うら遙(遙か×薄桜鬼) 

June 24 [Sun], 2018, 21:47
『遙かなる薄桜の中で』   三八五章


 桃姫に穢れを与えている者が居るであろうことがわかった。
 様々なことから推察するに、あの場に居なかった誰かが常に桃姫に穢れを与え続けていたということになる。

原田「どうにかしてやりたいな」

 (原田は溜め息をつく。たった一度会っただけの縁。放っておいても、特に新選組幹部達にとってはあかね達以上に関わり合いになるはずの無いはずだった。だけど、手の届く所で困っている者を見過ごせるほど冷淡にはなれない)

あかね「それならどうにかしましょう」

 (原田の言葉にあかねは決意をした。助けられるかもしれないのに黙ったままでいるのは見過ごせない)

原田「どうにかって、何の策も無いし真犯人もわからないままなんだぜ?」
天真「気にするな、原田。こいつが突拍子もないのはいつものことだ」
鷹通「そう言う天真殿は既に乗り気のようですね」
天真「当たり前だろ。ちょっと顔を見せ合うぐらいじゃなくなったんだ。お前だって役人として『不正』があるかもしれないなら見過ごせないだろ?」
鷹通「それは勿論」
イノリ「でも、証拠って?あかね達が飲んだ茶を持って来て泰明に見てもらうとか?」
泰明「手っ取り早いが現実的ではないな。それは相手の屋敷に忍び込み盗人の真似をしろと言うようなものだ。神子にそのようなことはさせられぬ」
鷹通「仮に神子殿以外の者が何らかの方法で扇屋殿の屋敷の台所まで忍び込んだとしても、我々が飲んだ茶と同じ茶葉を探し当てるのも難しいことでしょう。あれほど家柄に拘る方なら茶の銘柄もあらゆる地域から有名どころを取り寄せて用意しているでしょうから」
泰明「そして、たとえ茶葉を手に入れたとしてもそこから真犯人を割り出せるかどうかはまた別の事。行うだけ無駄だ」
イノリ「ハッキリ言い過ぎだっての。ただの案じゃねえか」
泰明「無駄なことは無駄と言っておかねばまた似たような案を出されて先へ進まぬ」
平助「なあ、泰明。そもそも食べ物や飲み物にどうやって穢れを入れるだ?俺はそういうのよくわかんねえから想像つかねえ」
あかね「そういえば、村で鬼の穢れを受けた作物はみんな枯れたり腐ったりしてしまっているのに食べ物そのものは無事ってちょっと変ですよね」
泰明「作物ではなく『茶葉』として出来上がっている為に変化が無いことは考えられる。無論、変化が無いように見せる技術も必要となるが」
鷹通「そうなると、真犯人の背後には強力な術者が付いていると?」
泰明「可能性はある。真犯人自体が術に長けているということも考えられる」
イノリ「お前の知り合いでそういうのがきそうなヤツに心当たり無いのか?」
泰明「『知り合い』とはどこまでのことを指す?名前を知っている者か?同じ師を持つ者か?師同士が知り合いの者か?顔を合わせて言葉を交わした者か?」
天真「また小難しいこと考えてるな……ああもう、この場合は『名前を知ってる』にしとく」

 (確かに定義は曖昧。ここで全て説明して区切っていたらまた時間がかかってしまう。天真は一番広義の意味を例に出した)

泰明「それなら数十人はくだらぬ。陰陽師という括りを外せばもっと多くなるだろう。絞り込むには情報が足りぬ」
原田「言い換えれば大抵の『術者』に可能性があるってことか」
あかね「そうなんだ、どうしよう……」

 (証拠を手に入れる方法もわからず真犯人にも辿り着けない。あかねは困り果てた)

詩紋「ただいま、あかねちゃん。力の付きそうな献立お願いして来たよ」
斎藤「ちょうどいい素材が入って来たというので丁度良かった。元宮は運が良いな」
詩紋「……って、あれ?どうしたのみんな。そんな難しい顔して」
イノリ「ちょっと聞いてくれよ詩紋」

 (イノリは詩紋と斎藤に向かって穢れの食材の可能性とそれを施した者について見つけたくても見つけられない状況を説明した)

斎藤「許せぬな。農家の者が丹精込めて作った作物にそのような真似をするとは」
天真「おい斎藤。ここで刀抜くなよ。ここには真犯人居ないんだから」
詩紋「僕も大切な作物にそういうことをする人は許せないけど、もし最初からそういう風に作られていたらどうだろう?」
あかね「最初から?」
詩紋「うん。ほら、土に拘ったら美味しい野菜ができるとか、鶏に栄養のある餌を食べさせたらいい卵が産まれるみたいな」
あかね「さっきも言ってたんだけど、そういうのって枯れたり腐ったりするものじゃない?」
詩紋「普通の植物でもあんまり強い栄養剤を与え過ぎると根っこが腐ったりしちゃうから、加減の問題じゃないかな?話を聞いてる限り全員に穢れの影響が出てるわけじゃないみたいだし」
斎藤「少量を毎日少しずつ……なるほど。毒を盛るのでもよくある方法だな」
あかね「よくあるって……」
斎藤「要人はそれだけ狙われやすいということだ」
天真「てことは、屋敷に忍び込まなくても『仕入れ』の段階でとっ捕まえれば済むってことか?」
泰明「そうすれば誰が、あるいは誰の命令で行っているかもすぐに判明する。常に家に居る桃姫に与えているなら頻度も少なくはないだろう」
あかね「それじゃあ早速張り込んで捕まえましょう」
天真「張り込むって……」
あかね「もちろん言い出したのは私だもの」
天真「駄目に決まってんだろ!」
イノリ「無理だ!」
詩紋「危ないよ」
鷹通「反対します」
泰明「止めるべきだ」

 (天真・イノリ・詩紋・鷹通・泰明は声を揃えて反対の言葉を発した)

あかね「そ、そんなみんな一斉に言わなくても……」
斎藤「頻度が多いとはいえ毎日来るとも限らない。物が物だけに夜中と言うこともある。見つかれば口封じも有り得る。元宮が行くには危険だな」
原田「誰かが行かなきゃならないってんなら俺達に任せな」
平助「おうよ。京都に悪いことする奴をのさばらせるわけには行かねえ。新選組の力を見せてやるぜ!」


来週に続く。

舞台裏(Lovely Voice) 

June 23 [Sat], 2018, 23:33
『まねっこティアラジ』   第504回


宮谷「皆様ごきげんよう。管理人が『Lantis web radio』内の『ティアラジオ』にハマったが故に始まった『まねっこティアラジ』へようこそいらっしゃいました。この番組では本家本元に近付くように上品かつ大人なBとLの世界を御案内します」
総二朗「眠い。おやすみ」
彰也「こら、総。仕事中だぞ」
総二朗「ほら、雨の日は眠くなるって言うし」
宮谷「寝不足の日は雨の日でなくても眠いものですよ」
壱郎「高校生に諭されてたら世話無いな」
総二朗「俺も3年前まで高校生だったんだから。そんな数年で大きく変わるわけないよ」
彰也「前から言っているが、総はあと20年経っても変わりそうにないんだよな」
壱郎「とはいえ、悪い方に変わることを考えれば親としてこれでもマシだと考えるべきか?」
宮谷「仕事を続けられないようなスキャンダルが起きたらファンとしても困りますよね」
彰也「総がスキャンダル?智安ならともかく」
壱郎「ともかくと言うが、設定上智安は大学生の一般人だからな。浮気や二股でどうこうなろうとこっちでは関係無い」
総二朗「お隣さんで幼馴染なのにそういう言い方する?」
宮谷「それだけ気心が知れてるっていうことじゃないでしょうか」
彰也「妹に危険が及ばないようにしているだけだ。漫画じゃ隣の幼馴染となんてありがちなパターンだが現実は違う」
総二朗「智安がもうちょっと普通に女子と付き合えてればねー」
宮谷「やっぱり人柄ですか」
壱郎「ところで今日も未だに続く『受け攻めどっち?』のパクリのコーナーのお題は?」
宮谷「今日のお題は『トロッコ』です」
彰也「今時?」
宮谷「彰也さん、今は線路を走るだけじゃなくてアイドルがコンサート会場で乗る物もありますよ」
彰也「悪かったな、知識が古くて」
壱郎「ああ、でも自分達で動かして線路を走るって言うのはやっぱり男のロマンというか心がざわめくと言うか」
総二朗「時々ジェットコースターみたいなのもいいよね」
宮谷「どちらにしても走っているのはレールの上ですよね。ただ電車と違って乗る人が少ないとか自分達で動かすというのはありますけど」
彰也「ある意味手軽に動かせる、ということか」
総二朗「じゃあ受けとか?人や荷物がひょいって乗せられるし」
壱郎「基本的に手動というところも受けの要素が強そうだな」
彰也「いざとなったら手で押してでも進めるところが普通の電車との違いでもあるな。力を受ければ進めるならそれはそれで強さと言えるだろう」
宮谷「それじゃあトロッコは受けということで」



つづく?

うら弦(コルダ×BLEACH) 

June 22 [Fri], 2018, 23:42
『La corda decolorante〜脱色のコルダ〜』   第2670章


 日番谷にも親衛隊を、と思った乱菊だが日番谷は真面目に突っぱねた。
 それよりも仕事を優先し、早々に昼食を終えて店を出て行った。

乱菊「楽しそうなのに……」
月森「自分の感覚を他人に押し付けるのは得策とは言い切れません。騒がれるほどに人望が上がるというものではないということを知っておいた方が良いのではないでそゆか」
乱菊「隊長に人望は元々あるわよ。楽しそうだから言ってるだけ」
香穂子「日番谷君みたいな性格だとそれってかえって迷惑かも……」
乱菊「真面目に生きてればいいこともあるだろうけど、たまには違うことして新鮮さを取り入れた方が今後の為になるんじゃないかしらね。そういうところが隊長は勿体ないのよ。だから手始めに」
七緒「親衛隊を作るか作らないかは自由ですが、護廷隊から予算は出しませんよ」
乱菊「そんな固いこといわないの。士気に関わることじゃない。京楽隊長とか喜びそうだし」
七緒「八番隊では全く考えていません。そのようなものを作った場合、京楽隊長は付けあがってより仕事をしなくなることが目に見えてます」
清音「うわぁ。厳しい」
乱菊「そういう清音のところはどうなのよ。浮竹隊長の親衛隊。あんただったら親衛隊長になるのが合ってるとか自分で思ったりしない?」
清音「親衛隊長……」

 (清音は『浮竹の』というところに心惹かれ、目を輝かせる)

清音「いいですね!提案してみます!」
香穂子「死神ってそういうことしていいのかな……」

 (自分達の例を出しただけなのに話がどんどんおかしな方へと行ってしまう。最初にその存在を教えてしまった香穂子は何となくもうしわけなく思ってしまう)

月森「平和の証拠なのだろう。音楽を奏でられるのは日常ではあるが、時としてそれが崩されれば望んでもできなくなるものだ」

 (月森は以前怪我をさせられそうになった『傷』が残ってヴァイオリンが弾けなくなった。その時の事を思い出してのことだろう)

香穂子「できなくなる……か」

 (自身の怪我だけの問題ではない。災害などで周りが混乱すれば同じこと。世界が変わっても演奏でいるということは恵まれているのだと香穂子はまた気づかされた)

やちる「『超覚醒』おもしろそう!ひはらっちはきっとゆんゆんを誘ってるよ!」


つづく。

うら弦(コルダ×BLEACH) 

June 21 [Thu], 2018, 23:20
『La corda decolorante〜脱色のコルダ〜』   第2669章


 柚木が十三番隊の女性死神にも人気があると聞いたルキア。
 自身は柚木に対してそのような感情を一切持たない為、不思議そうに発言をした清音に訊ねた。


清音「そりゃまあ好みもあるから全員が全員ってわけじゃないけど。うちの姉さんみたいに……」
香穂子「勇音さん?」
清音「あー……えっと、たとえばの話よたとえば。柚木君のことは子供としてしか見られないからそういう対象にならないっていうか」

 (清音は勇音の本当の想い人をごまかした。たとえば香穂子が知ったら普通に協力するかもしれない。香穂子の考え方によっては諦める方向で協力するかもしれない。そこまで見通せない清音はただごまかすしかできない)

乱菊「あの子なら有り得るわね。明らかに頼れる大人の男が好みだから。あたしも普通に『優しい子』って思う程度だし」

 (清音のごまかしを乱菊は素直に受け止めた)

香穂子「そういえば、柚木先輩の親衛隊はあっても星奏学院の女子全員が入ってるわけじゃないですからね」

 (もしも女子全員が入っていたとしたら、香穂子が2年生になるまで柚木の存在を知らなかったことにはならなかったはず。好みの演奏の傾向が分かれるように、中には裏の顔を知らずとも柚木になびかない女子が居ても生かしくは無い)

乱菊「へえ。親衛隊なんてものがあるのね」
七緒「それほどの人気ならば柚木さんの日常を邪魔をしないよう、統率を取るべき存在は必要かと。合理的ですね」
やちる「剣ちゃんも親衛隊居るよ?」
清音「うーん……あれはまた別の意味じゃないかな」

 (やちるの言うのはおそらく剣八の強さに見惚れて憧れを抱く者の集まり。考え方も態度も大きく違うと皆は思う)

乱菊「そうだ。隊長も親衛隊作ってあげましょうか?」
日番谷「いらん!」
乱菊「そんなすぐに目いっぱい否定しなくても。おもしろそうじゃないですか。商品とか作って十番隊の収益にもなりそうですし」
日番谷「そんなことにうつつを抜かしてる暇があったら仕事を効率的にした方が良いに決まってるだろう。莫迦な事言ってないで早く飯食って時間内に仕事に戻れ。いいな」

 (日番谷は器の汁を飲み干し、勘定を払って外へ出た)

乱菊「楽しそうなのに……」




つづく。

うら弦(コルダ×BLEACH) 

June 20 [Wed], 2018, 23:48
『La corda decolorante〜脱色のコルダ〜』   第2668章


 火原は自信をつけることによって自分を伸ばすタイプだと日番谷は言う。
 その自信を人に分けることさえも楽しんでいると考える。

やちる「分けたら減っちゃうよ?」
日番谷「菓子を分けるのとは違うだろ。むしろ火原の場合は大きくなるんじゃないのか?」
やちる「分けるのに減らないって変なの」

 (やちるは明るく笑う。それは『哲学』のように思えて、普段誰も気にしない疑問だ)

香穂子「音楽もそうかもしれない。自分だけが聴いていても楽しい時はあるけど、大切な人達と聴いたらもっと楽しい気持ちになることもあると思うわ」
乱菊「ふぅん?そういうものかしら」
七緒「芸術にはあまり明るくないのでそこまで思えず申し訳ないです」
香穂子「あっ、いいんですそんな。私が勝手に思っているだけですから」

 (共感しようとしてくれている者達の心を酌み、香穂子の方が謝った)

日番谷「今は火原の性格の話ではなく超覚醒の話だ。いくら霊圧の使用量が減ったとしても『覚醒』を行う以上は霊圧を使うことになる。そのままやたらと使い続けたらお前達の身体にどんな影響が出るか全くわからん。手遅れになってからでは遅い。超覚醒を行わないならそれに越した事は無い」
月森「そうですか」
乱菊「禁止令だしたら火原がまた騒ぎそうね」
日番谷「禁止するわけじゃない。乱用するなと言っているだけだ。全く問題が無いと証明されるのには時間が足りん」
七緒「そうですね。死神でも無茶な霊圧の使い方をすれば力が弱まることが考えられます。その症状が出るのが今日か明日か、1週間後か1年後か、あるいは10年後か……それは実際に時が過ぎてみないとわからないものです」
月森「俺には最初からその気はありませんし、頼まれても試すつもりはありません。ただ……」
日番谷「ただ?」
月森「火原先輩が発端だとすると、おそらく柚木先輩にも声をかけていることでしょう。柚木先輩が友人の頼みを無碍に断ることをするでしょうか」
清音「うーん……無さそう。あの子って十三番隊の女子にもすごい人気なんだよね」
ルキア「そうなのですか?」

 (ルキアも一応『十三番隊の女子』ではあるが、柚木に対して黄色い声を上げることは考えられないと不思議そうに尋ねた)

清音「まあ、そうだよね。好みもあるから全員が全員ってわけじゃないけど」



つづく。

うら弦(コルダ×BLEACH) 

June 19 [Tue], 2018, 23:00
『La corda decolorante〜脱色のコルダ〜』   第2667章


 日番谷は月森に何かを尋ねようとした。
 その言葉尻が『不機嫌そうだ』と見なされて乱菊が日番谷の愛想を持ち出して指摘をする。
 その指摘はいざという時に『若者』を守る為の予防線だ。


日番谷「安心しろ。お前の楽器の練習時間を削るつもりは無い」

 (日番谷は月森が何に対して不機嫌さを醸し出しているかを察して前置きをする。自分だって必要な時間を無駄な時間で潰されるのはごめんだ)

日番谷「お前の返事次第ではここだけで済む話だ」
月森「わかりました。お話伺います」
日番谷「火原から『超覚醒』の話を聞いた。お前もできるのか?」
月森「いいえ。話だけは聞いてますが。火原先輩がどこまで話をしたのかわかりませんが、俺はそれを行う気はありません」
日番谷「そうか。それならいい」
香穂子「えっ?いいの?」

 (『超覚醒』は覚醒時の霊圧を押さえる効果が見られている。どうせなら会得した方が良いと思っていた香穂子は月森が改めて出した答えに驚いた)

月森「俺のヴァイオリンは土浦のように長時間覚醒させなければ困ることでもない。火原先輩は単純に『できること』に対して面白がっているだけだろう」
香穂子「それは否定できない……」
ルキア「成功は成長の元にもなる。成長すべき点と全く関係の無いところでも『できた』という自信になれば後々影響することもある。火原の場合は成功を積むほど伸びるタイプではないか?」
香穂子「確かにそんな感じ」
日番谷「よくわかっているじゃないか、朽木」
ルキア「火原が面白いぐらいにわかりやすいだけです。あそこまで顕著に表に出せるのがかえって羨ましいぐらいです」

 (死神として尸魂界の秩序を守らなければならない。それはプライベートにおいても同じこと。ましてやルキアは朽木家の養女になった。当主である白哉ほどでなくても多少のプレッシャーを感じて生きている。自由なのはやはり羨ましい)

日番谷「だからこそその自信を他人にも分け与えたい、ということかもしれないな」


つづく。

うら弦(コルダ×BLEACH) 

June 18 [Mon], 2018, 23:01
『La corda decolorante〜脱色のコルダ〜』   第2666章


 ふとしたことから日番谷の『目標』を聞くことになる。
 乱菊との間で齟齬が生まれるが、それも十番隊でのいいコミュニケーションなのだろう。


清音「どんな感じ?」

 (香穂子ならもっと具体的に叶えたい目的があるのだろうと清音は興味津々に尋ねた)

香穂子「どうって……やっぱりまずは元の世界に帰ることでしょうか」

 (香穂子は自分の想いを素直に答えた)

清音「うん。それは大前提としてわかってる。その後よ、その後。そこからも日野ちゃんの道でしょ?」
香穂子「帰ってからは……コンクールにきちんと出場することです。その先はまだ何も」
七緒「虎徹三席、あまり具体的に道を決めさせるのはどうかと思います。向かうべき目標を立てるのは良いことでしょうが、今日の昼ごはんさえ迷う時に全てを決めてしまうのは難しいのではないでしょうか」
清音「あー、それもそっか。ごめん、日野ちゃん。ちょっとはしゃぎ過ぎた」
香穂子「いえ、全然大丈夫です」

 (大丈夫と言いながらも七緒の言葉に助けられたと香穂子は思う。具体的な確かに道はある。『叶えるべき』というゴールを聞かれても叶わなかった時の虚しさがプレッシャーに感じて言いきれない自分が居る)

日番谷「そうだ、月森。話がある」
月森「はい、何でしょう」

 (また隊の手伝いを頼まれるのだろうか、と月森は予想をして返事をした。頼まれたら断る理由は無い。そして練習時間を削られたくもない)

日番谷「そんな嫌そうな雰囲気出すなよ。まだ何も言ってねえだろ」

 (隊長だけあって洞察力も鋭いのか、月森が心の奥底に隠したであろう気持ちを読み取って言い放った)

乱菊「隊長、自分のこと棚に上げてそれ言います?」
日番谷「松本。また話が脱線するからお前は引っ込んでろ」
乱菊「はぁい」

 (乱菊は気の無い返事をする。いざという時は『若者』を守るのが年長者の務めだ)



つづく。