拘束のドローイング9/金沢21世紀美術館

2005年08月04日(木) 21時18分


暑いですねー!今金沢におります。

しばらくご無沙汰してたんで、全く知らなかったんですが、
兼六園の近くに「金沢21世紀美術館」という美術館が
出来てるんですね。近未来的なデザインで、SF映画に出てきそうな
シンプルなデザインセンスの建物。

ただ今、マシュー・バーニー(Matthew Barney)の作品展、
「マシュー・バーニー 拘束のドローイング展」
が開催されていましたので行ってみました。



詳しくはこちらを↓

http://www.kanazawa21.jp/barney/exhibit.html

 "Studio Voice""Swith"等の雑誌の最近の号で多数大々的
に取上げられているようなんですが、
このマシュー・バーニ氏は
ビヨーク(Bjork)の現在のパートナー。

「拘束のドローイング」とは、自由を奪って束縛することを
表現手段として作っているアート作品群。その展示と、
マシューとビヨーク主演による同名映画の上映も併設の
シアターで上映というものでした。
ビヨークは全編の音楽も担当。

拘束するアートっていっても様々なようで、体を縛り付けて
引っ張られた上体で書いた絵とか、トランポリンで飛び上がり
ながら天井に絵を書くとか、結構そういう奇抜なのもあります。
アート音痴の僕ですから、こういう
パフォーマンス・アートってイマイチ馴染みが無いので
すが、この金沢21世紀美術館の特徴を生かしているのか、
真っ白な大きな空間に展示された作品、例えばクライミングで
かなり高い所で書いた絵だけがだだっぴろい空間に存在して
いるのなんてはなかなか斬新なものだと感じました。



映画はその作品群の9番目の作品ということで
「拘束のドローイング9」
というタイトルがつけられております。

上映前に2時間半!というのを
知って、こういうアート系の映画なんで死ぬほど退屈
するかも!と覚悟して見ましたけど、ちょっと観たことの
ないような映画だったかもしれません。長かったし、
映画の出来としては??な部分もありますが
さっき展示を見た彼の作品の一部なんだと
思いながら、あっという間に終わってしまってました。
とても地味な映画ですが、不思議に心にひっかかる作品。
トラウマっぽい感じというか。

↓下に続きます。
何故か日本の捕鯨船の中で、白人男性と女性が茶会に
招かれる、と同時にその舟の甲板では鉱油でオブジェが
作られている様がどちらも、そこまで描写しなくても!
という位淡々と、延々とフィルムは見せていきます。
ドキュメンタリー風で、ぼんやり見ていたら、最後あたり
でかなりショッキングな展開になって驚きます。
鯨の恋愛と茶会の一期一会の精神をミックスした
アイディア。茶室って狭いですよね。また船も狭い空間。
その揺れる船のさらに狭い茶室で西洋人男女が
和装して茶会したあと、お互いの足を鯨刀で切り始める!
ってとても独創的な発想だと思います。
アメリカ人の日本文化観のヘンな部分が見え隠れ
する部分もありますけど。

和の世界で男女が心中もどきの行為をするという展開は
なんとなく鈴木清順監督の大正浪漫3部作、特に
「陽炎座」あたりと共通する「和の不思議」を感じる
映画です。
そういえば以前金沢でロケした「夢二」を
この近くのドームシアターで観たのを思い出しました。

後で資料を読むと、冒頭に丁寧に化石を贈り物として
丁寧な日本式の梱包をする場面のバックに流れる歌
(これはビヨークではなく男性が歌ってます)の歌詞が、戦後
マッカーサーに日本人女性が捕鯨再開を許可した
事に対するお礼の手紙の文面となっているそうで、
これは正直字幕が欲しかった。
(それを知っているかどうかで作品の理解度が
変わってくると思いました)

注目度的に東京で開催されるような内容のイベントを
金沢で開催するってのは素晴らしい事だと思います。
なんでも、21世紀美術館のディレクターがマシューと
親交があり、今回の企画に発展しているそうですね。
劇中に登場する茶会の亭主も金沢の茶人の方だとか。
(このシーンは実はニューヨークのセットで撮影したらしい)
金沢はこういうアートの展示には雰囲気が
合うもんだなと感じました。

あ、この映画、一般公開するのかどうか判りませんが、
かなりショッキングな描写が出てくるのでデートムービーに
はオススメしません(苦笑)
でも考えてみたら「ダンサー・イン・ザ・ダーク」
に次ぐビヨークの主演・音楽の映画なんだよねこれ。
彼女は日進丸の撮影や、劇中の阿波踊りの場面
には写ってないけど同行していたとのこと。
日本にしばらく滞在してたんですね。

観終わってしばらくしても、何故か映画のイメージが
浮かぶ不思議な映画でした。印象は弱くて強い。。
そんな感想なんです。


この作品展、10月からソウルで来年6月からは
サンフランシスコで開催の予定で、金沢は8月末までです。
もしこれから行かれる機会があるようでしたら、
映画に登場するモチーフの展示がかなりあるので
映画を先に観てから展示をご覧になるのをオススメします。
なかなか金沢まで行かれるのは難しいかもしれませんけど;;
とてもいい街ですので観光を兼ねてどうですか?


kazuoponの感想(映画のみ)ー★★★

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コメント
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>みどりさん
千葉から金沢まで日帰りされたんですね!他のエントリ読ませていただきましたよ。。うわーよく眠くなりませんでしたね;;そんな状態で僕ならこの映画爆睡してしまうかもしれません。。。そうならない魅力がどこかにあるんでしょうねー^^
2005年09月04日(日) 21時54分
みどり
観る前は2時間半もあるから寝てしまうんでは・・・と心配したのですが見始めると映像・音楽が興味深く少しも長いと感じませんでした。金沢まで行って観た!というせいもあったかもしれませんが、とても不思議な映画でしたね(^_^)
2005年09月04日(日) 8時43分
>みどりさん

おぉぉぉ!行きましたか!スゴイ行動力!
不思議な映画でしたよね!普段劇場で観る作品とは
一味もふた味ももう何味も!違う映画で冗長に見えながらも
心に残る作品でした。
金沢いい所です!春は桜が綺麗ですし、冬は雪が積もって
また風情がありますよ!
2005年09月03日(土) 18時40分
こんばんは、kazuponさん。
思いきって行ってきました!金沢21世紀美術館へ。
「拘束のドローイング9」は、うーんと思うシーンもありましたがけして嫌いな映画ではありませんでした。展覧会に映画、マシュー・バーニーの世界を堪能してきました。TBさせていただきますね。
金沢はいいところですね・・・またいつかゆっくり回ってみたいところです。
2005年09月03日(土) 1時21分
>みどりさん

お久しぶりです!
みどりさんはアートお好きなんですよね。
最近の雑誌で多数表紙にもなってましたし(美術手帖とか)
行きたいモードに拍車をかけてしまいましたか?
千葉ですか、行かれる機会が出来ればいいですねえ
という自分はおもいっきり仕事にからめて観に行ったんですよ。(苦笑)金沢は好きな街なんです。
2005年08月12日(金) 21時46分
こんちは、kazuponさん。すっかりごぶさたしてます。
この展覧会なんといかれたんですね!私もいきたいとずっと思ってたのです。チラシは見るし、NHKの日曜美術館で少しだけと
紹介されてましたし、極めつけは雑誌の特集記事。kazuponさんの記事を読んだらますます行きたくなってきました。
25日までですね。千葉県民の私ですが「行きたいモード」が高くなってます・・・。
2005年08月11日(木) 12時33分
>ART遊覧さん

こちらこそありがとうございます^^
上記に挙げた雑誌に、長谷川さんの撮影ルポが載っていましたので、こういうグローバルなコーディネイターがいるんだなぁと思って興味深く読みました。
僕が行ったのも仕事のついでの平日でしたので、地元の方や
海外の方が観に来ているような感じでしたよ。
あの場所は片町や香林坊に近い所で、兼六園もそばですし、
立地はとてもいいですよね。今年数ヶ月前にも金沢に来てたんですが全く気付きませんでした。
外の芝生がとてもきれいで、建物にマッチしたいい所だと
思いました。
2005年08月10日(水) 7時24分
TBありがとうございました!
とても丁寧なレポートで、情報を共有しあうことができてうれしいです。金沢には長谷川祐子さんというキュレーターがいまして、長谷川さんは水戸芸術館や世田谷美術館を経て、イスタンブールビエンナーレのキュレーターも務めた内外で活躍している方です。もちろんいろいろな人の力が合わさってのことだと思いますが、金沢から国際的に開かれている状況があり、また観光客のみならず金沢市民のなかでも集客を挙げています。
むしろ東京の方が実現困難かもしれない。
すごいことです。また、長くいても気持ちのよい美術館なんですよね。
2005年08月10日(水) 2時37分
>紅玉さん

金沢いいところですよ!街は都会で、古い部分もあって、
なんといってもお魚とかが美味しい!(笑)
Studio Voiceとかって背伸び雑誌って自分も同じです(笑)
映画や音楽で好きな人が取上げられると買っちゃう時あるんですよね。
ビヨークが好きなので観に行った方が多いと思いました。
モチロン自分もそうなんですが、そういう軽い気持ちで観たらカウンターパンチ食らわされたような、観たことの無い
映画だった気がします。
この夫婦、普段どんな会話してるのかなぁなんて思っちゃいますね。常人とは考えてる事が全然違ってそうです。。;;
紅玉さんは関東でしょうか?中々金沢は簡単に行ける所では
ないかもですが、ワザワザ足を運んでもいい所だと思ってます。^^
2005年08月07日(日) 16時38分
kazuponさん、こんにちは。金沢いいですねー、行った事ないんです。憧れです。
ところでマシュー・バーニー展、なんだか不思議かつちょっとマニアな世界が展開されてるようですね。 "Studio Voice""Swith"等の雑誌ってとこに引っかかってしまいました。昔、背伸びして時々買ってた雑誌です。(^O^)
ビヨークのパートナーなんですか、奇才は奇才を呼ぶって感じですね。彼女一人でも十分独特な世界ですからね・・・。

それにしても金沢ってちょっとかっこいいですね、こんなアートスペースがあるなんて。印象変わりました。

2005年08月05日(金) 17時02分
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