先を見る目がまだあるなら
私が見えているのは崩れていく「なにか」だろう
どこか昔にポケットに入れたままにして無くしてしまった
一枚のコインの様に あの時は輝いていたような
今ははっきりと思いだせないが なにか大切なものだ
まだ防ぐ「腕」があるなら
私が掴もうとしているのは薄れていく「ソレ」だろう
過去に置き去りにしたはずのそれは 今を後を追い
今日も私の事を影から覗き 笑っているのだろう
今はソレを見ないフリをするのが一番の方法だ
まだ喋る「くち」があるのなら
私が言おうとしているのは喉から後少しの所まで出てきている
しかしあと一歩の所で飲み込み またその芽を育ててしまう
芽が枯れるまで待つか 己が枯れるのを待つか
只時間だけが切なく流れていくのだ
一昨日の自分が渡した思いを昨日の自分が伝えて
今日の自分が握り締めていた。はずだった
手に強く握ったはずが 指をすり抜けてどこかへ消えた
長い間遊ばれずホコリをかぶった人形と同じ目で
今日もまた 空っぽの気持ちで過ごしたのだろう
出来れば糸を切ってほしいが それは叶わないのだろう
イタズラに作られたのならイタズラに終わるしかない
糸が絡まり また放っておかれるのが運命なのか
糸が絡まり 解いてくれるのを待つのがその時なのか
今の私には考える余裕など とうの昔に忘れたのだから
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