うら遙(遙か×薄桜鬼) 

August 20 [Sun], 2017, 23:08
『遙かなる薄桜の中で』   三四五章


 平助と詩紋から、六条堀川の屋敷周辺に呪詛の種が埋まっている情報を得たあかね。
 慌ててその場に向かおうとするが、天真に宥められて翌日そちらへ向かうことになった。


あかね「六条堀川…って、この辺りだっけ?」
天真「多分……」

 (首をかしげるあかねに、天真も曖昧に返事をした)

鷹通「大丈夫ですよ。この辺りで間違いありません」
天真「やっぱ鷹通に案内頼んで正解だったな。こっちの世界じゃ道路標識立ってるわけじゃないからなぁ」
原田「ヒョウシキ?」
天真「通りの名前が看板みたいになって立ってるんだよ」
原田「へえ。お前らの世界ってわかりやすくできてるんだな」
斎藤「しかし、ここに呪詛の種が埋まっているという事情を知っているのは平助と流山だろう?流山は調子が優れないようだからともかく、平助まで来ないということはどういう了見だ?」
天真「そういうことは本人に言えよ」
鷹通「そうですね。たとえ藤堂殿と気心が知れているとはいえ陰口は感心致しません」
斎藤「……すまぬ」

 (鷹通の言葉に斎藤は頭を小さく下げて謝った)

天真「おいおい、鷹通。何も『陰口』ってほどでもないだろ」
あかね「今のは天真くんが先に言ったんじゃない?」
天真「俺は単純にここで言っても仕方ないって思っただけだよ。直接言わなきゃ伝わらないことぐらいいくらでもあるだろ」
あかね「なるほど。確かにそうよね」
天真「………………」

 (いくら直接言っても気にしない場合もあるからな、と天真はあかねを少しだけ恨めしそうな表情で見つめた)

斎藤「どうした、森村。元宮の顔に何か付いているのか?」
あかね「え?」
天真「何でもねえよ!」

 (そしてどうでもいいところで直接言葉を繋げる者に対しては逆ギレしてごまかすしかない)

原田「洞察力はあるくせに、こういうトコは鈍感なんだよなあ……」

 (天真の心を何となく察した原田は仕方なさそうに呟いた)

鷹通「ところで神子殿。この辺りから呪詛の種の気配は感じ取られるのでしょうか?」
あかね「今のところ何も感じません。あの清水寺の時には呪詛の種の周りに何らかの異変があったはずなんですけど」
原田「その間違えて触った奴の一つだけだったんじゃないか?」
鷹通「もう残っていないなら良いのですが、万が一のことを考えると念入りに調べた方が良いと思います」
斎藤「ならば、この辺りをもう少し歩いてみよう。何かしら気配があるやもしれぬ」
天真「鷹通に道案内を頼んだ理由の一つが貴族の屋敷にも入れるように、ってことだからな。あかねも気になる所があったら遠慮なく言えよ」
あかね「うん」

 (皆は周りを注意しながら通りを歩く。武士二人に貴族一人に、少年と少女。傍から見ると少し違和感を感じる『集まり』ではあるが道を通る者達は誰も何も気にしていないようだ)

原田「ここの奴らって恰好で人を判断しないのか?」
鷹通「さあ、どうでしょう。その方の人柄にもよりますね。共通点のない恰好だから怪しむ場合もあれば、方免などが一緒と判断して気にしない場合もあります。ただやはり、鬼の姿に対しては敏感ですね」
原田「自分に危害が加わらなきゃいい、ってことか」
鷹通「おそらく。貴族でしたら殊更批評を気にします。下手に騒ぎ立てた後で誤解とあっては狭量さまで周りに伝わってしまいますから」
原田「家柄より人柄って感じには見えねえけどな」
鷹通「お察しの通りで」

 (原田の言葉に、貴族の身分による態度や待遇の違いをよく知る鷹通は苦笑せざるを得ない)

斎藤「明らかに位の高さが違えば家柄を重視するだろうが、同じような位ならばやはり人柄を見るのではないか?人にすり寄るだけが『人』の力ではない。藤原殿が屋敷を案内できるのもまたそのような人望なのだろう」
鷹通「ありがとうございます、斎藤殿」
原田「……ん?」

 (その時、原田が足を止めた)

天真「どうした?」
原田「あの木……ほら、あの向こうの大きなヤツ。この季節に紅葉っておかしくないか?」
あかね「そういう種類の木だったりしないんですか?」
天真「素通りしようとしてたのかよ、あかね」
あかね「だって……」
鷹通「神子殿は広い見識を持っていらっしゃいますね。確かに春に紅葉する種類の木は存在しますよ」
天真「マジか?」
鷹通「本当です。ただ、あの木の種類は別ですね。一度話を聞いてみましょうか」



来週に続く。

舞台裏(救魂屋+F・G・Club) 

August 19 [Sat], 2017, 23:55
『まねっこティアラジ』   第465回


龍弥「皆様ごきげんよう。管理人が『Lantis web radio』内の『ティアラジオ』にハマったが故に始まった『まねっこティアラジ』へようこそ。この番組では本家本元のごとく上品かつ大人なBとLの世界を御案内します。本日のお相手は私、青屋“ペリドット”龍弥と」
虎華「白川“ガーネット”虎華と」
泰地「成牧“ムーンストーン”泰地と」
モリ〈鬼灯“サファイア”モリの〉
龍弥「王子と姫のグループでお送りいたします」
モリ〈『1週間の御無沙汰でした』とかいる?〉
虎華「それじゃあ別のラジオ番組になるでしょ」
泰地「聖地巡り+お疲れ休みもあって結局平日も二日しか取れないからって丸一週間更新無しだったよな」
モリ〈いいじゃない。楽しかったんだし〉
龍弥「旅行ってのは目的だけじゃなくて機会とタイミングと、あといく気力」
泰地「俺は父さん達と一緒にいろんな国行ってたからなぁ。世界中に超常現象関係で困ってる人が居るから」
モリ〈それじゃあ旅行って飽きたりしない?〉
泰地「まさか。旅行は旅行だし、行ったことの無い場所だったら勿論新鮮さ」
虎華「普段そんなに遠くまで行こうって思わないよね。『景色』だったらネットでも見られるし」
龍弥「違うんだよ。その場に行った時のその記憶こそが一番大切なんだよ。自分の身体で体験しないと上り坂の大変さもその場の空気もわからないんだから」
泰地「それに、神社仏閣はその地に行かないと基本的にご利益は得られないから」
モリ〈宗派が違っても?〉
龍弥「んなこと言ってたら外国人観光客なんて来ないだろ。そういうのが目的じゃないってこともあるんだよ」
虎華「旅の思い出話は後にして、今日も未だに続く『受け攻めどっち?』のパクリのコーナーに行くよ」
モリ〈旅に行くとお題に行くをかけた?〉
虎華「普通の意味。今日のお題は『仮面』」
泰地「夏祭りでお面に行くかと思ったけど、それは随分前に出たお題だったな」
龍弥「やっぱり仮面は謎めくイメージだよな」
モリ〈某キャラクターみたいに目元を隠すようなのが仮面のイメージでもあるよね。表情全体は見せないけど、感情が何気に見え隠れさせるタイプで〉
虎華「隠すとなったら受け?相手の探りをガードするわけだし」
龍弥「仮面を外して本当の心を見せる『奥の手』を持ち主に持たせるところも強みじゃないか?」
泰地「正体を隠すことで相手を惹きつける役目も持っているな」
モリ〈それじゃあ仮面は受けってことで〉




つづく?

舞台裏(Lovely Voice) 

August 12 [Sat], 2017, 22:37
『まねっこティアラジ』   第464回


宮谷「皆様ごきげんよう。管理人が『Lantis web radio』内の『ティアラジオ』にハマったが故に始まった『まねっこティアラジ』へようこそいらっしゃいました。この番組では本家本元に近付くように上品かつ大人なBとLの世界を御案内します」
壱郎「もうすぐ旅立ちだな」
総二朗「えっ?俺一人暮らしなんてしないよ?」
彰也「どうしてそこに行く。そして二十歳を過ぎて一人暮らししないことを前提にするとはどういうことだ」
宮谷「でも、総二朗さん一人にする方がどうかと思いません?」
彰也「それは確かに」
壱郎「管理人の聖地巡りなんだから俺達も行くこと前提だろうが」
総二朗「なーんだ、そっか」
宮谷「管理人にとっては初めての東北地方ですよね」
壱郎「大人になっても本州から出たことが無い人間は業界人にも居るからな」
彰也「相撲とは違って『地方巡業』は無いからな。たまに海外のイベントに呼ばれることはあるだろうけど、それも人によるしスケジュールの都合にもよるし飛行機嫌いでどうしてもNGということもあるだろう」
総二朗「仕事選り好みしてちゃいけないのにね〜」
壱郎「新人はな」
彰也「それ以上の実力があれば多少の我儘も許されるようになる。それくらいでかくなれるかどうかは本人次第でもあるし、視聴者のニーズにもよる」
宮谷「よく言われる声の『特徴』ってことですね」
総二朗「精進するよ」
彰也「ところで今日も未だに続く『受け攻めどっち?』のパクリのコーナーのお題は?」
宮谷「今日のお題は『水筒』です」
壱郎「この時季には大事だよね。水分補給」
彰也「今はどこでもペットボトルが買えるから持ち歩く人はそんなに居ないんじゃないか?」
宮谷「毎回ペットボトルの方が衛生的だっていう人も居ますからね」
総二朗「水筒って形状によって洗うの面倒だったりするよね。ちゃんと漂白しないと雑菌繁殖したりもするし」
壱郎「だから子供の用の水筒は単純な構造なんだな。魔法瓶タイプになるとパッキンとか大変なんだ」
宮谷「でも無ければ無いで困る時もありますよね」
彰也「ペットボトルの方が衛生的ではあるが、水筒でお茶を持って行った方が経済的と言うのもあるな」
壱郎「あとは重さとの戦いか。どうあっても持ち歩くのが大変なところもあるからな」
総二朗「それじゃあ攻め?極限状態の人の喉を潤すぐらいの『破壊力』もあるわけだし」
彰也「中に入れる飲み物によっても変わるだろう。冷たいだけでなく温かいものの場合もあるぐらいだし」
宮谷「寒い時に温かい飲み物はほっこりしますよね」
壱郎「相手の体感温度を握っているということでも攻めかもしれないな」
彰也「それじゃあ水筒は攻めということで」


つづく?

うら弦(コルダ×BLEACH) 

August 11 [Fri], 2017, 21:32
『La corda decolorante〜脱色のコルダ〜』   第2455楽章


 問題山積みの和菓子店。
 要約した上で全てを語らない者に対して月森は苛立ちを見せる。


土浦「それも個性って認めろよ。黙ったままでいるよりも結局すぐにわかればいいじゃねえか」
月森「………………」
香穂子「それで、何が問題なんですか?」
店員「実は、材料が手に入らないんです。この間の騒動で仕入れの業者も訝し気になってしまって」
月森「当然の判断だな。また虚が出れば商品が出ない。稼ぎが出なければ更なる仕入れができずに支払いも滞る」
土浦「ヤケに詳しいな」
月森「これでも『商売』を家で行っている。経済学も把握するものだ」
土浦「自分は演奏者になるって言ってるくせに?」
月森「ソリストになったとして、遠征費や宿泊費、そして楽器のメンテナンス費用や様々な手配などを行うスタッフの人件費。全く経費をかけずになれるものではない」
香穂子(心の中)「そうなんだ……」

 (香穂子は月森の話を聞いてようやく気付く。ただ音楽が好きなだけではいけない。大勢の人に認められるだけでも続けられない。『音楽』を続けるには現実的なものが必要になること。そういえば、自分も演奏用のドレスをリリに出してもらわなければならなかったことを思い出す)

土浦「仕入れさせてもらえないなら別の所に頼めばいいだろ。質のいい材料を扱ってる所は少なくてもそこ一つだけじゃないだろ?」
店員「しかし、そこは昔から懇意にしてもらっている所で」
月森「先に関係を断ち切ろうとしたのは向こうの方だろう?君が義理堅く守り続けることはない」
香穂子「提案としてはいいけど、土浦君や月森君はその別の業者さんって知ってるの?」
月森「俺が知るわけないだろう」
香穂子「……だよね」

 (特に月森ならそうだろう、と香穂子は納得した)

土浦「………………」

 (対して、土浦はただ黙ったまま)

香穂子「土浦君?」

 (何か言いたげな雰囲気であることに気が付いた香穂子はその言葉を引き出そうと声をかける)

土浦「思い当たる節が一つだけある。空鶴さんの伝なんだが……一度頼んでみてもいいかもしれない」
香穂子「土浦君って空鶴さんとそんなに仲良かったっけ?」
土浦「前に菓子を持って行ったら妙に気に入られて今でも時々持ってくるように言われてるんだ。その時に材料を手渡される時もあるから」


再来週につづく。
(8/14〜18のコルブリはお休みです)

うら弦(コルダ×BLEACH) 

August 10 [Thu], 2017, 23:23
『La corda decolorante〜脱色のコルダ〜』   第2454楽章


 宣伝ならば死神に任せる、という案を香穂子が出す。
 土浦はそれにもう一つ信頼性のある提案を出した。


土浦「常連で死神が居ればたとえ虚が出たとしても大丈夫のはずだ」
店員「しかし、まだ瀞霊廷に近いとは言え死神がそこまでしてくれるはずが……」
土浦「それは個人的な感情や性格も含まれてるだろう。たとえばこいつみたいに他人事だからどうでもいいと思う奴も居れば、どんなに手間になろうとも何かしら協力しようと思う奴も居る。そういう感情を持つのは死神だとかそうじゃないとか関係無い」
店長「確かに、リピーターになる人も居れば一度きりの訪問という人も居る。味の好みにも個性がある。この味がどれだけ認められるかということにかかっているんだな」
月森「日野。君なら客を……例えばの話、演奏会でより多くの聴衆を集めるとしたらどのような方法を取る?」
香穂子「え?うーん、そうだなぁ……」

 (香穂子は月森の問いかけに真面目に考える)

香穂子「いろんな曲を弾けるようにすることかな」
月森「その根拠は?」
香穂子「音楽を聴きに来る人がどんな曲が好みなのかはわからないもの。『その演奏者だから聴きに来る』っていう人が集まるには私の演奏レベルじゃ無理だと思うし。だからいろんな曲を弾いて一つでも気に入ってもらえればいいんじゃないかな、って」
月森「なるほど」
香穂子「……駄目、かな?」

 (いつも通りの月森ではあるが、その素っ気ない態度に香穂子は自分の答えに自信を無くしかける)

月森「否定はしない」
土浦「様々な曲調のものを集めてプログラムを組むことはプロの公演でもあるはずだ。勿論演奏者の特色にもよるんだろうが、そのインパクトを覆す意外性を組み込むこともある。つまりこの場合、この饅頭だけじゃなくてもっといろんな商品を作ったら死神の客が増える可能性があるっていうことだ」
店長「他の菓子か……」
土浦「あんたたちの腕ならすぐに、とは言わないまでもそれなりに形になる者は作れるんじゃないか?」
店員「まだ問題があるんです」
月森「問題点は要約して簡潔に全てを先に述べておくべきだと思うが?」
土浦「気持ちはわかるが順序立てないとできない場合もある。それも個性って認めろよ」




つづく。

うら弦(コルダ×BLEACH) 

August 09 [Wed], 2017, 23:07
『La corda decolorante〜脱色のコルダ〜』   第2453楽章


 一度虚に襲われたことからの『風評被害』でどんなに味が良くても客が寄り付かないと店員が言う。


月森「何も悩むことはないだろう。単純な話だ。場所も名前も変えて再度立ち上がれば純粋に味に惹かれて来る人間が増えるだけ」
土浦「他所の土地で本当にまた虚が出て来たらどうする?店なんざ簡単に見つかるわけねえだろ。これだから金持ちは」

 (やはり自分とは合わない、と土浦は嫌味と牽制を籠めて月森に言った)

店主「人の口に戸は立てられない」

 (すると、店の奥から店主が顔を出した。皆の話は厨房付近で聞いていたようだ)

店主「どこへ行っても何かしらの噂を聞きつける輩は居る。自分の店を立てようと敢えて貶める輩も居る。結局どこかから話は伝わるんだよ。それが真実であってもなくても」
土浦「どこの世界にでも居るんだな、そういう奴」

 (土浦は溜め息をついた。妬みによって本当の力さえ認められないのは土浦も知っている。ただしこの者達との違いと言えば生活をしていく上で支障があるか無いかぐらいだ)

香穂子「みんなにこの味が伝われば虚の噂よりも美味しさを求めてお客さんが来るんじゃないかなあ?」
土浦「ああ、それは有り得るな。リスク以上のメリットがあればいくらでも客は集まるものだ」
月森「理解しがたい」
土浦「それを決めるのは客だ」
香穂子「ひとまずこれをお土産にして死神の人達から広めてもらうか?」
土浦「女連中は噂話もスイーツの話も好きだからすぐに広まりそうだな。死神が常連になれば『虚が出てもすぐ退治してくれる』と思われるようになる。安心感で買い物ができるならそれに越したことはないだろ」
店主「貴方がたでは駄目なのですか?」
土浦「悪いが……そこまでの権限は無いんだ」

 (そもそも死覇装を着ているだけで死神ではない。そのような者達がどれくらいの信頼を得られるかは不明だ)


つづく。

うら弦(コルダ×BLEACH) 

August 08 [Tue], 2017, 23:00
『La corda decolorante〜脱色のコルダ〜』   第2452楽章


 申し分ない味の饅頭に感動すら覚える香穂子達。
 これなら繁盛しそうだと思ったのだが、店員は所在無さげな声で呟いた。

店員「いえ、それがあまり……」
香穂子「何かあったんですか?」

 (香穂子は気になって声をかけた)

月森「日野。君はまた演奏と関係無いことに手をかけようとしていないか?」
香穂子「目の前で困ってるのに放っておけないよ。黒崎君も言ってた。世界中の困っている人は救えないけど、目の前で困ってる人なら救えるから護りたいって」
月森「黒崎君らしい発言だな」
土浦「あいつも困ってる奴は放っておけないタイプだからな」
月森「君が思っているのとは少し意味が違うようだ」
土浦「どこが」
月森「黒崎君は、自分がどれだけ無茶をするかを顧みずにそのような発言をする。口先だけならまだしも、身を削ってでも実行しようとする。そういう面を褒めたいとは思えない」
土浦「ああ、確かに俺とは考え方が違うようだな。俺は黒崎のそういう無茶なところは尊敬できると思っている」
香穂子(心の中)「ああ、もうまたこの二人は……」

 (音楽性だけでなく他人に対しての印象まで正反対であることに、香穂子はどう言葉をかけるべきか迷ってしまう。そして、更に言葉をかけづらい者が傍に居ることを思い出す)

香穂子「すみません。話が途中になってしまって。一体何があったんですか?」

 (月森に呆れられても共感されなくても、やはり困っている人は放っておけない。せめて話を聞くだけでもと思う)

店員「実は、一度虚が現れて店が倒壊した話が流れてしまって、この店には虚が来ると思われてお客さんがなかなか来ないんです」
土浦「そんな、虚がいつどこに出るかなんて誰かが予想できるモンじゃないだろ?それに必ず同じ場所に現れるわけじゃないんだし」

 (様々な虚と会ったことのある土浦はそれが『迷信』であると疑わない)

店員「はあ。死神の方で虚の行動を知り尽くしている方ならそうなのでしょうけれど、流魂街にはただ虚に怯える人が多く居るので一度虚が出た場所には近づかない風潮があるんです。この辺りの地区はまだ平和な方だと思うのですが」

つづく。