世界最速のインディアン

2007年02月16日(金) 23時08分


いや〜この映画なんかいいですね。好きだなぁ。
結構ダラダラしてて冗長だったり、マイナス面もある作品なんですけど、
そんな事は全然気にならない幸せな気分になってくる
ロードムービー。

こういう人との関りあいの楽しさを描いた作品って元々好きなんですけど、
人の優しさって「決して見返りを求めない気持ちと行動」なんだよな
〜ってやっぱり思いました。
地元や旅の途上でいろんな人に出会うこの爺さんに対して、
その誰もがいつの間にか何らかの手助けをしてくれる。
勿論主人公バートの素敵な人柄があって、相手もすぐに心を開くんだとは思いますが、
彼を助けてあげるいろんな人々が決して押しつけがましくないのが、
ほんとに観ていて気持ち良かったです。彼らもまた素敵な人々。
人に対して自然体で接する事の素晴らしさを久し振りに思い出させてくれる
映画でした。

1960年代。
ニュージーランドの南端の町、インバガーギルで40年前に買ったバイクを
小さな小屋で独りで住みチューンアップしている老人・バート・マンロー
(アンソニー・ホプキンス)
彼の夢は地球の反対側のアメリカ・ユタ州のポンヌヴィルの塩平原で開かれる
「スピード・ウィーク」で長年連れ添ったバイク「インディアン・スカウト」
のバイクの最高速を試してみたいという事だけだった。
そして年金で貯めた資金を元手についに船便にバイクを乗せ、
初めてアメリカの地へと旅だつのだった。

このロジャー・ドナルドソン監督のフィルモグラフイを観てると
観た事あるのは災害パニック映画「ダンテズ・ピーク」のみでした。
「13デイズ」「ゲッタウェイ」(94年版)「キャディラック・マン」
とかタイトルは知ってるけど、何故かいつも鑑賞からハズして
しまってた映画ばかりズラリ(笑)
なんでも地元ニュージーランドで映画のモデルである実在の人物
バート・マンローに出会ってからずっと温めてきた企画だったとか。

不思議とそのバートという人が実際にそこにいるような
気分になって名優アンソニー・ホプキンスが演じている事を
忘れてしまうんですよね。訛りのリアルさは自分には判りませんでしたが、
こんなちょっと迷惑だけど憎めない爺さんって
実際いてそうだな〜ってのが、
見終わって考えるとやっぱり彼の演技はモノ凄いです。

実はクライマックスのスピードレースは時間的には短くて、
そこへ至る数日間をじっくりと描いている作品。
泣かせるような演出はあまり無い映画なんですけど、
結構何か所もウルって来てしまいました。

誰も見送りしてくれない旅立ちの日のコワモテの不良バイカーたちの餞別。
船の荷の扱いがテキトーで、壊れた荷をこわごわ開けるとバイクが無傷だった
事に子供のようにはしゃぐバート。
目的をすぐ理解し、ニッコリ笑って入国のハンを押す税関。
昨日会ったばかりなのに朝食をオゴってくれるオカマと
女装した男性なんて少なかった時代なのに全然気にしないバート。
田舎道でバイクを乗せた荷台が壊れてしまうと、最初に通りかかった車を
運転していたインディアンが助けてくれる。
全てが規約外でレース登録もしてなくて断られるけど、
彼の本気度が通じて出場が許され、とにかく死ぬほど嬉しそうに笑う彼。

良く考えたら地味ながらも奇跡の連続の作品ですが、すべてがさりげない描写。
イヤな人や意地悪な人がこういう映画だと展開として
出てくる事が多いのに、イヤな奴はボッタクリタクシーの運ちゃんくらいで
あとは性根の優しい人ばかり。それだとご都合主義だと思う方もいるかもしれ
ないんですが、そのどれもが決してやらしくない感じなんですよね。
誰も見返りなんて求めてません。「親切にしたほうがいいからする親切」
とはちょっと違う、とにかく自然な行為ばかり。自分にはちょっと
泣き所でした。

途中旅を一緒にする事になる兵隊の存在がベトナム戦争前だって事をイメージさせます。
人が多分今よりも少しおおらかだったのかな?っていう
雰囲気がすごく伝わってくるんですね。いろんな
規則もあるけど、その前に一生懸命な人には尊敬の念をまず持つという。
日本なんかでも都会に行けばいくほと他人には無関心かもしれないし、
なるべく面倒な事にはかかわりあいになりたくない人が大半かもしれません。
こんなめんどくさそうなオッサン(笑)に往来出会ったら、自分はこんな風に
自然に接する事が出来るのかな?とちょっと考えさせられました。

「夢を追う」とかちょっと気恥かしい言葉が当てはまるような
内容になりがちですが、このバートはそういうのともちょっと違う感じなんですよね。
とにかく最高速を出す事しか考えていない・・
それ以外のものは頭にないという感じ。
念願の塩平原に到着いて思わず涙するバートにもらい泣き。
誰でも子供の頃や若い頃に好きなものがあって、でもいつの間にかなんだかんだ勝手に
理由つけて止めちゃったり忘れる人がほとんどだと思うんですけど、こんな風に
心は18歳のまま?でいられる事っていいなぁ。
バイクじゃなくても、好きなものが何かある人は「(映画とかファッションとか
なんでも)共感出来たり羨ましく思ったりする点が多いんじゃないかと思います。

上映館も少なくてもう終わっちゃうようなんですけど、
地味ながらも爽快な映画で、機会があったら観てほしい作品。
ドライブしててエンコしてる車がいたら、何も考えず助けてあげなきゃな!って
ちょっと思いましたね。そんな事考えてる時点でいや〜まだまだですね。(苦笑)
とにかくすごく元気を貰えた映画でした。

kazuponの感想ー★★★★

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