プラトニック・エロスを求めて迷想する「きのこ御殿」

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陽炎の辻〜居眠り磐音 江戸双紙〜
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揺さぶる「薔薇のない花屋」D / 2008年02月13日(水)
「薔薇のない花屋」第五回「世界一長い告白!」

先週ずいぶん「見えた!」ように感じたお花屋さんの姿、また茫として見えなくなってしまいました。
しかしそれが嫌ではなく・・・・余計に気が惹かれるような気がします。

【黒英治白英治、黒きのこ】

先週の感想で私はこんなことを書いてしまいました。
>英治は美桜のウソはとっくに見抜いている・・・・ように思える。
>「(直哉から)貴方の目について聞きました。貴方の目は、手術すればよくなるって・・・」
>これには英治の言う「冷たくて残酷な心」が見えるような気もする。コロッと信じているのかもしれないけれど、よくわからない。


う〜ん、「黒英治」ですね。
これが「見えるような気がした」私は「黒きのこ」ですね。
直哉の策略まで英治のフェイクと取ってしまったあたりは、完全に「黒邪推」で私の間違いとわかりました。ゴメン英治。

今回は「白英治」で来ました。
美桜の目を治せるものなら、手術にどんなにお金がかかろうとも構わない。直哉のあざといストーリー(手術には大金がかかり、それを出してくれようとする男は美桜と結婚しようと狙っている)もコロッと信じたらしく(安西院長によれば「「恋は人を狂わせる」)、有り金どころか家も売り払い(店はどうするのか何をして食べていくのかの展望は語られなかったけど)雫の豚の貯金箱まで提供して、美桜に「お金を出させてくれるよう」頼む。

そのくらいしないと「(僕は)あなたを好きでいる資格がない」と。世界一長い愛の告白。花が開くように微笑むあなたの笑顔が好きだ・・・・。

雫が「ゼロっていう数字が一番好き」と言い、手術に全財産を投げ出すことに賛成するのはまだわかる。英治の生き方をつぶさに見ていて、それでいて「とうちゃんを尊敬してる」のだし、なんと言っても子供だもんね。

しかし、英治が美桜という女一人のために、愛する妻の遺児雫の生活を不安定にし、あの菱田夫人と一緒に暮らす我が家までも手ばなすというのはどうしても解せない。妻の墓に向かってイイワケとか謝るとか、何か言うことはないのか・・・。

おお、信じないのか黒きのこ・・・・。
全てをなげうって、愛する人の幸せを望むという究極の愛に、常に疑いの目を向けてしまう人間なのね君って。可哀想なヤツ。

はあ、まあ・・・・・、そうですとも・・・・・。

でも黒と言うより、ごく普通の「菱田夫人」的目線のつもりですよ・・・。
いやそうでもないかな、どうしても英治の心の中に闇を見てしまう自分はやっぱり黒きのこだな。

私はこのドラマ、だいたい英治に感情移入していて、先週美桜が単純に英治の優しさを分析し、「きっと両親に愛されてのびのび、すくすくと・・・」育ったのだろうと言ったとき、無理解に孤独を感じるだけではなく、心の中にポッと憎しみの微かな火が灯ったように思えた。
自分の中に、とても「冷たくて残酷な部分がある」というのは本心に思えた。
また、「恋することはできるけれど、愛することは・・・それは親から教えてもらうことだから」と言うのも、すごくよくわかるような気がした。

英治の怖いほど底なしの優しさ、何も美桜に対するばかりじゃあない。人間関係をごくごく狭くしているけれども、あの付き合い方で「ともだち100人」だったら持たないよ。あまやどり(ロマンティックね)に立ち寄った見ず知らずの美桜にあんなに心を配り、「誰にでもそうしてます」と自然に言える。
見るからに怪しげな青年直哉も、平気で飯を食わせて一緒に暮らしている。
さらに老いた菱田夫人とまで暮らすというのは、彼女がボケたり寝込んだらその後の人生まで必然的に背負い込むということだ。
先週は被虐待児省吾のために、犯罪すれすれの行為も行った。

【「流山」の香取近藤をまた思いだす】

これじゃイエス・キリストだ・・・・。
相手の心の思うまま、自分を捧げていくだろう。限界なく。
右の頬を打ちたいものには存分に打たせ、左の頬も打ちますかと差し出すだろう。
自分に嘘をつき、それに苦しむものには騙させておいてやるだろう。
告発などしないだろう。彼らはわかっているのだから。

どうしても思い出す(組ファンならピンと来る)。「組!」48話「流山」の「加納君、お久しぶりです」
女性コーラスが静かに響き、光が降り注ぐ宗教的な演出。
尊敬する水魚さんが「自らを供犠として差し出した」と評した場面。
あの回から、私も香取近藤(の一面)に「キリスト」のイメージを刷り込まれてしまい、それは今でも変わっていない。

「組!」の近藤さんは、史上にいう豪胆な男でもなく、おだてや権力に弱く女好きな俗物というイメージの正反対だった。誰にでもわけへだてなく優しく、しかし頑固で信念を曲げることなく、また全てを受け入れすぎるゆえに時にはデクノボウ(←「雨ニモ負ケズ」の一節を思わせる)のようにも見えた。

「供犠」と言えば、誰への捧げモノなのかと疑問に思うけれど、幕府だとか歴史だとか日本人全体だとか・・・・そんなものじゃなく、「自分を求める人に」捧げてしまったように思えた。

微笑を求める者には微笑を(あげてたね)。
愛を求める者には愛を(あげてたね)。
首を求める者には首を(あげてたね)。

本来博愛的な部分の多い近藤さんだけど、あの時自分を一番求めていたのは歳三だったので、それで死の瞬間、箱館で死に臨んでいるトシの元に行ったのだと思っています・・・。

ああ、大幅に脱線してしまったけれど・・・・香取君の英治は、どこかしら香取君の近藤さんに近いように思える。

でもそれだけじゃない。(このあとは全くの黒がかった妄想なので、気を悪くしそうだったらスルーして頂きたいのですが・・・・)「自分が本気では人を愛せない」「愛してくれる人に愛を返してやる事ができない」さらには「自分を自分で愛することができない」という確信めいたものが、際限のない優しさに通じているような気がする。そしてそれは、キリストの一側面でもあるんじゃないかと・・・・キリストやブッダは、親兄弟妻子を捨て、個人的な愛をくれずに人類に身を捧げた人ですから・・・。

だから、美桜との部分はこんな風に感じる。
美桜の嘘なんて、やっぱりわかってる。一種の心の障害に苦しんできたであろう英治だもの、ニセの盲人の演技なんて、初対面時からわかっていると、私は思う。
それでも、騙されてやる。そんなに必死で一生懸命僕なんかを騙したいというなら存分に、自分の全部を投げ出して騙されてやりたい。そうすることでしか、君に近づけないような気がするから・・・。

でもなぁ・・・雫のの父親としてはやっぱり生活を大事にすべきだろうし、安西先生のいうように「恋に狂った」状態なのかなぁ・・・。

妄想ばかりな上にまとまらず、読み返すといろいろ矛盾していてスミマセン。

放送終了まで揺れ動きながらいろいろ妄想や修正を繰り返せばいいや・・・・くらいの気分で行きます。
自分の黒さが顔を出すのもそれなりに面白く、これで真っ白純愛ドラマだったとわかって思いっきりコケルのも、「黒きのこ」が負けるわけですからかえっていいような気もします。

【ちょっと周辺も】

妄想以外のことも書きますと。
直哉の松田翔太君、初めはすかしたヤツだと思ってましたがなかなかいいですよ。彼は「自分が可愛い」ハッキリした悪人で、ある意味一番安心して見られる。また今回の入浴シーン、小さいお風呂に長い手足を不自由に折りたたんで入るのが面白く、ボコられて傷だらけになるのも釈先生のベッドに入っちゃうのも、CMのビューネ君よりさらに色っぽい・・・!あの目線にもやられます。

今季「喜多善男」で松田龍平も出てますね。兄弟二人とも「狂言回し役」なんですが、案外翔太の方がいいかも。龍平は脱皮を試みて短髪ヒゲのむさいスタイルを試みてるのは大いに評価しますが、父優作をうっかり重ねて八代役を脳内演技させると・・・・ちょっと落差が悲しい。

マスター寺島進・・・・彼のこと、ここ2、3年、好きになれなかったんですよ。それはひとえに「実録 新選組」で納得しがたい土方さんを演じたことで・・・。でも久々に見直してます。
その上番組直後のスマスマで、照れ屋でいじられやすい、不器用で可愛い面を発揮してくれまして、う〜ん、ずっと嫌っててゴメンね、と思ってしまいました。
でもやっぱりあのオールバックとあのファッションとあの渋い顔でデート誘われたら、釈ちゃん先生じゃなくてもちょっと引いちゃうかな・・・?
「ヘビメタ」を「ヘビがメッチャ好き」と解釈して動物園に行こうとし、英治を慌てさせるあたり、「オヤジギャグはこう使え!」という見本のようで、ちょっと感じ入りました。

三浦友和の出番が増えて話がより濃―くなることを期待してます。
女優さんでは池内淳子さんが一番ステキ。


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ルイスさん、「家なき子」は当時大ブレイクしましたね。なんだかんだ言いながら結構見ていたかもしれません。野島伸司は、誉められたり貶されたりも多いですが、毎回話題作を提示してきましたね。

感じ方は人それぞれいろいろなので、「違うからこそ面白い」と思ってます。「好き」「嫌い」「辛口」「甘口」なんでもOKです。・・・だから、私が「好きじゃない」と言った作品にも遠慮せずに、大いに弁護コメントを書いてくださいね(逆もOK)。やや書きにくい内容でも、自分で文章に責任が持てるのなら全然構いません。
いろいろな違う意見を、なによりこの場で「楽しむ」ことができればヨイと思ってます。以上、余計なことかと思いつつ、老婆心までに。
Posted by:きのこ at 2008年02月16日(土) 03:18

『家なき子』は好きではないのですか…。

自分は主役の安達祐美さんがあまりにも痛々しさを感じたのはホントですけど、当時、まだ幼かった彼女を思い演じる側としての力強さを感じましたから。

Posted by:ルイス at 2008年02月15日(金) 05:48

ルイスさん、「家なき子」は野島作品だったんですか?アレはいやでした。いじめを流行らせるような変な感じがあったし、「同情するなら金をくれ!」のフレーズも悪趣味・・・。テーマソングのみゆき「空と君のあいだに」は好きでしたが。
「ひとつ屋根」は良かったです。放映当時は熱心に見ていなくて、耕史君にはまってから見直しました。江口ッつぁん、福山君、耕史君(あといしだ君も)が兄弟だったって、今思うと信じられないほど素敵ですね。
スペシャルドラマ「11年後の柏木家」なんて作ってくれないかな?あんなにイメージの変わった耕史君ですが、また文也に挑戦するのも有意義かもしれない・・・。
>局長の素朴でピュアな演技がいいですよね。
やっぱりそう素直に取るべきですよね?自分の疑い深いひん曲がった心に「喝!」を入れたい気分です。
Posted by:きのこ at 2008年02月15日(金) 01:05

野島作品は『ひとつ屋根の下』の1と『家なき子』で止まりました。

『ひとつ屋根〜』は三男カズヤが好きだったんだけど、色々あって今は文也クンに乗り換えたのですから。(毒笑)

耕史氏にとっては懸命に演じた作品ですからね。熱意が伝わってきます。

『薔薇のない〜』は普遍的にヒューマンラブストーリーで、台詞が相変わらず野島ワールドな詩人的であって、最終的にどういう進み具合になるのかも期待ですが。

局長の素朴でピュアな演技がいいですよね。
Posted by:ルイス at 2008年02月13日(水) 21:43

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