【小説】  七つの大罪の器 T

September 06 [Tue], 2011, 21:54

−視点 イヴ・ムーンリット


「・・・?」
私の目の前には、金髪の双子がいた。
何故こんな所にいるのかしら?
・・・あぁ、でも何て綺麗な双子なのだろう。
長い睫毛。綺麗な金髪。
瞳もうるっとしていてとても綺麗。
あぁ、これは神様からのプレゼントなのね?

・・・そう。私たちの子供は死んでなんかいないわ。
どこか遠くで生きている。そう信じていて良かった。
素敵な贈り物だわ。
この子達は私の・・・!

− いけないこと。 そんなの知ってるわ。

さぁ、我が家に行きましょう。
そう思いながら、抱き上げた途端。
ガサッっと音がした。
草の音。誰かが近くに居る。
ふっっと横を見ると、一人の女。
目を丸くしてこちらを見ていた。

「・・・あ、貴方、私の子供に何をしているの?」

私はどうしたらいい?
素直にこの双子を帰す?
嫌。この幸せは決して渡したりなんかしない。したくない。
この我が子を持ち帰れば、あの人も喜んでくれる。
幸せになれるの。
この子供は貴方のなんかじゃないの。私のなのよ。

気がつけば私は走り出していた。
正しい道なんて、そんなものは失い、
ただただ一生懸命に走り続けていた。
だって、ようやく見つけたのよ。
私の子を・・・!!!
誰かに渡すくらいなら死んだ方がマシだわ。

「嫌!!!待って!!私の大切な子供を返して!!」

女の悲痛な声。何て悲しい声なの。
その声を聞いた私は、つい後ろを振り向いてしまった。
女は月に照らされ、顔がはっきりと見える。
茶色の綺麗な髪。赤い瞳かぶわりと溢れ出る涙。
嫌・・・!

「うぎゃぁ・・・うぎゃぁぁ・・・」

下を見ると、双子も泣いていた。
私も泣いていたの。嫌。渡さない。絶対に。
夢中で走り続けていると、目の前に小さな家が見えた。
もう、こうするしかない。
こうすれば私も貴方も幸せになれるの。

・・・貴方にはここで*******

バタン。


「おかえり。イヴ。どうしたんだ?息が荒れ・・・て・・・」

優しい声で微笑んだ貴方。
だけどその優しい表情は一瞬で消えた。

「何だね?・・・その子達は」
「私達の子よ!綺麗で可愛いでしょう?」
「いいかい。イヴ」
「・・・?」
「僕達の子は、もうこの世にはいないんだよ」
「・・・そんなことないわ!」
「今ならまだやり直せるさ。その子達を元のお母さんのところへ帰してあげなさい」

私が犯してしまった罪。
それは許されない、重い罪。
だけど・・・。

「無理よ!!・・・だって、もうっ・・・」

小さな小さな家の前には一人の女の亡骸があった。


・・・そして私は知らなかったの。
もうすぐこの双子達に殺されるということを。



−視点 ?

・・・何て恐ろしい光景なのだろう。
イヴ・ムーンリット。
何て綺麗な女性なのだろう。
プロフィール
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    ・音楽鑑賞-箱庭の少女/初音ミク
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    ・読書-悪ノ娘 緑のヴィーゲンリート
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