クラッシュ

2006年03月07日(火) 23時41分


いつ観ようかな?って間にアカデミー作品賞受賞かぁ。。
オスカー中継はやっぱりNHKに戻して欲しいな。
別所哲也さん込みでお願いします!
とはいうものの、「シカゴ」「ビューティフル・マインド」「アメリカン・ビューティ」
等、何故か作品賞受賞後に観た作品は個人的に「そうかなぁ」って
映画が今まで多かったんですけど、これはなかなかいい映画だと思いました。
アカデミー賞って現場の人が選ぶ賞ですし、多くがLAに住む会員にはとても身近に
考えられる内容なんでウケたのではないでしょうか。
様々な人たちがロスアンゼルスの街でそれぞれに小さな「衝突」を
起こしている断片をモンタージュ的に見せていきます。
こういう心理群像劇はポール・トーマス・アンダーソンの
「マグノリア」を思い出しました。
観終わった後、色々と考えさせられる内容で、
書き終えたら他の方の感想を読むのがとても楽しみ。^^


「ミリオンダラー・ベイビー」の脚本で脚光を浴びたポール・ハギスは
初監督作でいきなりオスカーですが、さっき調べたら1953年生まれなんですね。
作風から勝手に若手だと思い込んでました。
人には多面性があって、善人や悪人として括らないのがこの映画の大きな特徴。
あの「透明マント」のエピソードは最初「いいセリフ書くなぁ」と
じわっとした場面だったんですけど、
その後でもう一つの父娘(あれはアラブ系コンビニ?)を対比させて
「娘の父に対する優しさ」と「娘=天使=妖精のマント」を上手くからめた素晴らしい伏線
だったのには感動しました。
「ミリダラ」のストーリーの根っこもそうだったけど、
街の底辺にいる人へのやさしい眼差しがある監督だと思います。

観終わった後ぼんやり、映画の中核となっているアイテム
「銃」と「差別」(というより偏見の方が近いかな?)をとっぱらったら
どうなるかなぁとムダに考えると、当たり前ですが映画にならん!(笑)
LAの生活ではおそらく切り離せない?上記の二つがある事で「クラッシュ」
が起こってしまうんですね。

↓下に続きます
チンピラ黒人青年が「世の不公平」について延々と嘆くセリフが印象的ですが、
実は逆に様々なキャラクターを特別扱いしない公平な描き方。
「前から怖そうな黒人が二人歩いてきた」だけで過度にビビって目をそらす
女性と、そらされた側がどう思っているかの両方を描いているんですよね。
強引に尋問する警官の心理と、される側の苦痛も。

キャストの中では知名度の高い3人、マット・ディロンとサンドラ・ブロック、
ブレンダン・フレイザーが3人ともかなり嫌な奴ともそうともとれない
キワキワの役を演じているのが面白かった。
特にマット・ディロンはかなり難しい役を見事に演じてたと思います。

そのディロン演じる警官は、前半で最低の差別主義者に見えます。
そして相棒のライアン・フィリップは正義的な考えの人、とまず
ステレオタイプ的な印象を与えますが、観客がそう決め付け始めると
意外な展開が待っています。
警官の尋問セクハラなんて女性は最高に許せない卑劣な行為だと思うんですが、
偶然事故にあった彼女に出くわすと今度は命がけで助けようとする彼。
そしてチンピラを親切で車にのせてやった相棒のほうはというと。。

ここは、この映画のテーマを象徴している部分だと思いました。
監督に「どう思うこういうの?」って聞かれてる気がします。
自分は人が本来「良心や正義感、優しさ」があるはずなのに、
意識的、無意識の差別意識も別の次元にどこかにあって、
気持ちや状況ひとつでどっちにその針が触れるかが変わってしまうというか。。
とても難しいです。
みなさんはどう思われたでしょうか?

この車の「クラッシュ」と天使のマントのエピソードは映画の中でも
死に直面する大きなクライマックスですが、
一触即発で死んじゃうようなシチュエーションが積み重ねられるのに、
実際に死んじゃうのは一人だけっていうのも興味深いです。

LA遊びに行った時に「パトカーに頭をつけてホールドアップ状態」
は自分も目撃した事が何度かあるんですが、
常にポケットに銃を隠し持ってるかもしれない!と思われてて
ヘタに動いたら撃たれても文句言えないなんてやっぱり嫌だなぁ。

あと、地味ながらもマーク・アイシャムの音楽は良かった
ですね。冒頭のタイトルバックはゾクゾクしました。

ポール・ハギスはクリント・イーストウッドが日本でロケしていると噂の
"Flags of Our Fathers"(日本タイトルは「父親たちの星条旗」とのこと)
の脚本にも参加しているようですね。

追記
イーストウッド最新作は日本側「硫黄島からの手紙」と「星条旗」
は米国側からの両方の視点で描く二部作らしいですね。
日本側は渡辺謙が主演だとか。
「クラッシュ」で銃をつきつけられた側とつきつける側の両方の心理を
公平に描いたハギスなので、どういう仕上がりになるのか興味深いです。

kazuponの感想-★★★★1/2

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日本公式
「クラッシュ」

Crash (2004)@imdb

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