バッド・エデュケーション

2005年04月27日(水) 19時55分


「海を飛ぶ夢」に続きスペイン映画。ペドロ・アドモバル監督の最新作。
観終わった直後、正直言って「うわあ!コレはちょっとキツかったかも!」
と思ったんです。、
でも後になってじわじわ映画の事を考えてしまう、不思議な作品でした。

「オール・アバウト・マイ・マザー」「トーク・トゥ・ハー」の最近の
作品で彼の作品に興味を持った方は少し面食らうと思います。
自分もそうでした。
好きか嫌いかというと「うーん」と言ってしまう作品なんですが、
衝撃度は高いです。そして相変わらず絵がキレイ!
ある意味地味だった「海を飛ぶ夢」とは対照的な映画。
映画監督が主人公ですし、アドモバル監督がゲイだっていうのを
聞いていたので、そういう意味では自身を投影した作品に違いありません。

80年代、映画監督エンリケ(フェレ・マルチネス)のオフィスを
イグナシオという青年(ガエル・ガルシア・ベルナル)が訪れる。
彼は16年前の神学校で親友であり、初恋の相手でもあったが、
風貌が変わっていて戸惑うエンリケ。
イグナシオは自分達の少年時代の物語を脚本にし、
彼が監督する映画でその主人公を演じたいと訴える。
その内容は、少年時代に神父から受けた性的虐待を告発する
自伝的なものだった。

現実場面の後、劇中で製作している映画の撮影部分が
回想シーンのように描かれます。
当初戸惑ってしまったんですが、映画の後半になるとさらに
違う時間軸が挿入されるので、ハッキリ言ってややこしかったです
(自分だけかな?)
さらに、かなり露骨な同性愛のシーンも出てきます。
そんなにどぎつくは自分は感じませんでしたけど。

この映画がゲイとか、少年期の性的虐待とか、
そういうハードな要素が主軸にありつつも、謎解きの要素を入れた
娯楽映画として作ったのではないかとも思えました。
監督はひょっとしたらこういう感覚が普通と思ってるのではないかと
感じられる程。
そのアンバランスな感じが作風として独特な印象を受けるのかな。
ただ、肝心の謎解きストーリーはかなり陳腐に感じました。

↓下に続きます
劇中の物語を「復讐」のために書いたとイグナシオは言います。
僕には最近京都で起こった新興宗教の教祖の性的虐待事件が
思い起こされましたけど、
いい大人が権威を持って少年期や少女期の子供に大きな悔恨を残す、、
そこから彼らの人生が大きく変わってしまうのを顔が割れるように
ビジュアル化したシーンは結構ショッキング。

この映画、主人公がどれだけ中性的な魅力を出せるかが大きなポイント
だったと思うんです。ガエル君はちょっと微妙かなー。
瞬間ではとてもキレイに見える所もあったけど。
むしろ、イグナシオの少年期を演じていた少年が、いかにも儚げな
感じを上手く出していて、とても印象に残りました。
(上のポスターの少年)
「コーラス」よろしく神父の前で歌うシーン等は映画の中でも秀逸な場面。
美しいけど、悲しいシーンです。

同性愛に関しては特にどうこうという気持ちは全く無いんですが、
こういう内容って、共感出来る人にしか判らない
秘密の感覚みたいなのがあるような気がしてしまうんです。
実際はそんなもの無いのかもしれないんですが;;
でもゲイの監督が撮る映画が、女性が観ても魅力的な男性を描ける
ケースも多いのかなと最近の「オペラ座の怪人」(ジョエル・シュマッカー監督)
なんかを観ていると思ったりします。

ゲイで儚げな男性像というと、色んな映画を思い浮かべてしまって、
例えばウォン・カーワイ監督の「ブエノスアイレス」のレスリー・チャン。
また、レスリーのベスト作だとも言える「さらば我が愛、覇王別姫」も子供時代の
京劇学校の親友をレスリーが想い続ける、いわばゲイ的要素の強い映画でした。
チェン・カイコー監督も確かそっち系らしくて、
この映画にも少し似たスピリットを
感じたんです。何故中国語圏の映画を思い出すのかなあ(苦笑)

スペイン映画ってほとんど詳しくないんですが、
主演のフェレ・マルチネスが最近観たばっかりの「オープン・ユア・アイズ」
あの親友役やってたのに気づきませんでした(笑)
また、「トーク・トゥ・ハー」の主役ペニグノ役のハビエル・カマラが
ドラッグクイーンやってたり、植物人間の美少女をやっていたレオノール・
ワトリングがどうでもいいような端役で出てましたね。

それぞれのシーンはとても色彩設計に気をつかってて、衣装もお洒落でした。
イグナシオの服はゴルチエがデザインしているらしいですね。

彼の作品は僕は色彩の強さ、特に「赤」の色がいつも目に迫ってくる感じが
します。

kazuponの感想ー★★★1/2

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