プラトニック・エロスを求めて迷想する「きのこ御殿」

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陽炎の辻〜居眠り磐音 江戸双紙〜
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しょっぱい女の苦い恋 『うぬぼれ刑事』第9回 / 2010年09月04日(土)
『うぬぼれ刑事』第9回「強火」。

葉蔵の「さあ、残すところあと3回、張り切ってまいりましょう!!」
が、寂しさを掻き立てます。

葉蔵のナレーションに「僕女好きじゃないよ!」と振り返るうぬぼれ。
「女好き」なんじゃなく「超恋愛体質」なのだそうだ。
けれど、「自分好き」であろうと思われる。

今回ももちろん、いろいろ楽しかった!

アイアムアイの会話はいいなぁ。
穴井さんがメガネを取るとサダメのおばあちゃんそっくりになるんだって。
メガネを取って「サダメ。」と語りかけると、まさに「リアルに居そうなおばあちゃん顔」。嬉しそうなサダメッちがなんども「おばあちゃん。」と呼びかけ、「サダメ。」サダメっち、「僕、おばあちゃんっ子だったから」ってなんと満面の嬉しげな微笑であることか。

それにしても、サダメッちはどんどんアタマ空っぽになっていくなぁ・・・。
妻の上京に脅える葉蔵が栗橋先生にしばらく泊めてくれと頼む。
うぬぼれ「それは失礼ですよ」。
穴井「そういう時は最下層の人間に頼まないと」。
皆の視線がサダメに。
「来ます?ネットカフェですけど」

翌日葉蔵がとびっきりダサい格好で現れたが、もちろんサダメの私服。
私服もねぐらも否定され、好意をことごとく無にされても、少しも満面の笑みを崩さないサダメッち。
ラストシーンに登場した時のサダメの超空気を読まない発言も、笑いました〜〜「えっオレ?」とか「えっ刑事さん行くの?」とか。
大丈夫なのか。もはやペット並みの知的能力しかない?

あと二回では、うぬぼれ4の発展も限られてるなぁ・・・。
今回も泣きながらアイアムアイにやってきたうぬぼれ。
振られたての男に、ここほど優しい空間はないよなあ。。
サダメは背中ポンポンしてくれる。
松岡さんはいつも鮮やかでトッティフルッティを薦めてくれる。
何時まででも居られるらしいし・・・。

天使のようなサダメと松岡さんに、今後見せ場や発展があるんだろうか。
「もはやうぬぼれてすらいない」から「どっかで取り戻さなくては」とクドカンが言ってた穴井さんですが、ナイスなおばあちゃん属性でわずかに取り戻したのか?

このメンバーと離れたくないよお・・・。
『木更津キャッツアイ』や『IWGP』みたいに、スペシャル続編等々作られる可能性はあるかな??

【ブスは年増より難しい?】

しかしながら今回の『うぬぼれ刑事』は、なんとなく重くなかったですか?
なんとなく、いつものようにはカラッと笑えない部分があった。
微妙に苦いというか、引っ掛かるというか・・・。

一つには、親子のじっとりが前面に出てるからもある。
所沢のマンションで父と母とちゃぶ台で夕食を食べて、そのあったかさ、懐かしさ、にぎやかさに泣くうぬぼれには、ちょっと違和感を感じる。
父と二人でけんかしながら暮らしてるのはいいんだけど。
警視庁のエライ人、本田博太郎さんの娘を思う心(保身だけにも見えるけれど、娘を不憫に思う気持ちもあると思う)も、なんとなく切ない。

でもやはり一番の原因は、ヒロインである図書館員「知世さん」が「地味で、暗くて、若くない」からなんだと思う。(光浦さんの演技の重たさもあるかもしれないが、まあそれは大目に見るとしても)

私だけかもしれないけれど、このドラマには「ブス論」的なものを感じてきた。それは強まるばかり。
第五回の感想「愛すべきブス婦警たち」
http://yaplog.jp/kinoko2006kun/archive/905
と、第六回の感想「やさしさに満ちた、ブス論とバカ論」
http://yaplog.jp/kinoko2006kun/archive/908

でも書いてきたけれど、今回もまたそれが発展してる。(ように思う)

大好きなアイアムアイが、女子にはきつい「雨夜の品定め」的な空気を漂わす。
いい女がテーマで、みんなが「うぬぼれだけど実はもてないダメ男」なら、こんな空気は生まれないのに。

ずっとうぬぼれの惚れる相手は一応「美人」だった。「ババァ」の方は65歳三田佳子を筆頭に、相当平均年齢が高く、しっかりヒロインとしてさほどの違和感はなかった。衆論である「アイアムアイトーク」でも「年齢なんて関係ない!」と認知されていたのである。「バカ」の方は、むしろ可愛いとプラス評価にまでなってる。

ブスもバカもババァもデブも(規制されていないにしても)差別語の一種だが、普遍的に差別心を持つ人間を愛して向き合うところが、つかこうへいにも通じるクドカンの特性の一つじゃないかなあ。

さて、ブス。
不美人な見合い写真に「いいところを探す」の、「男って優しいからさ」(穴井談)なんでしょうか。やっぱり、憐れみや優越感が入ってるんじゃないでしょうか。
一人はっきり「地味」と言い切って写真を閉じる、栗橋先生が一番正直かも。

しかしこの「地味」な知世に、うぬぼれは惚れてしまった。

【今回の「恋落ち」プロセスは複雑?】

はじめは里恵相手にこう言っていた。
「彼女は警視庁の実力者の娘だ。結婚は免れないだろう。(この言い方も、うぬぼれらしくなくて違和感)
けれど宣言する。僕は彼女に1ミリもときめいていないし、今後も好きにならない自信がある。なぜなら、今でも君を・・・」(せっかく告白したのに、サイレンの音にかき消される)

しかし見合いの席、ファンファーレが鳴った。
パララパララパララパラララ〜〜〜♪
このときは取り落とした湯飲みを危うくキャッチする。
お見合いで湯飲みをこぼしかける。
パラらパラら・・
>あれ?あれあれあれ・・・?
>僕の中で意見がわれ始めている。
>わりといいですね。
>でも地味ですよ。

うぬぼれの頭の中、落語が上演されてる。八つぁんも熊さんも大家さんも全部自演で。(タイガー&ドラゴンを思い出して、狂喜した方も多いはず!)

そして、知世さんがメガネをかけて鍋にチャッカマンで火をつけたとき、うぬぼれの心に本気の火がつく。
(これじゃただのメガネフェチ男だが、もうなんでもいいんだね)

で、惚れた自覚と共にいつものようにタイトル。


経過をアイアムアイで語るうぬぼれ。
「地味な分、今まで好きになった女性にはないサムシングがある」。
図書館に勤めてて、今は手芸にはまってて・・・地味萌え?
「とても質素で気配りのできる女性なんです」
最初の「ヘイヘイヘイ〜〜」は声が小さかった。

見合いの席へそこへ葉蔵が現れ、告発本をめぐる警察内部の確執が明らかに。
親同士が敵同士、というロミジュリ的設定も、うぬぼれには嬉しい。

父親に反発した知世の、「もう、子供じゃないんです。私たちの関係に大人の事情を持ち込まないでください」発言には話には、「ヘイヘイヘイ〜〜」はいつものボリュームで復活。

初デート(?)たる喫茶店での二人の会話は、妙に重かった。
知世さんはいきなり「私、何も悪いことしてません!」と叫ぶ。

知世「お父さまの本を読みました。うぬぼれさん、犯罪者しか好きじゃないんでしょう?そういう性癖がおありになるんでしょう?」
うぬぼれ「性癖じゃありません。たまたま続いただけです」
知世「だって私ですよ。地味だし暗いし年だし、もてる要素ゼロですもの」

そのあとのうぬぼれの長セリフ。こころなしかいつもより可愛くないような。
「知世さん、知世さん!!あなたのような女性に僕は出会ったことがありません。自己評価が低いんですね。あなたはご自分が思っているよりはるかに魅力的だ。それなのに私なんか私なんかって。ずっと日陰を歩いてたんですね。でも僕という太陽が現れたんです。明日から、日の当たる道を歩きましょう」

しかしあっという間に振られるうぬぼれ。
知世「でも好きな人がいるんです。なかなか気づいてもらえなくてあきらめかけていたんですけど」

うぬぼれ「え〜〜〜!!!だ、だって、僕ですよ。僕があなたの太陽になるんですよ」
知世「自己評価が高いんですね。でもそのとおりだわ。私なんかよりもっと大きなものを照らしてください。富士山とか。さようなら」

さらに重いのは、アイアムアイで泣きながら、うぬぼれがかなり正確に自己分析してしまっていること。
「僕のどこかに、傲慢があったんです。心のどこかに地味な女と結婚してやるという思い上がりがあったんです。彼女頭がいいから、それを感じ取ってしまったんです。もう恥ずかしくて」

オイオイオイ・・・・。
いつだって、キミは惚れた女の前では白馬に乗った王子様気分だったじゃないの。うぬぼれて白いスーツでステップを決めてたじゃないの。僕があなたの運命の人ですって。
(最近は「逮捕」の発音が不明瞭になるくらいには自信を失いかけていたかもしれないけれど)

そして、いつものキミなら、知世の容姿コンプレックスが全く理解できないくらい、「恋は盲目」になれたんじゃないの?あんな美人はいないと思うくらいに。
50代の樋口可南子さんにも、40後半の薬師丸さんにも、周囲の評価などお構いなくしっかり恋していたじゃないの。「年増と結婚してやるという思いあがり」も、そもそも年齢差意識すら、恋の前では全く問題にならなかったはずなのに・・・。

【しょっぱい女の一念】

知世が「運命の人」と思いつめていたのは栗橋教授。
女子大の卒業パーティーのときの思い出。
ダーツを教わって激賞され、「八百屋お七」を例にとってナイトバーで恋愛談義を聞かされた夜。
まるで「舞踏会の夜」・・・・・恋しちゃうの、わかるよ。

しかし連絡先を教えても何の連絡も来ない。ダーツバーに毎晩通って世田谷の大会で優勝してしまった。
後援会にも握手会にも毎回行った。
教授は両手で手をしっかり握って、「どっからきたの?」って毎回聞く。

だんだんわかってきた。
知世「こいつ全く覚えていない。いや覚える気がない」
うぬぼれ「それでもあなたは思い出して欲しかった」

それにしても「やんちゃしてた頃」の若い栗橋教授がかっこいい!若手教授で文化人タレントを地で行く感じ。髪は黒々としてオシャレでスマートで若々しい。誰か別な役者を使ってるのかと一瞬思ったけど三津五郎さん本人。

さすがリーダー。自己愛のカタマリ。まさにうぬぼれ男。
これだけの愛のない男っぷり。歌舞伎の色悪のようなつれない残酷さ。
憎らしくて、でもどこか滑稽で、ちょっと可哀想な男。(毎晩バーに来ているけど、家庭はどうなってるの?)

何が「しょっぱい女に甘い言葉をかけると絶妙な味わいになる」だ。どっかで罰を与えないと気が済まないぞ。
全く男ってのは・・・こんなもんなんですか???

今回痛々しくなってしまったのは、光浦さんの生真面目な演技にもよると思う。居直ってはっちゃけた同僚の小山さんか南さんに恋しちゃうというような話だったら、「ブス惚れ」でもカラッといけたのかも。

パターンとしては、知世さん目当てに図書館に通っている地味男がいるという結末でも、救急隊員が本当にほれていた、という設定を作って視聴者を安心させるといいう手法があると思うんだけど、今回の話はブスに残酷なのだった。

また、うぬぼれの母千鶴子(竹下景子)が、若々しくて綺麗過ぎましたよね。
『ゲゲゲ』でも元気な母親役を好演してますが、あの側でさらにワリを食ったのかも・・・。

今回は微妙に苦く、引っ掛かるんですよ・・・。
至極わかりやすそうに見えていたうぬぼれが、なんだかわかりにくいキャラクターになってきた。

・・・いったいこれまでの、うぬぼれの数々の愛って何?
一時限りとはいえ、その時はピュアに惚れ抜いていると思いたいけど・・・。

見事惚れ抜いたような回もあるけれど、前回の三田さんのときなど、今回は葉蔵がうぬぼれ刑事をやるのかな・・・と思ったくらい唐突だった。

里恵への想いが次第に復活しているのも大きい。
冴木さんとの三角関係に悩みつつ、毎回別の女にベタ惚れするなんて、いかに長瀬君でも難しい。

そのあたり、最終回に向けてどうクドカンが処理していくかも見どころです。

【他、こまごまと】

千鶴子でもう一つ印象に残ったのは、葉蔵との口喧嘩。
葉蔵が県警きっての「デブ専刑事」で、郡山のランジェリーパブ、それもデブ専に通い詰めて退職金をなくしたことを責めるシーン。

うぬぼれ「知ってますよ。だけど母親の口からデブ専という言葉が出たことに度肝を抜かれたんです」

ほんとに度肝を抜かれてましたね〜〜。下品だから驚いたのか、同性を差別する言葉だから驚いたのか、よくわからない。

◆◆◆

ブスと言えば、目が離せない婦警コンビ、小山さんと南さん。今回もスルーできない言動。
この前まで不倫で「おさかん」だった小山さんと登戸さんの間にも何かあった模様。

捜査会議の席上、男前のレスキュー宇野さんに大騒ぎの婦警二人。
「あんなのいた?」
南さんが手を上げて普段のローテンションとはまるで違ったトーンで「独身ですか?」
宇野「独身です」
南「ありがとうございます!!」

小山さん、「登戸さんがゴミに見えます」って、何かあったの??
「ゴミは黙ってろよ!」と言われて登戸さんが呆然とするシーンもあり。

◆◆◆

そうそう、うぬぼれ刑事の撮影シーンも久しぶり。早速前回の「えんま坂でトランクに詰められるシーン」。
乳首もへそも丸出しの、監督橋本じゅんのメッシュTシャツは・・・どういうんでしょう。
予告ではサダメが監督に「オレも好きッす」とか言ってるし。

◆◆◆

今回の冴木さんも激動で、目が離せません。
うぬぼれのお見合い話を聞いて、署では前回の不機嫌はどこへやら、満面のご機嫌。本庁の総務部長の娘と聞いても嫉妬のカケラもなく「ヘイヘイヘイ〜〜逆玉じゃないの」
そして写真もろくに見ずに「可愛い〜〜何これ最高〜〜」(途中から赤ベコに)

あのおしゃべりも笑顔も、嘘っぽいことこの上ない。ホントうまいです荒川良々。
夫婦仲は危機に近づく一方。里恵は顔を合わせたくないばかりにパートに出て富士宮焼きそばの試食販売。ついでに物まねもやめ、バイオリンを始めた。
そしてラストには出て行ってしまう・・・。

こんな状態で、来週は冴木さんと二人で一人の女性(石田ゆり子)に恋してしまうらしい。
里恵の事があるのにどうしてそんな展開が可能なのか・・・?

それとも、男なんてそんなもんなんでしょうかね?

女の癖にブスブス語っているきのこはどういう容姿なのよ・・・?と突っ込みたくなった方、小山さんをグンとオバサンにしたと思えば、あまり遠くないっす。)

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