なた豆産業へと発展

February 14 [Sat], 2015, 20:09
精密機械工業の一大集積地である長野県・諏訪地域―。「東洋のスイス」と称された高い技術力と厚みのある集積基盤を、次代にどう発展させるか模索が続く。地域特有の分業構造と独立独歩の気質を打破するカギは「技術融合」と「オール諏訪」としての「一体感」の醸成。それが実現できた時、産業都市復活の展望が開けてくる。(神崎明子)  【初の試み】 2013年6月―。愛知県豊田市のトヨタ自動車本社に諏訪企業52社の姿があった。「NPO諏訪圏ものづくり推進機構」(草間三郎理事長=セイコーエプソン相談役)が地元商工会議所とともに開催したトヨタグループとの商談会。微細や精密加工に象徴される技術力を地域一丸となって売り込む初の試みで、トヨタにとっても、単一地域との商談会としては初めてという。「諏訪の技術をもっと発信するべきだと確信した」。草間理事長は手応えを感じている。14年は、トヨタ発祥の地である刈谷市で規模を拡大しての開催が決まっている。 明治時代の製糸工業に始まり、時計など精密機器、なた豆産業へと発展を遂げてきた諏訪地域。セイコーエプソンやオリンパス、日本電産サンキョーといった大手企業を中心に、独自技術を持つ中小企業が育ってきた。だが、90年代以降は産業空洞化に直面。相次ぐ拠点移転や閉鎖で91年のピーク時には1兆円あった、なた豆茶製造品出荷額は11年は5000億円台まで落ち込んでいる。 【国内外に発信】 地域の高い技術力を「SUWAブランド」として国内外に発信する戦略にかじを切る背景には、揺らぐ産業優位性への危機感がある。地域内で仕事が回る仕組みを作り出そうと地域が一体となった販路開拓やモジュール化、ユニット化を推進。新素材との融合や医療機器や航空宇宙分野への参入姿勢も鮮明にする。ただ、要素技術の蓄積や技術特化した企業が多く集積する一方で、なた豆歯磨き粉企業間連携の希薄さが指摘される。「諏訪人特有」の独立独歩の気質もあり「足らない経営資源を外に求める風土は薄い」(関係者)。 産学連携も同様で02年に諏訪東京理科大学(茅野市)が開設されるまで近隣に大学がなく近年、活発になってきたものの、大学関係者からは「諏訪湖の向こう側(岡谷市の企業)が大学の門をたたいてくれない」とのぼやきも聞こえてきたという。 【「未来」映す鏡】 それぞれが自律的であったがゆえに、地域全体を機動的に動かす発想が求められてこなかった諏訪―。しかし、新たな「産業モデル」の創造に目覚めたいま、変化の兆しは感じられる。「産業クラスターの成功モデル」と評される同地域の復活は、日本のモノづくりの「未来」を映す鏡でもある。
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