少年メリケンサック

2009年02月14日(土) 20時20分


宮藤官九郎の初監督作「真夜中の弥次さん喜多さん」は
妙にツボにはまって、今でも大好きな映画なんですが意外や
劇場映画の監督は本作で2本目。
グループ魂でバンドも本格的にこなすクドカンが今回描くのは
中年パンクバンド!!
単純にオモロかったです。

ヴォーカルが田口トモロヲ(彼の若いときは銀杏BOYS
の峯田和伸!が演じる)にベースが佐藤浩市ににキム兄がギター。
ドラムがグループ魂のドラム&俳優の三宅弘樹の
バンドに篤姫・宮崎あおいがマネージャーの設定って
メジャーなのかマイナーなのか微妙な面白キャスティング。
どんなんだろう・・と楽しみにしてました。
「弥次さん喜多さん」も破綻したロードムービーでしたが、
本作もロードムービーでした。そうそうバンドは旅をしながら
ライブをやっていくからロードムービーにするのが王道なのかも。
かつて自分を大きくをときめかせた「ブルース・ブラザース」
がそうであったように。

音楽事務所の契約社員、栗田かんな(宮崎あおい)は
youtubeで「少年メリケンサック」なるパンクバンド
の映像を見つけて社長(ユースケ・サンタマリア)に
スカウトを命じられる。
探し出したバンドのベース、アキオ(佐藤浩市)は
映像とは全く別人の飲んだくれの中年だった。
かんなが見た映像は80年はじめのもの。先走った
社長が全国ツアーを先に決めてしまってたので、
もはや音楽とは遠ざかってるオリジナルメンバーを
集めるがバンドの音はグダグダ・・。

劇中宮崎あおいが「パンクなんてわかんないっス」
って言ってましたけど、自分もパンクって良く
判ってないほうです。パンク的なものは回りに
ころがってるんですけど・・飲み屋でぶっ倒れてる
バンド人間ははいっぱいいますし、自分とて人のこと
いってられませんし。

自分は再結成ライブはなんとなくあんまり好きじゃなくて
パンクじゃないけどストーンズや清志郎やヒロト
はずっと現役でだからやはりスゴイと思う。

鳴り物入りでセックスピストルズが再結成ライブを
武道館でやったときに、生中継をぼんやりテレビで
観てましたが前座のハイロウズがえらくカッコよくて
メインのピストルズがあまりにもグダグダ
だったのを覚えてますが、この映画の名古屋の
ライブシーンなんかまさにあんな感覚だと思いました。


でもこの映画のメリケンサックは実はお金のためでは
なくまたバンド始めてます。ここがグっとくるところ。
「今夜ライブやらなきゃどうにかなっちゃうんだよ」
「子供の頃大人に笑われて今はガキに笑われて、今さら
カッコつけてどうすんだ?」ってセリフとかはいいなーと
思いましたです。

ベースの佐藤浩市が「最近のバンドはどれも
ヌルいから俺たちに食いついてきたんじゃねーのか」
という場面とか、タイバンのギターポップ(ギター
は星野源がそれっぽくやってて笑った)のステージ
でメンチきって、ぐちゃぐちゃにする場面とかああいうのは
なんかスッキリする場面だった。
でも今のバンドは実際はカッコイイいいバンド多いです。
クドカンも百も承知でこういうシーンを作っていると思うなぁ。

話は単純で、かなり笑える映画だったけど
ちょっと残念だったのが
ライブシーンが意外に少なかった事とメリケンサック
グダグダだったのに3つ目のライブではもう上手く
なってしまってたこと。
演奏曲もほぼ1曲だけだったし。
バンド映画はライブシーンで最大の盛り上がりを
見せて欲しいですけど、その沸点を丁寧にどんどん
上げていってほしかったなぁ。

いや、多分メリケンサックのライブもっと観たかったんですよ。
曲ももっと聞きたかったし。
お客さんエンドロールでほとんど帰らなかったのは
皆もそういうの期待してたのかも。余韻に浸って
「守ってあげたい」を聴いていたかったのとは
違うような気がする。

役者陣はあおいちゃんは、交渉に行って佐藤浩市の
焼酎飲んだり、ライブから逃げ出して一人で居酒屋で
飲んだくれてたり、個人的に好感の持てるキャラでした。
篤姫と同時進行の撮影だったらしい。この触れ幅の
大きさはすごいよ。
佐藤浩市はなんでも上手ですけど、
これも意外やもんのすごいハマリ役でした。
三宅弘樹は最初、微妙にヘタクソなドラムをちゃんと
叩いててさすが!ドラムかなり上手い人です。

最近のクドカン作品ではおなじみの勝地涼と
田辺誠一がオイシイ役やってて、メリケンサックの
楽曲よりこの二人の持ち歌が場内でも一番
ウケてた気がします。
特に田辺誠一のテルヤ様は一番自分は笑ったなぁ。

ライブハウスの楽屋裏のあのチラシがベタベタはってあって
落書きいっぱいあってタバコ臭そうなきったない感じとか、
リハの時に「ギターさんおねがいしまーす」な感じとか、
ああいうのってあんまり映画に登場しないので
(ウソくさいのはあるけど)そこだけでも楽しかったし、
バンドやってる人はステージ上が輝いていればそれで
いい、そんなのがちゃんと描かれてるのが嬉しい映画
でした。

映画終わった後、後ろの席の夫婦が一言
「有頂天ホテル」に近い映画やったな。」「そやな」
・・・
全然違うやろっ!

kazuponの感想ー★★★★


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