経営を強くするIT投資

March 09 [Sat], 2013, 20:00
強い経営基盤をつくる日常経理業務への IT導入


新事業年度のスタートに向け、社内体制を強化し業務効率の向上に取り組む企業も多い季節だ。
手作業や昔ながらのシステムを利用していた業務環境を最新のITに更新する際に注意するポイントは何か。

公認会計士の神門剛氏は、財務基盤強化のためキャッシュフロー経営実践を提唱し、経理業務の効率改善のためのIT化を推奨する。

国税庁の法人申告データによると、3月に決算期を迎える法人は、法人全体の約20%を占める。新事業年度を目前に控えたこの時期、社内体制強化と業務効率の見直しに取り組む企業も多いだろう。一方で、経営環境の変化が早い今日、組織や業務の見直しが間に合わず倒産してしまう企業も少なからずある。

 中小企業庁の統計によれば、2012年1月から12月の倒産件数は1万2124件。大半は販売不振や連鎖倒産などが原因だが、設備投資過大、売掛金回収難といった理由で倒れる企業もある(グラフ参照)。

「こうした企業は、キャッシュフロー(C/F)を適切に把握すれば倒産は免れたかもしれない」と指摘するのは、事業再生・再建に詳しい神門剛公認会計士だ。

同氏は、「特に中小企業が、過剰な設備投資で倒産するケースが少なくない。経営者は、既存設備・人員のキャパシティを見極めるべき」と述べる。

 設備投資の際に適切にC/Fを予測せず、資金回収がおぼつかないケースは珍しくないという。C/F経営とは、「営業活動」「投資活動」「財務活動」の三つの視点から現金の流れを読み、常に現金を手元に残していく経営だ。

 売上債権の回収時期を把握して貸し倒れを回避し、また、在庫の適正化によって売れ残りリスクの軽減を図ることができる。結果として先行投資にも力を入れられるようになるのだ。

ITによる効率改善は身近な日常経理業務から。
 しかし、C/F経営の重要性はいわれて久しいものの、実践はなかなか難しい。神門氏は、「経営者自身が先頭に立って、特に経理・財務部門の意識を変えることが重要」と言う。

 問題は、多くの企業で経理部門が日常的な経費精算に時間と労力を奪われていることだ。細かな数字の確認や集計、支払いなどの作業を彼らの手から離さない限りC/F経営の基盤は整えにくいだろう。

「こうした日常的な作業こそ、優先的にITでの運用に置き換え、経理部門はもっと企業の経営戦略に携わるべき」と神門氏は提言する。

 近年は、クラウド型の精算サービスなども提供され、導入のための投資やランニングコスト負担も比較的小さくて済むようになった。全社業務を統合する大がかりなシステムの導入は、付加したい機能が見えてきた次の段階で考えることも可能だ。

「数字に基づくマネジメントは経営の基本。しかし、実際のところ、できていない会社は多い」(神門氏)

 適切なITの導入で経理部門の業務を見直し、強い経営基盤をつくることは喫緊の課題だ。
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