信コンに振り落とされたらもったいないよ〜!『信長協奏曲』(2)

October 24 [Fri], 2014, 15:53
『信長協奏曲』第二話
『世にも奇妙な物語(2014秋の特別篇)』


【今季のドラマ・序盤終了】

本編の前に、前回続き今季のドラマ序盤の感想。
意外と・・・平凡なドラマが多かった感じで、やや拍子抜け。
個人的には完全に『信コン』中心です。

綾野剛主演の『すべてがFになる』は、原作シリーズが大好きで期待していた割に薄っぺらい印象。頑張って面白くしてほしい。
『ディア・シスター』は石原さとみの悪魔的キュート爆発で、松下奈緒もカッコいい。けどこういう話はもう見ないかなあ。
『きょうは会社休みます。』は、綾瀬はるかは悪くないけど、見ていて気持ち悪くなったのでリタイア。30で初体験ということじゃなく、あの本人の心のセリフとか、あの姉妹関係とか・・・。
ウジウジ系よりは『ファーストクラス』の方が面白い。女のバトルギャグドラマ。画面から機関銃のように連打される情報を摂取してバカバカしい徒労感に浸るのがなんだか癖になる感じ。夏木マリ、余貴美子、竹内結子を3トップとする女のバトルを見てストレス解消できる。しかし倉科カナの憎らしさは格別だなあ。
湊かなえ原作『Nのために』は見始めたら面白い。けれどベタな演出と演技なのがちょっと・・・湊モノは『告白』があまりに凄かったせいで、どうしても今ひとつなのだが、面白くなって欲しい。
超定番だけど、『相棒13』は、一、二話ともいい感じのスタート。『ドクターX』は前シリーズ(藤木が良かったのかも)の面白さにはかなわないけれど、つい見ちゃって楽しめるだけの地力がありますなあ・・・。
クドカンファンとして、頑張って『ごめんね青春!』二話も見た。途中で本気で「つまらなすぎる・・」と脱落しかけたけれど、一番苦しいココを乗り越えられたから完走できそうな気がする。でもだいぶ見てる人減っただろうなぁ・・・。

NHKでは、『昨夜のカレー、明日のパン』(BSプレミアム・木皿泉原作)は第一回目すごく良くて、続けて見ようと思ったのにすっかり忘れてた!!
『ぼんくら』(木曜時代劇)もいいらしい(録画したが見てない)。『マッサン』は「いいドラマだな。外国人ヒロインはNHKならではの快挙だなあ」と思ったのに、見続けられない。リスクをとった反動なのか、あまりにも「王道朝ドラ」すぎるのかも。『軍師官兵衛』竹中秀吉の晩年が面白くて、ようやく今真面目に見てる。

【『世にも奇妙な物語』が面白かった!】

ちょっとだけ書きたいのは、10月18日放送した、いつもの『世にも奇妙な物語(2014秋の特別篇)』
『世に奇妙』のオールドファンですが、今回はめずらしく五本とも面白かった!!(「超短編」を別にすれば)

『サプライズ』(多部未華子)怖かった。一般的な怖さとはまるで違う方向の怖さで、まさにこのシリーズならではの怖さ。画面の色合いや音楽も、えも言われぬ怖さを掻き立てる。現実にこの手の怖さには日々さらされているような気がする。みんなが笑顔と善意でやっているのが恐ろしい。

『取的』仲村トオルと音尾琢真が相撲取りに追いかけられるだけ、という話。なのにやたら面白くて滑稽で不条理で、結末は悲惨・・・・。仲村トオル、この頃コミカルな役も増えてうれしい。

『未来ドロボウ』これはいい話。若者(神木君)と富豪の老人(吉田鋼太郎)が入れ替わる。藤子不二雄原作。老人ハートで若者を演じる神木君が上手い!!最低賃金のバイト仕事を鼻歌が出るほど楽しんでやる気持ちとか私すごくわかるんで、やっぱり老人の方に近いんでしょうか?
上記三本の共通テーマは、「あの一言さえ言わなければこんなことにはならなかったのに・・・・」かな?

『冷える』 若村麻由美。あまりにも予想した通りの結末。しかし、そこまでの過程が長くて気持ちがこもりすぎていたので、オチを迎えた瞬間主人公にドッと共感して今回唯一涙が出た。共感できたことが救いのない物語の慰めなのか。さすればこれもあるいは予想外の結末なのかも。

『ファナモ』 (戸田恵梨香・平山浩行)
これは殿堂入りの傑作では??五反田団の前田司郎原作・脚本。書いたらネタバレになるから言えないけれど、近い未来にあってもおかしくない世界。ファナモが再利用できる技術なら理想的?
「奇妙」なのはその手術よりも、手術を受ける人間が多数派になることによって、受けない人間が「考えが古い、遅れてる、汚い」というマイナスの価値観を押し付けられて差別意識が発生すること。生理的なもの(排泄物、生殖機能、汗、体臭などなど)が、全部「汚い」と差別の対象になる世の中が、来るかもしれない。というかもう来はじめてるでしょ!!

【『信長協奏曲』にハマったかも・・・!】

まだそんなに見てないんだけれど、『信長協奏曲』いいですねえ・・・!!
ハマったかな・・とかなり思います。
第一回をすでに三回見るほど楽しみ、第二回も二回見ちゃった。公式ページに足しげく通いたくなるドラマって、ここのところあまりなかったなぁ・・・。

視聴率、15.8%→13.5%に下がっちゃったけど、見ないと絶対もったいないよ!とアナウンスしておきます。

軽すぎるとか安っぽいとか、原作の冒涜だとかタイムスリップ歴史は飽き飽きだとか言ってる人は、きっとしっかり見ないうちに振り落とされたんだ。

これ、新鮮でつきぬけてます。いろんな意味で。
どのくらい新しくてどのくらい驚かされる作品なのか、今は見えない。
軽いけれど、軽薄なんじゃなく、原作の不思議な軽さと明るさに通じるのかも。

いや、ドラマファン、小栗ファンとしてドラマ先行で物語と出会おうと思っているのだけれど、これは途中でよほど失望しない限りはきっと漫画も買う予感がするなあ・・・。

原作読んじゃってる方は、いちいち驚く私(およびドラマでこの作品を初体験する人)の反応を見て楽しんでくださいませ!(ネタバレはご容赦を)

コミックナタリーに、漫画家石井あゆみを17歳の時に見出し、その才能に惚れこんで育てた編集者のインタビューが載ってます。よろしければ是非。
http://natalie.mu/comic/pp/nobunagaconcerto

【ドリフのギャグですか?!と思わせて振り落とす?】

さて第二話。
冒頭のギャグ乱れ打ちで振り落とされた方々、辛気臭い批判してないで帰って来て〜〜!!!

最後まで見たら、不覚にも感動させられてしまうから。
かなり気に入ったので冒頭部だけ細かく。

サブロー「かつどんうま!グラタンうま!ハンバーグうま!」
と、世にも美味しくてボリュームがありそうなメニューを次々かぶりついてる。
「あららら『信長のシェフ』の玉森君でも来たの?」って、誰だって突っ込む。
(散々「信シェフとかぶるだろ」と言われてきたスタッフのうっぷん晴らし?)
次に出てきたのはパンケーキの五重塔。
サブロー「?味がしない。味が 味が 味が・・・」

目を覚ますと、帰蝶が見下ろしてる。
「寝言がうるさいから口に手拭いを突っ込ませてもらった」
サブロー「ふざけんなよ!死んだらどうすんだよ!完全にDVじゃねえか!」
その後「ウツケ」が二秒に一回は出てくる帰蝶と信長のマシンガントーク。
帰蝶が原作のキャラと違いすぎると不評のようですが、柴崎コウと小栗君、恐ろしく凸凹具合が合ってますね。
サブロー「なんなんだよこの無限ループは!」

そこに恒ちゃん、そしてモリリンがあの泣きそうな顔で飛び込んでくる。
「美濃の斎藤道三さまから会見の申し出が!」
家臣モリリン森可成役の森下能幸(まさにモリモリ)、昔からビミョーな役でマイナーな作品にちょこちょこ出ていて気になっていたけど、月9の主演の側で毎回みられるとは嬉しい!その後丹波長秀(阪田マサノブ)と柴田勝家(高嶋政宏)も登場。このカルテットかわいすぎ!!

サブローは、蝮の道三が怖くて、「ぜってえ俺のこと殺す気だよ」と逃げ回る。
恒ちゃんは「逃げたら殿は切り殺されます」の連呼。
「との!」「との!」「との!」「との!」とすさまじいテンポでサブローに迫る。

サブロー「わかった、わかりましたよ。あっ!!(空を指さして)空飛ぶおにぎりだ!」
と奪取するが、すぐ押し倒される。
サブロー「そこは普通振り向くとこだろ!」
阪田「振り向くの者はアホしかおりませぬ!」
柴田だけがぼおっと空を見ていて、ホーホケキョ。

ヒ――――!!なんっちゅうベタさ加減!
これ、まるっきりドリフのギャグですよ。『八時だよ!全員集合!』の前半のコント劇ですよ。
音楽まで似せてる。
「テンテンテンテンテレテンテンテンテレテンテン・テンテン、ベンべベンベンベン、チャッチャチャッチャッチャ」
ここまでやるか!軽い〜〜好き〜〜。

道三との会見が避けられないとわかり、ファッションチェック。
派手な着物も、地味な着物も、どれも道三に難癖をつけられる可能性がある。
「まぶしいと言われいくさになるでしょう」
「辛気臭いと言われいくさになるでしょう」
「特徴なさすぎると言われ、確実にいくさになるでしょう」(全部勝家)
サブローが「もういいよ・・・どうせ何着ても戦だろう・・だったら服は俺が決めるよ!」
と言って学生服を着ちゃう。
個人的には、滝谷源治(クローズ)っぽく、中に赤いビラビラの着物でも着て欲しかった(傾き者信長ぽいし)けれど、まあ未来から来たばかりですからフツーの学生服の着こなしでいいのかも。

時代劇でこの軽さとギャグとリアリティのなさは噴飯ものだという方もいるかもしれないけれど、最後まで見て!!
親子愛や運命的な死まで関わるかなり重い話になってる。サブローも最終場面ではハッと思うほど成長していて、帰蝶との関係も微妙に変わっている。
それだけに見返した時、このアバンタイトルがなんだかたまらなく愛しくなる作りなんですよ。
(はまってるせいかなんでもいい方いい方に取っちゃって、ごめんなさ〜い)

『信長協奏曲』好発進!

October 17 [Fri], 2014, 10:44
ドラマ『信長協奏曲』第一回

2014年最終シーズンの連続ドラマもスタートし始めましたね。
さて、今季のお楽しみは・・・・?

一番楽しみにしていたのは、もちろん小栗君の『信長協奏曲』。(いろいろと心配もしてたけど・・・)
感想書くのは遅くなったけれど、リアルタイムで見てました。

その前にスタートしたドラマについてもちょっとだけ。
(見てないのも、録画してるだけのもあるので、一部だけですが)
素直に楽しめるドラマが多いシーズンという感じがします。

【関ジャニドラマ、好感度でがんばってる!】

今季はSMAPも嵐も主演ドラマがなく、ジャニーズでゴールデンの主演があるのは関ジャニの2名だけ?

『地獄先生ぬ〜べ〜』。(土9時日テレ系)
アニメ見てて話わかってるし、子供向けだし特に期待してなかったんだけれど、なかなか楽しい。
関ジャニの丸山隆平君、『ボーイズ・オン・ザ・ラン』でも『はらちゃん』でも、なんだか共感度抜群だった。ジャニーズなのに全然カッコよくなくて(ゴメン)、なんだか危なっかしくて情けなくて、それがドラマのいい味になってるんですよね。
今回は代表作!丸山君すごくいい。シリーズ化してくれてもいい。鬼の手の力を出した時もう少しカッコよくてもいいけれど・・・でも十分。
地だけでやってるようにも見えるけれど、実はそれだけでもないかも・・・役者としても長くいい仕事をしそうな予感もあり。
妖怪にして家庭科教師玉藻役の速水もこみちが面白かった〜。毎朝日テレで料理していた甲斐があったね。唯一ゆきめがウザかったかな。
話は大人が真面目に見るようなものでもないけれど、子供たちが茶の間で楽しく見るドラマがあるって、とてもいいことだと思います!

『ごめんね青春!』(日9時TBS系)
2011年の『うぬぼれ刑事』(←めちゃくちゃ好きだった)、2010年の『11人もいる!』以来の、久々の民放クドカンドラマ!もちろんたっぷり期待してました。
正直「つかみが悪い方」のクドカンドラマ。
見始めて10分くらいで、「これはあまり視聴率は取れないなぁ・・・」と感じてしまった。

カトリック系女子高「サンジョ」と仏教系男子高「トンコー」という2つの学校がある世界。ドラマの中ではとっくに出来上がってるけれど、その世界に中途からはいる方にはややなじむまで敷居を感じるというアレ。
実は『あまちゃん』だって、北三陸の海女たちと鉄道のローカルで「出来上がっている共同体」に最初の10日間くらいはなじみにくかったものである。
ただし、そういうクドカン作品ほど、馴染んでしまうともう故郷のようにその架空の土地を歴史ごと愛してしまったりするのだから隅に置けない。
だからまだ感想というモノは書けない。

ただ、ここでも関ジャニの好感度高し。錦戸君はまってるよね。これまで役者としていいとも悪いとも感じたことがなかった(ゴメン)けれど、このほんわか感とまきこまれ感と、「時々やってしまう」感は、なんてクドカン世界にハマってるのか感心する。(もちろんクドカンドラマには長瀬君が一番!というのは譲れないけれど。)
まだ周囲の方が硬い感じで、特に満島ひかりは、力が入りすぎていてスッと笑えない。生徒も顔が覚えられない。でもダイジョブ、3回見たら馴染んでハマるでしょう。

対立する2つの学校、というモチーフでは、去年見たクドカンの舞台『高校中パニック小激突!』を思い出す。グレ高とヤバ高という2つの学校が「抗争の果てに・・・」という話だけど、死ぬほどバカバカしくて死ぬほど好きな舞台だった!思い出すだけで幸福を感じるくらい。

【『信コン』、放送開始前からワクワク】

映画『ルパン三世』、『東京DOGS』再放送で、久々に小栗君ブームがリバイバルしてる今日この頃。

『信長協奏曲』話を聞いたときから嬉しくて、番宣番組まで相当観ました。
放送当日は朝から4〜5くらいの番組に出てたけれど、やっぱり「ネプリーグ」面白かった!
小栗、向井、柴崎コウ、山田孝之、高嶋政宏が登場。対戦チームが『ディア・シスター』の石原さとみ中心。さとみちゃんは『リッチマン・プアウーマン』の時にも小栗と同チームで登場。対抗意識むき出しで、悔しがってもドヤ顔しても可愛い。

面白かったのは、向井君の意外な素顔。
向井理って、高学歴でモテ男でなんでもできるのが玉にキズ、という可愛くない感じがあるじゃないですか(私だけ?)。
それがクイズで一人ブレーキになってしまい、それを本人がすごーくツラがって、番組の最後まで申し訳なさそうにしているのが意外。もちろん明治大学卒(だっけか)の向井君と高校中退の小栗君では基礎学力の差は歴然なのだろうけれど、小栗はさすが慣れなのかキャラなのか、座長意識が高いのか・・・さとみちゃんと丁々発止やりながら番組を盛り上げてた。
向井君のことも、「ハンサムっていうとオサムがすごく怒るんだけど・・・(おや?呼び捨て?)」とか言ってなじませたりしてたし。二人同年代。これまでもいろんな共演俳優(山田、生田、松潤、水嶋・・)と仲良しになっちゃった小栗君のことだから、向井君も仲間になっちゃうかな?

番組開始前60秒前からのカウントダウンサービス。こういうのチャンネルを他に合わせさせない手法だけれど、楽しければ不快じゃない。「リキ入れてまっせ!サービスしまっせ!」というの、嬉しいし。

タイトルバック映像も短いけれど良かった。旬君ビジュアルが良くてセクシーで、キラキラでオシャレで楽しくて・・・。うん、「月9時代劇」の方向性が見えた!・・・気がした。(ルパンの最後のアニメも似たテイストで最高にカッコよかったなあ)

ドラマで初めてこの物語に出会いたくて、原作漫画もアニメも見ないようにしてました。
先々のストーリーは、教えないでくださいませませ!

【小栗のサブローっぷりに、脱帽!】

小栗君上手い。すごーく、うまい。
31で高校生役をやることを本人がしきりに気にしてたけれど、まさに「フツーの高校生」サブローだよ。これだけ演技でヘタレ高校生に見せるなんて、なんてうまいんだ。
現代の修学旅行場面だけでなくて、戦国時代に入ってからも、形だけの妻がいても、ずーっと、どう見ても高校生マインド。

馬で登場した本物の信長(これも小栗君、二役)の方が、むしろ不審感あり。似てるというだけで他人に自分の役を押し付けちゃったり、「何この人・・・?」と思ったくらい。「優しくて聡明な殿」って、そうなのかなあ・・・。

サブローは表情がヤンチャでバカでコドモでうれしくなるくらい。
「信長やったら、(その刀)くれんの?」とか「私が、あの有名な、織田信長です!」とか笑顔全開でやっちゃったり、スマホであちこち撮影したり、お調子者の男子高校生全開。

河原の戦闘シーンは結構な迫力。兵隊の数は多いし、水しぶきが臨場感たっぷりだし、まともに作っているので驚いた。
そこで敵兵に頬を切られて怒るサブロー。その敵兵が味方兵から左右に串刺しにされて息絶える。その時初めて事態を知るサブローのショックを受けた演技の確かなこと!!

考えてみると、高校生のアイドルが高校生を演じるのと、高校生役を10年余り経験してきた31歳の役者が高校生を演じるのと、質的に違う。そりゃね、映像では本物の高校生の方がリアルな部分もあるだろうけれど、小栗君が確かな「演技」として見せてくれたサブローに、どっぷり共感。

特にドッと「ヤラレタ!」波が来たのは、命を狙われて池田恒興(向井理)に助けられた時の泣きそうなサブローの言葉。

>ありがとー、つねちゃん、ありがとね。
>その日までっつーか、これからずっと、まもってね。

文面だとややふざけて聞こえるけれど、このセリフをボロボロのサブローが、涙をこらえながらポツポツとしゃべりましたよね。号泣する一歩手前で、なんとかおどけて踏みとどまる、普通の高校生サブロー。精一杯の恒興への感謝の言葉。
愛しい。かわいらしすぎる。
うん、7〜8年前、高校生役バンバンやってた頃(花男やイケパラで)の小栗君は、こんな演技はしてなかったよ。

タイムスリップものだから、お話がバカバカしいところも多いんだけれど・・・気にならない範囲。それを板につかせたのも、小栗君の力が大きいと思う。

正直中盤ちょっとだるかった。
弟の信行(柳楽優弥)が自分を狙い、そのために帰蝶を危ない目に合わせた時、
「ちょっと、こういうの、ちがうだろ、俺はめるために帰蝶ねらうとか。俺狙ってんなら直接来い!」
と堂々と主張する。実際に人間が殺されるのを何度も見ているのに、ずいぶん甘ったるい。いきなりこんな環境に放り込まれたんだから、もっとビビりの高校生でいいんじゃないの?
ただ良く見ると、啖呵を切った後のサブロー、息が上がって心臓バクバクしてる感じ。ちゃんと演技してるからわかる。

そのあと膝を抱えて落ち込む姿も可愛かった。
「やっぱ無理。当主は弟くんに・・・。さっきはテンション上がって言っちゃったけど、そもそも俺はここにいるべき人間じゃないし・・・」
恒ちゃんが「本気で言っておられるのですか!」と叱ると、「本気だよ」と言っちゃう。この言い方も可愛い。
恒ちゃんが重ねて「逃げるのですか?」と言うのに、逃げてばかりだった現代での自分を思い出す・・・。
二度丁寧に見ると、バカな言動もちゃんと心理の流れの中に位置してるので、それで受け入れられるんだなあ・・・とわかる。

浅田先生、これでいいの・・? 映画『柘榴坂の仇討』辛口感想

October 10 [Fri], 2014, 7:24

「一人でじっくり本格派時代劇を観よう」という気分が高まり、『柘榴坂の仇討』観てきました。
大好きな『壬生義士伝』の浅田次郎原作。地味そうな映画なのに評判もよい。
中井貴一と阿部寛の激突、というのも興味があった。
安心して観に行きました。

観る前に、気になる点があったとすればひとつだけ。
原作(短編集『五郎治殿御始末』所収)、40ページ程度の短い作品なんですよ。これを二時間に引き延ばすことが、さて吉と出るか、どうか。

【余談:映画館内の風景】

平日休みの日中に出かけた映画館。
すでに暗くなっていた館内で、目に飛び込んできたのはたくさんの薄く光る球体たち。むむむむ・・・!?

昼間の映画館は中高年が多い、というのは常識だが、この禿頭率には驚いた。高齢男性1人が多いのだ。(藤沢周平ものだったりすると老夫婦が多いのだが・・・。)
で、私の買った座席にも、すでに相当高齢のハゲタマさんが一人で座っていた。おまけに近寄ってきた私をギロッと睨んできた。面倒なので、その後ろの席に座ってしまった。
なおかつ、映画が始まって5分位で、前の方の席から低いいびきが聞こえてきた。続いて「すみません、いびきの音が大きいので・・・」という若い男性の必死な声・・・・この時間帯でいびきというのは映画の内容関係ない。
一瞬、この映画館周辺のベンチや、市民図書館の閲覧コーナーで寝たり起きたりして一日時間をつぶしている多くの高年齢男性たちを、失礼ながら想起してしまう。
いや、ここに来ている方々は自分でお金を払って映画を鑑賞できるのだから恵まれているのだろう・・・。(優待券とかあるのかもしれないけれど)
余談終わり。

以下の感想には、ネタバレありますので、自己責任でご了解の上お読みください。





ラストまでのネタバレあり!注意!



ダラダラ長文すぎるのでご注意を・・・!





期待度★★★★
満足度★
おススメ度★

先に主要登場人物二人と、短く原作のストーリーを。

○彦根藩士、志村金吾(中井貴一)。
安政七年の桜田門外の変で、井伊大老を守れず無傷で生き残ってしまった。切腹も許されず「逃亡中の水戸浪士の首を持って来い」と言われたまま明治を迎えた男。変の折父母は自死。妻セツ(広末涼子)が酒場で働いて生計を支えている。
○水戸脱藩浪士、佐橋十兵衛(阿部寛)。
大老暗殺後、死に遅れて逃亡生活を送り、明治の今は俥引きになってその日暮らしをしている。
13年の時を経た明治六年、仇討禁止令が出された直後、ついに金吾は仇討の相手に巡り合うが・・・・。

【水増し部分はすべて、ウザったい大甘メルヘン】

さてこの短編を、どう膨らませて2時間にしたか。
30分で珠玉の作品仕上げる手法があると思うが、それでは到底単独の映画にならないから、結局、金吾の妻、両親、友人、差配役、長屋の母子、通行人などのエピソードがいろいろ膨らませて挿入されていた。

しかし、増えたエピソードはほとんどすべて、なくてもいい、ない方がいい、甘ったるい感動をあおる水増しだった。

・・・がっかりしました。呆れました。
以下具体例です。

○路上、借金取り達にいたぶられている武士を、金吾が助けに入るシーン。
金吾が「もう少し待ってやれぬか」と「人の道」を説いても、聞くはずはない。
ごろつきたちが金吾を足蹴にでもするのかと思って見ていると、人混みの中から「私は○○の武士だ。助太刀いたす」という輩が次々に5人くらい名乗りを上げ、借金取りが尻尾を巻いて逃げていってしまう。なんなのこれ???
もちろん原作にはないです。あったらへぼ過ぎる。
映画の中で主演が共感に恵まれすぎたら、見てる方は感情移入し損なうじゃないですか。差配役の秋元にしても友人の新之助にしても、みーんな優しい。金吾の古い気質を理解してくれる。
だからつまらないのに、全編こんなことばっかり。

○妻セツの「パート先」。
夫に収入がないから、妻セツが飲み屋で働き収入を得ている。その上家の中でもかいがいしく夫に仕えている。
しかし正直なところ飲食店でパートやってる主婦程度にしか見えない。あの程度の働きで、最低限の夫婦の生活を賄えるんなら羨ましいくらい。
原作では全然違う。
>かつて七十石取りの藩士の妻女が、四十にもなって場末の酌婦に落魄した。いかに食うためとはいえ、こうまでせねばならぬ人生は世に二つとなかろうと思う。

と金吾が語っている。売春は描かれていないが、酔客に愛想を振りまき「四十しざかり」(←これ使って欲しかった)とからかわれたりしている。
広末を汚したくないの?ドラマ『聖女』での広末のキレっぷりはすごいのに。

○ミサンガのシーン
これ、もう何をか言わんやですが、パート先の今風の女の子が、「外人さんにもらったんだ〜!切れると願いがかなうんだって」とセツにくれる。セツは喜んで、ラストシーンで切れるまで持ってるんですね。思いつきにしてもあまりに安っぽい。もちろん原作にはありません。浅田さんの名誉のためしつこく。

○長屋の女の子のシーン
これは直吉(士佐橋十兵衛の変名)側。
男やもめでつつましく俥引をやっている直吉だが、大家の出戻り女(?)とその幼い娘が何度も登場する。「おじちゃーん」と可愛くまとわりついているのは許すけど回数多すぎ。
最後の日には、直吉の出がけに派手に転んで、金平糖を撒き散らして泣く。ミエミエだが、ラストで直吉が金平糖を持って帰って来て・・・・。
うー、書いてるだけで気恥ずかしい。この二人は原作にもちょっと出るけど、金平糖だの「今度一緒に俥でどっかいこう」だの、それを聞いて女が涙を浮かべて喜ぶだの、そんなシーンはありませんから!!

【焼き鯛の「理想の夫婦」シーンに、怒り沸騰】

これがあの浅田次郎原作??
あまりに人間の描き方が定番で浅い。夫婦愛もしかり。

金吾夫婦は、貧しい家の中ながら、障子の破れはきちんと修繕してあり、食うや食わずではない。質素な食事も、きちんと膳で供される。生活は荒んではいない。
立派なものだと思う。しかし理想化しすぎなのでは。夫婦愛を描いた(?)「焼き鯛」のシーンには怒りが沸いた。(もちろん原作にありません。浅田さんの名誉のためにもしつこく)

映画のセツはずいぶん恵まれてて、職場でおかみさんに相談に乗ってもらったり残った食べ物を頂いたりしている。
貰った焼き鯛は夫の夕餉の膳に載せられる。金吾は嬉しげに、「皿をもう一枚持ってきなさい」と言って、鯛の身をほぐして妻に半分与えてやる。
「つつましい幸せ」のシーンとして、泣いてる人がいるかもしれないんですが、もう、私は気持ち悪くて気持ち悪くて仕方なかった。

ちょっと考えてみてください。
元はお武家の妻女のセツが、町人の下で働かせて頂いて、余りものの焼き鯛を恵んで貰って来たんですよね?それを妻から恵んでもらった夫が、妻に半分恵んでやるんですよね?グズグズの鯛のほぐし身の乗った皿を世にも嬉しそうに妻は押し戴くんですよね??
妻は同じ鯛を何度恵まれて有難がらねばならないのか。

私なら、私ならですが、この夫からだけはもらいたくない。
「テメェなあ、何えらそうに亭主面してんだよ。半分恵んでるつもりかよ。アタシが喜ぶとでも思ったのかよ!鯛だけじゃねえよ、あんたが喰ってるものは、全部アタシが禄のねえテメエに恵んでやってんだよ。13年間そうやってんだよ。有難がって頭から尻尾まで喰いやがれ!!」

すみません。思わず興奮して。
私ならそう感じる、ということで、映画のセツさんはそんなこと絶対に言わないし、思ってもいないと思います。

小栗君のこと、いろいろ(『ルパン三世』二回目、『東京DOGS』再放送)

October 05 [Sun], 2014, 15:11
久々に、「SHUN OGURI」ネタでいろいろ書きます。

【『東京DOGS』に再びどっぷり】

番組改変時のスペシャル番組は、どうもさっぱり面白く感じられない。

今一番楽しんでるテレビは、再放送している『東京DOGS』です。
当時から夢中で見ていて、2009年のマイドラマベストテンの二位。

再放送を見ても面白い面白い。
ここ数カ月、ドラマ試聴の際「画面ガン見率」がガックリ落ちていたことに気付く。「ながら見」が増えてる。
直近の7月季で「ガン見試聴」だったのは『アオイホノオ』くらいかも。(おお、やはり福田雄一だ!)

小栗君と水嶋ヒロのバディは、やっぱり最高。小栗君のガンアクションが素晴らしくて、あれ、これがベースにあればルパンのアクションが決まるのも当然だと思う。優秀すぎてKYなキャラにも無理がない。
ヒロ君のキタナ系オシャレな顔面には放送当時不満が出たものだけれど、あれは計算されたカッコよさだなぁ・・・。

で、ヒロ君のオーバーコミカルな演技が、これも実に計算された「主演を立てる演技」だと今更感じる。ヒロ君があんな風にそばで賑やかに演じてくれなかったら、旬君の魅力が一人で光ることは絶対になかっただろう(実力というより役割上)。執事とか、完全無欠な容姿と知性の役が多かったヒロ君だけど、熱い男なんだ。
これに勝地涼君が絡んで時にはトリオになり、彼が画面の奥でもきっちりこけたりして「オチ」になってくれてるのを見ると、嬉しくてたまらない。
今はなきスーちゃんの「奏ちゃん?ねえママねえ」という母親ぶりも、何だかイラつくのにかわいく思えるのは、スーちゃんの演技配分がうまいんだろう。
署のメンバーも、三浦友和、大塚寧々、東幹久、志賀廣太郎ともれなく豪華。
ヒロインの吉高とEXILEのテーマ曲が今ひとつ好きじゃなかったものの、あとは完璧自分好み。

脚本、いいですよ。深夜ドラマの雄、福田雄一(勇者ヨシヒコ、33分探偵、猿ロック、裁判官お腹すきました、アオイホノオ・・)が初めてゴールデンに書いた作品。(なぜこの後再びゴールデンから外れているのかはわからないが・・・)。
テンポ、アクション、お笑い、謎解き、とてもバランスが良くて、お笑いは深夜福田のあの「独特さ」がないから放送当時不満だった感じがあるけれど、あえて特徴を減殺したのだと思われる。全体のバランスを考えて、役者を立てつつ、すごーく丁寧に書いてる感あり。
第一回の出来が異常に良い。適役の成宮寛貴とのガンアクションシーンは、カッコよすぎて悶死もの。二回三回はややぬるくて仲間だの父子だの甘系になっているけれど、それはテレビシリーズのお約束として許容範囲・・・というか、深夜がホームの福田雄一が真面目にアウェーのゴールデンと真面目に取り組んだ証拠かな。

今回見て、改めて目を奪われ直しているのはアクション。
日本の刑事ドラマで、白昼でもラスボス相手でもないのにあれだけドンパチ拳銃の音が小気味よく響くドラマなんてありえない。「アメリカ帰りのKY」が主役だからできることだけれど、見てて気持ちいいエンターティ面と。
旬君のガンアクションはカッコよく撃つだけとは全然違っていて、常に防御の姿勢をとりつつ攻撃するので、リアリティがあるのだ。かつ戦法はいろんな道具を持参しつつ、トリッキー。
取っ手をバーナーで焼いて熱くして侵入する敵が絶叫するとか、「おお!」と思わせるものが多い。ヤクザに信用させるために、刑事仲間をいたぶって海に突き落とすシーンとか、どうせ助かると思ってはいてもドキドキした。

見ながら何度も思ってます。
実写版『ルパン三世』。監督は北村龍平でいいとしても、脚本は福田雄一にやらせたかった!!続編があるなら是非そうしてほしい!!

北村監督がゴリゴリアクション優先で書いた一本調子の脚本より、福田雄一の緩急とテンポのあるアクション、笑い、ドラマ性が、『ルパン三世』という物語の世界観にぴったり。
今回のルパンは何もかも想定内で、驚きや「やられた!」感が非常に少なかった。
福田雄一なら、観客を「えっ?」と思わせるストーリーのトリック、「おお!」と思わせる泥棒テクニック、お手のものでしょう。

【『信長協奏曲』『ウロボロス』が楽しみ!】

世間的にも、久々に小栗旬ブームがじわじわ来てる感じですね。

そも、『今が旬』と言われ続けていた旬君の人気に陰りが出て、本人が「ずっと暇」と言ったほどになった一時期があった。同じ事務所の綾野剛や田中圭の方が忙しそうだったり。
結婚がきっかけかもしれないし、若年で監督をやったりなにかとうるさ型に見られたのかもしれない。
ヒット作のほとんどを占めていた高校生役(花男、イケパラ、コナン、クローズZERO)ができなくなったからかもしれない。
ここ数年の仕事(特に舞台および映画)で、正直あまりパッとしなかったことも一因かもしれない。(すべて彼の財産になっていることだろうが・・・)

しかし、今年に入って、「おっ?小栗イケるじゃん」と思うことが増えた。
ドラマ『BORDER』『お家さん』の意外なほどの健闘。ペプシCMの桃太郎の、文句なしのカッコよさ、そして賭けであった『ルパン三世』。
賛否両論でにぎわったが、フラットに見て「あり」「悪くない」で落ち着きそう。

そして今年の秋冬も小栗祭り!!
月9の異色時代劇『信長協奏曲(コンツェルト)』は主演(サブロー、信長、光秀?)。
脇役が山田孝之(クローズの盟友)、向井理、柴崎コウ、 向井理、藤木直人、キスマイ藤ヶ谷、早乙女太一(新感線で共演)、濱田岳、新井浩文、高嶋政宏、柳楽優弥、西田敏行、生瀬勝久・・・・。来週から始まる。『東京DOGS』観ながらWKDK!です。

・・・だけでもすごいのに、1月期はなんとTBS系連ドラ『ウロボロス』にも出演決定!
『イケパラ』以来の盟友生田斗真君とタッグを組んで、刑事(斗真)とヤクザ(旬)のバディとなるという。これは『信コン』以上、『東京DOGS』以来の萌え狂いが期待されます。

近頃観た映画の感想まとめ書き《2》(9月編)

September 15 [Mon], 2014, 0:44

『るろうに剣心〜京都大火編〜』
『イン・ザ・ヒーロー』
『TOKYO TRIBE』


さて、映画感想まとめ書き、まだ続きます。
『ルパン』前後に最近見た映画です。

【るろうに剣心〜京都大火編〜】

期待度★★★★
満足度★★★★
おススメ度★★★★

後編『伝説の最期編』の始まる前日に駆け込みで観に行きました。
(その後も上映してるんだけれど回数が減るので・・・)
なので、後編のネタバレ感想はご容赦ください!

評判がやたら良かったみたいなので、観ておこうかなあと。
立派なもんでした!!
『ルパン三世』のすぐ後で観たので、ルパンが不憫で・・・うううううう・・・。

どちらも漫画原作アクション娯楽大作なのに、ほぼすべての項目で、どうしてこんなに差がつくんでしょう?
役者の意欲や、実力に、そんなに違いがあるとは思えない。
『るろ剣』には重厚感、悲壮感が立ち込めているのだけれど、それは作品の色合いだから比較の対象にはならない。

けどなんだろう、『るろ剣』はグイグイきますね。

一番「違い」を感じたのは、カメラかな。空気が濃密。
手触り感があり、奥行き感がある。

テンポの取り方や、場面の切り替えが上手い。

脚本もうまい。
最初、洋画(例えばパイレーツオブカリビアンの冒頭みたいな)シーンで、志々雄(フジタツ)と斎藤一(江口洋介)が対峙する。そこでとらわれた警察官たちがかなり残酷な仕打ちを受けるのだが、ギリギリ痛い感じじゃなく、「娯楽大作」の趣なのだ。

「うわぁ・・・」と観てると、いきなり場面が賑やかな明治初期の東京の芝居小屋のシーンになり、とても楽しい。演目に幕末の剣豪人斬り抜○斎が登場、佐藤健剣心が「おろ?」と観ている。隣に薫殿(武井咲)。相楽左之助(青木崇高)が興奮して騒ぐ。
平和な江戸を彼らが楽しんでいるように見えるが、志々雄の陰謀に手を焼いている政府の大久保から剣心が助力を頼まれ、そのうちに紀尾井町の大久保暗殺が起こり、剣心が巻き込まれていく…という導入。
なんだか、引き込まれるんだよね。

いいことばかりではない。ラスト近くになると、自分から勝手についてきた薫殿が絵に描いたような「さらわれ人質役」になり、かなりげんなりする。子供が泣くシーンも多すぎ。(赤ちゃんが人質になるシーンは良かったけれど)。
けれどこれって原作通りなんでしょう・・・・。

アクションは、評判通りイイ。
健君は素晴らしいなぁ・・・(演技もアクションも)。神木君の走り方もいい。江口っつあんもこんなにカッコイイの久しぶり、青木と伊勢谷の決闘シーンも面白くて迫力。そして田中泯にあんなに本格的なアクションシーンをやらせるとはどういう映画だ!ハラハラして見つめた。謎のオトコ福山さんは微妙だったけれど・・・・。

でもルパンの人々も頑張ってたんで、これ、アクション自体の差もあるとしても、「見せ方(カメラや演出)」の違いが大きいように思う。
だって日本映画の希望の星綾野剛が『ルパン』であの程度だったのに、『るろ剣』では三浦涼介が十本刀の沢下条張を演じてあれだけ長時間魅せたんだから参る。

『るろ剣』の第一作は、結構暗くて陰惨な場面が多かったイメージが強く、そんなに感心しなかった。今回の方がずっと良くなったように思う。
剣心がいい人過ぎ、優しすぎる・・・というのがかつて苦手に思っていたが、凄惨なストーリーの中で、祈るように逆刃刀を持ち続ける剣心の生き方に、健君がリアリティを出してくれている。まさにヒーロー、一点の光のよう。

『伝説の最期編』も観に行くよ!でも観るとせっかくの気分が終わっちゃいそうで、少し時間を置いていこうっと。


【イン・ザ・ヒーロー】

期待度★★★
満足度★★★
おススメ度★★★★

夫とは恐ろしく趣味が合わないので、一緒に行く映画は限られてる。これはその数少ない映画の一本。

いい日本映画だった!

特に前半はもう、今年のナンバーワンじゃないかとふと思ったくらい。
ただ後半、どうも泣かせに走ってしまったのが、ちょっと冷めた原因。
脚本水野敬也か・・・。泣かせ系だから気を付けよう。

ネタバレだから反転します。
クライマックスの「飛び降りアクション」でカットするのが定番だと思うのだけれど、それが決まった後延々とアクションシーンが続いたこと。いくら全部見せたくても、転落を最後に持ってくるとかしてくれないと、なんだか見ていて盛り上がりの波を作り損ねた感じ。
それも、その映画、「日本でのシーン」はほぼここが中心だろうに、なぜ一之瀬リョウはこのシーンにいないの?どういうストーリーの映画なのか理解に苦しむ。
一之瀬の家庭事情でまで、そんなに「泣かせ」に走る必要ないでしょ。苦労知らずのボンボンでいいじゃない。

でも、そのあたりに目をつぶればすごーく、良かった。
映画愛に満ちている。(ちょっとウザいくらいかもしれないけれど)
唐沢寿明、自分の経験を基にした代表作ができたこと、良かったね!

近頃観た映画の感想まとめ書き《1》 (8月編)

September 14 [Sun], 2014, 23:06

『 STAND BY ME ドラえもん』『リアリティのダンス』『喰女』

八月に観た映画の覚え書きです。感想なかなか追いつかないので・・・。

【STAND BY ME ドラえもん】

期待度★★★★★
満足度★★★★
おススメ度★★★★


宣伝を観ているだけでもう胸に迫るものがあり、映画館で見たら「ドラ泣き」するに違いないと思っていた。
そこまでドラ泣きはしなかったのだが、どうしてこんなに・・・と思うくらい悲しくなった。もちろん悲しいというのは、映画の批判ではないのだが・・・。

本作のコンセプトは非常に優れている。子供も大人も楽しめる、というより、ほんの少し(かなり確かに)大人寄り。
コピー通り、「すべての子供経験者に」。

多分、この映画を見て改めてドラえもんの魅力にやられた大人はたくさんいても、これをきっかけに今後毎週金曜日のドラえもんを見るようになる人はそんなにいないだろう。
大人がある日ジャングルジムの楽しさを思いっきり再認識したとしても、毎日公園通いはしないように。

あらゆる奇跡のような道具を使っても、いやタイムマシンそのものを使っても、過ぎ去った日は戻らない。年を取っていくのは止められない。ひみつ道具で過去の自分を助けたりするとしても。

子供時代は、そんなに素晴らしいものじゃない。それはのび太君に感情移入したものなら非常によく知っている。
でもそこにも楽しいことがあった。いじめられっ子の生活でも、しずかちゃんに優しくされることもあるし、びっくりするようなラッキーだって少しはあった。
年を取ってからドラえもんを見るというのは、どこか残酷で、悲しくて、だからこそ美しすぎる(じゃないですか?!)。

・・・・と、私は感じたのだが、この映画は観る人によって思い出すことが違い、映画館でのドラ泣きにもきっと一人一人違う思いで泣いてるんだろう。

非常に完成度の高い、優れた映画の証だと思う。続編はいらない。
『ドラえもん』を3D映画にする、だけの企画ならいくらでも続編が作れるわけだが、この映画には続編はふさわしくない。

話は昔触れた記憶(かなりおぼろげになっているものもあるが)のあるものばかり。
ドラえもんがやってきた話をはじめ、「のび太の結婚前夜」「たまごのなかのしずちゃん」「さようなら、ドラえもん」「しずちゃんさようなら」「帰ってきたドラえもん」・・・。

正直言って、ラストのエピは余計だった(または不適当だった)ように思う。
「なしとげプログラム」(?)によって、せっかくあれだけの思いをして別れたのだから、「昔に戻れる」ような話をラストに置くのは、大いに疑問。盛り上がって高まった気分が、ちょっと削がれた。
まあ、そこだけかな。批判したいのは。

CG,とても美しかった。3Dで見たけれど、2Dで見ても十分立体感も感じられそう。
(行った映画館の3Dメガネは画面が暗くなるタイプで、あれは苦手。)

のび太君の動き(タケコプター場面や、近未来みたいな町でモノレールと追いかけっこをするあたり)は、ディズニーを意識したのか動きがありすぎて目が回る感じだったけれど、ドラえもんの柔らかくて柔らかいボールみたいな弾力性を感じる映像はめちゃ好き。
ドラえもんのCG映像はとっても良くて、嬉しかった。
あと、しずかちゃんが良かったなぁ・・・しずかちゃんの魅力的なこと!「ドラえもんは、ラブストーリーでした」の看板に偽りなし。
まつ毛のまたたき、丁寧な顔の造形。キャラクターもしっかりしている。大人コドモ問わず万人単位しずかちゃんに恋しちゃった人がいるんじゃないだろうか。
ナウシカ路線とはまた違った強さの、日本アニメヒロインの典型を再確認。いつまでも「いやー、のび太さんのエッチ!」なんて言ってませんね。


【リアリティのダンス】

期待度★★★
満足度★★★★★
おススメ度★★★★★


珍しく、都心の小さな映画館に行って観た映画。
渋谷の「アップリンク」は、行っただけで他人に吹聴したくなるような、そんな場所ですな。
私は、映画通が語るような洋画をほとんど観ていないし、ホドロスキー監督の映画も観たことがない。けれど友人に勧められ、むしょうに見たくなって出かけました。

いい映画でした。なんだか、たまらなく良かった。
『ドラえもん』にしても『リアリティのダンス』にしても、いい映画過ぎて多くを語りたくない。

もっと難解な感じなのかな・・・とかちょっと思っていたら、とてもわかりやすく、テンポも良く、そして面白く、2時間30分をすんなりみられた。
そして、色の美しいこと!!チリの青い空と海、白く乾いた家や土地、そして原色(赤、緑、黄、青、オレンジ・・・)が、素晴らしく美しい。

うっとり見た。そして美しい。で、何だか感動する。
説明したくない。見てほしい。
こういう映画なら、もっと見たい。

ちょっとだけ紹介すると、ロシアユダヤ人である少年アレハンドロは、奇妙な両親のもとで、異人種の中で暮らしている。父は裕福な商人だが共産党員。家族に非常に厳しく、息子を男らしくするために麻酔なしで虫歯の治療を耐えさせるなどかなりエキセントリック。
母親は息子を父の生まれ変わりと信じて「お父様」と呼ぶ。すべてのセリフをオペラで語る、こぼれそうな巨乳のこの女性は、たまらなく、好き。
子供が変になるのも無理がないような両親だけれど、でもこの二人がたまらなく魅力的だった。人間的で滑稽な、愛情あふれる人々だとわかる。

手足を失った障がい者の群れ、虐げられた労働者、人種を原因とするいじめ、いろんな暗い側面が出てくるが、そこを押しつけがましくなく、時にはからりとした笑いを交えて描く。日頃日本映画と、よほどヒットした洋画しか見ていないのですが、映画通が良い、という映画も、今後敬遠しないで見るようにしようかな・・・。

御年85歳の監督が、23年ぶりに作った新作だそう。家族の絆を取り戻す物語なのだそうだ。父親役をホドロフスキーの長男が演じ、他の息子二人も行者役とアナキスト役で出演している。

とはいえ、私が堪能できたのだからなんら予備知識もいらない。
こんな素敵な映画、観ないのは惜しいです!!

『マレフィセント』についてさらに語り合ってます。

September 12 [Fri], 2014, 8:51
《お願い》
この記事は、以前の記事
「揺らぐメルヘン論 映画『マレフィセント』感想」
http://yaplog.jp/kinoko2006kun/archive/1340
を読んでからお読みください。


この記事へ頂いたコメントへの返信が長くなってしまったので、こちらに一記事立てました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Maleficenteenaさん、お返事大変遅くなりましてすみません。

「マレフィセンティア」も読ませていただきました。
http://www.geocities.jp/maleficenteena/Maleficentia.htm#000

私が書いた感想について、こんなに熱のこもったボールが返ってきたこと、とても感謝しております。
返事を早く描きたいと思いながらなかなかまとまらず、どんどん長くなってしまったので記事を立てます。

引用、リンク等勝手に使ってしまいましたが、ご迷惑でしたら削除しますのでご指摘ください。

また私は映画『マレフィセント』を一度しか観ていないので、記憶がいろいろあいまいだと思いますのでお許しください。
以下、お互いの考え方の違いを楽しみながら、おつきあいくださいませ!

他の訪問者さんの横入りも歓迎です(よね?)。
『マレフィセント』ほど、女性問題の教材として好適な作品はありませんから・・・(その点では『アナ雪』と双璧以上です。)
またその点を除いても十分面白く美しい映画なので、まだ上映しているこの機会にご覧になってみてはいかがでしょうか??

感動するかどうかの保証はありません。
「えっ??」と思うなら、その部分も人によって結構違うと思う。
そこが面白いんですよね。

なお、Maleficenteenaさんの2個目のコメントに、

>きのこさんは「女がそんなに強くなって男は添え物でいいのか?」とは全然書いてませんでしたね?

と丁寧に書いて下さいましたが(フェアな方です)、私は文脈としてそう書いているので、そう取っていただいてOKです。

【まさにまさに、そういう物語でした】

以下、引用はすべてMaleficenteenaの文章、コメントおよびブログからのものです。

>男種族が散々この世界や社会を ( 家庭をではありません ) 暴力と悪どい金融によって支配し、それで余りにも沢山の戦争を起こして人類の歴史を悲惨なものにし続け(略)
>これからの時代に於いては、平和こそを何よりも重んじる女こそがこの世 界を支配して、そろそろ男はカラスのディアヴァルの如くに、女の創る世界の忠実なサポートに徹し、添え物化して半ば母系社会と呼べるようなものを形成した 方が、良いのではないかと考えます。


うん・・・・なるほど。『マレフィセント』が主張しているものは、ズバリそういうことなのだろうと思います・・・!

私も、「そうかなぁ・・・でもまさかね」と思っていて、ズバリは書けませんでした。

革命的なテーマですが、虚心に見れば結局そうなる。

【 Maleficenteenaさんの「気づき」に共感です】

もう一つ、Maleficenteenaさんの文章の中に「おお!」と思った部分があります。
五回目に見た時のMaleficenteenaさんの気づきの部分。

>マレフィセントが件の呪いを掛ける前に 「 姫は美しく優しく育ち、“ 誰にでも愛される ” ようになるだろう 」 と魔法の贈り物をしていた事を自分ですっかり忘れていて、その “ 誰にでも ” にマレフィセント自身も入ってる事に全然気付いてなかったからなのかも知れない。
>オーロラのあの何者をも怖れない屈託の無さと笑顔と優しさはつまり、マレフィセントからの至上の贈り物であり、
>マレフィセントはまさに 「 自身の掛けた魔法によって自身の掛けた呪いを解く 」 べく運命づけられていた…のだとも解釈出来る。


ここ、ハタと膝を打ちました。
マレフィセントの「呪い」が、マレフィセント自身への、また全女性たちへの祝福になっているんですね。(「呪」と「祝」は対の言葉だといいます。)

また、「オーロラ=自分」なのかもしれません。「16になったら眠りにおちる」のは、「16で世界を失った」自分の投影。
マレフィセントがオーロラを育て、オーロラを愛しながら自分を解放していく、というのは、Maleficenteenaさんの説と整合していると思います。

【どうしてこの物語が作られたの?】

でも、謎は残る。
こんなに一方の性がもう一方の性を攻撃するような物語がかつてあっただろうか。
どうしてそんな物語を作ったんだろう。

もともとの物語の正反対を行ってみた、というのが一番穏当な説でしょう。
女の子は心清く正しく美しく、戦うどころか何もしないで(「眠る」は究極の「何もしない」)ただ待っていれば、幸福が向こうから訪れる。
幸福をもたらしてくれるのも、魔女を駆逐して正しい世界に導いてくれるのも、男性優位社会。
今の世の中的には、どれは誰が見たっておかしい。間違っている。
だから、笑って観られる皮肉、アイロニーであれば、わかりやすい。

しかし、この映画は徹頭徹尾本気。(ですよね?)
そのテーマをあれほどはっきり打ち出したことに非常に不安定なものを感じるし、そのテーマ自体にいくつか疑問があります。

女性は「平和こそを何よりも重んじる」のでしょうか。

しかし、平和を愛するマレフィセントの国を守るために、必要なのは戦闘力でした。翼を取り戻したマレフィセントがカラスとともに繰り広げたのはまさに戦闘。なおかつ、ステファン王を許して悔悛させるという道は選ばず、突き落として殺した。そして平和が訪れてめでたしめでたし・・・なの?

それじゃあ、「戦国の世を終わらせるために」戦を続ける軍師官兵衛の理屈じゃないですか。つまり、男の正論。

>私には、この映画は北米インディアン悲史や映画アバターを髣髴させる物語であり、マレフィセントは男社会に対する女性の解放と台頭のアイコンまたは化身に見えます。

ああ、なるほど・・・・。

>平和こそを何よりも重んじる女こそがこの世 界を支配して、そろそろ男はカラスのディアヴァルの如くに、女の創る世界の忠実なサポートに徹し(略)

これが映画『マレフィセント』の主張だということは、認めます。
しかし、女がこの世界を支配し、男がサポート役に徹した方が、うまくいくかはまだわかりません。

称徳女帝に道鏡、清朝女帝の陰で宦官が力を持ったり、
また、確かに女帝になると戦争は減るような感じはするんですが、重税とか規制の押し付けとか過剰な人権(生き物・自然)保護とそれに対する過重な刑罰とか、政治におけるダーティーな側面は、戦争以外の形で現れるような気もする。

女が世を支配するようになったら・・・という一番優れた作品はよしながふみの『大奥』じゃないかと思います。家光、吉宗など優れた将軍(女)が現れ、理想的なサポート役の大奥総取締役(男)も現れる。赤面疱瘡によってバランスの崩れた社会情勢と必死で戦っている。
『大奥』では、女将軍も男将軍と変わらず優れたものは優れ、愚かなものは愚か。非常に女性に対して平等だと思います。よく女性に対してかぶせられる「ヒステリー」症状すら、男女同じくらいの割合で起こっている。
最新刊では男将軍が復活してますが、それは女帝の傀儡。この漫画の着地点には非常に興味があります。
もっとも『大奥』が結論にたどり着いたとしても、「女が政治を取った方がいい」が証明されることにはなりませんが、『マレフィセント』より冷静で周到に考え抜かれた作品になるんじゃないかと・・・。

ルパン・ザ・ドリーム(実写版『ルパン三世』感想)

September 11 [Thu], 2014, 14:17
期待度★★
満足度★★★★
おススメ度★★★★


実写版『ルパン三世』、観てきました。

もと小栗ファン母子ですから、当然見るつもりではあったのですが、ずっと前評判および、公開後の評判に小さくなっておりました。
オールド・ファンが星の数ほどいる国民的漫画・アニメ。
どう見ても「分が悪すぎる勝負」でした。

小栗君は心熱き演技派なのに、どうしてこんなに漫画原作ばかりやらされているのだろう。
『GTO』『花より男子』『名探偵コナン』『花ざかりの君たちへ』『クローズZERO』『宇宙兄弟』『獣医ドリトル』『岳』もちろんそうでないものもあるけれど、漫画原作の方が圧倒的に多い。
宇宙兄弟でもルパンでも、大泉洋の方がいい、と言う意見も多かった。宇宙は大泉だと思うけれど、ルパンビジュアルは小栗寄りでしょう・・。

普通は観る前に他人の感想は読まないんですが、この映画に関してだけは「辛抱たまらず」ちょっと読んでしまった。(鑑賞後は数多く読んだ)

最初は予想以上に悪評が目立っていた。映画評論家が100点中3点を付けたり、うろ覚えだけれど、「ルパンはあなたの大切なものを盗みます。鑑賞料金1800円です」「最低。みる価値なし」「ルパン映画と名乗らなければ許す」だの。まあ部分的にうなずかざるを得ない意見もありますが・・・・。

しかし、時間がたつにつれて、肯定的意見も増えてきた。
「どんなにひどいのかと思ってきたけれど、普通に面白かった」という穏当なものから、アクションやキャラクターを激賞したものも、原作にとらわれ過ぎずに雰囲気は生かした点をほめるものもあった。
また、ルパンを知らない若い層の、「すごく面白かった!!」「アクションカッコいい!」「小栗旬めちゃカッコいい!」という単純な意見も、とてもうれしく思う。

さて、私の感想を言うならば、
1、キャラクター、アクション、ストーリーなどなど、そんなにひどいわけではない。けれどものすごく良かったわけでもない。
2、自分たちの持てる力を出し切って誠実に一生懸命作られたことに好感を感じる。育てていきたい作品。


至極簡単ですが、上記にまとまります。
若干詳しく、以下に。

【ひどくはない。けれどものすごく良かったわけでもない】

(以下、そんなに罪作りなネタバレはないですが、いちおうネタバレ可能性ありです)


●小栗ルパン

体型、よくぞ仕上げたね!手足の細さ長さは原作みたい。
9等身で小顔で、針金のように細い手足、それが私的なルパンのイメージ。

私が一番心配していたのは、ズボンのお尻や太ももがパツパツだったらどうしよう、ということ。細いズボンにパツパツだったら、そこで一番幻滅しただろうから
(そこですか???そこなんですよ!!!)

ルパンに筋トレシーンはいらないし、ムキムキである必要もないと思うけれど・・・(五エ門にやらせといて)。まあ、それは映画の考え方だから許容します。

一番残念だったのは、頑張って痩せた結果もあると思うんだけれど、しわとほうれい線が目立ったこと。額に出るしわはルパンっぽい(モンキーっぽい)からいいと思うんだけれど、アップになるたびに口回りのほうれい線が気になって・・・・。若い頃の美しすぎる小栗君のビジュアルを思うと、もう少し美顔にも気を使ってほしいと思うのでした(スマン)

良かったのは、表情の多彩さ。
いいオトコの決め顔、余裕の「ニヤリ」顔。
「あらららららら」顔、お宝盗んで逃げるときのしてやったりの笑顔、横目でベロ出し顔。
上目づかいで「ん?」と見上げる顔(額のしわが良い)。
高級ワインを飲みまくる美味しそうな顔、タバコを煙たそうにくわえる表情・・・。
空気が薄まって苦し気になる顔や、金庫の中で気絶して目をつぶった顔にドキッとした。

今思いかえすと、いろんな小栗君の表情がキラキラ記憶に残ってる。アクションの多彩さとともに、映画を豊にしてくれている。引き出し多いね小栗君。
危うくコスプレ大会になるのを免れたのも、やはり主演に一番の功績があると思う。

アクションといえば、冒頭からまさかのバイクアクション。
長い足で盗品担いで逃げるシーン。個人で敵方に乗り込んでの格闘アクションもあった。
優雅な不二子との求愛アクションもコミカルだけどドキドキ。
要塞のような金庫を破る時の、マイケルとのハラハラアクションは手に汗握る。

特にカーチェイスの出来が良くてびっくりした!ルパンたちの小さなファイアットと、敵の乗った大きな黒い外車。ルパンの滅茶苦茶な運転操作が、車のアクロバティックな動きと見事にシンクロ。そして運転してるルパンが敵車に乗り移り、そこで激しいバトル。残された次元たちが「ブレーキ!」「アクセル!」とバタバタしてるのも面白い。そして車の屋根に乗っての五エ門の大立ち回り。
まるでアニメルパンを観てるみたい。実写でこのアニメっぽい、激しくありえなくバカバカしいアクションがやれることに、素直に驚いた。

性格付けは、まあ・・・7割オッケー。
いい加減でカッコつけでお調子者でものすごく頭が良くて、女好き。
これがもともとのイメージだとすると、宮崎アニメは私はあまりしっくりこなかった。ルパンが優しくていい人過ぎたから。
顔も、クールな無表情が決まっていてギャグ顔との落差が楽しい原作のルパンに対し、大口開けて笑っていて決めるときは熱血キャラになるアニメ版は、なんだか普通っぽくて残念だった。

今回の小栗ルパンは、やっぱりいい人で、不二子ちゃんに弱すぎる。アニメ版に近いのかな。
だから原作ファンにはちょっとだけ物足りないけれど、アニメファンのイメージはそんなに損なわれないかな。

大分前に読んだ漫画版ルパンでは、ルパンが不二子をも平気で裏切ることもあった。ルパンと不二子とのベッドシーンもあり、それもお互い策略づくだったりする。なかなかアダルトでビターでそれが痛快なんですよ。
その頃私はまだコドモで、見たこともない大人向けの絵とクールなストーリーにドキドキしたのを覚えてます。

それにしても、今に至までモンキー・パンチの画風は空前絶後。カッコいいんだよね。
今回の役者のビジュアルは、モンキー先生お墨付きの出来だとか。だから映画にも飛行機の乗客役で出演してくださってる。
(あ、山田優も1か所出てました・・・)

久々まとめてドラマの話(2014年7月期もう最終コーナー)

September 04 [Thu], 2014, 14:26

いつも一番多いドラマ関係の記事、ずっと書いてませんでした〜〜。
なにしろ8月、3記事しか書いてなかったんですね。こりゃさびれますわ・・・。

7月期はあまり期待していなかったせいもあり、いい感じに視聴本数が絞れています。(楽でいい)

序盤のドラマ感想の時、
http://yaplog.jp/kinoko2006kun/archive/1334「TBSが気になる」として、三本のドラマをピックアップしました。

そこは期待どおりでした。
視聴率はあまり芳しくなかったかもしれない。
けれど、観た人が感じた充実感は、TBSドラマにたいする信頼の回復につながったんじゃないかなぁ。

【ペテロの葬列】

驚愕の第一回の後は、ややテンポに問題があったかもしれない。
それでも毎回丁寧に描かれた登場人物の心理描写や、宮部作品らしく油断していると「あっ」と言わせる展開がみもの。
「悪(意)は伝染する」という、不気味なテーマが、淡々と描かれる。おだやかで冷静な杉村さん(小泉孝太郎)が、ここ数回静かに揺らいでいく様子など、大味な心理描写の多いドラマの中、かえってドキドキする。妻の菜穂子(国仲涼子)と間野さん(長谷川京子)の描写も、相当怖い。長塚京三演じる老人の凄絶な過去が明かされ、第二のバスジャック事件が発生。目が離せません〜〜!

【家族狩り】

こちらはもっとエグくて、衝撃的な内容で引き込むドラマに見えたかもしれない。
でもそれだけじゃいんですよ。天童荒太としては、『永遠の仔』よりこちら。
もう終盤で、意外な方向から真犯人が顔を出してきたのだけれど、中盤の「主演級の三人(松雪泰子、伊藤淳史、遠藤憲一)みんな怪しいといえば怪しいんじゃない?」と原作読みすら揺るがす上手い展開。画面がおどろおどろしくなく明るめに仕上がり、笑いすら入れてかつ戦慄させ泣かせる仕上げには感心した(レーズンパン・・・)。伊藤淳史、や認知パパと組んで明るい笑いを提供してくれたマイルドヤンキーのキスマイ北山君、評価高まりましたよ!

上記二本、本当によくできた連続ミステリードラマ。毎回こういうのが一本でもあるといいんだけどなあ・・・!「超豪華キャスト」で内容が貧弱な数多のドラマよりずっといいですよ。

【おやじの背中】

TBSのオムニバスドラマ。かなり期待していたけれど、バラツキが激しい。
素晴らしかったのは、
●第1回・・・田村正和+松たか子。岡田惠和脚本。映画みたい。香気もある。

なかなか好きだったのは、
●第5回・・・遠藤憲一×堀北真希。木皿泉脚本。さすがの木皿さん。
●第8回・・・大泉洋×子役。池端俊作脚本。
「今」を映してるからイイんだと思いました。

やや期待外れだったのは、
●第2回・・・役所広司×満島ひかり。坂元裕二脚本。
第1回が良かっただけに、ここでガクッと落ちたのが惜しい。マイ坂元裕二ブームがかなりはっきり終わった・・・・。
●第4回・・・渡瀬恒彦×中村勘三郎。鎌田敏夫脚本。
意図はわかるが共感が来なかった。そんな大声で喧嘩するかなあ。
●第7回・・・渡辺謙×東出昌大。山田太一脚本。
出だしに大いにそそられたけれど、あと何もなし。あちこち心理的に理解できない。

ただ、当たりはずれはあっても、ビッグネームが力を込めた作品というのは面白い。こういう企画はまたやってほしいなあ。日曜の夜にぴったりだと思うし。大御所には、連ドラよりこういう短編の方が力を発揮しやすいのでは?

【アオイホノオ】

これ面白い!面白い!面白い!

島本和彦の自伝的マンガが原作だけれど、なんというか、70年代末〜80年代前半の青春そのもの。
もちろん脚本は日本深夜ドラマの至宝、福田雄一さま!

思い込みの激しい「焔モユル」役の柳楽優弥、暑苦しい顔と演技がベストマッチ。
その他、浦井健治、中村倫也、ムロツヨシなど面白い面々が出てくるけれど、この人たちみんな「大阪芸大生」の役なんですよ。でもなぜかさほど違和感がないのはキャラが特殊すぎるから?

個人的に一番はまっているのは、なんといってもヤスケン(安田顕)!!将来の庵野秀明役なんですよ。思い込み天才のモユルと違い、庵野は間違いなく天才変人。ウルトラマンみたいなシャツを着ている。異様な行動や集中力が、「あ、こういう人だったんだ」と思うほど存在感があって。またパラパラアニメ課題を作ってすら、周囲との差は歴然という才能を見せつける。あのゴワついた中年面で、しっかり学生役に見える!

登場人物誰一人として、ステレオタイプな人間はいない。で、あれだけ変なのに全員リアリティがある!佐藤二朗も編集者役で登場し、ますます盛り上がる!

白井晃の美しき挑戦 『Lost Memory Theatre』

August 29 [Fri], 2014, 12:33

「音楽と芝居とダンス。ふつうはこの3つがそろうとミュージカルができます」(パンフレットより)というが、そうならない新しい試み、『Lost Memory Theatre』を観てきた。

「失われた記憶の劇場」?
観終わって思い返すと、まるでこの舞台そのものがロストメモリーのようだ。
まったく新しい試みであろうけれど、自分の記憶の中にずっと前からあって、ただ長いこと忘れていたかのような、そんな新しさと懐かしさを感じる・・・。

【白井晃×三宅純】

昨年の『ヴォイツェク』に続く、主演山本耕史、演出白井晃、音楽三宅純。という作品。
ヴォイツェクは(感想はこちら)は非常に後を引く、好きな作品だった。だから期待していた。

特に今回は、白井晃がKAAT 神奈川芸術劇場のアーティスティック・スーパーバイザー(芸術参与)に就任してはじめてのプロデュース公演である。
並々ならぬ意欲が感じられた。
白井晃が、三宅純の音楽に共鳴し、この演奏に演技とダンスを加え、誰も観たことのない「試み」に挑むという。

こちらも、『Lost Memory Theatre act-1』を繰り返し聴いて予習していた。
迷宮のような音楽世界に魅せられていた。それは「ヴォイツェク」のテーマ曲に共通する謎めいた雰囲気だった。
♪永遠は一瞬だって、一瞬は永遠だって・・・・

だからなんとなく、「抽象的な音楽劇」になるのかな、とか思っていたが、見るまでは想像はとても追いつかない。


★★★以下、「ネタバレ」はこの舞台には存在しないと思うので、そのまま書きます。★★★


舞台は、客席と舞台が同じ平面にしつらえられている。客席がやや丸くフラットな舞台を取り囲み、中央に上半身のトルソのようなマネキンが据えられ、左右にたくさんの鏡台が並んでいる。床面はチェスの盤面のようなチェッカー。正面の舞台は丸く縁どられ赤い緞帳が下りている。
客席から降りてきた青年(山本耕史)が、女(美波)や不思議な男(白井晃)やダンサー(森山開次)に出会い、舞台上の「Lost Memory Theatre」が本格的に幕を開けると、正面の幕が開き、そこにはびっくりするほど豪華な楽団スペースとなる。「舞台」には楽団しか乗っていない。オーケストラピットとか言う範疇ではない。

簡単にでも物語を紹介したいが、それよりアルバムに添えられた三宅の以下の文章の方が適切だろう。

>「特定の場所と深く結びついている記憶がある。その特定の場所が、予告も無く姿を消してしまう事がある。リンクを断ち切られた僕らの記憶は、どこに迷い込 んでしまうのだろう。どこかに失われた記憶が流れ込む劇場があったとしたらどうだろう?記憶を渇望するブレードランナーのレプリカントのように、そこには 記憶に焦がれた人たちが集まり、その記憶の疑似体験をしていく。
>そこで流れている音楽はどんなものだろう?過去にあった音楽そのものではなく、失われた記憶を喚起するような音楽とはどんなものだろう?」


その「失われた記憶が流れ込む劇場」に、迷い込んだ青年(山本耕史)を中心に物語らしきものはすすむ。自分の記憶だと思っていたのが他人の記憶であったり、迷いは深くなるばかり。そこで出会う女や老婆たちも、自分と同じく迷い込んだ人々なのか、自分の記憶や幻想であるのかもはっきりしない。

白井晃という演出家に関して、これまであまり明確なイメージを持って居なかった。
芸術性の高いマイナーな舞台を演出することもあるが、『ジャンヌダルク』などメジャーな演目をメジャーな配役で演出することもある。役者としても舞台、テレビ(『組!』の清川八郎で初めてこの人を知った)に良く出演するし、バラエティ番組にも出ている。

学生演劇出身なのに、野田秀樹や三谷幸喜などのような目立ち方はしない。
なんとなくクレバーでアートっぽいクールなおじさん(なんだか失礼な言い方でゴメン)というイメージだったかも・・・。

しかし、本作で彼のある「野心」がむき出しになったと思う。
「誰も観たことのない舞台」というのは惹句でも誇張でもなかった。

【ダンサーたち、役者たちについて】

私も正直なところ、観劇中はどうとらえてよいかわからなかった。セリフや意味はあるけれど、物語はどこにもたどり着かず、断片が散らばっているだけのように思えた。それでいて音楽的には非常に濃密な世界が空間を隅々まで満たしている。

ただ、わからないながら、わかろうとする努力は早々にやめた。
演技部分に関しては、舞踏(舞踊・ダンス)を見るようなつもりで見た。

するとダンサーはうまくはまる。四人の白い女性ダンサーは、本格的なバレエの技術で魅了してくれた。
彼女たちは、主に鏡台を倚りしろに不思議な世界を紡いでいた。鏡台を回して全面の鏡にし、舞台に鏡の映り込みを利用して舞台に何度も幻想的な効果を与えた。脇役であり黒子であり、意外に舞台を支配する主役にも見える。(私感)

森山開次は、怪鳥のように翼を広げ、長い髪を翻して楽団席とフラット舞台をバッサバッサと飛び回る。個人的には『サロメ』で見た彼の方が好きだが、今回彼は「芝居・音楽・ダンス」の三要素を柔軟につなぐ役割として場面転換に積極的に関わろうとしたという。
ただ、その雄弁すぎる「ありかた」が、少しだけ突出しすぎたような気もしなくもない。

役者たちについては、非常に難しい役割だと思ったのは山本耕史。
>舞台上に何もせず存在するということは、実はとても大切で難しいことなんですよね。(パンフより)
と言っている。一見耕史君でなくてもできそうな感じがする役だが、白井晃が彼に、というのは、やはり信頼する山本耕史にでなくては任せられない役なのだと思う。

ただ、ファン的視線で見たらフラストレーションがたまる感じがしなくもない。青年と一緒に当惑したまま終わりそう・・・。
また、純粋に舞台的な視点で見ると、ちょっと違うことを感じる。彼の得意なダンスもあるし歌も三曲くらいあるのだが、『ラスト・ファイブ・イヤーズ』や『オーシャンズ11』での歌とダンスに比べると、ここで彼が歌い踊る意味がよくわからない。
いかに歌もダンスもできる耕史君でも、専門の歌手やダンサーとの差は歴然なのだ。

女性役の美波も歌った。一瞬「やっぱだめ」と思うくらいだった。しかし彼女は最後まで歌うことはなく、楽団席からリサ・パピノーが立ち上がり、アルバムから参加している(つまりオリジナルの)楽曲を歌い上げた。役者の歌唱力不足だから最後まで歌わせない、という感じはなくて、歌いだしはストーリー上役者の声であるのが自然で、あとは音楽パートが引き継ぐ領分、という感じで流れが非常に良かったのだ。

だから・・・・耕史君も、さわりを歌いだしたら男声歌手に引き継いだらよかったように思う。(この辺は後でもう一度触れます)
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