皮膚病や、その他慢性の病気の治療と、飼い主さんの関係性。

August 28 [Mon], 2017, 10:51
動物病院の仕事は、我々だけが頑張っても片手落ちで、
飼い主さんとの相互理解と協力体制が絶対的に必要です。
先日、仕事中に、私もスタッフもとても気分が悪くなることがありました。

猫の診察をしていて、その診察は通常通り終わったの
ですが、その診察の最後に・・・・・

犬が写っているスマホの画面を用意して、

「他の病院何件も行ってるけどアトピーや言われて全然治らん。
治せるかどうかわかる?」

とおっしゃられたのですが、診察なしではとても返答など
できませんので、

「診察しないことには一切返答しません。」

と返答しました。

これまでも何度かそういうことはあったんですが、
ほとんどの飼い主さんは、ここで、「まあそうですよね」と言って
引き下がって頂けるか、どうにか犬を診察にお連れできるか
どうかをご検討してくれます。

ところが・・・・

「おまえそんなこともわからんのか!それくらい見たら
わかるだろうが!」

と、激高されました。

一瞬何を言っているのか理解できませんでしたが、
こういう方にはお引き取り願うしかありません。

「診察せずには返答できません。」

と繰り返していたところ、その飼い主は舌打ちして
こちらを睨みつけながら

「もうえい!かまん!」

と言って去って行かれました。

チラッと見えた画面には、確かに重症そうな犬が
写ってはいたのですが・・・・

・経過、重症度の判定?
・皮膚病変の範囲は?
・細菌や真菌の程度は?
・ホルモン異常は無いか?
・これまでの投薬の影響は無いか?
・食事の影響はないか?
・不適切な環境の可能性は無いか?
・これまでの治療を途中で投げ出しては無いか?
・他の病気との鑑別も?
・その他

一瞬チラッと見えただけでも、考えないといけないことは
山ほど出てきます。

そしてまず「治る」の定義から。
何も治療が必要ない「完治」を望まれるのは皮膚病の場合、
病気の種類によっては絵に描いた餅のことも多いからです。

それ以前に重症だと改善するまでに何か月もかかることはよくありますし
維持治療が要ることも多く、費用にしても、当院としても極力抑えるように
努めておりますが、どうしても必要によりそれなりにはかかります。

そういった諸々のことをスマホの画像1枚で説明できるわけ
ありませんし、こういった物を言われる方とは、はっきり言って
相互理解とご協力は無理だと思います。

皮膚病に限らず、心臓病、てんかん、腎臓病、内分泌、糖尿病etc・・・・

慢性の病気と上手く付き合うには、飼い主さんの努力と根気、
なにより理解と愛情が必要です。

そして、病院との相互理解が無いとまずうまくいきません。

最近は当院でもそのようなトラブルはほとんど発生しておりませんが、
治療方針に対してもう少しご理解頂きたい方は、極まれにですがおられます。


ご理解ある飼い主さんと積極的に治療できたワンちゃん。
うまくいっても、無治療だとぶり返して悪化しますので、状態を保つための
維持治療は必要です。

実際は、すべてのワンちゃんがこのように治療がうまくいくわけでは
ありませんが、できるだけ改善できるように努めています。


当院のwebの「皮膚病治療例」のページに、現時点での皮膚病治療に対する
考え方と方針を書きました。

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当院では、経過が長く難治性になっている皮膚病のワンちゃんが
多く来院されます。

例えば、アトピー性皮膚炎のような現在の医療・獣医療では
到底完治が望めないような「お付き合いする必要がある」
皮膚病で苦しんでいるワンちゃん、飼い主さんに積極的な
治療をご提案しています。

このページの最後にも書いておりますが、慢性の皮膚病は

「上手にお付き合いする」
「できるだけ良い状態を維持する」

というような治療が不可欠です。

当院の皮膚病治療は、神奈川県藤沢市「皮膚科動物病院」の
米倉督雄先生の治療方針を受け継ぎ、さらに当院独自の
治療方法を加味した当院オリジナルの治療を行っています。

残念ながら、当院でも、すべてのワンちゃん猫さんが100%
治療が成功するわけではありません。
中には治療が難しかったワンちゃん猫さんもおられます。

しかし、何年も治療がうまくいかなかったワンちゃんや猫さんが、
大きく改善することもよくあります。

慢性、難治性となっているワンちゃん猫さんの皮膚病の
治療は本当に難しく、当院もその子その子で毎回頭をひねって
悩みながら治療にあたっています。

難しい状態でも、飼い主さんと相互のコミュニケーションを
取りながら、改善できワンちゃん猫さんが明らかに良くなって
飼い主さんが喜ばれることは、当院にとっても大きな喜びです。

なかなか改善が難しくても、何かできることは無いかを
常に考え、ご理解ある飼い主さんに治療させて頂いています。

当院は、そういった姿勢で皮膚病の治療に取り組んでいる
つもりです。飼い主さんとの長いお付き合いになることも
日常です。インスタントな治療では改善できないことも
往々にしてあります。

皮膚病の治療に限ったことではありませんが、

できるだけ、改善するにはどうしたらいいか?
良い状態を維持するにはどうしたらいいか?

を常に考えるようにしておりますので、飼い主さんにおいても、
当院の治療方針をご理解いただき、受診されるようお願いします。

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高知 きたむら動物病院
高知県高知市北川添24-27
088-880-5123
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日本四国高知にて平成21年1月開院いたしました動物病院です。動物病院の日常、ペットに関する話題、獣医のざっくばらんな日記などを提供していきますので、どうぞチェックしてみてください。webは→きたむら動物病院web twitterIDは→kitamuraah
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