【我が家はオグリンブーム】
近頃ますます、娘と私は小栗旬ブームです。
●グリコのCM「25年後のサザエさん」でイクラちゃんの新たな魅力(?)を発揮してくれた小栗君に会えました。瑛太君とのツーショットもいいし。
●『夢をかなえるゾウ』スペシャルでも、古田さんのコンビネーションが素晴らしかった。平凡なダメサラリーマンを自然体でサラリと好演したスーツ姿の小栗君を堪能しました。2人の殴り合いのシーンは息もピッタリで楽しかったです。
●『花ざかりの君たちへ〜イケメンパラダイス』のスペシャルでも、ちょっと雰囲気がマイルドになった小栗君に会えました。
●現在深夜再放送中の『STAND UP!!』いまさらですが楽しんでます。(二宮、成宮、山ピーと四人組)可愛いけどカッコイイ!!
●来年の大河ドラマ『天地人』での石田三成役、清廉でまっすぐな武将のようで期待が膨らみます。
大河の出演も何度もあり、『義経』の梶原役でもビジュアルグッドだったけれど、昔竹中直人で話題をまいた『秀吉』で石田三成の幼少時代を演じたそうで(記憶にないけど)その成長した姿?
サラッと癖のないカンバセは、時代劇にも似合います。
芸歴は長いけれど、近頃ますますいいですね。『anan』ランキングでも、トップテンの8割をジャニーズ独占する中、福山雅治と小栗君だけがトップテン入り。キムタク越えの最有力候補との呼び声も高い。
彼に初めに注目したのは2002『ごくせん』第一シリーズの内山役。澤田やクマの後ろの方にいるのにどうしても一番目を引かれました。『救命病棟24時』や『電車男』でも、セリフ数も登場回数も少ないのにどうしても印象的でしたね。
過去の映画も、レンタル店で漁ってかなり見ています。『あずみ』『ロボコン』『ウォーターズ』『オトシモノ』。
ドラマ『GTO』を見てなかったのが惜しい。
『花より男子』『イケメンパラダイス』でブレイクしましたが、ちょっと陰のある、口数の少ない体温の低そうなイケメン役が定番でした。
しかしここ1年では、『ボンビーメン』や映画『キサラギ』や今日の『夢をかなえるゾウ』みたいな、明るく天然な人懐っこい役(地に近い?)も増えましたね。
高校生役を10年近くやってるとかで・・・・「小栗旬最後の高校生役」と名打たれた工藤新一を二年もオーバーして、現在来年公開の『クローズZERO2』の撮影がクランクアップしたところか。今度こそ最後の高校生姿?
現在少しも珍しくないけれど、25過ぎがゾロゾロ出てきて高校生役をやるのが普通になるのは、基本的にはあまり賛成できないんですよ。しかし『クローズ』は仕方がない。これ以外ありえない。
『2』では、現在『ブラッディ・マンディ』で注目の三浦春馬が初登場。小栗君とも鍋をつつくほど仲が良いそうで楽しみです。
【クローズZERO】
で、今夜一番話題にしたいのは、最近ようやくWOWWOWで見た『クローズZERO』(2007年)なんですよ。(例によって前フリが長い・・・)
この映画の小栗君は、他の作品のどれとも違ってます。思っていたよりはるかに彼の新たな魅力を発掘してくれてました。映画館で見たかった!
三池崇史監督、好きです。昔のことはほとんど知らないけれど、
『46億年の恋』(松田龍平&安藤政信)で意外にリリカルで切ない部分にはまり、奇想天外バトルロイヤル活劇
『スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ』(小栗君も出演)で大はまり。(それぞれ感想あり)
『スキヤキ』を現代の荒れた高校に移したようなのが『クローズZERO』。高橋ヒロシの漫画は読んだことないのですが、映画版オリジナルストーリーだというので原作への考慮はゼロ(御免!)ですすめます。
『スキヤキ』で戦闘力ゼロにしていた小栗君を、監督がどこに惚れてこの手の映画の主演にしたのか、それも気になるところ。
黒澤映画『用心棒』よろしく抗争が繰り広げられている暴力地帯(鈴蘭高校)に一人の転校生がやってくる。それが小栗旬演じる滝谷源治。
西部劇(『用心棒』と『スキヤキウエスタン』も全く同じ)のパターンをうれしく踏襲してます。
「暴力+高校生」はPTA的にはまずいですが、高校生モノと思わないで、リアルもモラルも捨てて見ましょう。
荒れた高校の映画というと、先生がボコボコにされたり普通の生徒が虐げられたりしている陰惨な話かと思って気が重い部分もあるんですが、見始めたらそんな事はなし。大体授業なんて行われている気配もない。
入学式だけが普通っぽい行事だったけれど、その場で新入生代表が一瞬で吹っ飛ばされ、先生たちも「けんかはやめなさーい」というだけ。それでもそれが映画におけるたった一つの教育者的行動で、後は実質的には退場。
もはや「リアルな荒れた高校」とは無関係で授業も職員室の悩みも陰湿なイジメもなし。なんで学校が決めたクラス分けに従ってるの?と思うくらい。
不良偏差値日本一、「鈴蘭でてっぺん獲る」のが、悪さで鳴らした高校生の目的だというのだから、これは暴力抗争ではあってもどこかスポーツ的な純粋さもある。
いや、スポーツの方が世間的評価や将来につながるからどっちが純かと言われると逆なのかも。
みんな普通の人間とは思えないような1本抜けた「バカ」なので、凄まじい喧嘩の連続なのに不思議なほど陰惨さがない。
要するに漫画。要するに娯楽映画。
ヤクザ映画と変わらないのだが、三池監督の心中を勝手に想像すると、ヤクザ映画を今撮ったらなんかいろいろと引きずるものがあり(生活とか疲労感とか)、女やコドモが泣いたりするのも鬱陶しく、時代遅れの哀愁まで加わってしまうので、あえてもっと純粋にアクションそのものを撮るフィールドとして暴力高校を舞台にしたかったんじゃないかな。
格好つけた不良高校生一人一人のたたずまい。
武闘スタイルを決めて横二列くらいで廊下を歩いてくる艶姿。
高校生と言っても、自宅が出てくるのは源治(小栗旬)のみ。それも父親はヤクザの組長で岸谷吾朗。その父にして鈴蘭のてっぺんは獲れなかった。両親揃った普通の家庭で寝起きしているように見える高校生は1人もいないで。
ドラマと映画の違い・・・・みたいなものを感じさせられました。ドラマはストーリー、意味、謎解きなどが主となってくるけれど、映画は見せてナンボ。ストーリーや心理描写なんかより、「画」でグイグイ押してくるものが必要なんですね。
ドラマの王道が金八先生なら、クローズZEROこそ映画。・・・かな?
【滝谷源治@オグリン】
魅力的なそうそうたる不良の群れの中で、中心をとる主演が滝谷源治(小栗旬)。
これまで見たことのない小栗君でした。クールでもニヒルでもなく、父親のとれなかった「鈴蘭のてっぺんを獲る」という単純明快な動機で転校してきて、なんだか1本抜けていて鈍感っぽいけど、仲間思いで懐っこく、一方切れたら止まらない。
本格的アクション映画出演としては、まずその身体性に注目です。
184センチのスレンダーな長身ながら、鞭のようにしなやかで柔らかく、サラッと立っていてどこにも余分な力が入ってない。スピーディーで舞うような攻撃。着地が軽い。それでいてどんなにボコられても立ち上がってくる。ビジュアル、演技力、スター性に加え、アクション性まで高いとは、小栗旬に弱点なしか?
最大のライバル、百獣の王芹沢多摩雄(山田孝之)がこれまでのイメージを覆す好演だと聞いてた。目がイッチャッテルのがいいし、身長の低さもいいし、クレージーなパワフル野郎を体現。しかし顔や身体にやや力みが入った感じがする。
小さくて凶暴なのはいいけれど、身体の厚みが欲しいというか、体格的には戸梶の方がイメージ?
鶴と亀、ハブとマングースみたいな対比にしたかったな。
公式ページの「バトルカルチョ」(どっちが強いかのファン投票)では芹沢が一歩リードして終わってるのだけれど、そうかなぁ・・・。まあパンチ力は芹沢がありそうだし、源治はスリムな分脂肪が薄くてダメージを受けやすいと書いてあるけれど(これは人それぞれ)・・・。
2人の出会いも良くて・・・長身の小栗君の脇をちっこい芹沢がすり抜けてパトカーに乗せられいき、「お前が芹沢・・?」「そっそっ」とあっけなく軽い。
しかしその瞬間、「ワイルドサイドのトモダチに・・・」と熱くハスキーな声でハードロックのライブが重なる。
なんかしびれた。他にも、音楽とその使い方がやたらいい。
【他の鈴蘭生】
原作に忠実だという鈴蘭高校生役もナイスキャスト揃ってます。
不良高校生のプロ?高岡蒼甫(『ROOKIES』や『パッチギ!』)演じる金髪の伊崎は鈴蘭にしては珍しい頭脳派。相変わらずあの目がセクシーでいいけど、戦闘シーンは少なめ。ヤクザ役のプロ、遠藤憲一もヤクザ役で出てるので、愛する『風の果て』の野瀬市之丞がダブルで出演なんですね。
戸梶勇次役の遠藤要、オーディションで採用されたと言うだけ会ってピッタリ。芹沢軍団の参謀役。
映画では黒木メイサが出てるけれど、原作にはほとんどオンナッケがないとか。スケベ要素は一部あるけれど、恋愛要素は皆無。そこもチーム男子愛好家にはもちろんポイント高いです。
むしろ「ヒロイン役的立場」にあるのは芹沢と源治の共通の友人だった時夫(桐谷健太)。
重い病で手術を受けるシーンとラストの最終決戦シーンが重なって進行する。これはどう考えてもヒロインの役割でしょう?最近笑わせる役どころで大活躍(『ROOKIES』と『流星の絆』の桐谷君、しかし『クローズZERO』では間違いなく美少年、それも二人の美少年の間で悩む役です!
芹沢が「お前と俺の上には誰も立たせない。来る奴は俺がぶっ潰す。お前はゆっくりしてりゃいい」、ラストのバトルでは「あいつと一緒に戦うんだ」と言ってるから間違いない。平っちやポストイット係長と同じ人間とは思えない!!
3年A組の芹沢軍団が三上兄弟のB組を吸収し、史上初の鈴蘭制覇に大手をかけ、牧瀬率いるC組、伊崎率いるD組は現在中立。源治E組で田村忠太を倒してトップに立ち・・・という、わかりやすい単純明快戦国ストーリー仕立てもイイ。
映画でさほど目だたなかった他の学年の不良たちも、コミックではそれぞれ凝った物語を背負ってるのでしょう。
筒本(上地雄輔)鷲尾(波岡一喜)や海老塚中出身トリオ、別格扱いで力では最強のリンダマン(オダギリさんとも映画『HAZARD』で共演していた深水元基)、三上兄弟(これは3年?)
。
暴走族「武装戦線」のヘッド坂東役で渡辺大が出てます。手っきり他校生だと思っていたら、二年の癖にオトシマエとして3年の耳を要求するようなヤツ。源治が熱くキレて「両方ともくれてやる」と自分で切り落とそうとする。
土砂降りの中で、芹沢軍団とGPS(ゲンジ・パーフェクト・セイハ)との最終決戦はやはり迫力。
傘を手にして二つの大集団が近づいていくあの図はやっぱり欠かせません。
リーダーの癖に真っ先に飛び込む考えなしの源治と、「芹沢との一騎打ちまでは俺が守ってやる」と言う伊崎(高岡)との背中合わせもいいですね。
芹沢と一対一の時は、雨の中髪をかき上げる小栗君の色っぽさに「ハッ・・・」と目を奪われました。素晴らしい!
『ごくせん』『ROOKIES』などでもすっかりおなじみですが、日本の学ラン着崩しファッションは『クローズZERO』でもイケテル。源治は上が短く、下は幅広いタイプ。芹沢はアロハのイン。
まあ、坂東や牧瀬なんかはすでに学ランそのものを着てないですが、やはり学ランが基本でしょう。
源治の私服は合コンですら黒ジャージのファスナーを上まで上げたヤツです。(しかしなぜかカッコイイ)
非常に特殊な髪型。モヒカンっぽく剃りあげているけれど結ってもいて、最初見たときは笑ったけれどアレでもカッコイイ。
【やべきょうすけの位置】
1回目見たときはさほどとは思わなかったのですが、見直すとやべきょうすけがやたらと泣かせる。
映画批評家大賞で、小栗君が主演男優賞、やべが助演男優賞だったというのもジワジワとわかります。
鈴蘭出身のハンパヤクザ片桐拳(やべきょうすけ)と源治の交流がベタながら泣ける。
初対面から力の差は歴然とついたのに、源治は「俺鈴蘭来たばっかりで上も下もわかんねえし人づき合いとか苦手だから」と言って頭を下げて教えを請う。当惑しながらまっすぐな源治に指導する拳さん。
今の不良たちを見て「せいいっぱいまっすぐに生きるお前らにはなんのまじりっけもねえ」
「俺も鈴蘭でオメエみたいな生き方できりゃちっとはましだったかな・・・」だって。
また、そんなダメな拳さんのことを「最高だよ」と言い切る源治がいいよね。
「源治、てっぺん取れよ!」
運河をバックにした2人のシーンがなんか好き。
「てっぺんを獲る」ことしか考えてない現役鈴蘭のブラックリストたちは、みんな揃いも揃って痛いとかコワイとか言う感情を忘れたような底抜けのバカたちなんですが、やべ1人は特権(高校生という?)を失った、普通のひとりぼっちの男の哀しみがそこだけリアル。
組から源治の命をとるよう言われたことで己の死を覚悟する。好きな女もひそかな夢もなく、「くそったれ・・・お前に会わなきゃ俺はもっとくそったれだったよな」・・・。この純粋すぎる片想いは一体なんなんだろう。かつてのヤクザが組長や姐さんに命を捧げるのとも、弟や子供のために命を捨てるのとも違う・・・。
中高生とヤンキー向けの映画だとタカをくくっていたら間違い。一度目は夢中になって目を奪われ、二回目は切なくて(悲劇などは起こっていないのだが)泣きたくなった・・・。
ふと鈴蘭の攻防戦から目をそらすと、懐かしげな町並みやシャッターの下りた商店街、路地裏でうずくまる拳さんなどが心をウェットにし、やはり古めのストリングスが心に残る。
しかし「うらぶれた現実風景」に比べ「鈴蘭」が空しいわけじゃない。
輝いているのはあいつら。彼らへの果てしない愛着が、やべを通じて伝わってきて、過ぎ去り行く刹那的な季節が愛おしい。
◆◆◆
関係ないのかもしれないけれど、桜坂学園(イケメンパラダイス)における芦屋瑞希(堀北真希)の立ち位置と、鈴蘭高校に関わるやべきょうすけの立ち位置と言うのは、見掛けは正反対ながらどこかしら似てるんじゃないだろうか。
「チーム男子」に対する強烈な片想いを貫く、という点で。
だからこそ、その思いを捧げる中心には、自然体でいながらひときわ輝く、小栗旬演じる佐野や源治が必要なんだな・・・・と思ったりしました。
なお、日本インターネット映画大賞のURLはhttp://www.movieawards.jp/です。