ダイアン・ワルシュ先生に一番影響を受けたのが、私の場合はコンテンポラリー、特にアメリカの作曲家、ジョージ・クラムでしょうか。
去年NYでは、このジョージ・クラムの作品が何かと取り上げられ、カーネギーのザンケルホールでも、ご本人がいらっしゃってレクチャーをされたりと、演奏を聴かれた方も多くいらっしゃると思います。
そのジョージ・クラムの作品を初めて聴いたのも、やはりワルシュ先生のリサイタルでした。
鍵盤だけでない、ピアノの可能性・・・・音が持つ幻想的でマジックのような世界。実はピアノの「鍵盤を弾く」ということに、正直なところ飽き飽きしていた私に、ピアノの内部演奏からの新しい音の世界に、本当に魅せられてしまいました。新たな音楽との出会い、先生には本当に感謝しています。
ということで、私のマスターズの卒業リサイタルのプログラムとエッセーにも、ジョージ・クラムの作品「A Little Suite for Christmas, A.D. 1979」を取り上げました。リサイタルでは、内部演奏のため、パンプスを履いていると、立ったり座ったりの動作が大変なため、なんと裸足で行いました。他のプログラムを弾くときは、靴はちゃんと履いていましたよ
アメリカの音楽大学は、1年に1度、大きな実技試験があるのですが(Juryといいます)、マスターズのJuryは30分と長いのです。そこでも、このジョージ・クラムの作品を演奏することに。
内部演奏のため、事前にピアノの弦にシールを張ったり、クレヨンでマークをつけたり・・・という作業が必要です。そのため前日から、許可を得た上で、試験会場の2台あるピアノのうちの、あまり使われない1台の方に、その作業をしていました。
そうしたら、他の先生が血相を変えて飛んできて「あなた、ピアノに何をしているの

」と(笑)
事情を説明してやっと理解してもらえたのですが、ピアノの内部を触るということは、確かに理解されることが難しい、ということも実感しました。
とはいえ、こういう新しい音も、絶対に演奏していかなければならないと思うのです。まずは聴いてほしい!!と思うのです。