東北新幹線全通と整備新幹線問題の今後。
December 15 [Wed], 2010, 16:00
4日、JR東北新幹線の八戸・新青森間が開通し、東北新幹線がようやく全通した。
昭和47年に当時の自民党政府と国鉄から“東京都と青森市を結ぶ新幹線”として、基本計画が発表されてから実に38年が経っていた。
青森県民、特に青森市や弘前市等の津軽地方関係者にとっては、今日までの日は長かっただろう。
何しろ、昭和57年(1982年)6月に大宮から隣県の盛岡まで開通しながら、そこから青森まで28年もかかったのである。
「盛岡から青森まではあと少しなのに、なんで新幹線はなかなか来てくれないんだ‥」そんな想いでいた県民は多かったろう。
開業初日は、強風による運転抑止や、東京駅での乗客積み残し見切り発車等がありダイヤが乱れたようだが、まずは東北新幹線の全通を喜びたい。
さて、東北新幹線は全通したが、これですべてメデタシメデタシとはいかない。
第一に、並行在来線問題がある。
今回の新幹線八戸・新青森間の開通により、これまでJR東日本が運営してきた東北本線八戸・青森間は、青森県や県内自治体・企業が出資をする第三セクター「青い森鉄道」に引き継がれたが、この会社は設立当初より黒字転換の見込が全くない“万年赤字企業”である。最終的には県民の税金や国からの補助金により赤字補填はされる事になるとは思うが、先行きは明るくはない。
東北本線を走っていた特急列車の利用客が新幹線に移行するため、利益が無いと判断をしたJRが切り離す路線を受け継ぐ以上、黒字化は難しいのだ。
利用者重視のダイヤ編成・積極的な売り込み・新駅設置等で通学需要はもちろん、通勤需要も新たに開拓する必要があるだろう。
第二は、今後も建設が続く整備新幹線問題である。
建設中及び今後着工予定の整備新幹線は、北海道新幹線(新青森・札幌間)、北陸新幹線(長野・大阪市付近間)、九州新幹線長崎ルート(新鳥栖・長崎間)の3路線であるが、実は採算性が不透明という苦しい路線で、同じ新幹線でもドル箱路線の東海道・山陽新幹線や東北新幹線(東京・盛岡間)と比較をすると収支・輸送人員ともに大違いである。
何故に国会議員や自治体は、新幹線をそれほどまでに欲しがるのだろうか。不思議でならない。
新幹線建設には莫大な建設費がかかるが、それには国費はもちろんの事、沿線自治体も負担しなければならない。
国はどうにもならない財政難で、自治体(特に地方)も不況や過疎化で台所事情は真っ赤っかで、新幹線建設どころではないはずだ。
採算性が悪い新幹線の路線は建設はせずに、代替えで並行在来線を高規格化した方が、列車の大幅な時間短縮は見込めなくなる分、建設費も大幅に削減出来る。
高速道路にしても同じで、採算性が悪い高速道路の路線は建設せずに、代替えで並行一般道を片道二車線化・蛇行区間の短絡化・交差点の立体化等をした方が建設費を大幅に削減出来る。
それで浮いた税金を不況対策や少子化対策・貧困層対策、国債償還(返済)に充てればよい。
もはや「フル規格新幹線をよこせ!高速道路をよこせ!」という時代ではない。
東北新幹線全通や、来年3月に予定されている九州新幹線鹿児島ルート全通に、ケチをつけるつもりは毛頭ないが、国も自治体も高速交通網建設の対費用効果を、不況で財政難の今だからこそ本気で考えた方がいい。

東北新幹線 新青森発東京行一番列車 出発式(4日6時30分 新青森駅・代表撮影)


