アウトドアスポーツクラブについて説明&紹介

December 25 [Tue], 2012, 23:52
\どちらかといへば、大がらなからだつきに、北方系と思はれるブロンドの頭がちんまりとのつてゐた。白蝋のやうに、滑らかな肢体と、ソバカスの目立つ面長な顔と、深く窪んだ緑色の眼のほかは、どこといつて特別に人眼をひくやうなところはないのだが、性格的とも思はれるロマネスクな好みは、技巧的なもの言ひと相俟つて、男性の好奇心をそそるに十分であつた。
 しかし、当時、内海達郎は二十八、女はもう三十六であつた。三十二といふのが嘘なことは、彼女の持つてゐる居住証明書ですぐにわかつた。しかし、二度結婚して、一度は男の方から、一度は自分の方から別れたといふ話は事実らしい。いくらかの資産もあるのはたしかで、その点、内海達郎の負担は軽かつたが、金銭のことは非常に細かく、外で食事をする時などは、今日はどちらの番ときめるか、さうでなければ、めいめいに勘定を払ふことになつてゐた。芝居の前売切符を買つて来ると、一枚分は必ず彼に請求した。どうして生活全部の責任を彼に負はせないかといふと、自分は「細君でもなければ、メカケでもない」からで、ただ「アミ」なら贈物と招待以外は、男の世話にならぬのが原則だと言ひ張つた。が、彼女の真意は、むしろ、彼の留学費が二人を十分に賄へないことを知つてゐたからで、その証拠に、一緒に街を歩きながら、彼女の目についたものを買つてやらうとすると、
「いいわよ。あたし、欲しかつたら自分で買ふから……お金持ちでもないくせに……」
 と、言つて、断つた。
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