骨抜き 

November 29 [Mon], 2004, 23:04
ゆなと撮ったプリクラは、予想以上に上手に撮れていて、
2人とも別人のような顔で写っている。
自分の机でひとつひとつ切って貼っていたら、相川君が来て、
ひとつください、と切実に言ってきて苦笑してしまった。
冗談で、じゃあ今度一緒に撮る?なんて言ってしまったら、
彼はもうその気になってしまって、
映画も一緒に見よう、買い物もいいよね、なんて提案が止まらない。
私が男の人とデートするときは大抵、ドライブでお話しているだけなので
色々なところへちょこちょこ行くという発想は珍しかった。
お昼に、購買に新しいパンが3種類加わっていて、
大人気のうちに終了だったらしい。
でもいつも学校をまともに行かない私は、購買のパンのどれが新しいのかさえ
わからなくて、適当においしそうなものを3つ買った。
久しぶりに朝から最後まで学校にいたのだけれど、
なかなか面白かった。やはり、同世代の中にいると少なからず安心する。
帰り際にあの人からメールが来た。
私の家の近くの会社に用があったらしく、
学校まで迎えにきてくれるという。
仕事が終わるまで時間が結構あったので、私は友達を引きとめて
色々な恋の話をしたり、聞いたりしていた。
もう、最近は4時を過ぎると空が暗くなってきて、
冬のはじまりということを実感している。
あの人が6時過ぎに来てくれて、私はいつものように助手席へ乗る。
いきなり肉まんを渡されて、餌付けされてしまった。
まだ仕事が残っているから、8時までしか一緒にいられないけど
と優しく話してくれて、忙しいのに来てくれたあの人がとても愛しくなった。

強風に煽られて 

November 27 [Sat], 2004, 10:59
ゴウゴウと昨夜はすごい風の音だった。
その風の音に少し怖くなり、私は電話に手をかけた。
あの人は出なくて、残業なのかどうなのかもわからず、
途方にくれるばかりだった。
すると相川君から電話が来た。すごい風だね、大丈夫?
優しい声を聞いて、私はさっきまでの無力感を消すことができた。
相川君のおうちは、由緒ある家系らしく、昭和初期の家だそうだ。
だからか、家は強風でミシミシ言うので、こわいという。不思議と可愛く思えた。
明日の予定は?と聞かれた。
明日は友達と出かけるんだ。そういうと、相川君は残念そうにした。
相川君は、明日晴れたら、私をバイクに乗せて紅葉を見に連れたかったらしい。
なんだか彼女でもないのに、彼女のような扱いをする人だと思った。
私は確かに、関係を結んでしまったけれど、
でもそれは半強制的だったような気もするし、何も私だけの責任じゃない。
だから私はあの人だけを思いつづければいいと、心の中で何度も思い込んだ。
相川君は裕福だし、頭もいいので、私じゃなくても彼女はできるよ、とつぶやく。
それでも彼は私がいいんだ、心ちゃんが彼女になってほしいという。
こんなストレートな求愛は久しぶりだったので、少しどきどきしてしまった。
とにかく顔が少しかわいく産まれてしまったので、これは仕方がない。
私は外見じゃなくて内面を好かれたいんだ。
だから、内面を全て受け入れてくれるあの人を選んだ。ただそれだけのこと。

お昼から、友達のゆなと新宿に行く。何を買うか、わくわくする。

夜に怯えて 

November 26 [Fri], 2004, 15:27
また、小さい過ちをしてしまったと思い、
真夜中に電話ごしで憂鬱になる。
男の人で、優しくしてくれるなら誰でもいいのか。
そんなことは考えたくない。考えたくない。
さりげない駆け引きをしてなにになるのだろう。
あの人のことを本当に好きならばこんな事は許されないし、
ならこの行為をした私はとても下卑た雌犬にしか過ぎないのかもしれない。
お手軽な愛とはこういうことかとも思う。
でも私は、いつかの時のように人を好きになって、幸せな時間があり、
幸せな時間を想像してその時を過ごしていれることを願っている。
2時間しか眠れず、その足で学校に行くのはとてもじゃないけど不可能だ。
ぼーっとしていても、思いつくのは電話をしたA君ではないし、
やはりあの人以外ではない。
それでも、あの人にどうしようもなく依存しているような私は
偽者じゃないのかと思うのもまた事実で、苦しくなるばかりだ。
眠っていないに等しい体なのに、いまだに眠くもならず、時間が過ぎるのを感じるだけ。
今日は晴れずに、陽は翳っていた。
体の調子がよくないのに仕事をしているあの人を思うと、
ただの自分の我侭で何もせずのらりとしている自分が恥ずかしくなってしまう。
それとまた別に心はそっぽをむいていて、蕾は月一度の紅を待ちながら疼いている。

集中豪雨 

November 25 [Thu], 2004, 16:51
私はいつも夕方になって思うことがあって、
ああ、どうしてこんなにも空はうそ臭い色をしているのだろう
公園の外灯の方がきらびやかにさんさんと輝いて、
人工的な私の目には、それの方が本物に見える。
太陽のない夜は、しんと静かで、それでいて直に音が伝わる。
帰り道に手をつないで歩く恋人たちをみた。
どうして、彼らはこんなにも嬉しそうにはしゃいでいるんだろう。
私はもう、そのくらいじゃ嬉しくなることができないんだと思うと、自分の感情さえ憎んだ。

暗がりの廊下で 

November 23 [Tue], 2004, 9:48
土曜日にあの人と海へ行った。
澄んだ空気が気持ちよくて、どこかへ行けそうなほど胸がきゅんとなった。
冬の海岸わきに車をとめて、窓から海を見ると、まばゆいほどの美しさに心を奪われた。
暖かいお茶を飲んで、あの人の肩へ頭を寄せる。
でもあの人はきっと、私が前の日に犯した過ちのことを知らなくて、
だからなのか、涙が流れそうになるのを必死にこらえた。
空き教室があるからいけないんだ。
私はただ白昼夢を見ていただけで、あれは現実じゃない。
そう思えば問題がないはず。だから、忘れればいい。
カーテンを隔てて、サッカー部の練習の声と、吹奏楽部の演奏の音。
あの人のきれいな指とは対照的なそのごつごつとした指だけは、記憶にしっかりとある。
私は白昼夢を見ていただけ。あれは夢だったはずだ。

noone knows 

November 18 [Thu], 2004, 22:54
サイズの大きいあの人のカーディガンを羽織って、
今日もしとしとと降る雨を見つめている。
私がぼうっと何か考えていると、何故雨は降ってくるのか。
天気が私の味方だと、心強いものがある。
ついこの前のことなのに、大昔のことに感じてしまう。
首筋についた痕だとか、指の感触だとか。
あの人はたいてい私の耳元で何かをささやいて、そして静かに果てる。
私は天井を見上げながら、そっと呼吸をする。
「土曜日、海へ行こうか」
唐突にきたメールの内容に、私は少しおののきながらも喜んだ。
寒い日に、海へ行くあの人の突飛な考え方が好きだ。
気持ちの浮き沈みが激しくて、それでも心はあの人にあって、苦しかったり嬉しかったりしていつもどきどきしている。このままだと死んでしまいそうだ。

きみだけを 

November 17 [Wed], 2004, 23:44
あれは真実だったのか。
繋がれた手を離すことは私にとってはとても恐怖で、
いつも暴かれた素肌のままあの人に寄り添う。
本当は学校なんて行きたくなくて、行ってもどうせくだらない馴れ合いがあるだけ。
それならば、少しでもあの人と一緒にいたい。
現実感のない部屋を出て、車に乗る瞬間がいちばん嫌で、
いつも逃げたしそうになる

侵された夜 

November 16 [Tue], 2004, 17:00
どうしてこうなるかがわからない。
スーツ姿のあの人はまるでいつものそれとは違う生き物のようで、
不思議と人間味を帯びていた。これがあの人の真実だったら、いいのに。
返事がないと思っていつしかうとうと眠っていて、夜に目が覚めた。
ぽいと投げ捨てた携帯電話の行方がわからないでいると、着信があった。
どうした?学校、雨だからって休むんじゃないよ。
木漏れ日のようなトーンの声は優しく私に響く。
会いたくて、会いたくて、でもそれは言えなかった。
あの人はそんな私のきもちがわかったのか、私を深夜のかすむ夜へと誘った。
遠くから聞こえるエンジン音が心地良い。
泡を溶かしたやわらかな髪は濡れていた。
そっとシートに座ると、あの人は濡れた髪を掻き揚げて、口内へ侵入してきた。
このまままた夢の世界へいけるなら、それでいい。

何もいらない 

November 15 [Mon], 2004, 9:57
ぽたぽたと落ちる雨の音。
雨の日は私にとっての特別休交尾だ。
こんな日に、制服を着て傘を差しておちおち学校になんか行ってられない。
こんな日に、裸足で駆け出したらどんなに気分が良いことか。
今日は私の心情を表す天気で、少し安心する。
あの人にメールをする。携帯電話なんて本当は使いたくない。
こんな通信手段に左右されたくない。
でも、本当は、振り回されたいのかもしれない。
あの人にも振り回されて、携帯電話にも振り回されるなんて、
みんなが口を大きく開けて笑うことだろう。
雨音が次第に強くなっていく。
私は窓を開け、そっと手をのばす。雫が一滴、か細く白い腕に落ちた。
それは言うまでもなく雨ではないのだ。
「雨が降ってきた。今日はお休みします」
返信はくるのだろうか。雨音が強くなって私に駆け寄ってくる。

冷たい夜 

November 14 [Sun], 2004, 20:15
声に出来ないのは私の悲痛な叫び。
胸が張り裂けそうで、突き刺さるような冬のはじまりの寒さもまた、苦しい。
ねえ、助けて欲しい。その柔らかな吐息で私を包んで欲しい。
また会えるかな?あの微笑が嘘だなんて思いたくない。
携帯を握っても音は鳴らなくて、耳鳴りだけが遠く響く。
夢でだけ会うのはもう飽きてしまった。
愛してくれたあの夜は幻だったのだろうか。
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