ワールド・トレード・センター

2006年10月07日(土) 23時30分


オリバー・ストーン監督作品はちょっと苦手です。
いつもゴリ押しメッセージが多い印象があるんですけど、
911に実際にあった事実を再現したこの作品は、いい意味で
ストーン監督らしくない印象。
期待してなかった分、なかなかいいと思いました。
先日公開された「ユナイテッド93」は事実を淡々と描く
作品でしたが、この映画は主人公二人と家族の感情メインで
描かれていて対照的な作風だと言えます。
なんとなくパニック映画の救出劇の部分を引き伸ばした感じかも。
テロやアメリカの軍事介入とか、そういう事を意識しだすと
キリが無いでしょうけど、そこを外して考えると良く出来た救出劇
なんだと思いますけど、なかなか割り切って考えられないですよね。

2001年9月11のニューヨークの朝、二機の旅客機が
ワールド・トレード・センター(WTC)に立て続けに衝突。
湾岸警察の班長ジョン(ニコラス・ケイジ)は部下を引き連れて
救助活動に向かうが、直後に大きな衝撃と共に瓦礫の底に
生き埋めになってしまう。
数人の部下の声を確認したのも束の間、すぐに第二の陥落が
始まり、結局生き残っているのは部下のヒメノ(マイケル・ペーニャ)
だけのようである。大きな瓦礫に挟まれて
全く身動きが取れない二人は声をかけあうが
長い時間誰にも気付かれない。

最近、テレビで上の階からの救出途中にWTCが崩壊して
奇跡的に助かった警官のドキュメンタリーを放送してて、
その話かと思ってたら違ってました。

冒頭のなんでもない1日の始まりを淡々と映し出す描写が印象的。
誰もその数時間後に街全体を覆う悪夢が起こるなんて
思ってないんですよね。

この二人が助かったのかどうか知らずに映画を見たのは
入り込めて良かったのかもしれません。
ただ、映画の大半は瓦礫で身動きとれない状態の警官二人の会話と
安否を気遣う家族の描写を交互に描いていくため、
ちょっと予測がついてしまう印象がありました。
家族の部分はちょっと長すぎかも。
特に前半は誰が誰の家族なのか判りにくかった気がします。
あと、中盤から登場する元海兵隊の登場も、唐突に登場するので
この人が彼らを見つける人なんだろうなって判ってしまうし、
そこからが長いというか、はやく見つけてあげてよ!って
思ってイライラしました(笑)

閉じ込められて、偶発的に何度も瓦礫が落ちてくるのは
ほんとに怖いと思います。
あの「もう死んでしまう」と覚悟してお互いに声を掛け合う
シーンがリアルで印象に残りました。
でもヒメノ本人のインタビューでは「映画はなかなかリアルだと
思ったけど、実際はあの100倍くらいの恐怖があった」
とか・・。うーん現実にはあんな生易しいもんじゃないんでしょうね〜。

不謹慎だけど、あの神がペットボトルを差し出す夢のシーンとか
ちょっと笑ってしまいました;;なんだかヘン。
「クラッシュ」の修理員役でも好演していたマイケル・ペーニャって
チンピラっぽく見えるけど、家族思いの性根のいい人の役が似合いますね。

こういうの観てると、よくニュースとかで、崩壊現場とか
夜なので救出活動難航のため、一旦中断して翌朝から・:・とか
聞くときがあるので、とりあえず中断してはいけないもんなんだ
ろうなぁって改めて思います。
多分、崩壊から数時間はもっと生存者いたんでしょうね。
運命とは奇跡をもたらす事もあるし、残酷な面もあると思います。

全然関係ないけど、俳優のスティーブ・ブシェミって元消防士で、
すぐかけつけて、延々と救出に参加していたってエピソードを
思い出しました。

あの海兵隊員の描き方が興味深かったです。
英雄的な描写じゃなくてどちらかというとちょっと変わった男
として描かれていますよね。
でもそういうヘンな信念を持った人が「キケンだから止めとけ」
っていうのを潜り抜けたことで助かった人もいたっていうのは
実際の所なんでしょうね。
彼はエンディングのテロップでその後イラク戦争に志願して戦ったとか。
神の啓示だとかで身内の命を救ったのに、また命を奪いに
行ってるんですよね。
その辺にアメリカの矛盾を感じます。

もちろん助かった二人の命は尊いと思いますけど、
アメリカって軍事介入で別の国の罪の無い人を何人も
瓦礫の下敷きにしてると思いますから、やっぱりそういう
犠牲者の苦しみを描く映画が無いとフェアじゃない気がどうしても
してしまうんですよね。
ハリウッド製のこういう映画を見るといつも思ってしまう
部分なんですが・・。

kazuponの感想ー★★★

official site
http://www.wtcmovie.com/

日本公式
http://www.wtc-movie.jp/top.html
  • URL:http://yaplog.jp/kazupon/archive/419
2006年10月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
profile
kazupon
映画の感想を中心に大好きな音楽の事や、どうでもいい話もテキトーに綴っております。
感想はネタバレ確実にしてますのでご注意を!
たまにdrummerもやってます。
コメント&TB大歓迎ですが、
最近忙しくTBはマトモにお返し出来ず申し訳ありません。

http://yaplog.jp/kazupon/index1_0.rdf
Yapme!一覧
読者になる