筋違い角をまがって 

June 20 [Wed], 2007, 1:08
 
 本当はさみしくなんかないくせに
 
 弱ってみせるのは作戦です。


 これっぽちの見込みもないのに

 微笑む貴方は残酷です。


 まわるまわる、

 勘違いだと

 気付いていますか


 くるくるくるくる、

 目的地は
 
 あっちでしょう


 遠回りも、甚だしい。


 ちからを込めれば掴めて仕舞う、

 貴方の、その手、を

 握ればいいだけ。

 

stay 

May 17 [Thu], 2007, 0:58
 
 たどるには優しすぎる指が

 もどかしくも欲しいのです。


 待っている

 待っている


 あなたの言葉を今日も明日も


 こわくてしかたがない時分、

 お年頃だとわらってください。


 呼んでいるのを知っているのに

 あなたの気持ちはみないふりです


 強がりなんて綺麗ゴト

 弱虫なんて気のいい言いワケ


 だから私は待っています

 あなたのことばと

 その指先を。


 

 

会話形式屋上編 

March 01 [Thu], 2007, 2:47
 
 「うまくいかない。どうしても無理」

 絶対おかしい、と彼女が言って
 屋上の風の方向が変わる。

 西が東へ。

 昼休みはもうとっくに終わった。
 学校の平穏さは作為的で
 首を絞められるよりなお緩慢に
 ゆるゆると酸素は奪われていく。

 澄み過ぎた空も、
 今はただただ、眩しいだけで。

 「ねえねえねえ、好きな人と上手く話すのって、どーすればいいの」

 あっけらかんと、そんなことを言う。
 変化球をしらないのだろうか。彼女は。

 にやにや笑って、風に髪が踊る。

 「さあ、どういうこと?」

 「私さー、人と話すの好きなんだけどね、
 でもね、話す相手が意中の男性ってなると話は別で、
 頭痛くなるし沈黙は埋まらないし
 視線が気になるしマイナス発言多いし最悪」

 彼女はフェンスに体重を預けて、わらった。
 確かに、対人関係に於いては、
 百戦錬磨の表情だった。

 「そういうもんだろ、」

 「恋愛は?」

 人の言葉を奪っておいて、
 わざわざ問いかけるそのずうずうしさに
 腹が立つ。

 「さあ」

 どうだろうね、とだけ付け足して
 そっと目を瞑った。

 光はまぶたを通り越して
 淡い輪郭を放つ。
 美しいとは思わないが、
 綺麗だ、とは考えられる。

 「じゃあさ、恋愛マスターは、どーするの?」

 「は?」

 「意中のオンナノコを、どう口説くの、」

 彼女のにやにや笑いが透けて見えるようで
 少し腹立たしい。
 だから、「デートにでも誘うかな」なんて
 上滑りなアドバイスだけ口にした。

 「無理だって。マトモに話もできないのに」

 「それを乗り越えてこそ、次に進める」

 「次って、どこ」

 「どこでも。お好きに。恋愛に型はない」

 「強引でいろってこと」

 「強引かどうかなんて、個人の価値観だろ」

 「知ってる」

 「個人と個人が付き合うんだ。摩擦くらい我慢しろよ」

 「はァ、うそ臭い」

 がしゃりと音がして、
 彼女が動いたのがわかる。

 「嘘かどうかなんて。恋愛感情だって、所詮」

 「マガイモノ?」

 再び言葉を奪われたが、
 その豪快さが、いっそ清々しい。

 「そーかもねー。まーいいかーなー」

 間延びした声が近づいてきて、
 気づいたときには遅かった。

 手首を、誰かにつかまれた。

 もちろん、
 犯人は

 「じゃーさ、デートしてください」

 目をようやく開けたが、
 そこにあるのはにやにやとした
 陰鬱な笑顔でなくて、

 「君と話すのは苦手だよぅ。
 頭痛くなるし沈黙は埋まらないし
 視線が気になるしマイナス発言多いから」

 でも次には進みたいんだよね、
 と言って人の両手首を奪う。

 破壊的だね、君は

 そんな風な意味の言葉が唇からこぼれたが、

 恋愛に型なんてないんでしょ、よ
 身も蓋も無く返されただけで終了。


 ああ、上手く話せる自信なんて、
 僕にもない。
 
 
 

斜陽 

February 13 [Tue], 2007, 3:42
 
 「怖いんじゃないのか?」

 風が鳴った。
 夕日がゆれる。
 酷い音だ。

 「何が?」

 彼の問いかけに問いで、答えて
 僕は虚空の音に身を任せた。

 「だって、明日だろう君が死ぬのは」

 ここでは死ぬ日が決まっている。
 生まれたときに、既に告げられる命日。
 
 限りある命を精一杯生きるために、
 このシステムは必要なのだ。

 昔はこんなものもなかったらしいが、
 そんな世界を、僕達は知らない。

 橙の光が網膜を傷つけていく。

 「ああ、そうだ」

 僕は明日死ぬ。

 「怖くないのか」
 「さあ、どうだろう」

 袖で目元を覆った。
 懐かしい匂いが鼻を掠めた。

 「かなしいのかもしれない」

 僕はそんなことを口走った。
 わかりもしないのにそんなことを。

 彼は「そうか」とだけ呟いて、
 明日は晴れるみたいだね、と。
 
 
 

tokun tokun tokun 

February 06 [Tue], 2007, 0:55
 
 きこえますか

 きこえますか


 わたしの心の、それは音です。

 かすかに震える収縮が、大きく脈打つ心音です。

 血を廻るのは、あなたの声です。

 管を駆けて、わたしを造る。

 その声がやけに、心を揺らす。

 
 きこえます

 きこえます

 
 あなたの声が、ただただ響く。


絶対不可侵テクノロジー 

January 07 [Sun], 2007, 3:52
 
 
 かんたんだかんたんだかんたんだ。

 たったこれだけ十六文字
 たったそれだけの文字配列

 ただオヤユビに力をこめて
 あのひとに伝えればいいじゃない

 ぼくのことばを電子に換えて
 ゼロコンマいち秒で届ければいいじゃない

 かんたんだかんたんだかんたんだ。

 かんたんすぎて息がつまるよ
 空気つかんで、ごまかしてしまうよ

 こんなにのたうつぼくの姿を
 あなたには知られたくないのです

 きよくただしくうつくしく
 あなたのまえでは装いましょう

 かんたんだかんたんだかんたんだ。

 ぼくがふるえているなんてそんなこと
 きづかないことにすればそれでおしまい
 
 
 
 

つきに吠える 

December 31 [Sun], 2006, 1:36
 
 学校をやめた。

 この場合、
 辞めたというべきか止めたというべきか
 表記に迷うところだが、
 とりあえず僕は学生ではなくなった。
 これは、事実。

 
 教科書類はすべて処分しよう。
 そう胸にかたく誓いながら
 僕はベランダから冷たい風のふきぬける
 そんな空間をじっと見ていた。

 こおお、と鳴った空気は空に吹き上がる。
 その先には月がある。
 乱視まじりの僕の目は
 月の光を濁って見せた。
 目をこらしても、霞は消えない。

 こおお、こおお、

 音だけ派手な空気の流れが
 僕の肌を痛めつけて空へかえる。

 こおおん、こおお
 
 僕は突然ながら、
 不安という奴が襲ってきたのかと思った。
 世界のすべてに、
 拒否と否定を言い渡されたのかと思った。

 孤独、とはこういうものかもしれない。

 神経を蝕み腐らせ、あるいは甘く痺れを注ぐ。
 ひとりきり。
 このまま世界の切れ端で、
 風化し流れて月へ向かう。
 月には兎がいるのだろうか。
 それともどこにもいけない漂流物が
 重なりあって腐っていくのか。

 ただ、
 僕はそこに行くにはまだはやいと思った。
 それだけが、
 僕が孤独でないという
 僕がひとりきりでないという、
 か細いながらも静かに確かな
 証拠になるのだ。
 そうだ、僕はまだそこには行かない。
 
 こおおん、こおおおおん 


 教科書は処分しよう。
 この酩酊感にかたく誓って
 僕は月を見上げた。


 目には見えないその輪郭が
 風といっしょにゆれる気配。
 
 
 
 

はじめに 

December 24 [Sun], 2006, 18:29
 
 このような辺境にようこそ。

 このばしょは、管理人からころによる
 ひとりよがりなブログです。
 小説とか、詩とかで構成されています。

 お口に合わなければ申し訳ありません。
 ただ、もし気に入っていただけると、
 とてもうれしいです。

 

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