山本夢小説  ホワイトデコレーション 

March 14 [Fri], 2008, 23:46
ホワイトデー。

俺はお返しとかするタイプじゃない。

去年も、一昨年も、その前の年も、返したことなんて一度も無かった。

・・・でも今年は。

今年はお前がいてくれるから。

ただお前に伝えたくて・・・。



――ホワイトデコレーション――



ホワイトデー直前の放課後

「夏煉さぁ、欲しいものとかないの?」

「は?」

私はいきなり何を言い出すのかとあたしは武を細目で見た。

「や、だから、欲しいもの・・・」

「ないよ、欲しいものなんか。」

武は続けた。

「俺が欲しいとか?それなら今日にでも家に来て・・・ごふッ」

言い終わらないうちにあたしの右ストレートが武の脇腹にヒットした。

「黙れ変態!!!!」

あたしは大袈裟に痛がっていた武を無視して部活へ行く準備をした。

「待てって。わりぃわりぃ、冗談だから。」

な?機嫌直せよという武に冷たく言い放った。

「本気だったら殺してるっつの。」

そういうと、教室を出て行こうとした。すると、また武にちょっと、と呼び止められる。

「何?今日から空手部地区大会に向けて練習忙しいんだけど。」

「や、好きな動物とか、何かなって・・・」

答えないと五月蝿そうなので、一応答えておいた。

「あんたみたいに馬鹿じゃない犬。」

武はぽかんとしていたけど、やがて笑顔を取り戻し、

「そっか!!わかった!!練習頑張れよ♪」

とあたしを見送った。

その日、珍しく武の待ち伏せが無かったので、変だなと思いつつ一人で帰宅した。



次の日の朝


「かーれん★」

げ、とあたしは露骨に嫌そうな顔をして振り向くと、やっぱり武だった。

「な、なによ、朝から気持ち悪い声だして・・・」

武はニコニコしながらあたしにこう言った。

「今日暇??てか、部活無いよな?家こいよ!!」

えー・・・とあたしは気の乗らない返事をした。

「絶対だからな!!来なかったら毎日部活後に待ち伏せしててやるのなw」

すでに毎日待ってんじゃん。でも行かなきゃ何されるか分かんないし…
仕方ないから行ってやるか・・・と、気の乗らない調子のまま一日が始まった。

帰りのホームルームが終わって帰宅しようとすると、校門で武が待っていた。

「帰ろうぜww家まで送ってくからさ、一緒に家行こうぜ!!」

どうせ断ってもついてくるんでしょ、というと、ご名答。という返事が返って来たので、
選択権が無いことを確かめた。

そしてたわいも無い話をしながら家に着くと、ちょっと待ってて、と荷物を取りに家の中に入った。

武が制服のまま来て。というので制服のままに出てくると、

「やっぱり俺、夏煉の制服姿すきなのな♪」

とか変態発言したので、軽くシメておいた。

しばらくして武の家に着くと、先行ってて、と武の部屋に案内された。
思わず、

「いつ来ても寒いよなぁ。」

とぼやいてしまうほど寒かった。武の部屋にはエアコンが無い。
だから電気ストーブなんだけど、帰宅して間もない部屋はとても冷え切っていた。

しばらくすると、自分の部屋なのに武がノックしてきた。

「ちょっと目ェつぶっててほしいんだけど。」

よく分からないが何かしでかそうとしているんだろう、と思い、素直にわかった、と返事をして
目をつぶっていると、武の入ってくる音がした。

いくらまっても全くあけろという指示が無いのであたしは耐えきれなくなった。

「何やってんの―?早くしないと寝ちゃうんだけど。」

ごそごそという音が止まり、出来た!!と武が声を張り上げた。

「よし、目ェ開けて!!」

あたしはゆっくり目を開いた。

すると、目の前にあったのは・・・

武が作ったと思われるチョコレートケーキと、おおきな犬のぬいぐるみだった。

「なに・・・これ・・・?」

あたしが露骨に吃驚していると、武は笑顔でいった。

「やっぱり。今日ホワイトデーなの忘れてただろ?」

「あ。」

そういえば妙にプレゼントの瞬間を見かけたような・・・

「バレンタインのお返し☆」

「だって、あれは義理チョコだし、あんたお返ししないって・・・」

しかも確実にあたしの作ったのより美味しそうじゃん。
なんか悔しい。

「犬、好きだって言ってたからさ。可愛いだろww」

ああ、それでか。って納得してる場合じゃ・・・

「だから、なんであたしにお返しすんのよ。他の子からも貰ってたじゃん!!」

んーわかんねぇか、やっぱ。呟くと、いきなりあたしの腕を引っ張って、武の顔が急接近した。

「!!??」

唇になんか柔らかいものが・・・ってこれはもしかしてもしかすると・・・

「これでもわかんない?」

あたしがぽかんとしていると、武はこうつぶやいた。

「付き合って欲しいのなー・・・。」

ん?今付き合えとかいったか??武が??いや無いだろう。まず無いだろう。
・・・でももう一回聞いてみようかな・・・

「・・・今なんて?」

あたしが尋ねると、武は笑顔で言った。

「夏煉が好きなのな♪キスもしたし本気だって分かっただろ???」

「キ、キ、キスだぁ!!??」

コイツ、何でこんな恥ずかしいことがいえんのか・・・馬鹿じゃないの!!??

「付き合ってくれる?」

う・・・そんな子犬みたいな目であたしを見るなッ///でも、あたし武のこと嫌だと思ったことは・・・
あるんだけど、いや、あるんだけど、心から嫌って言うか、その・・・

「あたしも・・・武が・・・・好き。」

ホントか!!??と武は飛び跳ねて喜んだ。

「マジ嬉しい!!ホンット嬉しい!!夏煉大好き!!」

「止めて!恥ずかしいんだからッ!!・・・わッ!!」

武がいきなり抱きついてきたのでバランスを崩し、床に倒れこんだ。

「夏煉可愛い♪」

「///黙れッ///」

あたしはいつものように武の脇腹に右ストレートをヒットさせて立ち上がった。

「変態!!!!」



帰り道。いつも傍にいる武が前よりもっと近く感じたのは…

…心の距離が近づいたから…かな?

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ホワイトデー特別小説。
一応設定は高校生。ぎりぎりセーフでホワイトデーのうちにUPできましたw
P R
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