花火 

May 16 [Mon], 2011, 0:06
小さい頃からよくみてきた花火をおばあちゃんと一緒に見ようと二階に昇って眺めていた。

社会人として働き出してまもなく、一人遠く離れて暮らす心細さと仕事が辛く苦しい日々だった。

故郷に帰ると懐かしさとともにもう元には戻らない過ぎ去ってしまった時間がなんとも言えない切ない気持ちにさせた。昔を思うたびに胸がしめつけられるような思いだった。

窓から見える景色は昔と変わらなかった。ドーンという音とともに遠くで花火が浮かんでは消えていった。

このまま止まっていることはできないとわかっていた。けれども先が見えなくて。心細くて。自分がこの先起こるいろんな出来事を乗り越えていけるのか不安で仕方がなかった。

花火を見ながらそんな思いを告げていた。すると、「人生いいときだってわるいときだってある。おばあちゃんだって死んでしまおうかと思ったこともある。でも乗り越えていくしかない。何が何でも乗り切っていくの」という言葉が返ってきた。

深みのある言葉だった。私の知らないおばあちゃんの過去だった。強い人だとやはり人生の大先輩であると感心させられた。その言葉は私に力を与えてくれた。

今日おばあちゃんが体調を崩した。会う度に「おばあちゃんが元気でいることが私の願いだから体に気をつけてよ」というといつも「よし、わかった」と応えてくれた。今日は元気がなかった。

今はもう階段を昇ることはできなくなってしまったけどまた一緒に花火を見たいと思っている。

私はおばあちゃんみたいに強くはなれないから…まだそばにいてほしい。

おばあちゃんが早く元気になりますように。。どうか守って下さい。
P R
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