ロング・エンゲージメント

2005年03月13日(日) 12時05分


予想以上の力作で満足しました。とにかくどの場面をとってもムダな画面が
無いと思った位、全編の画面の美しさは特筆もの。
「アメリ」のジャン・ピエール・ジュネ監督が10年も前から暖めていた
企画だとか。
「アメリ」が大好きな人には、オドレイ・トトウが主役だとはいえ
ある意味違うタイプの作品です。
でも気に入るんじゃないかな。愛への信念についての映画ですし。

ブルターニュ地方の小さな海が美しい村。
第一次世界大戦、少し足の悪い女の子マチルド(オドレイ・トトウ)の
大好きだった幼なじみの恋人マネク(ギャスパー・ウリエル)
が戦地に送られていく。
彼は、村へ帰りたい為に自分の手をワザと被弾させるが、それがアダとなって
同じ罪を犯した4人の戦犯と共に処刑兵となってしまい、その後戦死したとの伝え。
マネクの生存を信じて疑わないマチルドは、そのビンゴ・クレスピュキルという
戦地で起こった事実を自ら解明しようとする。

「自分の意思に関係無く、戦争に送られてしまった兵士達」と、
「戦争に彼らを奪われてしまったその恋人や、家族たち」の物語。
月並みですけど、他の戦争映画と同じように
戦争がいかに多くの人生に大きな影を落としてしまうものなのかを
考えさせられる映画でした。でもこれって重要な事だと思います。

主人公マチルドの村の描写。とにかくで美しいんですよね。
必ずジュネ作品には登場する御馴染みドミニク・ピノンはいつもの変
な役(笑)じゃなくって、今回は良いおっちゃんの役。彼の妻と郵便局員の
のどかなやりとりはどれも観ていてほっとするシーン。
それとは対照的に、派手な戦争シーンは無いけど、
戦地の極限状態、、爆弾がそばに落ちてくる恐怖とか、死と隣合わせの
恐怖が痛い程伝わってくる。
海沿いの村がのどかで美しいからこそ、戦地の悲惨さが観ている観客たちに
つらく突き刺さってきます。

そんな中で個人的にはマネク役ギャスパー・ウリエルが、戦地でも
儚く、無垢な感じが出ていて天使のような存在に見えました。
マチルドが思い続ける存在にはぴったりだったと思います。

↓下に続きます。
総予算がどれ位で作られたものなのかは判らないけど、
例えば、未亡人役のジョディ・フォスター(出てるの知らなかったよー
しかも端役!)が登場するシーンなんかは
パリの野外マーケットの俯瞰から始まるけど、わずか数十秒
なのに豪華に見える事!

全編そんな感じでどのシーンをとってもとても
美しい練り込まれた構図と豪華な映像だと思いました。
「アメリ」もそうだったけど、ほんとにキレイな絵が作れる人
だと思います。

演出も今までの作品とは違って、かなり正攻法に
やっている印象を受けました。
とはいえ、彼らしい、CGを上手くつかった幻想的な部分も多く
残っているので、監督のファンは満足出来るでしょう。

個人的に残念だったのは、
マチルドの捜査の中で登場人物が語られていくんですが、
人数が結構多くて、誰が誰かとても判りにくかった部分。
理解力の無い自分がアホなのかもですが;;;
、、、後半、謎がどんどん判って行くにつれようやく
登場人物の全容がつかめてきました。
最初あれ?それって誰だっけ?ってなってしまったんです。
そいえば「ポンヌフの恋人」のドニ・ラヴァンが出ていたのも
あとで知りました。判らなかったわー;;;

音楽もデビッド・リンチ作品でしか知らなかったアンジェロ・バダラメンティ
がこんな壮大なスコアを書ける人だとは知らなかったな。
あの「ツイン・ピークス」のテーマの印象が強かったんで。。失礼。

オドレイ・トトウってとっても個性的な女優ですよね。
正直、「アメリ」の印象を引きずっている部分も若干感じました。
あの映画も自分の疑問点を勝手に解釈して探偵のように動く
映画でしたけど、今回の役柄もそういえば近いといえば近いし、
なんせあの個性的な顔立ちですから、同じ印象になってるのは
仕方ないのかなあ。
監督もこの作品がハイバジェットなんで、出来るかどうか判らなかった
から、同じ女の子が探偵のマネゴトをする小品にして作ったのが
「アメリ」だったのかなあなんて想像してしまいます。でも、
女優の不思議な存在感で映画が成り立っているのも彼女ならでは
な気がします。まだ僕もこの2本しか観てないので
違うタイプの役をやっている彼女を観てみたいな。

スケールが大きく、何度も言うけど画面がとてもとても美しいので
劇場の大スクリーンで観て欲しい映画です。

kazuponの感想ー★★★★

フランス公式サイト
http://wwws.warnerbros.fr/movies/unlongdimanche/


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