型破りの自衛隊広報誌「MAMOR」編集長に直撃インタビュー 

2011年10月04日(火) 21時53分
 自衛隊の制服に身を包んだアイドルが敬礼をしている表紙。一見、コスプレ雑誌かと見まごうような自衛隊広報誌があるのをご存知だろうか。人気アイドルユニット「AKB48」の前田敦子や大家志津香まで表紙を飾った号は大人気となった。気合が入っているのはグラビアだけではない。自衛官の婚活コーナーからミリタリー占い、女性自衛官のガールズトークまで。防衛省が編集協力をしているのに、ゆる〜い紙面は衝撃的だ。


 それが扶桑社が発行する月刊誌「MAMOR」(マモル)だ。自衛官のインタビューや日本の防衛問題を語る真面目なコーナーもちゃんとありつつも、普通の月刊誌のようなテイスト。なぜこんな型破りな雑誌が生まれたのか。編集長の高久裕(たかく・ゆたか)氏にインタビューで直撃してみた。【写真・文:安藤健二(BLOGOS編集部)】

「自衛隊には全く興味なかった」

 JR浜松町駅から歩いて数分。東京都港区の芝浦埠頭を臨む海岸縁に扶桑社の入ったビルはある。親会社のフジテレビがお台場にあるから、割と近くだ。インタビューを行った会議室では、港を行きかう船が見え、時折、汽笛を鳴らす音がかすかに響いた。


月刊誌「MAMOR」の高久裕編集長

 高久編集長は54歳のベテラン。日之出出版のファッション雑誌「Fine」や、ダイヤモンド社の自動車雑誌「カー&ドライバー」の編集に携わった後、1987年に扶桑社入社。女性向け情報誌の「ESSE」、男性誌「SPA!」の副編集長などを経て、2005年に創刊した「MAMOR」の編集長を務めている。自衛隊雑誌の編集長とは思えない雰囲気だ。よほどな軍事マニアではないかと思っていたが、開口一番、「もともと自衛隊には全く興味なかったんです」と、驚くべき発言をした。それなら、なぜこのような雑誌が生まれたのだろう……。

―高久さんご自身は自衛隊や軍事に興味があったわけではなかった?

いや、全然。僕の思春期の頃までは世の中の雰囲気が左翼的でしたから。当時のヒットソングはみんな反戦歌だったんです。フォークソングって基本、反戦ですからね。サッカーのW杯でよく歌われている「翼をください」もそうです。「翼があったら国を飛び越えて自由になれるのに」という内容でした。ですから、僕も自衛隊に反対はしてなかったけど、全く興味がなかったんです。

―以前は生活情報誌から一般紙、自動車雑誌までやっておられますが、今回、自衛隊の雑誌ということで戸惑いはあったのでは?

いや、「MAMOR」はもともと、私が企画したんです。そういう媒体があって配属されたわけではないので、びっくりしたことは特になかったですね。

―えっ、発案された経緯はどんな物だったんですか?

もともと2005年に、弊社にカスタム出版という部署が新設されました。これは企業・団体向けにカスタマイズされた出版物を作る部署なんですね。これはアメリカで生まれたマーケティング手法で、日本でも講談社もマガジンハウス、日経などいろんなところでやってますけど、企業からお金をもらって企業向けにカスタマイズした出版物を作ろうという部署なんです。

ご存知のように出版不況で雑誌や書籍が売れない時代においては、新規ビジネスとして扶桑社も参入したんですね。で、その部署が立ち上がったときに私も配属されて、じゃ、カスタムで「どこかスポンサーを探しに行かなくっちゃね」ということで考えて、「やはりでかい企業がいいよね。予算をいっぱい持ってそうだよね」。「でかいといえば、日本政府が一番でかいだろう」と。そういうことで、官庁の仕事が一番手堅いんじゃないかな、と素人ながらに思ったわけです。

実は「SPA!」の副編集長をやっているときに自衛隊の特集を担当したことがあったんです。現場で取材をしたのは記者なんですが、相馬原(そうまがはら)の駐屯地に記者が3日間、体験入隊して記事を書いたんです。まあ、「SPA!」なんで非常に軟派な感じの記事だったんですが、出来た物を自衛隊の広報に持っていったんです。「これは結構お叱りを受けるかなぁ」といった内容だったんですけれど、お持ちしたら非常に喜んで頂けたんです。

「これからは自衛隊もこういう柔らかいPRをしなきゃいかんだろうなぁ」と、当時の広報官はおっしゃってまして、それが妙に頭に残ってたんですね。それで、さっきの「官庁にどこか企画を持ち込まなきゃなぁ」と考えていたときに、その自衛隊の広報官の言葉を思い出して、「やわらか〜い自衛隊のPR誌を作ります!」っていう話を持ち込んで飛び込み営業をかけたんです。

当時の防衛庁に電話して、「かくかくしかじか」と。そのときに、たまたまなんですけど、タイミングがばっちりだったんです。というのは防衛庁の関連団体(財団法人防衛弘済会)で「セキュリタリアン」という広報誌を作っていたんですが、これは社内報のような雑誌で一般書店での扱いはなかったし、一般の国民が目に触れるところには置いてなかったんですね。一般の人にはあまり知られてなかったんです。

当時の自民党政権では民活(民間事業者の能力活用)という動きがありました。そんな中、「広報誌を作るのは民間に頼んだらどうか。内部で作って内部だけで読んでても広報誌とは言えない。民活で雑誌作りのプロに任せたらどうか」という話があって。私が企画を持ち込んだのは、防衛庁の内部で広報誌の民間委託をちょうど検討していた時期だったんです。

―ほぉ、ちょうど時期がぴったりだったんですね

ただ、随意契約はなかなか防衛庁の場合はできない。それで企画の競争入札ということになったんです。それで他社と競争して、うかったという経緯です。

―てっきり「セキュリタリアン」の廃刊が決まっていて、扶桑社に話が降りてきたのかと想像していたんですが

いやいや、そういうことではないんです。「フジサンケイグループの扶桑社で、『新しい歴史教科書』とかを作っていたからじゃないか?」という誤解をされがちなんですが、全くそんなことはないんですよ。

―「セキュリタリアン」はかなり堅い紙面だったと思いますが、MAMORはグラビアにアイドルを起用したり、かなり柔らかい紙面になってますよね。これは最初から意識されていたわけですね?

最初に持ち込んだ企画からして「柔らかい物を」ということでしたから。それを認めて頂いたので、ソフト路線を前面に出すということでしたね。

―ネット上では広報誌と紹介されたり、準広報誌と紹介されたり扱いがマチマチなようですが、どういうポジションなのでしょうか?

オフィシャルな広報誌ですね。オフィシャルマガジンです。

―ただ、内部で紹介する物ではない

違いますね。一般書店で売られてますから。セキュリタリアンの頃は一部の書店には置かせてもらっていることはあったようですが、(取次を介した)流通はしてなかったですね。

―「セキュリタリアン」と比べて「MAMOR」の部数は上がっていますか?

かなり上がっていますね。

アイドルが表紙を飾る真の理由とは?

―かなり一般誌に近い作りをしているように感じたのですか?

ええ、それを狙っています!一般の方に読んでもらいたいからです。―アイドルを表紙に使うというコンセプトは当初からの物ですか?

グラビアページは創刊準備号からあったんですよ。表紙については創刊1年までは自衛隊の装備品を使ってましたね。戦車とか護衛艦とか。

―それで満を持して、自衛官の制服を着た女の子を表紙にすると?

そうですね。グラビアが当初からあって、表紙にするようになりました。

―なぜあえてアイドルを表紙にしたのでしょうか?

第一に、書店で、若い方が、手に取りやすい、ということです。自衛隊や防衛に興味なくても、人気アイドルが表紙なら、思わず手にとるでしょ?さらに、副次的な効果として、グラビアアイドルなりタレント達は、ほとんどと言っていいほど自分のブログを持っていることですね。撮影で、各基地とか駐屯地に行きますと、彼女達も自衛隊の基地に行くのは初めてですから、すごく喜ぶんですよ。

写メでパチパチ撮るわけです。それをすぐ自分のブログに載せるでしょ。自衛隊の制服を着たのも載せるわけじゃないですか。そうすると、彼女達のブログを見ているファンが「あ、MAMORという雑誌があるんだ」「MAMORに、僕の好きな○○ちゃんが出る!」ということで、雑誌を買ってくれるわけですよ。

そういった自衛隊に全く興味のない若い人達が、少なくとも自分の好きなアイドルが載った号は買ってくれるんですね。そうやって、青少年層にMAMORの名前が浸透していって、実際に彼らの中からハガキが来て「初めて読んだけど、自衛隊のことが非常によく分かりました」「興味をもつようになりました」ということが書かれてあるんです。そういった意味では、広報誌としてとしての目的はちゃんと果たしているのかなぁと思いますね。

―コラムを見ても、舞の海さんやダイアモンド?ユカイさんとか、自衛隊のイメージとはかけ離れた方に依頼されているようですが、これも敢えてやっているんでしょうか?

要するにメジャー感を出したいんですよ。やっぱりメジャーな人が出ると、メジャー感が出るじゃないですか。グラビアもそうですね。どうしても、MAMORは専門誌でしょ。マイナー感がいっぱいじゃないですか。そうじゃなくてメジャー感を出そうという狙いですね。


杉原杏璃のグラビアが掲載された「MAMOR」2011年10月号

「自衛官に焦点を当てた雑誌に」

―軍事マニアがターゲットというわけではないと?

そうですね。防衛省の側からのリクエストが「広く一般の方に読んで頂きたい」ということだったんです。特に青少年層に読んで欲しいことでした。そこで、青少年に人気のあるタレントを表紙に使って手に取りやすくしたわけです。

―それは「自衛官の志願者を増やしたい」という意向もあるんでしょうか?

うーん、ゼロではないでしょうね。ただ、リクルーティングを狙っているわけではありません。目的としては、防衛省と自衛隊が日々、どんな活動をしているのかを広く国民に知らせたいことですね。

これまでの防衛関連の雑誌は、一つはマニアックな装備品に話題が偏っていたり、防衛政策のオピニオンに関する物がほとんど。自衛官という人間に焦点を当てた雑誌というのはなかったんですよ。

―人間に焦点を当てると?

はい。なのでMAMORでは部隊などを取り上げるときでも、自衛官そのものに焦点を当てるようにはしてます。私にとって見れば、息子と同じような年代の人間が、まさに一旦、事が起これば自分の命と引き換えにしてでも国を守ろう、国民を守ろうとするわけです。そういう人達の集団なわけですから。「一見、平和に見える日本でも、いざというときのために頑張っている人達がいるんだよ」「そういう人達のお陰で日本の平和が成り立っているんだよ」ということをたくさんの人に知って欲しい、と思っています。

―紙面づくりでは、自衛隊員の方や隊員のご家族に向けている部分もあるのですか?

いえ、それは意識してないですね。飽くまでも一般向けに作っています。結果として、隊員やそのご家族の方が喜ばれることはあるかもしれませんが、目的にはしてないです。

「婚活コーナー」に女子高生から応募も

―「MAMOR」の新しい点といえば、自衛官の結婚相手を募集する婚活コーナー「マモルの婚活」ありますね。

ええ、2009年の秋に特集をやって、それであまりに反響を呼んだので、3号くらい後から連載に変えました。

―では、婚活コーナーに男性隊員がよく出ていますが、これも一般読者の女性に向けての物と?

そうです。ただ、もっと言うと、結婚を味付けにはしていますが、人間自衛官にスポットを当てるという趣旨だったんです。私もそうだったですが、一般の人は回りに自衛官の友人や知人がいないんで、「自衛官ってどういう人達なんだろうな?真面目でとっつきにくいのかな。怖いのかな」ってイメージがあるんですけど、実際に会ってみると、当たり前の話なんですが、僕らと変わらない人間なんです。

「冗談も言えば、酒も飲めば、普通の人間ですよ」とそういう人間性を紹介するには一番いいコーナーかなぁと思っています。趣味から年収から何でも載っているわけですから、これが載ることによって「なんだ、僕らと変わらないじゃないか」と、素顔の自衛官ってこういう人達なんだなって一般の人にも分かる。それが一つの目的ですよね。

―婚活コーナーから、実際にカップルが成立したケースは?

あるみたいですね。ただ、お互いに連絡を取った後は、僕らはノータッチですから。個人情報なので追いかけないですが、聞くところによるといらっしゃるようですね。

―こういう「自衛官の婚活」を雑誌で取り上げるというのは相当珍しいですよね?

そうですね。自衛官に絞ったのでは初めてでしょうね(笑)。

―一番、最初に特集を組んだのもそういう考えだったんですか?

そうです。自衛官という物を広く知ってもらう上では、いろんな紹介の仕方があります。一つは、就職先としての自衛隊は、どうなんだろうと。給料はこうなってますよ、福利厚生はこうですよ、出世はどうですか。とか、そういうことは一回やってるんですよ。

その後に、「では結婚相手としての自衛官ってどうなんだろう?」という切り口でやったのが、「自衛官と結婚しようよ」という特集だったんです。その中に、婚活コーナーを作って、実際にお見合い写真みたいなことをやったんですね。

―それが大好評だったと?

はい、非常に好評で。各メディアでも取り上げて頂きました。

―結構、応募も集まりましたか?

一番多い人で60通くらい来てましたね。応募してきた女性の最年少は、高校2年生ですよ。親の承認があれば結婚できるとは言っても、さすがにびっくりしましたね。余談ですけど、婚活業界では自衛官はものすごい人気があるんですよ。国家公務員だし、健康だし、人のために役に立とうという職業だから気は優しい力持ちだし。

自衛隊は"古き良き日本人"のサンクチュアリ

―やっぱり世の中の女性も、草食系男子に飽きたらなくなっている面もあって、体育会系の男性に惹かれる人も増えているってことなんでしょうか?

どうなんですかねー(笑)。そこまでは分かりませんね。ただ、ちょっと話は変わるけど、いろんな駐屯地や基地を回ってたくさんの自衛官を取材して思ったことは、やはり自衛官って「古き良き日本人」なんですよ。いつもいろんなインタビューに答えて言っていることなんですが、やはり自衛隊って「古き良き日本人の保護区」だと思うんです。フェンスに囲まれた中に、古き良き日本人がずーっと保護されている。


礼儀正しさ、目上の人を立てる、人が困っていたら助ける。そういった日本人の美徳が残っているんです。その代わり、女性に対しては不器用だし、奥手の方が多いようですよね。

―そういう意味では彼らが堂々と自分をPRできるのが婚活コーナー。

だと思いますけどね。

―読者層でいうとやはり男性層が多いんでしょうか?

それはやはり圧倒的に男性です。その中で「女性読者を増やしたい」という意図もあるんです。先ほども申し上げましたように、タレントを起用することによって読者の平均年齢を下げることには成功したんです。今度は「女性を増やしましょう」というのが狙いの一つですね。

―今月号は女性自衛官の特集ということですが、これは初めて?

いえいえ、年に一回くらいは必ずやってますね。今年は(女子サッカーの)なでしこブームだから、それに乗っかってやったんです。この号に関してはタレントを使ってないので。全部現役の自衛官なんですけどね。

―ちなみに女性自衛官の婚活コーナーもあるんですか?

いえ、婚活コーナーは男性に限ってないので、たまに女性自衛官も出てきますよ。


「MAMOR」2011年11月号の女性自衛官特集では「ぶっちゃけガールズトーク」という漫画コーナーも

防衛省のチェックが降りないケースも

―どうしても自衛隊の広報誌ということで、防衛省のチェックが降りないケースなどもあるんですか?

それはたくさんありますね。毎号、毎号、どこまで出せるかというのはせめぎ合いですね。

―例えばどんなケースが?

一つは撮影のときに、撮っちゃいけないところが映ってた場合ですよね。装甲車のドアの厚さが分かるとまずいとか、飛行機の格納庫の屋根が映っていると構造が分かってしまうからまずい、とかですね。あとは、表現ですね。

―では、毎号、防衛省の方に見て頂く感じと

そうですね。広報の担当官がいますので。

―自衛隊の広報誌ということでしたが、そうなると防衛省の方から出版費用が出ているのでしょうか?

いやいや、出てないです。100%、私どものお金で作って流通させて、防衛省にまとまった部数を買って頂いているということです。

―防衛省の広報誌というとこれだけですか?

各幕僚広報や、基地・駐屯地などでは出してますが、防衛省オフィシャルというと「MAMOR」だけですね。

震災が自衛隊のイメージを変えた

―どうしても自衛隊は60〜70年代の頃は「憲法9条に違反しているじゃないか」とか「軍隊じゃないか」ということで叩かれることも多かったようです。「MAMOR」を編集する上では、そうした自衛隊の存在そのものに批判的な声への反論を取り上げることなどはあるのでしょうか?

全くないですね。もう明らかに(ムードが)変わりましたね。私は54歳ですから、私が思春期の頃には学生デモが盛んに行われていたし、「憲法違反している」という声もあったし、もう少し過去には、作家の大江健三郎が防衛大学生のことを「ぼくらの世代の若い日本人の弱み、一つの恥辱だと思っている」などと言ったこともありました。でも、阪神大震災が境目になっているんでしょうね。―災害救助に活躍したことで国民の見る目も変わってきた?

はい。日本って自衛官は制服を着てあるかないじゃないですか。特に東京だと顕著です。横須賀や地方に行けばいるけど、東京で電車の中で自衛隊の制服を着てる人って見たことないじゃないですか。やっぱり規則ということじゃなくて、昔は石を投げられたりとか、突っかかって来る人もいて、「制服を着るな」と言われてたらしいです。防衛大生も横須賀で飲んでると「税金泥棒!」なんて言われたらしいですからね。その当時は。

―大分、雰囲気が変わってきたと。

全然、変わりましたよ。

―今回、3月11日に東日本大震災でかなり自衛隊の方が頑張っているのというのは

ヒーローですよね。本当にね。「MAMOR」も4月発売号では震災特集を組みました。もう制作途中だった号の内容を全部作り変えて、ドタバタでしたけどね。やっぱりさすがに震災後に出るMAMORで、普通にタレントが笑っている表紙を出すわけにいかないので。

―今まで多くの自衛官に取材されてきた中で、最も印象に残った体験というのは何になりますか?

印象と言われたら、やはり被災地で活躍されていた自衛官ですよね。本当に頭が下がりますし、涙も出てきましたね。

―被災地の自衛官に取材されてどんなことを感じましたか?

なんだろうか、きめ細かい心遣いというか。これはあまり報道されてないんですが、ガレキの中で救助するじゃないですか。一日中、朝から日が暮れるまで活動していて、不思議に思ったことがあったんです。それはトイレです。辺り一面がガレキで埋め尽くされているわけじゃないですか。

「その辺の木陰で用を足せばいいのかな?」とも思うけど、それだって元は誰かの家だったから、そんなところで用は足せませんよ。で、「どうするんですか?」って聞いたら、「トラックの中で、段ボールの内側にビニールを引いて、それで用を足して持って基地まで持って帰るんだ」と。それはすごいと思いました。寒い盛りにそこまでするわけですから、本当に被災者に気を遣っているんですよ。

3月の寒い中、一ヶ月間ろくに風呂も入らないで着のみ着のままで働いてるんですよ。本当にそこは頭が下がりますね。

"普通の人"が頑張る姿を描きたい

―自衛官のどんな姿を描きたいというテーマはありますか?

僕はよく言うんだけども、人間としての弱さを見せないと自衛官という崇高な使命は描けない。つまり、僕たちと同じ弱い人間が、そういうことをやってることにすごさがあるわけじゃないですか。

本当は怖くて怖くて震えているんだけど、でも、みんなを守るために表に立つところに我々は尊敬するわけで、最初からスーパーマンだったら「じゃあ、よろしく」になってしまうじゃないですか。でも、自衛官もそういう葛藤を乗り越えて一線に立ってる人達だから、やはりすごいですよね。

―どうしても自衛官というと「別次元の人達」と認識してしまいがちですよね

本当に普通のオニーサン、オネーサン達ですから。被災地に行っても、これまで遺体なんか見たことないんですよ。戦争に行ったことないし、父ちゃん・母ちゃんもまだ元気だし。せいぜい、じいちゃん・ばあちゃんの葬式で接したくらいでしょ。でも、被災地のご遺体と言ったら、かなり傷ついているわけで、それを救出するわけですよ。やっぱり丁寧だから、引っ張れないから、ご遺体を抱くように救出するんですよ。

―それを10代から20代の若者達までやっているわけですね

そうですね。それはすごいですよ。自分達も家族が被災して生きているかどうか分からないときにそういうことをやっているわけですから。

取材を終えて

 取材するまでは謎のベールに包まれていた「MAMOR」だが、高久編集長の言葉にはいちいち納得してしまった。我々の知らないところで、国民を守るために日夜働いてる自衛官。「MAMOR」のゆる〜い切り口は、彼らを分かりやすく一般人に紹介するための工夫の賜物だったというわけだ。

 必ずしも全ての書店に「MAMOR」が置いてあるわけではないが、もしアイドルが自衛隊の格好をしている雑誌を見かけたら、一度は読んでみると新しい体験が待っているかもしれない。
(この記事は政治(BLOGOS 編集部)から引用させて頂きました)
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