おなご4 

September 03 [Sat], 2011, 0:04
『おなご』KIKO

おなご。

これは、一人の女の子の成長のお話です。

女の子は、泣き虫でおとなしくて、もの静かな子でした。

三人姉妹の長女で、名前は、みさ。

みさは、人見知りが激しく、小さい頃から、近所のあんちゃん達に遊んでもらっていました。

みさの家の近くには、同年代の子がいませんでした。

3歳から5歳くらい年上のあんちゃん達が3人ほど、家の近くに住んでいました。

隣のあんちゃん達は、遊ぶ時に、いつもみさを、誘ってくれました。

昭和47年くらいは、近所の大きな子が、小さい子を遊んであげる。

当たり前の事でした。

だから、みさも、小さい時から、当たり前のようについてまわり、一緒に遊んでもらっていました。


ある夕暮れの日の砂浜での、出来事です。

「落とし穴つくるぞ。」

あんちゃん達に、言われ一緒に穴掘りをはじめました。

でも5歳のみさは、しばらくすると嫌になってきました。

「みさ、ちょっと貝拾ってくる…」

そう言うと、穴掘りから離れ、貝を拾いはじめました。

小さい貝、大きな貝、白い貝…。

いろんな種類の貝を見つけました。

みさは、貝拾いが楽しくなって、時間がたつのも忘れていました。

しばらくすると…。

「みさきち。ちょっとこっち来い。」

「はぁい。」

貝拾いに夢中になっていたみさは、もう帰るのだと思い、あんちゃん達のもとに走りだしました。

「ぎゃーっ」

あんちゃん達は、大爆笑…。

みさは、落とし穴にはまりました。

あんちゃん達が、落とし穴を掘っていた事をすっかり忘れていました。

おまけに、けっこう深く掘ってあり、太ももくらいまですっぽり…。

小さなみさは、一人で出ることができずに、泣き出しました。

それを見て、あんちゃん達は、また笑っていました。

「早く出して…。」

「わりい、わりい…。」

二人に抱えられて、何とか脱出しました。

「せっかく作ったから、誰か落ちてくれないと、楽しくないからなぁ。ごめんな。」

あんちゃんは、みさのズックの中に入った砂を払いながら言いました。

「もう、泣くな。」

「うん。」

「そろそろ帰るか。」

みさは、泣きやむと、あんちゃんと家に帰りました。
P R
プロフィール
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  • アイコン画像 ニックネーム:kiko
  • アイコン画像 性別:女性
  • アイコン画像 誕生日:1967年1月5日
  • アイコン画像 血液型:B型
  • アイコン画像 現住所:福井県
  • アイコン画像 職業:会社員
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