻輪]をつける儀式.
Herbert Spencer: 1820-1903 英国の哲学者・社会学者.

ring = wedding ring/ nose ring. nose ring = ring inserted in
an animal's nose / ring worn as an ornament in the nose.
ここでは牛や馬につける鼻輪のこと. かかあ天下 (petticoat government) が
始まるということ.

Keep your eyes wide open before marriage and half shut afterwards.
(結婚する前は大きく目を見開き、結婚後は片方の目は閉じなさい)という
諺がある.


(2) wife

A housekeeper who gets bed and boredom.
宿泊と退屈を得る家政婦.
housekeeper = 家政婦 / housewife 主婦. housewife はhouseと結婚した
[に隷属]したwifeのようにとれてしまうのでhomemaker, householder,
home managerを使う傾向がある.
husband, wife も性別の区別が不要な時にはspouse (配偶者)を使うことが
すすめられる.

bed and boredom はbed and board ( 宿泊と食事 / 結婚生活) を
もじったもの.


(3) husband

One who has serveral mouths to feed and one big one to listen to.
いくつかの養うべき口[何人かの子供]と耳をかたむけなければならない
大きな口を持っている人.
one big one はone big mouth でwife のこと.


bear

None but the brave deserves the bear.
勇者のほかは何者もbearを得るに値せず.
John Dryden (1631-1700 英国の詩人・劇作家・批評家)の詩
‘Alexander's Feast' (アレグザンダーの饗宴: Alexander the Greatが
ペルシア王Darius を破った時の宴)をうたった詩の第1連の最後の部分を
もじったもの.

None but the brave, / None but the brave, /
None but the brave Deserves the fair.
勇者のほかは何者も美女を得るに値せず

(1行目はNone, 2行目は but, 3行目はbrave にstressを置いて
その語を強調する).
最後のfair / feə / を似た発音のbear / beə /に置き換えたもの.


war

(1) War does not determine who is right, only who is left.
戦争は誰が正しいかは決めない、ただ誰が残されるかを決めるだけだ.

(2) An evil and it is often the lesser evil. Those who take the sword
perish by the sword and those who don't take the sword perish
by smelly disease.
--- George Orwell
悪であるが、しばしば比較的小さな悪である。 剣を取るものは剣に滅び取らぬ
ものは悪臭を放つ病気によって滅びる.

(1) rightとleftの多義性(polysemy)を利用したもの.
right(右)とleft(左)とを対照させている: 誰が右であるか...誰が左か....

(2) George Orwell: 1903-1950 英国の小説家・評論家.
Animal Farm (動物農園)とNineteen Eighty-Four (1984年)が特に
知られている. Animal Farm は農園の動物たちが人間の圧政に反逆し、
豚たちが指導的勢力となり、自由平等の農園経営を始めるが、
その豚たち自身が支配者階級となってしまう.

その経緯を示す次の言葉がよく知られている:

All animals are equal but some animals are more equal than others.
(すべての動物は平等であるが、ある動物たちは他の動物たちよりも
もっと平等なのである) (もちろん equal は普通は比較変化はしない)

Nineteen Eighty-Four は人類を永遠の貧困と戦争に導くものとして
全体主義を批判したものであるが、The Principles of Newspeak という
APPENDIX がついていて、言語学的にも興味深い.
Newspeak は「新しいことば」 の意味の造語であり、2050年頃までには
Oldspeak (= いわゆるStandard English) に取って代わるとするもの.
(ただし、この二語とも今では別の意味で使われている:
Newspeak 世論を操作し政治的宣伝のために役人などが使う曖昧なことば.

Newspeak について少しだけ紹介しておく. Newspeak という語から
分かる通り品詞による語形変化は無くなりspeak は v., n.として使われる.
また think, steal はthinked, stealed と活用する. 形容詞の比較変化も
good, gooder, goodest と規則的になる。
(現実にはOrwell のいう通り画一的傾向はあるがtrue, more true,
most true のように語尾をつけるのではなく、比較はmore, most で表し、
語の意味はtrue であらわすという分析的傾向がある).

また、英国は社会主義国家となりcapitalism (資本主義)という語は無くなり、
English Socialism はIngsoc と呼ばれるようになる.
その他いろいろあるが、英語は規則的で簡潔な言葉になるだろう
ということである.

ことばあそび(Word Play) その6 

2016年01月26日(火) 16時40分
horse sense ---
A degree of wisdom that keeps one from betting on the races.
人に競馬で賭けをさせないようにする程度の賢明さ.

the races = horse races (競馬), car races (和製英語の「オートレース」).

The phrase 'horse sense' (= (good plain) common sense 常識)
comes from the American West, about 1850, inspired by the
cowboys' trusty intelligent little cow ponies, trained even to do
a good deal of cattle-herding work without directions from their riders.

馬上のcowboy の指示がなくてもかなりのcattle- herding (家畜集め)などの
仕事をするような馬の賢さから出来たことば).

cow pony = any horse used by a cowboy in herding cattle.


insanity ---
To art what garlic is to salad.
(狂喜とは)芸術に対してガーリックとサラダの関係と同じ関係にある.

insanity < in-(= not) + sane (= having a normal, healthy mind 正気の
< L. sanus (= healthy, sound)).
cf. A sound mind in a sound body.健全な肉体に宿る健全な精神
< L. Mens sana in corpore sano. の英訳。

mens = mind, cf. mental. sana = healthy, cf. sanatorium, sanitation.
in = in. corpore = body,

cf. corpus, corps(e). sano = healthy.
salad < < L. sal = salt. salt, sauce, sausage, salary
(ローマの兵士に塩を買う金として与えられたmoney)も同語源.

構文は受験参考書によくある 
A is to B what C is to D (A : Bは C : D である)で、
A is (what C is to D) to B と書きかえればS+V+C文型であることが
分かろう.

cf. Sir Richard Steele (英国の著述家・政治家)の言葉:
Reading is to the mind what exercise is to the body.
読書の心に対する関係は、運動の身体に対する関係のようなものである.

love ---
A temporary insanity curable by marriage.
--- Ambrose Bierce
結婚すればなおる一時的な狂喜.

temporary < < L. tempus = time. tempo も同語源。

Ambrose Bierce 1842-?1914 米国の新聞記者. 名文家. 短編の一つに
The Eyes of the Panther(豹の眼)があり、そのPart I が
ONE DOES NOT ALWAYS MARRY WHEN INSANE.
(人は狂喜の時に結婚するとは限らない)と題されている.

jail ---
Room and board for the worst members of a community,
paid for by the rest. (刑務所とは)地域社会のいちばん悪い人たちのための
食事付き下宿で、費用はそれ以外の人たちが支払う.

room [bed] and board, 《英》 board and lodging 食事付き下宿。
cf. table-board
《米》 部屋を借りずに賄い(まかない)だけしてもらうこと.

man ---
A creature made at the end of the week's work when God was tired.
一週間にわたる天地創造の仕事が終わり、神様が疲れていた時に作られた生き物.
--- Mark Twain

Mark Twain: 1835-1910 米国の小説家.
Samuel Langhorne Clemensの筆名(pen name時にnom de plume
(F. name of feather (= pen))またはnom de guerre (F. name of war)).

代表作はThe Adventures of Tom Sawyer, Life on the Mississippi,
The Adventures of Huckleberry Finn .

markは水深を計る測鉛線(lead line)に 1 fathom(= 6 feet, 1.83 meters)
ごとにつけたしるしで mark twainは12 feet ( 3.66meters,約 2 尋(ひろ))
ということでMississippi川の showboatには安全水深だったという.
Mark Twain は4年ほどMississippi川の水先案内人(a river pilot) をした.  

twain は two の意味:
cf. twin (双子(の1人))、between ,
twilight (たそがれ < 誰(た) そ かれ(彼)(あれは誰)、かわたれ
< 彼は誰(あれは誰)).

showboat (ショウボート) は A river steamboat having a troupe of
performers and a theater aboard for performances on the river
舞台があり芸人団を乗せて巡業した蒸気船.

旧約聖書のGenesis(創世記)によると天地創造は 6 日間で行われ,
6日目に人間が作られたという.
7 日目は神はすべての仕事を休んだという.

第1日目 --- 昼と夜を作った:
God said,‘Let there be light,'
and there was light;
.... He called the light day, and the darkness night.
「光りあれ」と言った.
すると光りが作られ、
...神は光りを昼、暗闇を夜と呼んだ.

第2日目 --- 天を作った:
‘Let there be a vault ....' God called the vault heaven.
「天井あれ ...」 、神はその天井を天[大空]と呼んだ.

第3日目 --- 陸地(land)と海(seas)とをつくった:
‘Let the waters be gathered into one place,....
「空の下の水よ一カ所に集まれ...」 .

第4日目 --- 太陽、月、星を作った:
God made the two lights, the greater to govern the day and
the lesser to govern the night; and with them he made the stars.
二つの光りを作り、大きい方には昼を、小さな方には夜を支配させた.
またそれとともに星を作った.

第5日目 --- 水に住む生物と空飛ぶ鳥を作った:
‘Let the waters teem with countless living creatures,
and let birds fly above the earth....'
水の中に無数の生き物がいっぱいになれ、地の上には鳥よ飛べ....

第6日目 --- いろいろな動物を作り、それらと草木を支配する人間を作った:
‘Let the earth bring forth living creatures,...cattle, reptiles,
and wild animals....
地よ生き物を生み出せ...家畜(牛、馬、羊など)、爬虫類、それに野生の動物を...

‘Let us make man in our image and likeness to rule the fish
in the sea, the birds of heaven, the cattle, all wild animals on earth,
and all reptiles that crawl upon the earth.'
「海の魚、空の鳥、地上の家畜、野生の動物、地をはう爬虫類を支配させるために、
神の形に似せて人間を作ろう」 .

第7日目 --- 天地創造は6日間で終り神は仕事をしなかった:
つまり、日曜日となった。
On the sixth day God completed all the work he had been doing,
and on the seventh day he ceased from all his work.
God blessed the seventh day and made it holy,....
6日目に今迄の仕事は全部終って、7日目にはすべての仕事をやめ、
その日を祝福し聖なる日とした.

--- The New English Bible 1970

ことばあそび(Word Play) その5 

2016年01月26日(火) 16時30分
die

An American tourist in London, forgetting that the traffic there
bore to the left instead of the right, looked the wrong way
and was run down. He regained consciousness in an emergency ward
and moaned, Did I come here to die ?' ‘Oh, no, sir,' the Cockney nurse
answered him. ‘You came yesterdie.'
ロンドンを訪れたアメリカ人旅行者がその土地では右側通行ではなく
左側通行であることを忘れ、間違った方向を見て歩行し車にはねられてしまった。
彼は病院の救急室で意識をとりもどし、うめきながら「私は今日ここへ
来たんですか」 と言った。 ロンドンなまりの看護婦[士]は「あなたは昨日
[そう、死ぬために]きたのですよ」 と答えた。

Cockney (English)(ロンドン訛りの英語)を使ったword play。 

Cockneyのよく知られている特徴はdroppings of aitches (= h's)(hの脱落)で
逆にhが加えられる場合もある:

ham and egg → 'am and hegg。
母音の大きな特徴としては/ei/ → /ai/:

today /tədei/は/tədai/となりto dieと同音になる。
He came up to Tokyo today.は/kaim/, /tədai/となる
(彼は死ぬために上京した[上京したが死んじゃった])。

yesterdieも/jestədai/で‘yes, to die'(ええ、死ぬために)となる。 

Cockneyは「生粋のロンドン人; ロンドン英語」 の意味で
語源は中期英語のcockeney (= cocks' egg)から。
(卵は古期英語 g, 中期英語 ei,aiだった。ドイツ語では今でも Ei/ai/)。

cockは鳴き声からの擬音語(onomatopoeia, オノマトペ))。
cocks' eggは 黄身のない小さくて不格好な卵のことで、田舎に住む力強い人
(a full-blooded countryman)に対して町に住む柔和な人
(a soft town dweller)の意味で使われるようになり、次に意気地無し、
甘えっ子の意味となった。

筆者はドルのtraveller's cheque[check] を ポンド(pound /paund/)に
替えようとthe British Museum (大英博物館)の近くの銀行に行った時
Write your /naim/ and /t - daiz dait/.(= name, today's date)と
言われたことがある。


raise

‘I come to bury Caesar, not to raise him.'
私はシザーを葬るためにきたのであり、彼を生きかえさせるためではありません。

CascaやBrutusら共謀者によって刺殺されたCaesarを弔うAntonyの
名演説の最初の部分を少しもじったもの。

I come to bury Caesar, not to praise him.
--- Shakespeare: Julius Caesar.

このpraise (褒めたたえる)を良く似た発音のraise (死者を生きかえらせる、
ex. raise from the dead)に置き換えたもの。


frau

It's a soft life for the German who can live by the sweat of his frau.
妻の汗によって生きてゆけるドイツ人には 生活は楽なものだ。

by [in, with] the sweat of one's brow (額に汗して、正直に働いて)の
brow/brau/とfrau /frau/(妻、英語でも普通はFrau) との音の類似による
word play。
Frauはもともとドイツ語なのでthe German (ドイツ人)とした。

cf.スイスの高峰Jungfrau(ユングフラウ (乙女、処女)
< young woman = virgin)。

Genesis (創世記)によると、禁断の木の実を食べたアダムに神は言った:
In the sweat of the face shalt thou eat bread, till thou return
unto the groud;
((今後)汝額に汗してパンを食べよ、そして土に帰れ)
--- King James Version.

cf. 「額に汗して食ふとはわれわれの須(しゅ)ゆも(= 寸時も)
忘るべからざる教にして...」
--- 福翁(福沢諭吉)百話


lie

Here lies Bill, the son of Fred.
ここにフレッドの息子ビルが眠る。
He lied alive; he now lies dead.
彼は生きていた時うそをついた
そして今死んでもうそをついている[今は死んでここに眠る]。

lieの多義性(polysemy)による word play。
lie: 横たわる / うそをつく。

墓石(tombstone, gravestone) にはHERE LIES [SLEEPS] 〜,
IN LOVING MEMORY OF 〜, (愛する〜を しのんで)、
SACRED TO THE MEMORY OF 〜 ( 〜に捧げる)
などと刻まれていることが多いが、更に墓碑銘、個人をしのぶ文・詩など
(epitaph) が付け加えられているものも多い。
ロンドン郊外の墓地にあった実例を一つ上げる。

MOTHER YOU WORKED HARD FOR US /
WHEN WE WERE CHILDREN SMALL /
AND JUST WHEN LIFE WAS EASY /
YOU WERE TAKEN FROM US ALL /
YOUR MEMORY WE WILL TREASURE /
ALL OUR LIFETIME LONG /
AND IF WE FOLLOW IN YOUR FOOTSTEPS /
WE NEVER WILL GO WRONG

treasure 心に留めておく、大切にする;
follow in 〜 's footsteps 人の例にならう、志を継ぐ;
go = enter into a specified state
ex. The food went bad. 食べ物が悪くなった /
He's gone crazy.彼は気が変になった;
wrong = against correct socially acceptable behaviour,
against moral standards /
we never will go wrong 私たちは決して間違った生活はしないだろう。


park

Note on a police ticket: ‘Parking is such sweet sorrow.'
交通違反のステッカーに書き添えてあった ---
「駐車(違反)はほんとに甘い悲しみです」と。

ShakespeareのRomeo and Juliet (ロミオとジュリエット)の中で、
明け方近くなってRomeoと別れる時のJulietのことばを書き換えたもの:

Good-night, good-night ! parting is such sweet sorrow /
That I shall say good-night till it be morrow.
おやすみ、おやすみ。 さよなら! さよなら!
ああ、別れというものは悲し懐しいものじゃ。
夜が明くるまで、こうしてさよならを言うていたい。
--- 坪内逍遥 訳

till it be morrow --- tillに導かれる従属節で仮定法(be)が使われている。
morrow = morning < 中期英語morwe < morwen < 古期英語 morgen.
ドイツ語では今でもMorgen.

a parking ticket = a ticket for (illegal) parking 駐車違反ステッカー
(ステッカー はsticker /stikə/).
get a ticket for speeding スピード違反でつかまる。


water

‘Water, water, everywhere ---
but not a drop to drink ! Water we going to do ?'
水、水、至るところに ---
しかし飲める水は一滴もない。どうしたらいいのだろう。

what are /wɔtə/ we 〜 ? と Water /wɔ:tə/
we 〜 ? との同音性によるword playで
Samuel Taylor Coleridge(1772-1834 英国の詩人・評論家・哲学者)の
超自然的ロマン詩 The Rime of the Ancient Mariner(老水夫行)の中の一部を
もじったもの:

Water, water, every where, /
And all the boards did shrink; /
Water, water, every where, /
Nor any drop to drink.
至る所に水はあれども、船中の板すべてひずみぬ。
至る所に水はあれども、飲むべき水は一滴もなし。
---斎藤勇 訳

ことばあそび(Word Play) その4 

2016年01月26日(火) 16時20分
pen

When the warden was reproved for allowing prisoners to escape,
he dismissed the incident as a slip of the pen.
監視人は囚人たちが逃げたことで責められた時、
彼はそれはa slip of the pen だとして片付けて しまった。

a slip of the pen は普通「書き違い」の意味であるが、
「刑務所(penitentiary)」の意味のpen と掛けたword play.

cf. a slip of the tongue [press] 言い間違い[誤植]。
playpen は和製英語で言う 「ベビー・サークル」 。


sleigh

The Girl: Let's go sleighing tonight!
少女: 今夜橇に行きましょうよ。
The Boy: That could be fun ---
but I didn't realize you were so blood-thirsty!
少年: それは楽しいだろう ---
でも君がそんなに残虐な人だとは知らなかったよ。

sleigh(そり)とslay(= kill or destroy in a violent way 殺害[虐殺]する)との
同音異綴異義性(homonymy)を利用したもの。

go 〜 ing , 〜しに行く ex. go driving = go for a drive /
go fishing in a river 川に釣りに行く(to とはならないことに注意。
fish to a river とは言わないから)。


throw

The baseball pitcher had to play despite an injured arm.
He was in the throws of agony.
ピッチャーは腕の怪我にもかかわらずプレイしなければならなかった。
彼は激痛の中で投げたのだった。

throw (投球)とthroe (激痛)とが同音異綴異議関係であることを利用した
word play。

throeは普通は複数形で使われる: the throes of childbirth 出産の苦しみ /
death throes 死の苦しみ。
agony = very great mental or physical pain 精神的・肉体的激しい苦痛;
death pangs 死の苦しみ。


bus

A bird in the hand is worth two in the bus.
掌中の一羽はbusの中の二羽に値する。

bush(やぶ)/buʃ/とbus(バス)/bʌs/との形、また方言ではbusは/bus/とも
発音されることを 利用したもの。

bus はL. omnis(= all)の格変化形 omnibus(= for all すべての人のために)
の語尾bus から。日本語も以前はどんな人でも乗り合わせるので
「乗合自動車」と言っていた。

cf. omnipotent = almighty全能の、omnivorous 雑食性の
( -vorous 〜 を食べる. cf. carnivorous 肉食性の、herbivorous 草食性の)。

A [One] bird in the hand is better than [worth] two in the bush.
と似た諺には
Better an egg today than a hen tomorrow.
(今日の一個の卵は明日のめんどりにまさる)、
One hour today is worth two tomorrow.
(今日の1時間は明日の2時間に値する) がある。

日本の諺では「明日の百より今日の五十」 に相当しよう。

この考えによれば 「朝三暮四」 を猿が怒って、
朝四つ暮れ三つ(の栗の実)を呉れと言ったことも分かるだろうか。


column

Samson understood advertising. He took two columns
and brought down the house.
サムソンは広告というものが分かっていた。
彼は二つのコラム(欄)を使って大きな効果を上げた。

多義性(polysemy)を利用したもの。

column: 柱 / (新聞・雑誌などの)縦の欄(柱に見立てての意味)。
bring down the house 家を倒す /
= receive enthusiastic applause from the audience
観衆から熱狂的大喝采を博する。

怪力のイスラエルの士師(しし,judge) サムソンはその力のもとは髪だと
知られ、愛人デリラ(Delilah)の膝の上で眠っている時に髪を剃られてしまい
ペリシテ人(Philistines)に捕らえられ、ガザ(Gaza)の地で目をえぐられ、
牛馬のように働かされたが、髪が長く伸びて怪力をとりもどし,
つながれていた二本の柱を引き倒し神殿とペリシテ人たちも運命を共にした。

cf. 旧約聖書Judges (士師記)

cf. Aldous Huxley の小説にEyeless in Gaza(盲いてガザに)がある。


dice

How were Adam and Eve kept from gambling ?
Their pair o'dice was taken away from them.
アダムとイブ[エバ]はどのようにしてギャンブをさせられなかったのか。
二人のダイスがとられてしまったからだ。

pair o'dice /perədais/ (= pair of dice)とparadise /pərədais,
(特に米) perədais/との発音を利用したもの。

アダムとイブは蛇に誘惑されて神に禁じられていた禁断の木の実
(the forbidden fruit)を食べてしまいエデンの園(the Garden of Eden)から
追放された。
二人はエデンの園の東に追放されたという。
以前The East of Edenという名画があった。

keep 〜 from -ing = prevent 〜 from -ing , 〜 に -させない。
dice (さい、 さいころ < die の複数形)は二ケ( a pair of dice)ずつ使われる
ことが普通なので一ケはone of the diceのように言う。

Adam's apple(のどぼとけ)について --- 二人が食べた木の実は
the tree of the knowledge of good and evil (善悪を 知る知恵の木)の実で
リンゴだったとされ、食べている時に神に見つかり、びっくりして
それがのどにつかえてできたと言われるが、イブの方が先に食べ始めて
殆ど食べ終わっていたので、女性ののどぼとけは男性のものより小さいのだという。