温泉禁止2-キノコ村の惨劇 

March 28 [Wed], 2007, 23:51
むかしむかしのキノコ村でのお話。
ある仲良しのキノコ達が5本が、その日の仕事を終えて
夕陽を眺めつつ、村の神社でいっぱい引っ掛けていた。

ふと一本のキノコが、たまにはみんなで旅に行きたいね、
と言い出し、それならと、裏山を越えた集落で、最近
温泉が湧いたらしいから、泊まりで行って見ようと言う事に
なった。

みなみな、手ぬぐいと桶を片手に、喜び勇んで
ちょっとした旅行気分で山を越えていったのだった。

しかし、3日発っても彼らはいっこうに戻ってこず、
そんなに温泉とは良いものなのかと思うものもいたし、
心配した家族たちもいて、また何本かで彼らを
探しに行くことにしたのだった。

しかし、そこで目にしたのは・・・・・

な、なんと温泉の中で茹で上がってしまていたのだった。
見るも無残なキノコ達の姿だった。
温泉の熱によって、「キノコ鍋」になってしまったのだ。

残された家族達は泣きながら彼らを埋葬し、その後、
村では「キノコ村の惨劇」として長く語り継がれ、
それ以来、キノコ村では温泉が禁止されることと
なったのだった。

温泉禁止1 

March 28 [Wed], 2007, 0:27
「今じゃ、この村の掟として代々語り継がれておるがの、
おぬしらも知ってのとおり、この村では温泉入浴禁止なのじゃ」
「そうそう、違うキノコ同士が交配して、珍種が出来るから、
だったよねぇ、村長。ははは」

ち、ちがうな、これは。
「いや〜ん。キノコ同士はだかを見られると恥ずかしいからジャン。
って、普段は裸が多いか、私たち。。。」

「ま、そんなこっちゃろうと思っとったわい。ま、この話はかなり
エグイ話じゃからな、ここだけの話に留めておくのじゃぞ。
といっても、おしゃべりなお前たちだから、言いふらして
歩きそうじゃな。。。まぁ良いか。」

「これはワシが子供の頃にお爺さんから聞いた話での、その爺様も
子供の時分に聞いたと言っておったから、かなり古い話なんじゃろう。」

マツタケの庵にて 

March 26 [Mon], 2007, 23:23
てくてくとマツタケのシンナ村長について山を下り、
しばらく山沿いの小川の道を行くと、萱葺きの風情ある
小屋にたどり着いた。

中に入ると、土間に大きなカマド、一段上がったところに
畳敷きで中ほどに囲炉裏がある、大きな部屋があった。
部屋の周りは板張りで、江戸時代の庄屋といった趣だった。

「ささ、ま、遠慮せずおあがり下さい。。。いや、お前らは
ちったぁ遠慮せんかい、まったく。」
村長が上がれと言う前に、ドンちゃんとエリンギちゃんは
ワ〜イといってドカドカと部屋の中に入ってしまっていた。

「ここは先代の村長から引き継いだ屋敷でな、代々村長が住むと
決まっているんじゃよ。ワシとしてはフカフカの落ち葉の中の
方が落ち着くんじゃがな」

先代の村長は亡くなったのか?と聞いたところ、三人(三本)とも
顔を見合わせて、
「いやいや、死んじゃおらんよ。」
「前の村長さんはね、仁王といって、この村で一番大きなキノコなのよ。
ただ、この庵だと狭くなったし、村長も退屈だ、なんて言い出して
シンナ村長に譲ったのよ」
「シンナ村長も、ホントは面倒くさかったんだけど、他にやる事もない
暇じじいだから、受けたんだよねぇ、ハハ」
「むむっ、暇じゃないぞ。ワシは責任を持って引き受けたのじゃ。
おぬしらが、そういい加減なこというから、妙ちくりんな噂が出回るのじゃ」
「あ、あとで、不動のじいさんとこに案内してあげるよ。
村長の話が早く終わればね。じじいの話は長いからねぇ」
「いやなら帰ればよいじゃろう。そんな事言って、わしの話が聞きたくて
たまらんのじゃろう、本当は。知っておるぞ。」
「、、、村長の話って、ま、確かに興味深いよね。いつも初めて聞く話が多いし。
でも、たまに作り話じゃないの?って思うときもあるけど。。。」
「むむむ、そんなことはない、全て真実じゃぞい。ま、旅のお方、ゆっくりと
茶でものみながら、話を聞いていきなさい。それでは、何から話そうかのう。」

と言いながら、シイタケ茶はでなかったが、シンナ村長の話がはじまった。

えろじじい 

March 22 [Thu], 2007, 23:54
シンナ村長(マツタケ)について、皆でぞろぞろと山を下りて行った。
なんか今日一日でだいぶキノコの知り合いが増えたなぁ、と、ふと思った。
暖かな春の日差しを正面から受けながら、なんだかピクニック気分に
なってきた。キノコ狩りなんてものが世の中にはあるが、別に狩っている
わけではなく勝手に三々五々、集まってきており、さしづめこれは
百鬼夜行ならずキノコ行列といった態か。

しかし、マツタケにシイタケにエリンギ、ナメコにアミガサダケもいるのは、
話を聞いて分かったきた。しかもキノコ名そのままの名前もいれば、
ちゃんと?名前を持っているキノコもいるらしい。

「あれれ、あれれ、さっきまでは質問ばかりだったのに、村長に会ったら
今度はだんまりしちゃってるわね。。。」
「山登りで疲れたんじゃろう・・・」
「村長みたいな、じじいと違うって。 きっとエッチな事考えているんだよ。」
「???」
「じじい、ゆうな、ガキがっ。しかもエロイ話って何じゃ。興味あるのう、、ほっほ」
「うわ〜ただのエロじじいだ。エロキノコ、マツタケだ。やっぱり形が形だもんな」
「???」
「うおっほん、レデイがおるんじゃ。その位にしときなさい。」
。。。ま、何が言いたいか、分かるには分かるが。。。

「もう少し行くと、ワシの庵に到着じゃ。そこで茶でもすすりながら、
いろんな話をきかせてやるぞい。おぬしらも初めて聞く話が多いじゃろうって。
そうじゃ、せっかくじゃから、ドンよ、旅の方にシイタケ茶でもだしてやったら
どうじゃ、フオッフオッ。。。」
「ひでぇこというなぁ、村長。だったら自分でお吸い物だしてやったら?
最高級品なんだから、はは」

まぁ、キノコ達はどうやらこの手の自虐的な料理ネタで、冗談を言い合うことが
多いようだ。

村長って。。。 

March 21 [Wed], 2007, 20:04
都会で言うところの、いわゆる裏山だとか、田舎でいうところの
里山のような、山とも丘ともいえない斜面を登り始めた。
斜面に沿うように吹く風が、軽く汗ばんだ体に心地よく、
汗を拭きながら、シイタケとエリンギについて登っていった。

落ち葉でフカフカの斜面を登りながら、村長は隠れているって
言ってたよな、、、村長はこの山に住んでいる仙人か何かなのか?
落ち葉の中に隠れているって、忍者の「木の葉隠れの術」じゃあるまいし、
すぐ見つかるだろうと、私はたかをくくっていた。

山の中腹に差し掛かると、ドンちゃんは
「このあたりかな、、、、?そんちょーぉ。。。出てきておくれー。」
と大きな声であたりに呼びかけ始めた。
周りは比較的日当たりの良い、まばらな林なのだが、エリンギも
落ち葉をかき分けながら、何かを探し始めていた。

おいおい、ホントに木の葉(落ち葉)の中に隠れているのか?
確かに子供の頃、落ち葉フトンっていって落ち葉の中にくるまれていると
暖かくて気持ちよかった記憶もあるが、まさか普段から日常的に、
村の代表である村長がやることか?
と疑問に思ったが、二人(二本)とも探し始めているようなので、
仕方がないから私も手伝うことにした。

探し始めて暫くすると、私は何かを踏みつけたらしく、妙な固いような
柔らかいような感触に一瞬ひるみ、その次の瞬間、「ぎゃーっつ」
という悲鳴に驚いて、斜面を少々転がり落ちてしまった。
私には一体何が起きたか理解できなかったが、二人(二本)は分かったらしく、
大笑いしていた。

「まったく、何て事をしてくれるんじゃ、、、。潰れるところじゃったぞい。
ワシは高いんじゃからな。気をつけたまえ、まったく。」
突然、落ち葉の中からキノコが一本、ニョキッと顔を出してきた。
「あ〜、いたいた村長。隠れているから悪いんじゃん。」
「おぬしら、彼にワシが何でどういう風に過ごしているか、言ってないじゃろう。」
「、、、ふんふふん。何のことかしらぁ」

驚いて斜面に座り込んだままの私は、彼をジーッと見つめていたままだった。
しかし、まぁいい香りが漂ってくる。もしや、と思ってはいたのだが。。。
「どうもはじめまして、旅のお方。いやいや、きゃつらに説明なんぞ
受けなくても分かりますのじゃよ、旅のお方というものは。ようこそキノコ村へ。
私が村長のマツタケオール・シンナじゃ。まぁ、ゆっくりしていって下さいな。」

「シンナ村長、こちらの方は旅の途中でキノコ村の噂を聞いて、どんな所か
見てみたくって立ち寄ったんだってさ。で、いろいろ興味持ったから、
この村の話を色々聞きたいみたいだから、私が話すより、村長の方が詳しいと
思って連れてきたんだよ。」

「村長、匂いが良いからすぐ見つかると思ってたんだ。
だから言わなかったんだけど
いやぁ踏まれるとはねぇ。。。はは。
匂いしてたから近いとは思ったんだ、実は」

「知ってたじゃろう、おぬしら!まったく、近頃の若いモンは・・・」
いや、ホントすいません。マツタケって知ってたら、踏まずに探せたかも
知れないんですが。。。しかし、さすが、良い香りだった。

「ま、旅のお方、ワシもこんな生活じゃて、退屈して葉の中にいるよりは
この村の面白い話でもしようかの。ま、一度山をおりて、ゆっくりと
話しましょう。おぬしらも、今度こういうことしたらキノコ鍋にするからの!」

「は〜い」二本とも明るく空返事をしていた。きっと次も同じことを
するんだろうと、私は少々ニヤリとして彼らと顔を見合わせて、
村長について山をおりていった。

モリーユ・ロンド 

March 18 [Sun], 2007, 18:10
「ピアスっていえばロンドちゃんはスゴイよね!」
「彼女の場合は、髪の毛っていうか耳っていうか、編み目になって
いるからなぁ。一周ぐるりと、色んなピアスが取り巻いてるもんなぁ。
目立ちたがり屋だし。だいたい僕らは、木陰とか日の当たらない所で、
ドラキュラみたいに暮らしてるのに彼女は日が差してるところで、
花に囲まれて過ごしてるもんねぇ」
「冬の間は、乾燥ひどいから体臭ひどくって、イヤンなっちゃう
っていってたわよ」

ロンド?ロンドなんてきのこいたか?
と疑問に思った私は、聞き役に徹しようと思った矢先にも関わらず、
前言撤回、早速質問してしまった。

「あぁロンドちゃんね。本名はモリーユ・ロンドっていうんだけど、
うーん、、、いわゆるアミガサダケだね。彼女の親戚はフランス
にもいるんだぜ。」
「たまにフランスからも手紙が来るよね。コニック君って言ったっけ?
スープ屋さんやってるのよ、二人とも。 味も香りも良いスープで、
評判いいよね」

ってフランスにもきのこ村があるんだ!
で、みんな仕事してるのね。。。。

「そりゃそうだよ。昔から言うでしょ、『働かざるもの食うべからず』ってさ」
、、、仰るとおりで。
「あなたは、さしずめ『旅人』ね!いいなぁ。私も将来ツアコンにでも
なろうかなぁ」
ま、こういう雑談からいろんな話が聞けて、だいぶ状況はつかめてきた。

こんなたわいの無い話をしながら歩き続けていると、川沿いの土手道は
いつしか無くなり、うっそうとした林が生い茂る、小高い山のふもとまで
来ていた。かなり傾斜のきつい斜面で、乾いてチリヂリになった落ち葉が
一面に敷き詰められており、所々、暖かい日差しを木漏れ日となって
差し込んでいた。柔らかな落ち葉のじゅうたんを踏みしめながら、
私たちはその山を登り始めた。

雑談 

March 15 [Thu], 2007, 23:16
3人(本)で並んで歩きながら、ドンちゃんが気さくに話しかけてきた。
「この前さ、長老のところに行ったらプンプン怒っててさ。
いったいどうしたのか聞いたら、『サルがやってきて、
本当に腰掛けていきやがった上に、屁こきやがったのよ』だってさ」
「へぇ〜、本当に「サルノコシカケ」になっちゃったんだ。
あんまりシャレになってないね。。。ハハ。それにしてもくクチャそう〜」

「シメジんとこにいったら、エノキは色白でいいなって羨ましがって
たけど、エノキはエノキで、シメジって日焼けした感じで
ワイルドぽっくって格好いいよねって、言ってたなぁ。
他人の芝生は青く見えるって、こういう事なんだろうねぇ。」
「私はこんな坊ちゃんカットみたいな頭は、ホントはいやで
アワビタケみたいなパーマかかった感じの頭に憧れちゃうんだよなぁ」
「でも、おれ、エリンギの頭、かわいくて好きだよ」
「え〜、ほんとぅ!う〜ん、ま、けっこうキュートかなって思う時も
あるけどね。。。ありがと」

(キノコのファッションって、元々生まれ持った姿形のことなのか?)
ちょっと疑問に思ったので、質問魔といわれるのを覚悟で聞いてみた。
「いやサングラス掛けたり、靴下履いたり、刺青しているやつもいるかな」
(モンモンしょってらっしゃる方もいるんですね、、、はー)
「この前、ピアスしてたよねナメコ。なかなか刺さんないって嘆いてたよ、フフ」
(でもお二人(二本)とも素のままというか、生まれたまんまというか。。。)
「あぁ、普段着(エッ?)はこれだからね」

どうも、キノコ同士で話をさせていた方が、話が盛り上がるし、聞いている
こちらとしても、思いも掛けない色んなネタが聞けそうなので、チャチャを
入れるのをやめて、聞き役に徹しようと思った。

ドンちゃん 

March 15 [Thu], 2007, 2:02
林の中は薄暗く、ところどころ木漏れ日が差しこんでいた。
エリンギは、枯れかけて途中からポッキリと折れてしまっている、
ある一本の木の根元に駆けていくと、
「ねぇねぇ、ちょっと手伝って欲しい事があるんだけど
出てきてくれる?」と、なんと木に向かって話しかけたのです。

すると突然、木の中程からスポッと飛び出してきました!
それは黒くてふっくらとした、なんとシイタケでした。
「やぁエリンギ。頼みごとって何かな?隣にいるのは。。。?」
シイタケは木の幹に開いた丸い穴の中に足を突っ込んで
スッポリと収まっていたのでした。

「ドンちゃん、こちらさっきこの村に着いたばかりの旅の方よ。
きのこ村の噂を聞いて訪ねて来てくれたんだって。いろいろ
聞きたいことが山ほどあるみたいだから、村長の所に連れて
行ってあげようと思うんだけど、ほら、きっと村長また、
かくれんぼしてるだろうからさ、一緒に探してもらおうと思って」

「違いねぇな。村長、基本的には埋もれてるし。」

(どうもシイタケ君は「どんこ」らしい。。。ドンちゃんって
呼ばれているのは、そのためらしい。)

よろしくお願いしますと、挨拶をして、僕ら3人は林を出て
小川の川上のほうに見える山すそを目指して、少し急いだのだった

村の本口 

March 14 [Wed], 2007, 19:31
小川沿いの土手を並んで歩きながら、私は先ほどの質問の続きをはじめた。

きのこ村には何人くらいのきのこが住んでいるのか聞くと、
「何人じゃなくて、何本ね、ハハ。」(そりゃそうだ)
「う〜ん…正確には誰も分からないんじゃないかなぁ。出歩く時以外は、
みんな林とか日陰の中のオウチにいるし、キノコによっては、一世帯に
何本も家族がいるトコもあるから、、、。100世帯位かな。」

といって彼女はウンウン考え込みながら指折り数えて、
「たぶん500本はいるわね。そういうの詳しいのは、村長か長老だから、
まずは先に連れて行ってあげるね。あなた知りたがり屋さんだから、
その方がいいかも。私、そういうのあまり詳しくないからさ。
フアッションとか、お酒には詳しいんだけどね、フフフ」

酒って、いったい何歳なのか聞きたいところなのだが、
レディに失礼だと思いやめといた。(見た目じゃ、わからん!)
そもそも男女の区別すらついてないのだ。わかるわけない。

フアッションとか言ってたけど、服きてないじゃん、
と思い切りツッコミたかったが、もしかしたら、祭りの時なんかに
ボディアートなどしているのかもしれないので、とりあえず聞くのをやめといた。

彼女は続けて
「村長見つかるかな〜?
けっこう、根元に埋もれて見つからない時も多いからなぁ。」
「あ、こんにちは!」
突然、彼女は予期せぬ方向に向かって、手を振り挨拶をした。

いったいだれに挨拶したんだ?
彼女の視線の先には林があって、どうもその中にいるようだ。
どうやら、この村に来て二人目、もとい二本目のキノコにあえそうだ。
「そうだ、彼に手伝ってもらおうっと」
彼女はそういうと、クルリと向きを変えて林の中へと向かって行った。

初めての出会い 

March 13 [Tue], 2007, 0:31
きのこ村を初めて訪れたのは、長い冬がようやく終わって、
暖かな太陽の光が木々の間に差し込む、ある春の日でした。

村に入ってしばらく行くと、雪解け水がサラサラと流れる小川
があり、歩き疲れていた私は、靴を脱いで小川に足をつけて、
一休みすることにしました。

ここは本当に「きのこ村」なのかな?と、村に入ってから
まだ誰とも会っていない私は、ちょっぴり疑問を感じていました。

とその時、川の水が向かう先の土手の上を、一人のキノコが
やってくるじゃありませんか!思わずアッと、軽く声を
上げてしまった私は、すかさず自分の口を押さえようとしましたが、
間に合うはずもありません。

私の声に気づいたキノコは、驚く風でもなく、のんびりと
こちらの方へ歩いてきました。やっぱりここが「きのこ村」
だったんだ。

そして、それが「エリンギ」との初めての出会いでした。
彼女は、とても親切で面倒見の良い娘さんで、その後、村の
あちこちを案内してくれた上に、いろんなキノコと引き合わせて
くれたのですが、それはまた次の機会にお話しましょう。

まさか、胞子を撒き散らして攻撃するとか、キバが生えてたり、
羽根が付いていて空から攻撃されたりとかは、ないとは思っていた
けれども、人見知り風に、私は少しだけ警戒していました。

「こんにちは!」明るく朗らかなトーンで声を掛けてくれた彼女は、
「この村に旅の人が来るなんて久しぶりだなぁ。キノコを見て
ビックリしたんじゃなぁい?あちこち旅してきたんでしょう?
いいなぁうらやましいなぁ」
と気さくに声を掛けてくれ、ちょっとだけホグレた私は、旅の途中で
「きのこ村」の噂を耳にして訪ねて見たいと思って来た事を告げた。

「だからかぁ、あんまりキノコを見ても驚かなかったのは。
普通、ビックリしてみんな逃げ出しちゃうんだよね。ハハ」

いや、十分驚いているって、声が出ないだけ、と思ったが、
言ってもはじまらないし、聞きたいことは色々あったので、
私は矢継ぎ早に、どんなキノコがいるのか、どんな生活をしているのか
何を食べているのか(これは重要。自分が食われたらたまらないからね)、
などなど、山ほど質問を始めてしまった。(私の悪い癖なのだが)

「まぁまぁ焦らないで。旅の時間が許すまで、この村にいるといいよ。
みんなとっても仲良しで、あ、でもたまには喧嘩もするけど、のんびりした
良い村よ。みんなに紹介してあげるし、今日泊まる宿も必要でしょう?
大丈夫よ、あなたの事を食べたりとかしないから(ば、ばれてたか)。
キノコは肉食じゃないしぃ。っていうかお腹空いたからって私たちを
食べちゃったりとかはしないでね。そっちの方が心配、フフッ。
それと、あんまり雪解け水に足をつけてると、体が冷えちゃうよ」

急に現実に引き戻された私は、だいぶ体が冷えてしまっている事に
気づいて、足を拭いて靴を履きました。そして彼女の後について、
膨らみかけた桜のつぼみが続く、川端の並木道をテクテクと歩いて
村の中へと行って見ることにしました。
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